一人の蛇と一匹のゆっくり

またまた俺設定の嵐です。
しかも今回はオリキャラですorz
※この作者は本当に調子付いてます。薄ら笑いを浮かべながら鼻で笑ってあげましょう。


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ここから本編です。





「……………………………」







「ゼェ…ハァ……ハァ……!!」


一人の男が幻想卿の森の中を駆け抜ける。
額にはバンダナ迷彩服を着込み手には銃、そして添える様にして構えられているナイフ…。
その異様な出で立ちだけでも十分だが、その気迫溢れる顔が、彼が歴戦を戦い抜いてきた兵である事を物語っていた。

「クソッ!一体此処は何処なんだ!…大佐!大佐!!……無線も通じないか…!」

耳に装備している通信機もその役目を果たさない、彼は考えていた。



此処は何処なのか。

この森に居る異形の者達は何なのか。

何故無線が通じない。

人間、いや、少なくともまともな生物は居ないのか。



最初の考えに戻ってはその問いを頭の中で繰り返す。
延々続く思考のループに彼は喘いでいた。
暫く走る内に、男は疲弊し座り込む。ふと見ると目の前に身を隠すには丁度良さそうな洞窟が口を開けていた。

「偶然にしては、出来すぎているな。」

彼は自嘲気味に笑うと洞窟の中に歩を進めた。少し進むと開けた場所にたどり着いた。

「いよいよ偶然にしては出来すぎているぞ…。」

何はともあれ敵も居ない、尚且つ広い場所にたどり着けた事は多少なりとも彼の心を落ち着かせた。
バックパックから煙草を取り出し火をつける。
そして思い切り吸い込む。フィルターから流れてくる煙草の香りが彼の心を鎮めていく。
自分はまだ生きている。此処が何処かは以前分からないままだ。
しかし、だからと言って希望を捨てるわけにはいかない。この状況で希望を捨てる事は死と直結してしまうからだ。
とにかく、今は休もう…行動の中からしか希望は見出せない。そのために今は休むのだ。

「…………・・・・・・」

ゆっくりと眼を閉じ、男はそのまどろみに身を任せた。






数時間が経ち、明け方…




「………ス…ク…」

「………ネ……ク…」

「スネーク!!」

自分の名を呼ぶ聞きなれたその声に、彼は目を覚ます。
目の前に立ち、名を叫ぶ一人の男。凛々しい軍服に身を包みベレー帽を被っている初老の男性。

「大佐…大佐じゃないか!!どうしてアンタが此処にいるんだ!?」

「どうしてもこうしても無い!!君が此処で油を売っている間にこっちでは天使のラッパが鳴り響き、私は宇宙人と遭遇した! 彼等は実に楽しい奴らだったよ。ハッハッハッハ!!」

「大佐!何を言っているんだ!気でも違ったのか!?」

「らりるれろ!らりるれろ!らりるれろ!!」

「大佐!!大佐ァァ!!」










「うごくな。」

後頭部に突きつけられた冷たい感触が、彼の意識を一気に覚醒させた。



しまった!



この一言が彼の意識を焦りと共に駆け巡る。

「おまえはゆっくりできるのか?」

「………なに?…」

焦りに飲まれて質問の意味が頭に入ってこなかった。
そして何より彼を混乱させたのは、相手の発する「声」だった。
その「声」は紛れも無い…自分の声だった。
自分の背後で自分の声に質問されている。その事実が彼を更に混乱させていた。

「もういちどいう…おまえはゆっくりできるのか…?」

声の主は苛立った様子で繰り返す。
質問の意味は理解した。
しかし、「ゆっくり」という単語がどういう事を示すのかは分からなかった。
だが、こうなった以上、相手に敵意が無い事を伝える事がベストだと、彼の歴戦の勘が語っていた。

「ああ、ゆっくりできる…」

「ほんとだな…?」

「ああ、俺はゆっくりできる…。」

後頭部から冷たい感触が離れた。

「ゆっくりしていけ。」

ソレは彼の声で囁いた。
不意にポーンと音がして彼の目の前に何かが飛んでくる。
生首だ。いや、人のソレにしては大きすぎる。そして何より、動いている。

「よくきたな、おれのゆっくりプレイスに。」

彼の声で呟くと、その生首は跳ねながら振り返った。
その顔を見て男は驚愕した。短く整った髪。額にはバンダナ。顎と思われる部位にはまばらに無精髭が生えていた。
そして気迫溢れる青い瞳…。

