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 眼下に広がる浮島。
 いつも見上げている雲がとても大きく見えるのを見ると、ここが空にあることが嫌でも知覚される。
 そんなこれから血みどろの殺し合いが行われるであろう会場を崖から見下ろしながら、異様な風貌の男が見下ろしていた。
 何よりも目を引くのは、真っ赤な全身タイツで「あー、そういうのいいから。俺ちゃんの名前知ったら読者はだいたい分かるか調べるでしょ」

 その男の名は――。

「まさか俺ちゃんがバトルロワイアルに呼ばれるなんてね。モテる男はツラいぜ」

 デッドプール。
 今では、日本に招聘されてヒーロー舞台「サムライスクワッド」として活動する男である。
 漫画にすれば見開きのページを貰えそうなスカしたポーズを決めていた。

「そこはヒーローって言ってくれないのね。まぁいいよ、慣れてるから」

 デッドプールは少し残念そうに愚痴を零しながらも、浮島と向き合う。

「殺し合いね、こういうバトルロワイアルのパロディってアメリカでも結構あったりするんだよね。まぁコラボキャラ同士が戦う状況簡単に作れちゃうから作者もそれに乗っかりがちなのかも」

 そう軽口を零しながらも、デッドプールは迷っているかのように手で顔を覆う。

「けど、参ったね」

 せっかくあの天下のジャンプでスピンオフの主役を貰えたというのに、こんなフザけた殺し合いなんてさっさと退場して本来あるべき役割に復帰したいところだ。
 しかし、ベリアルに呼び寄せられた空間の闇の中で、デッドプールは確かに感じていた。
 参加者達の中に発された感情の中に、怯えがあったことを。
 間違いなく、自分のような無責任な傭兵だとか殺し合いを肯定するヴィランだけでなく、無力な一般人も混ざっていた。

「ベリアルの奴、やってくれるぜ」

 デッドプールは数少ない友人とも言えるヒーローのことを思い返していた。
 彼であれば、もしこんな状況になった時、どうするだろうか。
 間違いなく、親愛なる隣人としてベリアルに怒りを燃やし、すぐに巻き込まれた人々を救いに走るに決まっている。
 デッドプールはどうだろうか。
 デッドプールも、彼みたいに動けば――。

「本当は柄じゃないんだけどね」

 人の善性が平気で踏み躙られるような、この殺し合いの中でも、ヒーローでいられるだろうか。

「さっきから思ってたんだけど、勝手に人の心代弁しないでくれる?プライバシーの侵害だよ。そこ小説媒体の悪いとこね」

 何やらわけの分からないことを言いながらも、デッドプールは崖を蹴って飛び降りる。

「ったく、こんなことになるなら銀さんみてぇにかめはめ波でもパクっておくんだったぜ」

 既に、彼の心は決まっていた。

「ちなみに今の俺ちゃんはあくまで少年誌出身だからドギツい下ネタは伏字になっちゃうのでそこは忘れないように!」

 そこにはいない何者かに注意を促すようなことを言いながら、無責任ヒーローは動き出した。

「というワケで……デップー行きまーす」

【デッドプール@デッドプール:SAMURAI】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品3
[思考]:
基本方針:俺ちゃん、無責任ヒーローらしく殺し合いでも暴れまわるぜ
1:リスペクトする親愛なる隣人なら……こうするよなあ
2:サクラスパイダーやロキの奴も巻き込まれたりして?
[備考]
※少なくともSeason2以降からの参戦です。



600 : ◆mAd.sCEKiM 2026/02/19(木) 22:49:44
以上で投下を終了しま






「ストップ!ストーーーーップ!!!!!まだ終了宣言しないで!ヤベェ奴見つけちゃったから!」

 幕を降ろそうとするエピソードを強引に続行させ、崖下に着地したデッドプールはその視線の先を睨む。
 そこには緑のフードの付いたマントを纏った、鉄の仮面と鎧で固めた男が佇んでいた。

