何とかしてあげるよ!入信してね!!!(後編)



 生徒間で、よく解らない遊びが流行っている、と聞いた時には、もう手遅れだったのかもしれない。
 最初は、起床時と消灯時に、良く解らない「お祈り」を子供がしているという、保護者からの訴えだ。
 何かというと、「ごっこ遊び」の範疇らしいのだが―――特撮の変身ヒーローでも、アニメが元でもないらしい

 「秘密結社とか、そうした悪の組織とかでしょ?正義側じゃなくって、悪の方に憧れるくらいは皆あるでしょうよ」
 「そうじゃないの!!! 秘密の組織とか、確かにそれに近いけど、そんなレベルじゃないのよ!!!」
 「じゃあ何、変なニュースで見たテロ組織とか?」
 「そんなんじゃないけど……何ていったらいいのか………」

 「特殊ゆっくり大全」を借りてから、1週間がたったが、心配は消えなかった。寧ろ増えてしまったかもしれない。教室の暗さは、
以前にも増して酷くなっていった。電灯を変えても、兎に角はっきりと薄暗い。
 気のせいで済むレベルではなく、文字が読めないと言うわけでも無いのだが、兎に角気持ちが焦る。不安になる。
 対して、生徒達はそんな事はお構い無しだ。
 この無反応さもおかしい。
 更に、相次いで保護者からの「よく解らない遊びが流行っている」との苦情

 「先生のクラスも同様ですよね?これは校長にも行った方がいいんじゃ・・・」
 「――――行って来たんだけど・・・・」

 校長室も暗かった。
 作業中の校長に説明したが―――しっかりと耳は傾けてもらったが――――

 「ふむ。そうなのか……。まあ、気にしない。気にしない」

 で、終わった。

 「何か変でしょ?」
 「でね、生徒の一人がこんなのを持ってたのよ」

 表紙、裏表紙含め4P の、綺麗な厚紙でできた小冊子だった。
 何部作成されているのかは解らないが、表面には箔押し加工までしてある。どこにそんな金があったのか。表題も、目次も、
いわゆる凡字という奴だろうか?見かけない言葉で、解読できない。
 裏表紙では、ちるのとちぇんという変な組み合わせのイラストが、ギザギザの吹き出しで何かを叫んでいたが、それも解読で
きなかった。
 内側では―――




  +++ みんなとのおやくそくだよ!!! +++

 ・ゆっくりしていってね!!!  
 ・じゃ〇りこをたべるのは水曜日だよ!!! 
 ・2月3日はお散歩の日だよ!!!
 ・いじめは絶対ダメやめてね!!!
 ・好き嫌いも絶対やめてね!!! 
 ・朝起きた時と、夜寝る前のお祈りしてね!!!
 ・そうなのかー
 ・皆に優しくしようね!!!
 ・赤い鬼巫女は、食べてもいいよ





 次Pでは大きく――――新種なのか、秋姉妹でさえないオリジナルのゆっくりが一人で、「ゆっくり信じてね!!!」とあのギザギザの
吹き出しで叫んでいる。そういえば、どこかで見た顔だ。凄く近くにいる気がする。

 「何ですかこれ?」
 「何なんでしょ……書いてある事は全く普通なんだけど」
 「じゃが〇こを水曜日に、ってのは何か意味あるの?」
 「そういえば今日ね。あと、お散歩の日……?」
 「この『お祈り』って奴 すごく 胡散臭い」

 そういえば確かに、給食も残らなくなったと評判ではある。
 優しくというのは――――まあどこでもいう言葉

 いじめは―――減ったがなくなってはいなかろう………
 そうしたグループと、ターゲットになっている生徒がいる事は知っているし、目星もついているが―――未だに手出しができていない。
 もっと身近に問題があったことを、教師2人は思い出していた。


 +++++++++++++++++


 その、ターゲットになっているいじめられっ子ではなく、いじめっ子のリーダー各の少女が泣きついてきたのは、翌日だった。
 恐怖と焦りと悲しみに覆われていた。

 「先生助けて」

 放課後。本格的に暗くなり始めた職員室で。
 教員は数えるほどしかいなかった。

 「もう、クラスにいられません」
 「どうして」
 「本当の事言います。私と、根津さんと高木さんで、加藤さんをいじめてました……」
 「それは……良くない事だけど、何であなたが助けてほしいの?」
 「今度は、私が―――一人ぼっちになってるんです」

