縁側に置かれたお盆いっぱいに盛られたゆっくり大福。
「うまいけど、そんなに中毒性はない気がするぜ」
魔理沙が一つ摘む。
「でしょ? 私はもう飽きちゃったわよ」
アリスも一つ摘む。
「ブームってのはよくわからんもんだな」
魔理沙が一つ。
「同感だわ」
アリスが一つ。
「変な味だぜ」
「妙な味ね」
魔理沙。アリス。魔理沙。アリス。
「「……あ」」
最後の一つを摘もうとした二人の手が重なった。
「ど、どうぞ魔理沙。私はもう充分よ」
「遠慮すんなよアリス。マスタースパークで焼き払ったお詫びだ、食えよ」
「仲のよろしいことで」
霊夢がお盆を持って割り込んできた。当然のごとくお盆にはゆっくり大福が積んである。
「まだまだあるから好きなだけどうぞ」
新しいお盆が置かれ、古いお盆の最後の大福がそちらに移される。
「……そうかあ。せっかくの好意を無駄にしちゃあいけないな」
「……そうね、たまには魔理沙もまともなこと言うじゃない」
「いつのまにか仲直りしてるね」
「おお、マリアリ、アリマリ」
紫がゆっくりれいむを拾い上げる。
「霊夢お饅頭も商品化できないかしら?」
「……ふてぶてしいお菓子になりそう」
「そうねえ、霊夢はふてぶてしいからねえ」
「いや私じゃなくて」
「かわいすぎてごめんね!!!」
「ほら、ふてぶてしい」
「可愛いじゃない」
紫はゆっくりれいむのリボンを整えながら答える。
「そうかなあ」
「霊夢ももちろん可愛いわよ。安心して」
「それは光栄ですこと」
霊夢はあからさまな白け顔をした。
「「……あ」」
縁側の向こうで再び声が重なった。
偶数個になるように持ってくればいいのに。
- 思わずにやけましたw -- 名無しさん (2008-07-21 22:16:11)
- にやけてもらえれば本懐です。 -- Jiyu (2008-10-05 23:43:03)
- あえての奇数個w -- 名無しさん (2009-08-17 03:07:31)
- アリマリとかふざけてるの? -- 名無しさん (2010-02-05 23:45:18)
- ふひひ・・・ -- 名無しさん (2010-11-27 17:36:56)
- かぐもこジャスティスの俺が通りますよっと。 -- 名無しさん (2012-12-12 17:31:13)
最終更新:2012年12月12日 17:31