「本編に出てないのになんでここにいんの?もううち最終決戦に入って話畳みかけてるから多分出番ないよ?Dr.ドゥーム」

 名だたるヴィランの中でも特にビッグネームである男の名を呟きながら、デッドプールは男に近づく。
 声をかけられて、男は悠然と振り返ってきた。
 鉄仮面に覗く冷徹な視線がデッドプールに向く。

「大丈夫、何もしないって。お前もまだ何もしてないからな。こんなトコに突っ立って何考えてたの?アベンジャーズ:ドゥームズデイの決めポーズの練習?」

 キャプテンアメリカの盾を構えるポーズを真似しながらデッドプールは言う。
 その様子をDr.ドゥームと呼ばれた男は、黙ったままただ見ているだけだったが、デッドプールの台詞が一区切りしたところでようやく口を開く。

「オイおみゃー、そのドクタードゥームってやつは誰のことだ?まさか、俺のこと言っとるのか?」
「……はい?」

 呆気に取られてポカンとした表情を取るデッドプール。
 彼の記憶にあるDr.ドゥームは、間違ってもこんなフランクな訛り口調で話すような男ではない。

「さっきから黙って聞いてりゃ、ペチャクチャとおめぇ、ワケの分からんこといいやがって!」
「……」

 固まるデッドプール。
 間違いなく、この男はDr.ドゥームであってDr.ドゥームではない。
 この名古屋弁混じりの話し方は――。

「この俺が悪魔博士と知っとるのか!?」
「お前Dr.ドゥームじゃなくて宇宙忍者ゴームズの悪魔博士かよぉ!?いつの間にマーベルはDr.ドゥーム・バースなんてやりやがったんだ!?デッドプール:SAMURAIのシーズン1とシーズン2の合間?それとも休載期間!?」

 この男の名は、悪魔博士。
 本名アクマ・ユメノアールで、宇宙忍者四人組のゴームズへの復讐と世界征服を目論んでいる悪の科学者だ。
 なお、宇宙忍者ゴームズを知らない諸氏は、宇宙忍者四人組をファンタスティックフォー、ゴームズをMr.ファンタスティックことリード・リチャーズと読み替えて欲しい。

「ほう、この俺を知っとるようだのう。そこは褒めてやる」
「そりゃ知ってるぜ。あんなアメリカンチャー研みてぇなアニメ忘れられるはずがねぇ」
「けどすまんがおめぇを生きて返すわけにはいかん。俺の知らない奴が俺のことを知っとる……こんなの裏がにゃーとおかしいだろ、何もんだお前!」

 そう畳み掛けながら悪魔博士は自身の周囲に落ちていた岩を浮遊させる。

「誰かって?他でもない……地獄からの使者!スパイダーマッ!!」
「なら、今すぐ元いた場所に帰らせてやる!オロロンちょちょぱ〜!」

 悪魔博士は浮遊させた岩を弾丸の如くデッドプールに飛来させる。

「うわっとと!こんな技悪魔博士使ってたっけ!?」
「おめぇが知る必要はねぇ!」
「マーベルVS.カプコンじゃねぇか!モレキュラーシールドだろその技!」

 デッドプールは間一髪の所で避けながら自身の知識の中で見覚えのある技に言及する。
 これは悪魔博士がヒマラヤの奥で会得した魔法によるもの……では厳密にはなく、別世界のDr.ドゥーム、それも二つの世界が交わったバースのDr.ドゥームの使用していた技を使用しているのだ。
 悪魔博士の支給品に入っていた別バースのDr.ドゥームの仮面を手に取ることにより、その仮面の持ち主が使えた技を自分の技のように使用することができた。

「これでしめぇだ!この光線に当たればよ、おめぇの身体なんかすぐにボコボコの穴だらけだ!」

 悪魔博士はすかさず、両腕を交差させてすべての指から光線を発射、一気に周囲を制圧する弾幕を展開する。
 本来の技の使い手は、この必殺技に「フォトンアレイ」という名を付けていた。

