注意1原作キャラ出てきます。まあ前の最後でもちらっと出てましたが。
注意2その原作キャラはとても男らしいです。姐御!
まりさは相手をじっと見つめる。あの赤い髪のゆっくりに何度負けたことか。
「…ゆ!」
掛け声と主にまりさは走り出す。そのスピードはあまりにも早い。
「じゃおおおお!!」
めいりんも咆哮を上げて身構える。
「ゆううう!!」
ひと際大きいまりさの飛躍。全体重をかけた体当たりだ。当たれば人間でもダメージがあるかもしれない。
「…じゃお!」
「ゆぐ!」
めいりんは最低限の動きで横に跳ね、まりさの体当たりをかわす。
対するまりさは下半身を地面に激突させるが大したことはないようだ。
すぐにめいりんを向いて飛びかかる。
「じゃお!」
今度は空気を体に溜めて防御の態勢をメイリンはとった。
「ゆが!!」
勢いをつけて体当たりをしたまりさが逆に吹っ飛んだ。
皮が厚く、中身がピザまんのめいりんだから出来ることだろう。チーズの力恐るべし。
「ゆぎゃ!ゆぎ!!」
二転三転ころがるも、まりさは足に力を入れてなんとか踏みとどまる。
「ゆぐう…」
「じゃおおん!?」
「まだあきらめないよ!!へんなこといわないでね!!」
まりさはあしに力を入れる。そしてジグザグにめいりんに突っ込んでいった。
「じゃお!?」
今まで見たことがない攻撃にめいりんが焦る。さっき使った防御法は真正面からでなくてはいけない。
それでないとバランスを崩されてしまう。
まりさがぐんぐんと迫ってくる。めいりんはばたついていたからだを低く構え、まりさを迎え撃つ。
低く、低く、足に力を思いっきり溜める。
まりさが考えた対めいりん攻撃法。跳ねる動作の一つ一つがかなりの力を持っている。
そしてあと一飛びというところでめいりんが動いた。
「じゃお!」
ほんの僅かなめいりんの前進。だが力を溜めに溜めていた前進は拳法の一つである正拳突きのように強い力を秘めていた。
そしてまりさの身体に当たるとまりさはさっきの何倍もの長さを転がることになった。
「ゆが!ゆぎぇ!!ゆぎょ!!!ゆうううう!!…ゆ!!」
ごろごろと転がっていたまりさは後ろの木に当たってようやく止まることが出来た。
餡子は全く吐いていない。よほど鍛えているのだろう。
「ゆ…ゆうう…!」
立ち上がろうとするが足に力が入らない。プルプルと震えるだけでとうとう顔から倒れこんだ。
「じゃおおん!?」
「…だいじょうぶだよ。まりさはきたえてるから…」
めいりんがそばに駆け寄ってきてまりさに言葉を掛ける。
まりさの言葉に安心していると後ろから紅美鈴がまりさの前で屈んだ。
「お前さんもよくやるねぇ。動けるかい?」
屈んで帽子を枝で突きながら美鈴は尋ねる。
「ゆう…だいじょうぶだよ、めいりん…」
「じゃお?」
「めいりんのことじゃないよ!!」
がばっと起き上がってぎゃあぎゃあとめいりんに突っかかる。
傷もあるうえに少し震えているが文句が言えるなら一安心だ。
「大丈夫そうだね。来な、体綺麗にしてあげるから」
まりさは土でかなり汚れていた。何度も転がっているのだからまあ当然だ。
立ち上がった美鈴はすたすたと詰所に向かって歩いていく。
まりさとめいりんもその後に続く。
めいりんはしきりにまりさのことを心配していたがその気遣いが今のまりさには気恥ずかしかった。
さほど歩くこともなく詰所に一人(妖怪だから一体?)と二匹は到着する。
そして美鈴が取っ手に手をかけた時二匹が騒ぎ出した。
「じゃ、じゃおお!」「だめだよ、いまあけたら…!」
「ん?」
二匹の方を振り向く形で美鈴はドアを開け、