 元々優秀な生徒だった。成績もいいし、特に表立って問題を起してもいないし、友達も多い。そんな生徒がグループの中心になって、
スケープゴートを作って集中攻撃するのはよくある話だ。そして、それが崩れれば手の平を返されることもありうる話
 しかし――

 「もう、私と誰も話してくれないの……」
 「何とかはするけど、何が原因?今まであなたがリーダーになって皆で加藤さんを無視させてたんでしょ?何があったの?」
 「私だけ、『教団』に入れないんです」
 「『教団』?」

 と、家庭科教師が生徒の肩を叩いた。

 「まあ、落ち着いて。ゆっくりしていきなさい」
 「はあ……」
 「食べる?」

 と言って取り出したのはじゃ〇りこ。

 「ちょっと用があるわ。来てくれる?」
 「あの……うちの生徒の問題なんですが………」
 「そうなのかあ。いや、すぐに終わります。こっちからも頼みますよ」

 校長と教頭だった。
 2人が言い返す前に、いじめっ子のリーダーは強引に教師3人に連行されていく。

 何が起こっているのだろう?

 取り返しがつかない気がして、聞いてみた

 「その―――『教団』って誰がやってるの?」
 「るーみあちゃんです………!!」

 気がつけば、薄暗い職員室に2人だけ。
 先輩教師はいそいそと立ち上がって言った。

 「ちょっと様子を見てくる! ついでに、るーみあちゃんの家にも行って来るわ」


 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++


 翌日――――先輩教師は何食わぬ顔で、先に学校に来ていた。後輩教師自身も早出の方だったが、先に来て机でゆっくりしている。
 他の面々も同様だ。

 「どうでした……?」

 恐る恐る聞くと、少し驚いた様に首を傾げたが、ゲラゲラと笑いながら事も無げに言う。

 「キノセイダッタワ」
 「へ?」
 「気にしない気にしない」
 「いや、でも昨日いじめっ子が、却ってイジメ返されてるって――――」
 「そうなのかー………。イジメは無いと思うけど・・・」

 げらげらげらげらげらげー

 職員室はいつにも増して薄暗い。
 準備を手短に終えて、自分の教室へ向かう前に、その先輩教師の教室を覗いた。
 やはり暗い。
 生徒たちは元気だったし、確かにイジメがある様子も無い。至って健全なクラスに見えたが――――

 「何か、違うわ」

 元気でもあるし、弱そうにも見えないが――――何か覇気が無い―――強いて言えば、ゆっくりし過ぎている

 「そうなのかー」

 思わず肩をすくめ、恐る恐る後ろを振り向く。
 ちぇんがいた
 ちぇんがそんな言葉を使うとは聞いた事が無い。「うんうんわかるわかるよー」ではなかったのか?

 「そうなのかー」

 更にその後ろからちるのがやってきたが――――単に流行っている挨拶か?そういえば、あのやたら上等な小冊子に…

 「大福持ってきたよー」

 もう一人やってきたのは、人間の生徒だったので安心したが―――手には一杯の大福を抱えている。

 「こらっ!!!学校にお菓子を持ち込んじゃいけないでしょ!?」
 「家庭科室でもらったんだよ?」
 「先生に?」
 「明日はお散歩の日だからね」

 2月3日

 「ちょっと・・・・それは・・・」
 「まあ、いいじゃないですか。間食する訳じゃないんだし。明日はお散歩の日ですから」

 先輩が立っていた。

 「何ですか?『お散歩の日』って!!?」
 「『教典』に書かれていたでしょ?」

 教典? あの4P の薄い冊子の事か?

 ――教団

 ――祈り
 ――散歩の日
 ――食べてもいい巫女

 ――そうなのかー


 ――薄暗い教室


 ――教典


 ――イジメっ子と好き嫌い



 ――「そうなのかー」



 ――じゃ〇りこ ――――― ってこれはあんまり関係ないか



 何かが合致した


 「せ、先生!!しっかりして下さい!!!」
 「しっかりする?何言ってるの?」
 「しっかりするより、ゆっくりしようよー」

 そういったのは、ゆっくりちるのでもちぇんでもなく、人間の少女。確か明美ちゃんとかいう名前だったはず。彼女を見て、
悲鳴を上げそうになった
 あの、「教典」に描かれていた「オリキャラ」は――――

 「あ、あの後、何があったんですか!?るーみあちゃんの家に行って、何があったんです!!?」
 「ああ・・・・・あそこに行ったのは結構後」
 「るーみあ? 誰それ?」
 「ちるのちゃん、忘れたの? 教祖様の名前だよー」


 「教祖」だって?


