マーベラス・スイーツ

「ただいま」
「おかえりなさい! まってたわよ!」
ありすが足元を跳ねながら聞いてくる
「頼まれた物、ちゃんと買ってきたよ。良い時間だし、お茶にするか?」
「いいわね!とかいはな『てぃーたいむ』といきましょう♪」
ありすに紅茶を入れてもらう間、買ってきたカスタードシュークリームを皿に並べる
僕は普通サイズを、ありすにはプチシューを用意した
「むーしゃ♪むーしゃ♪とかいは~♪」
「甘っ!でも、しあわせ~♪」
予想以上に甘かったが、旨かったので良しとする
ありすの入れた紅茶をすすりながら一息ついていると
「ありすにも、そのおおきいのをちょうだいね!」
「良いけど・・・食べれるか?」
「あまいものならいくらでもいけるわ♪」
本人がそう言うのだから平気なのだろう
ありすをシュークリームの上に乗せ、食器を洗いに行くことにする
「食器洗ってくるから、怪我はしないようにな」
「ごゆっくり~♪」

「むーしゃ♪むーしゃ♪ゆゆ!?」

「くりーむのおふろなんて、すごくとかいはね♪」

「まーべらす!! きもちよくて、みもこころもとけてしまいそうだわ♪」


片付けも終わったので部屋に戻る
「ありす?たべおわってる?」
「そんなにあせることないわ!もっとゆうがにいきましょう♪」
声はするが皿の上にシュークリームが残っている
きっとまだ食べているんだろう
「なんならラップしてまた明日にでも・・・」
そこまで言いかけて後の言葉に詰まってしまう
動くはずのないシュークリームが振り返る、しかもそこにはありすの顔があった
「おにーさん!!このシュークリームすごくとかいはよ♪」
「え?え?どうしたの?」
「じつはね・・・」
あの後シュークリームを食べ始めたありすは足元からシューを食べ始めた
そのせいでクリームの中に落ちてしまった。しかしあまりにもゆっくりできたのでそこに居続けた
そして気付いたら自分がシュークリームになっていたと言うのだ
「みもこころもかるくなったきぶんだわ♪」
「大丈夫か?動けるか?」
「みてのとおりよ!!」
テーブルの上を滑るように移動するありす
本人は至って平気そうだった
「すごくとかいはよ!!えくせれんとよ♪」
進化と言うか、変身と言うか・・・
ゆっくりについての謎がまた増えたティータイムになった

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最終更新:2009年03月14日 09:49