「今の格ゲーでこんな技出したら怒られるよ?」

 無駄口を叩くデッドプールだが、悪魔博士による光線の雨は無慈悲にデッドプールを穿たんとする。

「こうなったら……ムッシュムラムラーッ!!」

 変な掛け声を出しながら、デッドプールは敢えて光線を食らう。
 するとその光線は、デッドプールの身体を掠めると同時に崖に着弾し、大規模な崖崩れを誘発した。
 轟音を立てて崖は大きな土煙を上げて崩れ去り、同時にデッドプールの姿を覆い隠す。

「タフさには自信があるけど、俺ちゃんガンロックじゃないからね。ヒデェ傷になっちまった」

 しかし、数瞬後には悪魔博士の目を盗んでその場を脱するデッドプールの姿があった。
 光線を敢えて避けなかったのは、このためだった。
 あちこちを光線に抉られて傷跡ができているが、そこはデッドプール。
 持ち前のヒーリングファクターで、制限により遅めなものの既に傷口は塞がり始めていた。
 光線を食らう量を必要最低限に留めていたことで、まだ不自由なく動くことは可能だった。

「初っ端から厄介な奴に首を突っ込んじまったけど……ま、ジャンプの主人公なんてそんなもんか」

 先を思いやられてげんなりとしつつも、デッドプールのやることは変わることはなかった。


【デッドプール@デッドプール:SAMURAI】
[状態]:ダメージ(中)(ヒーリングファクターにより回復中)
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品3
[思考]:
基本方針:俺ちゃん、無責任ヒーローらしく殺し合いでも暴れまわるぜ
1:リスペクトする親愛なる隣人なら……こうするよなあ
2:サクラスパイダーやロキの奴も巻き込まれたりして?
3:Dr.ドゥーム・バースなんて初耳なんだけど……
[備考]
※少なくともSeason2以降からの参戦です。







「……逃げよったみたいだのう」

 土煙からは何も音がせず、同時に死体の気配も感じない。
 スパイダーマッと名乗った男は撤退した。
 悪魔博士はそう結論付けた。

「あのベリアルとかいう奴、えりゃーとこに巻き込んでくれたな。けどまぁいい。この悪魔博士を巻き込んだことが運の尽きだ」

 悪魔博士は緑のマントをたなびかせながらくつくつと笑う。
 ここまでの規模の浮島を用意する上に、別世界の者達を一所に集める能力。
 そして、自身にも付けられているこの忌々しい首輪にもある、他者の能力に制限をかける能力。
 仮にそれらの悪魔博士の手に渡れば、世界征服は勿論のこと、ゴームズら宇宙忍者四人組など目ではない。

「つまらん奴に倒されでもしたら容赦せんぞ、ベリアル。その力、俺のためによー大事に扱ってちょーよ。分かったな!」

 いずれ勝ち進み、ベリアルの力を簒奪する。
 そんな新たな野望を胸に、悪魔博士は歩き出した。


【悪魔博士@宇宙忍者ゴームズ】
[状態]:健康
[装備]:Dr.ドゥーム@ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3の技
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2、Dr.ドゥームの仮面@ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3
[思考]:
基本方針:殺し合いを勝ち抜き、そしていずれはベリアルの力をいただく
1:あのスパイダーマッとか言う男は何もんだ?
2:ゴームズ達宇宙忍者四人組が殺し合いに来ていたら……。
[備考]
Dr.ドゥーム@ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3と同等の技が使えるようになっています。


【Dr.ドゥームの仮面@ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3】
悪魔博士に支給。
悪魔博士とは別世界の同一存在のDr.ドゥームの被っていた仮面。
これを所持していると、持ち主の使用していた技の数々を自分のものとして会得できる。
仮面の持ち主はULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3でカプコンのキャラクター達と戦っていたため、同作のDr.ドゥームが使っていた技を使用できる。
最終更新:2026年02月19日 22:56