 「じゃ、じゃあ、校長や教頭達と一体何の話を・・・・・・」
 「我々がアノ後・・・・・・どうかしましたかなあ?」
 「げらげらげらげらげらげ・・・」

 そこには、校長に教頭、家庭科教師と、あの「特殊ゆっくり大全」を貸してくれた美術教師まで――いや、教員が全員もがいたのだった。

 「あ、あなたたち・・・・・」
 「キニシナイ、キニシナイ」
 「ゆっくりしていきなよー」
 「そういやあ、先生だけですねー まだ、入信していないの」

 意味は完全には解らなかったが、本能が強い拒否を示していた。

 「いや・・・・・いやぁ・・・・・・・・・・・」
 「ほらあ・・・・怖がらなくてもいいんですってば」
 「いやああああああああああああ!!? ゆっくりしたくないいいいいいいいいいいい!!!?」

 「「「「「「「「そうなのかー」」」」」」」」

 「ちょw うっわ 狂ってるわあんたわ」


 +++++++++++++++++++++++++

 気がつけば、学校の外にいた。
 足は、ある生徒の自宅へ向かっている
 今まで激務が続いていたため―――こんな時間にあまり外に出る事は無かった。
 そこで気がついた。

 外も、何やら薄暗い。

 あの「特殊ゆっくり大全」を思い出す。
 長いゆっくりとの歴史の中、どんな特殊なゆっくりであろうとも、人間に実害をもたらした例は無いのだ。強いて言うなら、
妖怪らしく驚かす程度のものである。
 「不意に知らないゆっくりに驚かされた」―――――年間の報告として記録に残る、その実に8割が――

 「ここだわ」

 後ろは山がそびえる、町外れの遊び場にも鳴らない荒野にぽつりと佇む一軒家だった。
 表札には、何故か「EX」とローマ字が書かれていたが、その意味は解らなかった。
 念のため呼び鈴を押してみたが、誰も出ない。
 扉を叩くと、声が返ってきた。何故だ


 「「「誰なのかー」」」
 「るーみあちゃんの隣のクラスの担任の栄口です」
 「「「入るのかー」」」
 「あ、はい?」

 入ってもいいという事か?解りにくい・・・・

 「お邪魔します――――・・・・?」

 そこは―――体育館の舞台裏に転がる踏み台の内側の闇を、100個ほども凝縮したような純粋な闇だった。光に溢れす
ぎた都会を離れ、空気の澄んだ田舎の夜に、「闇とはこんなに美しかったのか」と昔は感動したが、それとは比べ物にならない。
 凝縮して容赦の無さ過ぎる闇は、恐怖しか生まなかった。
 そこを、思い切りなにか大量のものがぶつかりあう音が聞こえる。
 やがて現れた

 「「「おきゃくさまなのかー」」」
 「ひっ!!?」

 缶ジュース程の、数多くのるーみあ達だった。それも、首だけではなく、どうもしっかりついている。皆両手を広げ、ふよふよと浮いている。
 つまり、るーみあは成長してもこの程度の大きさという訳だ。


 それでは、学校に通っている、あの隣のクラスのるーみあは・・・・ るーみあは・・・・・


 「先生、結局ここまできたのかー」


 振り返ると、そこには、るーみあがいた。
 自分の生徒の。
 両手を広げ ふよふよと浮遊している。
 いや―――――もう別の呼び方があるだろう。ドスまりさ、ビグれいむ、ティガれみりゃ、ラオめーりんに並んで、学者達はなんと名づ
けるつもりだろう


 「あの本を読んだんだから、もうわかってしまったのかー」
 「じゃ、じゃあ、あなたは最初から・・・・・・・・・」
 「先生は怖がっているのかー」


 当然だ。
 そして、それこそがこいつの特技ではないのか?


 「ど、どうしてこんな事を・・・・・?学校中を巻き込んで、何をするつもり!!?」


 真っ赤な口を開いて、元気よく言う


 「ゆっくりしてほしいからー」
 「ゆ、ゆっくりは………私達なりにしてるでしょ!!?」
 「してるのかー? 人間にあわせて、ゆっくりは自分を変えてきたし、少しでもゆっくりさせようと努力してきたのにきづいたのかー?」


 それは、そうだ。誰もが気付いている。ただ・・・・


 「人間もゆずってくれた。けど、こっちが変わっても、決してゆっくりはしてくれないのかー」
 「し、仕方ないじゃない!!」
 「だから、思い切りゆっくり『してもらう』ことに決めたのかー」
 「ゆ、ゆっくりできないよ・・・・・」


 いや、自分以外の人間は、皆ゆっくりし始めていた。―――それが、本当に正しいのか?


