ゆっくり愛で小ネタ72 ゆっくりとお兄さん

男が山を登っていると草むらからガサガサと音がする。
「ゆっくりしていってね!」
そう言いながら飛び出してきたのはゆっくりれいむ。極めて普通のゆっくりだ。何度か山で出くわしているお兄さんの顔なじみである。
「はいはい、ゆっくりしていきますよ」
「ゆっ!」
お兄さんはしばらくれいむとゆっくりしていった。

かれこれ1時間ほどゆっくりしていたられいむの腹(どこにあるかは不明だ)が鳴った。
「ゆぅ、おなかがすいたよ……」
「そうかい、餌をとりに行かなくてもいいのかい?」
「いつもはそうしてるけどおなかがすいてうごけないよ……」
実際かなり動きが緩慢としてきている。本当に動けないんだろう。
「それは困ったね、ならお兄さんが持ってきた柿を食べようか」
「ゆゆっ、おにいさんありがとう!」
こうして、お兄さんとれいむは柿を一緒に食べた。柿を食べ終えた後、れいむはふとした疑問をお兄さんに聞く。
「おにいさん、なんでれいむたちにはにんげんさんのおかしとかをくれないの?
 れいむのおともだちはにんげんさんからおかしをもらったことがあるっていってたよ」
「俺が渡さない理由はだね、君達がお菓子にとりつかれてしまうからなんだよ」
「ゆゆっ?とりつかれる?」
「うん、君達はお菓子を食べるとそれしか目に入らなくなることがあるんだ」
「どういうこと?」
「いままで食べてきた草さんや虫さんをあまり美味しく感じなくなっちゃうことがあるんだ。
 皆がみんなじゃないけどね、君達が今まで食べてきたものとは違うからそうなることが起こるらしいんだ」
「それはこまるよ!」
「だろう?毎日俺がここにお菓子を持って来るわけも行かないからさ、
 大丈夫かもしれないけど俺がやったお菓子が原因でそんな目には合わせたくないからね」
「ゆっくりりかいしたよ! くだものさんもあまいしおいしいよ!」
「そりゃど~も」

それからもうしばらくしてお兄さんとゆっくりは別れた。

後書き
また小ネタです……。
ある意味、野生動物に餌をやらないでください、という話をゆっくりに理解させるのは話が通じるぶん楽なのかもしれません。

以前書いたもの・ゆっくりゆーぎ


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最終更新:2008年11月24日 18:57