「ゆっくりただいま!」
日が完璧に沈んだ頃、まりさは自分の巣の前で叫ぶ。
声は巣の中で反響するだけで返事は返ってくるはずもない。それでもまりさは嬉しそうだ。
慎重に巣の中に入る。一番気をつけなくてはいけないのは頭上だ。
侵入者撃退用の仕掛けがあるのでこれを抜ければ安心だ。
そしてゆっくり一体分の広さの横穴を抜けて居住スペースに入る。
大きい。
成体のゆっくりが十体いてもまだ余裕がありそうなほどの広さだ。
天井も広い。ゆっくりが飛び跳ねても頭が着くことはないだろう。
まりさは奥にある葉っぱが敷かれた寝床に移動する。
そこで美鈴に渡された小包みを帽子から取り出すとその匂いを嗅いでみる。
「くんくん…これはくっきーさんだね!!」
嬉しそうに顔を輝かせる。甘くていい香りがするが、まりさはそれを食べる様子はない。
食糧庫の一角にそれを置いて、まりさはやわらかい草を口に入れた。
「むーしゃ、むーしゃ、むーしゃ、むーしゃ…しあわせ~!!」
良く噛んでから飲み込み、まりさの夕食はこの草一口で終了。
疲れて眠い体をどうにか寝床に運んで、まりさはそのまま素早く眠った。
「すぴ~、すぴ~…」
このまりさは他のゆっくりとはかなりの体格差があった。
まず姉のれいむとの差が実を言うと殆どない。
同じ茎から生まれてるのだから当然では?実際には一ヶ月ほどの間隔空いているにも関わらず殆ど姉れいむと変わらない。
通常なら一回りほどの違いになるはずだがこれはめいりんとの戦いで起こった変化だった。
負けたあとにしっかりと休養をとり栄養を補給することで身体がでかくなった。
そして逆に食が細くなった。これは一度手痛くやられたときに食べていた草を吐いた時からだ。
また口の中に含んでみたら草が甘くなっているのに気づいた。
全身が甘味であるから唾液も甘いのが当然なのだ。
まりさはこれを知ってから租借回数を増やすことによって少ない食糧で十分に活動できるようになった。
そのほかにも変わったところはあるが数えるとキリがない。
まあ何と言っても考え方が変わったのが一番だろう。
少し前まではかなり自分勝手でしかなかったが今は面倒見もよく、群れの中でも少し憧れの対象になりつつある。
「ゆ…ゆーん…!」
まりさは朝の気配を感じて背伸びをした。
体を右に左に動かして体に活を入れる。
そして食料を溜めてる一角に行って朝食をとる。
しっかりと甘くなるまで噛んでから飲み込む。
この量もやはり普通のゆっくりの10パーセントぐらいの量だ。
そして美鈴から貰ったクッキーの包みを帽子の中にしまい、外に飛び出る。
晴天の二文字が似合うほどのいい天気。
身体が喜んでるのをまりさは感じた。
そして向かう先は姉れいむの住処。
「きのうのおれいをするよ!!」
ぴょんぴょんと跳ねて嬉しそうに言う。
昨日の木の実のお礼にこのクッキーを姉れいむ家族に渡そう。
喜んでくれるかな?
その後はどうしよう。
帽子の中に食糧を入れて少し遠くに出掛けようかな。
無論これも訓練。
走り込みは重要である。
目と鼻の先の姉れいむの巣についた。
「ゆっくりしていってね!!」
時間が空いてしまって多分忘れ去られてるでしょう。
一回中身を全部変えていたので遅くなりました。
んで次は温めてたネタをこのまりさにやらせます。
本当はありすあたりでやれれば一番なんだけど少し面倒になるのがやる前から分かってるんでまりさで…
題名は決まってます。
まりさの子育て奮闘記。
…我ながら捻りがないなぁ。
これは近いうちにあげたいと思います。
読んでくださった方々毎度ありがとうございます。
コメントしっかり見てます!
嬉しい言葉をいつもありがとうございます。
- 無理しなくてもゆっくりまっていますから、のんびり書き連ねていってくださいね!!
お茶でも飲みながらゆっくりしていますからー♪
-- ゆっけのひと (2009-03-14 18:09:11)
- このまりさのシリーズが愛での中で一番好き。すごくゆっくりしてるよ! -- 名無しさん (2009-07-12 15:33:24)
最終更新:2009年07月12日 15:33