「これは……俺なのか………?」

そう、その顔は彼の…ソリッド・スネークのソレそのものだったのだ。
いや、正確にはそうでない。瞳は大きく口も横に大きい。そして下膨れの様な頬。
いわゆるオリジナルを悪ふざけでデフォルメしたようなフォームを取っていた。

「何なんだお前は…一体何者なんだ!?」

彼、いや、スネークが問う。

「おれか?おれはゆっくりスネーク。」

「ゆっくりスネーク…?」

フォルムだけではなく名前まで酷似しているソレは「ゆっくりスネーク」、そう名乗った。

「で、おまえの名は?なんという?」

ゆっくりスネークが今度は問う。

「俺はソリッド・スネーク。傭兵をやっている。」

今度はスネークが名を名乗る。

「どこかできいたようななまえだな。そのかおもみおぼえがあるな。」

本人は気付いて無いらしい。相手が自分に似ている事を。というよりあまり気にしていないのかもしれない。
互いに言葉が通じる事が分かるとスネークはゆっくりスネークを質問攻めにした。

此処は何処なんだ?どうすれば帰れる?なんなんだアンタ?ゆっくりとはなにか?

「ゆ!ゆぅ!そんなにいっぱい答えれな…ゴホン!…じゅんばんにいえ、いっぺんにはこたえられん。」

「あぁ、すまん、昨日から混乱していて少し取り乱した…すまない。」

「わかればいい、でなにからこたえればいいんだ?」

「そうだな、まず、なんなんだアンt(ry……。」

スネークは順番にゆっくりと質問していった。また、ゆっくりスネークもその問いにゆっくり答えていった。

此処は幻想卿という人間界とは隔絶された場所である事。

自分達はゆっくりという種族で種族ごとに異なった形をしていると言う事。

強い特徴を持った者がこっちに訪れると、その人物の影響を受けたゆっくりが何処からとも無く現れる事。

自分もその一種と言う事。

そして…此処から帰る事はまず不可能と言う事……

「ひととおりせつめいしたが、つまりそういうことだ。」

冷静に言い放つゆっくりスネーク。

「脱出は不可能…か、厄介な所に迷い込んだもんだ。」

スネークもまた冷静だった。
意思の疎通ができる対象が出来た事が純粋に嬉しかったからのかもしれない。
だが、彼は馬鹿ではない。事態が好転したわけでは決して無い。ということをスネークは理解していた。

「しばらくはここにとどまるといい。しゅうへんはぶっそうだからな。」

「すまない、助かる。」

どうやらゆっくりスネークも状況を察してくれたらしく、暫くの間は彼の住み家であるこの洞窟に住まわせてくれるという。
スネークにとっても願ったり叶ったりである。

「ただし、なにかとてつだってもらうからな。」

「無論だ、なんでも言ってくれ。」

これから二人の奇妙な共同生活が始まるのであった。











そして、これから始まるであろうこの二人の奇妙な逃亡劇に一人設定を考え頭が沸きそうになる作者であった……。



続くといいなぁ……








  • いや、続き見たいです、本当に -- 名無しさん (2009-04-01 19:05:26)
  • 幻想入りシリーズじゃ…とつっこむ -- 名無しさん (2009-04-01 19:08:17)
  • 続き希望嬉しいです^^
    出来る限り尽力させて頂きます。

    ※幻想入りでは~…

    突っ込まないで上げてくださいorz
    作りながら薄々思っていましたw

    皆様、読んで下さって有難う御座いますorz
    楽しんで頂けるように頑張ります。 -- 作者 (2009-04-01 20:15:51)
  • 恐るべきゆっくり達計画が遂に始動したか… -- 名無しさん (2009-04-26 06:45:32)
  • 前々からこのネタは存在してたが・・・ついにやってしまいましたかw -- 名無しさん (2009-04-27 10:27:26)
  • ははは、やってしまいましたw
    現在も先行きを考えて行き詰っています;
    もしかしたら…「恐るべきゆっくり計画」を本当に
    拝借してしまうかもしれませんw -- 作者 (2009-04-27 17:51:37)
  • ゆっくりスネーク何か普通にカッケェなw渋いゆっくりもまたいいものだ -- 名無しさん (2009-04-27 18:07:34)
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最終更新:2009年04月27日 18:07