 「こ、こんな事をしてただで済むと・・・・・・・・」
 「こうする以外に何かあるとおもうのかー? 人間は皆怖がらなさ過ぎるのかー 怖がらないとゆっくりできないのかー」

 屋内の凝り固まったような闇が―――屋外であるはずの、目の前に一気に広がった。

 「う、うわああああああああああ!!!」

 るーみあが、今まで写真に撮られることがなかった理由がこれである。
 辺りは、暗黒の塊に――――
 自分のそばへ、何かが向かってくるのが触覚で解る

 「ひいっ!!!」

 と―――それは、自分の横を素通りして―――後方の小さい(普通サイズの)るーみあ達に激突したのが音で解った

 「ごめん!!!ぶつかったのかー」
 「「「「どこみてるのかー」」」」
 「暗くてよくわからないのかー」

 チャンスである。
 先生は全力で闇を走りぬけ―――そこを切り抜けると、何とか町内には差し掛かっていた。
 携帯電話を使おうとしたが、一向に何故かかからないので――――最寄の交番へ直接向かう。
 これで、誰もいなかったらどうしたものかと思っていたが、二人の警官が中にはいた。

 「どうされましたー?」
 「実は・・・・」

 「ゆっくり分類学」と「特殊ゆっくり大全」の記述も含め、一から―――そう、どこから始まっていたのか解らないが、学校が
暗くなり始めた辺りからの事を事細かに説明した。
 しかし、話しながらも解っていた。
 どうせ、こんな話は信じてくれないと――――
 案の定、嘆息しながら、警官は机から何かを取り出して突きつけた

 「食べる?」
 「ちょっと話を聞い・・・・」
 「どうせ、昨日は食べてないでしょ?」
 「週一だから、違反じゃないですよ?」


 じゃ〇りこだった


 「あ・・・?あ・・・・・?」
 「残り物ですけどね」
 「あんた達・・・・・・・・・・・もう、信じられない!!!」
 「「そうなのか」」

 雨も降らず、雷も鳴らないのに、空は恐ろしく曇っていた。
 後ろから、早くも聞こえた。


 「「「「もう、逃げ場はないのかー?」」」」
 「これでも ゆっくりできないのかーーーー」


 泣きじゃくりながら、先生は振り向けずに答えた


 「ゆっくり・・・・・・・させて下さい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


 翌日、その町の全員が、朝から散歩した。
 大福か、それに近いお菓子を持って
 先生もその中にいた。




 +++++++++++++++++++(  20年後   )


 ―― 提供 ――

  〇大ハム
  スキマツアー 
  Cal〇bee

 ――  ――  ――

ご覧の各社の提供でお送りしております






          | ̄ ̄|  ーヽ-〃 ヽ_ノ    ト―
          |二二|   _ヽ  γ、ノ`ヽ  _| 
          |__|  (_ ,   lノ ヽ_ノ (_)⌒ヽ

  ̄ヽ      ´ヽ           / ̄7ヽヽ      O    「 ̄ ̄7
  ̄ヽ  l l |   ´ヽ /    ̄  /    /     /  ヽ        /  ___
  ̄ヽ   /   _/     _/    /    /   |  ウ  _/



