ゆっくりもこうを飼おう その2



ゆっくりもこうを飼い始めて2日、私はもこうの生態に関する説明書を読んでいた
このゆっくりのおかげで家が少し温かくなったので(友人はプラシーボ効果だと言うが)嬉しい
反面問題もあった
どうやらもこうはまだ子どものため炎を上手く調整できないようだ
昨日文々。新聞が投げ込まれたときにもこうが持ってこようとしたのだが咥えたときに燃えてしまい
ちょっとしたボヤ騒ぎになった(被害は新聞だけなのだが
その一見でもこうは落ち込んでしまいケージの中で塞ぎ込んでいる
私は気にしてないよというのだがどうやら相当ショックだったらしい
ゆっくりの自尊心が気づいたようだ
今は燃えやすいものは極力もこうの手の届かないところに置いている
一応食事は取っているので安心だがどうすべきか
この説明書によるともこうは中々難しい子とある
おもちゃにも見向きもしないためお手上げ状態だ

友人に相談したところ自分の飼ってるゆっくりと遊べばいいと言われたので連れてきてもらった
この友人はゆっくりらんを飼っている
最近子どもができたらしい
「「ゆっくりしていってね!」」
友人がらんとその子どもを連れてきた
が、何故からんとちぇんである
「稀にらんからはちぇんが産まれるらしいんだ。他にもかなことケロちゃんからさなえが産まれたりもするらしい」
なるほど。しかし、一匹だけとは。ゆっくりは一度に4~7匹くらい産むと思っていたのだが
「それは植物型にんっしんっ!だな。他の動物みたいに自分の体の中で成長させる動物型もあるんだよ」
「と言うことはおまえのらんは」
「そういうことだな」
どちらが産んだのかはさておき、そう言う生み方もあるのか
ちなみにちぇんはと言うと初めて見るもこうに興味津々のようである
「わからないよー。らんしゃま、しらないゆっくりがいるよー?」
「ちぇぇぇぇん。ゆっくりもこうだよ、ゆっくりできるゆっくりだよ」
らんは意外と物知りのようでもこうを知っているらしい
これならうち解けてくれるのは早いだろう
「わかったよー。ゆっくりできるならちぇんとあそぼうよー」
ちぇんは人なつっこくどうやらもこうとも気軽に接してくれるようだ
対するもこうは昨日のショックで気分が乗らないらしい
ちぇんがほっぺをスリスリしてくれているのだが浮かない顔をしている
そこで私はらんの方を見やる
自分の子であるちぇんを溺愛してるらしくちぇんのことをどのゆっくりも褒めてくれる良い子だと思っている
親バカである
「希少種のらんとかよく飼えたな」
「おまえだってもこう飼ってるだろ」
たしかにそうだが
「ちょうど山に入ったとき偶然な。怪我してたみたいなんで連れて帰ったら懐かれちゃって」
なるほど…そういうわけか
「わがらないよぉぉぉおー!」
「ちぇぇぇぇん!!?」
その時だった
ちぇんが叫び声を上げる
らんもそれに反応する
ちぇんをみるとほっぺが…燃えてる?!
「らんしゃまああああ!!!」
ちぇんは親であるらんの元へと飛び込む
幸いほっぺに軽く火が付いただけだったのでらんが器用に9本の尻尾で火を叩き消す
火が消えたあとはらんにほっぺをぺろぺろなめてもらい傷を癒やすちぇん
私も慌ててオレンジジュースをやる
ゆっくりにオレンジジュースをやると回復する
一口飲ませただけで回復する辺り凄い
「ちぇええええん!」
「わかるよー。あつくないよー!」
子どもの無事にらんは涙している
やっぱりゆっくりでも子どもは大切なんだなあ
もこうはと言うとおろおろしていたがちぇんが無事なのを見てホッと一息
だが、らんがそれを許さなかった
「よくもちぇんをいじめたな!」
素早くもこうに詰め寄り体当たりをおみまいする
体格差、成体のらんとまだ子どものもこうでは分が悪すぎた
もこうは部屋の隅から隅まで飛ばされた
「らんしゃまあああああああ!!!」
もこうが宙を舞うのを見てちぇんは更に衝撃を受けて声をあげる
らんはその声が声援に聞こえたらしくもう一度体当たりをかける
「ゆ…っくり…」
もこう種は実は他の種と比べて打たれ強く丈夫。
他のゆっくりならば既に虫の息だろうが少し怪我をした程度ですんでいる
「てんこー!」
そこに追い打ちを掛けようとするらん。
「らんしゃまぁぁぁぁ!!!」
それをちぇんが渾身の体当たりを仕掛ける
まだ子どものちぇんであるがこの時は凄い勢いだった
大人のらんを吹っ飛ばしたのだ。
しかし、勢いを付けすぎて自分も吹っ飛ぶはめになったが
「らんしゃま!もこうはちぇんのおともだちだよ。わからないのー?」
「もこうはちぇんをいじめたゆっくりだよ!」
「ちがうよ!ちぇんがスリスリしすぎただけでもこうはわるくないよう!わかってよー」
ちぇんが涙ながらに訴える
私達はと言うといざという事態に備えて取り押さえる準備とオレンジジュースを用意していたのだが
「わからないよー。ちぇんのおともだちをいじめれるらんしゃまがわからないよー!」
「ちぇぇぇぇん…」
流石のらんもちぇんの見幕に押されている
「ちぇんはわるくないよ!もこうがわるいんだよ!」
それを見かねてもこうも口を挟む
「もこうがまだほのおをうまくつかえないからわるいんだよ!ちぇんはわるくないからゆっくりゆるしてあげてえ!」
もこうも泣きながら悪いのは自分だと訴える
ちゃんが泣いているのは見たくないようだ
「てんこー…」
流石にこうまでされてはらんも怒るに怒れない。というよりも怒る理由が無くなる
「てんこー、ふたりはなかよしさんだね。これからもちぇんとあそんであげてね!」
ともこうの頭をゆっくり特有の舌で撫でる
そして
「ごめんよーちぇん。らんがわるかったよ!もこうとゆっくりあそんでね!」
ちぇんともこうに笑顔が戻った
「「ゆっくりあそんでいくね!」」
ここでおもちゃの出番だ
ボールを投げてやると二人は楽しそうに追いかけ回している
やはりゆっくり同士で遊ぶのは楽しいようだ
「一時はどうなることか思ったよ…」
「けど、俺の言う通りゆっくりのことはゆっくりが一番分かってるだろ?」
内心冷や汗だったが確かにもこうが元気になったよかった。
「ごめんよらん。うちのもこうがちぇんに怪我させちゃって」
私はそう言ってらんの好物である油揚げを一枚やる
「てんこー。こどもどうしがあそべばけがもするよ!ちぇんがいいっていったからもういいよ!」
「そうか。ありがとな」
頭を撫でてやるとらんは照れくさそうにしているが嬉しいみたいだ