「「「「「じゃおおおおおおおおおおお!!!!!!」」」」」
「ゆあああああああああああああああ!!!!」
五匹のめいりんがまりさに飛びかかった。
「ゆ…!めいりん…!や、やめてぇええええええ!!」
さっきまで戦っていためいりんよりも一回り小さいめいりんたち。
飛びかかるというよりは感極まってすりすりをしているだけだが五匹に囲まれてはまりさは身動きが取れない。
「おお!人気者だね」
「そんなこといわないでね!!は、はやくめいりんたちを!!」
「じゃおお!」「じゃお!」「じゃおじゃお♪」「じゃおん!!」「じゃ、じゃおお!!」
「なにいってるかわかんないよお!!ひとりずつしゃべってぇええ!!」
同時にしゃべるめいりん達を払いのけることが出来ずにまりさはもみくちゃだ。
「やれやれ…ほらお前ら、いい加減にしな。まりさを綺麗にしてやるんだから」
元になった人間言うことなのだからか、ようやくめいりんたちはまりさの元から離れた。
中心部にはさらに汚れたまりさが一匹。ゼハーゼハー言ってるが元気そうだ。
「まあ災難だったな」
そういって美鈴は詰所の中に入る。そして桶と柄杓を持って来る。
「ほら、顔上に向けな」
桶に入った水をまりさにかける。
「ゆゆーん♪」
ちょろちょろとした水はまりさについた汚れを洗い流した。
そしてまりさは最後にブルブルっと身震いし、
「すっきりー!!」
これで終了。
「それにしてもお前は懲りないね?」
「まだまだだよ!かつまでなんどでもくるよ!!」
「じゃおおん!!」
「いったね!!?かちにげしないのをこうかいするよ!!」
めいりんの一鳴きにまりさは突っかかる。
微笑ましく見つめていた美鈴だったが空をみてはっとした。
「まりさ、そろそろ帰れ。日が暮れてしまう」
「ゆ!?」
空を見ると確かに日が傾き始めている。
「ありがとう、めいりん!じゃあまたね!!」
ぽよんと跳ねて来た道を戻ろうとする。
「まりさ、これ持って行きな」
小さな包みを美鈴は投げる。
「ゆ!」
それを難なく口にくわえるとこれまた器用に帽子の中に素早く入れた。
「じゃあね!…めいりん!!かならずかつからね!!」
「じゃお!!」
うれしそうに胸を張るめいりんを悔しそうに見てまりさは今度こそ帰ってゆく。
「「「「「じゃおおおおおお!!」」」」」
「またねー!!」
姿が見えなくなるまで見送り、全員が詰所の中に入ると不意に美鈴は戦っていためいりんに話しかけた。
「あれで元ゲスね…今となっちゃ信じられんな」
「じゃお!!」
「おお、やっぱりそう思うよな?」
談笑が詰所に響く。
「…これはどういうことかしらねぇ?」
所変わってここは紅魔館門前。
静かな門に一人、一人で立っている女性がいた。
青筋を浮かべながら、メイド長咲夜は呟いた。
「門の前には…門番がいるはずなのに…」
空気すら凍りそうな冷笑。その殺気に近いそれは触れたら人を簡単に殺せる。
そしてどこからともなくナイフを手に携えていた。
今日のお仕置きはかなり酷そうだ。
かなり時間が空きましたことをここでお詫びします。
ノリで書いた結果がこれだよ!!
もう少しだけ続けさせてください。後生ですから。
あとこれは自分が考えているもう一つの物語のサイドストーリーです。
構想を練ってたらこれ単体でもいけるなと思い書いてみました。
最後まで読んでくれた方は出来れば感想をください。
分かりずらいとこや矛盾点、指摘してくだされば次の作品の良い土壌になります。
最後まで読んでくれてどうもありがとうございました!
最終更新:2009年02月02日 21:17