♪ お昼過ぎたら 〇こ〇〇 〇っ〇〇 〇〇っ〇いいのよ ♪
♪ お昼過ぎから 〇き〇〇 〇っ〇〇 〇〇っ〇いいのよ ♪

♪♪ ♪ ♪ ♪   ♪

♪ ハウ ドゥ ユー ドゥ?  〇〇禁 いかが?
  正直 七日目で 爆破する ♪

 ――  中略  ――




 こんにちはー

 「「「「こんにちはー」」」」

 最近暖かくなってきましたねー

 「「「「そうなのかー」」」」

 春は大福もってお散歩ですねー

 「「「「そうなのかー」」」」

 でも、春に大福にお散歩もいいけど、春に炬燵でおでんもいいですねー

 「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 そr・・・・

 「「「「そうなのかーーーー」」」」


 ――――気を取り直して、本日のすぴりちゅある・ゆん生相談に・・・・・



  \な゙  じ  み゙  の゙  ゔ  ず い゙/  私も確かに奇妙なAAが作られました・・・
    \      /ハ\         /  しかし本気でキモがられていたはずのAAは人気になって
     \    _/-─-i‐ヘ- ..,,_   /    派生は神獣として崇拝されて…
      ,..::'"´:└──'─' :::: `'::.、
      /::: / :::!  :::';:::  ::::`ヽ;:: ヽ.   原作でも人気投票11位ですよ!? 椛は並列して29位!!
    /::: ::::;' ::/::ハ :::::!:::!::  :::i:::: ';:::::',  誰か私のAAも・・・
    !:: ::: | :/メ!_| ::/!/|-‐ァ:;ハ::: ト、::;;_!_
── !:: :; ハ:7__,.ハ|/ 、!__ハく!::!:: / :::::| `ヽ──
    八:: /|:: i`旡≧//≦乏 |:/:::: :::! くソ
    ! ヽ;ハ|::7 | |/////| | /:::!:::  / ::;ハ
   ム   /;:>| |, -- 、| | ;';::::/ ::::/
     _ノ´:: ヽ、, ー'⌒ー  |::/::::  /
      / ̄/´:: `>ー-一'レi  ::::/' \
   /    レ'"´    │   ル"レ    \
  /           │          \
/ □■□■□■□■  ま゙  る゙  で  ず \



 ―――というご相談ですが、何が見えます? るーみあ先生

 「う~ん・・・・・・ご先祖の仇の霊なのかー? あれは、井戸と桶なのかーー?」

 井戸と桶・・・と、いう事は・・・・・

 「〇〇丸さんの家の近所に川がなかったのかー」

 あの、先生、さっき井戸と桶って言いませんでした?

 ――あ、いえ、無かったと思いますが

 「あったはずなのになくなっているのかー とにかくその後に、TENGAをお供えするのかー」

 TENGA?ますます関係なくはないですか?

 「コーヒーのおまけも忘れないように」

 ・・・・・・・・

 ――あ、ありがとうございます!!! そ、それをすれば、悪霊から解放されるんですね!!?

 「う~~~んn・・・・・・・・・・・・・」

 ・・・・・・・・

 ――・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・

 ――・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・

 ――・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・

 ――・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「解らねえ」


 ++++++++++++++++++++++

 「出ッたーーーー!!!」
 「るーみあちゃんの『解らねえ』!!!」

 控え室で大はしゃぎするちぇんとちるのを他所に、明美は呆れ顔だ。

 「教祖様の、よく、これで毎回相談しに来るゆっくりがいるよねえ」
 「それが、るーみあちゃんの恐ろしい所だよ!!!」

 ややあって、疲れきった顔で、るーみあが帰ってきた。

 「「「「お疲れ様ー!!」」」
 「終わったのかー」

 とりあえずちぇんがこの後の簡単なスケジュール確認。ちるのが荷物をまとめ、本来付き人では
ない明美が、手持ちぶたさなので肩を揉む。

 「で―――今月はどれ位たまったのか―――」
 「ざっとこれくらいだよー」

 電卓を器用に弾いて、尻尾の先でるーみあに見せる。頷いたるーみはちるのに向って言った。

 「それじゃあ、いつもどおり、4分の3はいつもの所へ寄付してね。恵まれない子供達の所へ」
 「何で教祖様、これ言う時だけ普通に喋るの?」

 いまや人間の成人女性ともあまり変わらなくなったるーみあに、軽い寂しさを覚えつつ、苦笑しながら
明美は根気欲揉んだ。

 「おいおい・・・・」

 その肢体を、グルリン と回して、小学生からの親友の頬に手を軽く添え――――、るーみあはその
熱い吐息がかかるほど顔を近づけて囁いた。

 「忘れたのかー? こんな所でまで、『教祖様』って呼ばなきゃらなら無い私とお前の仲なのかー?」
 「あ、ごめん。違うよね。でも、あたしこの前れみりゃと普通に結婚しちゃって子供いるからさ」
 「――――そうなのかーー」

 項垂れる教祖様に気を使ってか、リーダーと副リーダーはなるたけ明るい声で話す。

 「来週のヨーロッパツアーについてなんですが・・・・・」
 「『テンションあがってきたTシャツ』何部作るー?」

 自分達は中々ゆっくりできそうもない


                                  了

  • そーなのかー!もうこのSSうますぎてほんっとにびっくりしたー。
    -- 名無しさん (2009-03-17 22:32:32)
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最終更新:2009年03月17日 22:32