そうして夜になり友人は帰っていた
ちぇんともこうはもっと遊ぶと言っていたがらんが「またあそべる」と言ったら素直になった
友人を見送ったあと俺はもこうに餌をやった
色々あったが今日は有意義な日であった
「偉かったぞもこう。おまえは友達思いだな」
頭を撫でてやるともこうは
「おにいさん、しんぶんさんをもやしてごめんなさい」
と言ってきた
ちぇんの一件で何か心に変化があったのか
「あぁ、大丈夫だよ。けど、次からは気をつけような」
と言うと元気よく「うん!」と返事をしてくれた

ゆっくりというのは悪くない
そう思えた日だった

ゆっくりもこうを飼おう その2


  • ちくしょおぉぉ ゆっくりを売ってる店は無いのかあぁぁ(しかも千円とかwハムスターかww -- 名無しさん (2008-12-09 13:22:07)
  • 最初のほうのらんしゃまの「ちぇぇぇぇん。」にニヤニヤが止まりません。普通に呼びかけるときもそんな言い方なのかwあー、しかしらんしゃま飼いたい… -- 名無しさん (2008-12-19 07:10:23)
  • 希少種と通常種の価格の差に吹いた -- 名無しさん (2010-06-12 15:12:53)
  • 可愛いは正義。種族とか関係ない。 -- 名無しさん (2010-11-25 17:39:38)
  • さなえはマイエンジェル -- 名無しさん (2012-07-26 19:47:56)
  • らんとちぇんのカスさよ…
    希少種バンザイ♡ -- フランは俺の妹 (2013-02-17 19:55:03)
  • うおもこたんかわええ…現実にゆっくりいたら絶対もこたん飼うんだ… -- みいあ (2014-09-17 11:40:37)
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最終更新:2014年09月17日 11:40