「おにーさん、なにしてるの?」
「ああ、雛人形の片付けをしてたんだよ」
雛人形の片付けをしているとれいむに声をかけられた
「ゆあぁぁぁぁ!!!なんでまだかたづけてないのぉぉぉ!!!」
「そんな大声出すなよ・・・どうかしたのか?」
「もうおよめさんにいけなくなったよ・・・おにーさんがせきにんとってね!!!」
「そんなの迷信だよ、迷信」
『3月3日を過ぎても雛人形を片付けないとお嫁に行けなくなる』
俺もそんな話を聞いた事はあったが迷信だと思っていた。
しかしれいむは本気で信じていたらしい
「大丈夫、万が一の時は俺が嫁に貰ってやるよ」
「ほんとに!? れいむをおよめさんにもらえるなんて、おにーさんはしあわせものだよ♪」
本気でお嫁に行けないと思い込んでいたらしく
俺の言葉を聞いて笑顔に戻る
「じゃあ、未来の夫の手伝いでもしてもらおうかな?」
「ふたりのはじめてのきょうどうさぎょうだね!!!」
全く、どこでそんな言葉を覚えてくるのか・・・
れいむの手伝いもあってスムーズに片付けも大体終了し、箱にしまうだけになった
「あとは、箱の中にしまって・・・」
『厄いわ・・・』
取り敢えず急いで蓋を閉める。箱の中にいたあれは、ゆっくり?
確認のためもう一度開けてみる
『あらあらまだいたの?』
「ここは僕の家なんでいつも居ますけど・・・」
「おにーさんのせいだぁぁぁ!!! おひなさまのおばけだよぉぉ!!!」
れいむはよっぽど怖いらしく意味の分からないことを言っている
『せいかくには「ながしびな」だけどね』
その緑の髪が印象的なゆっくりは「厄いわぁ・・・」と言いながらその辺を回り始めた
れいむはいつの間にか居なくなっているのでちょっと怖いが会話を試みる事にした
「あの~、貴方はどうしてここに?」
『ここに「やく」があったからよ。それとよぶときは「ひな」でいいわ』
「それで雛さんは今は何を?」
『このいえの「やく」をあつめているのよ』
何でも雛は「流し雛」の様に厄や悩み事をその身に降ろし流すことが出来るらしい
大体集め終わったらしいので川に連れていく。気付くとれいむもついてきていた
『あなたたちのなやみごともながしてあげるわよ』
悩み事か・・・れいむの好き嫌いがなくなります様に、かなぁ
『あなたたちの「やく」はわたしがせきにんをもってながすわ、またあいましょう』
そう言うと自ら川野中に入りゆっくりと流れていった
「あれ? 雛さん消えちゃった・・・」
「ゆゆ~? 不思議だね~」
「ところでれいむの悩みって何かあるのか?」
「れいむだっていろいろなやんでるんだよ!!!」
なにともあれこんな不思議な雛祭りは二度とないだろう
おわり
最終更新:2009年03月09日 16:30