テケテケと走ってきた白黒の服を着た子供は問いかけてくる。
「おにいさん、おほうきもってない?」
な、なんだこの三角帽子を被ったちみっ子は!?
イヤ待て、このややこにくったらしい笑顔の奴と言うと……
「おまえ、ゆっくりまりさか?」
「そうだよ!!」
ま、まさかまりさにも体付きが出るとは……。
まぁ、もしかしたら自分達が見てないだけでいたのかもしれんが。
「だけど、なんでほうきなんかが欲しいんだ?」
「ほうきさんがあるとまりさがゆっくりできるからだよ!」
……かの白黒魔法(砲)少女は箒に乗って空を飛ぶという、もしかしたらその形質なんだろうか……。
私は家にあった古いほうきをまりさにあげることにした。
「ありがとうおにいさん! これでゆっくりできるよ!!」
まりさは喜んでパタパタと森の中に走っていった。
しかし、どんなところで暮らしているんだ?と思った私はこっそり付いていってみた。
付いていった先には小さな廃屋があった。多分ここが散策路だったころの名残だろう。
親兄弟が見受けられない辺り、一人で住んでいるようだ。
家に入ったのを確認して、窓(幸いにも割れていなかったので防寒性は高いと思われる)から覗いてみる。
「Zzz……」
箒を抱きかかえて幸せそうにまりさは寝ていた。
「あっという間に寝てるよ……」
私は家に戻り
古くなった毛布をとってきてこのまりさにかけて今度こそ帰った。
あのまりさは空を飛ぶ夢でもみているのだろうか。
今度会ったら聞いてみることにしよう。
- うふ、うふ、うふふふふふふふ -- 名無しさん (2009-01-03 10:10:20)
- GJ! -- 名無しさん (2009-01-17 00:01:29)
- かあいい -- 名無しさん (2010-12-07 18:17:12)
最終更新:2010年12月07日 18:17