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 心底やる気のなさそうな顔をした一人の侍がいた。
 『はぁ~~~』と長いため息をつく天然パーマの目立つ銀髪の侍の名は坂田銀時。
 今では万事屋銀ちゃんを営んでいる彼だが、当然此処にいる以上参加者の一人だ。
 彼がため息をついているのはベリアルの所業に嘆いているわけではなかった。

「まさかグラブルコラボ第二弾かと思ってみれば、こんな悪趣味なの考えたスタッフ、
 サイ〇に殺されるぞ絶対。やるなら公式でジャンプオールスター系にしておくのが鉄板だろうが。
 まあ銀さんはジャンプフォースにはなんでか出られなかったわけなんだけど。Jスターズにはいたのにな。
 なんかギャグ漫画系は軒並み出番なかったらしいから俺もその余波に巻き込まれたんだろうけどさぁ。
 これでも結構長いこと連載してる銀魂がお祭りゲーにでれねえってのはファンからしても致命的だと思うわけよ。」

 嘆いてるのは案件の内容に呆れ、ポリポリと頭をかく。
 ……そんなことでため息をつけれるのはこの男ぐらいなものだろうか。
 ベリアルのことはよくは知らないが彼は少しは知っている。空の世界、というよりグラブルの世界を。
 ジャンプの裏表紙によくあるし、新八こと菅田〇暉(違う)もやっていた上に空の世界にもちゃんと行っている。
 だから危険度も分かっている。これは案件だとか集〇社とかそういうのとは一切関係ない何かやばい奴だと。
 ついでに言えば空の島ということで、団長とか頼れる騎空団の名前もちゃんと覚えて───

「……あれ、なんかあんまり思い出せないんだけど?」

 頭に靄がかかったような感覚がしはじめて、
 引きつった顔と共にこめかみに指をあてる銀時。
 団長、リーシャ、スツルムなど世話になった人は記憶している。
 特にドランクだ。やはりそこは声帯が同じだからか、印象深い存在だ。
 しかし、それ以外が全くと言っていいほど思い出せなかった。万屋は、
 あの手この手で金を稼ぐべく空の世界を奔走していた。なら覚えてる団員はもっといるはず。
 なのになぜか思い出せない。ベリアルは有名どころだからかちょっとだけ記憶の片隅にあるが。

「えーっと、俺と親しみがありそうな奴、なんだっけ。バリツっていたよね?」

 それはパリスだ、と答えてくれるロミオやジュリエットはいない。
 思い出せる人数に限りがあるが、まあ年なんだろうなと何となく察する。
 自覚はあれどあんな食生活とあんな戦いやらトンチキ騒ぎに巻き込まれてるわけだ。
 記憶違いの一つや二つや三つや四つ、それらぐらいがあってもおかしくはないだろう。
 そういう問題ではないのだが、それが分かるのはそう簡単なことではなかった。
 とはいえ、団長の顔はちゃんと覚えている。危うく世界を滅ぼすことになるかもしれなかった自分たちを、
 温かく迎えてくれた団長のことを忘れることは決してないし、最低限覚えてればいいかと納得しておく。

「ま、なんにせよ万屋は殺し合いの依頼はお断りということで、動くとしますか。」

 いくら万年貧乏な万屋にいても、殺し合いに乗るほど落ちぶれてはいない。
 自分のやることはベリアルに中指でも突き立て……ても喜びそうだからやらないことにした。
 ジャンプ主人公らしく殴り飛ばそう、そうしよう。右ストレートでぶっ飛ばすを無限に反芻する。
 それが一番やるべきことだと言い聞かせておいて、デイパックを漁ることとした。
 支給品に武器やら何やらがあると言っていたので早速それらを確認していく。
 何はともあれ武器だ。木刀でも真剣でも王様でもいいからとりあえず欲しい。

「ん? スマホになんか張り紙あるな。」

 銀時が引いたのは通常の支給されるスマホ。
 しかしそこには通常のものと違い張り紙がされてある。
 単に使い方の分からない近藤(ゴリラ)とかに支給した説明書だろう、
 そう捨て置くかと思って軽く読んでみれば、思わぬ効果に軽く凝視してしまう。

『このスマホには参加者のフルネームを入れると、
 その方角に参加者がいることが分かるアプリが収録されている。
 二時間に一回切り替え可能。なお不在の人物の場合は再度検索可能。死者は検索不可能。』

「たずね人ステッキのパクリみてーなもんかぁ? なら最初からそれにしておけよと……」

 要するに人探し向けのアプリの類の説明だ。
 と言っても、今は参加者の名簿すら配られてない。
 誰がいるかどうかについては判断はつかないので、

「よし菅田将〇に橋本〇奈と。」

 遠慮なくいたらヤバイ人物の名前をこの男は何の躊躇いもなくぶち込んでいた。
 なお出てくるのは当然のことながら『該当する人物はいません』の一言である。

「ま、いるわけねえか。実写版銀魂の新八と神楽だとしても〇田将暉とかで出るわきゃねえし、
 本人呼んだら肖像権がどーだこーだで訴えられて裁判所にも問答無用で行くわけだからな。
 やるわきゃねえか。作者だってソープの件で謝罪するわけだ。やったらとんでもねえ奴だよ。
 いや、やらなかったとしてもあいつのやってることは、とんでもねえってのは変わらねえけどさ。」

 何を言ってるのかさっぱりわからないことを言っているが、
 要するに新八(実写版)と神楽(実写版)は多分いないということが分かった。
 ※銀時のおふざけであって本当にそっちの新八達がいないかどうかは現時点では不明です
 なお、彼はこれで仲間の行方を探すとかそういうことをするつもりはかけらもない。
 誰が来たところで殺しても死なないような連中ばかりが知り合いにいるわけだ。
 今更心配で誰かを探しに行く、なんてスタンスを取る理由はさほどなかった。
 新八も神楽もやればできるタイプの人間だ。保護者なのはそうではあるが過保護とは違う。
 当然、これは団長達にも該当する。団長や秩序の騎空団だって十分な手練れになる。
 自分が駆け付けなければならないほどやわな人間じゃないことは、
 コラボ前から十分に理解していることなのだから。

「じゃあ次は───」

 そういって遊び感覚でホイホイと該当しなさそうな名前を入力していく。
 これがいたらやばいだろ、みたいなものをいくらか入れた先に、

『煉獄杏寿郎が該当しました。方角はこちらになります。』

 スマホに表示された文章を前に、パチクリと目を開閉し続ける銀時。
 吹き出る汗。その量はちょっとどころのレベルではなかった。

「え、いや、ちょっと待ってください。あのスマホさん? 冗談はやめよう?」

 何度見返しても矢印の方角に煉獄杏寿郎がいるという表記をやめない。
 弟や親父さんの方なのではと思って確認をするが、どうみても炎柱のあの煉獄杏寿郎。
 他にこのような名前の人物が存在するとは思えず、思わず叫んでしまう。
 映画業界に400億の興行収入を叩き出した、伝説の男の名前を。

「400億の人いるうううううう!?
 吉原リメイクやり始めた俺が対峙するのが400億の男っていうのは何かのご冗談ですよねぇ!?」

 正直適当にやったことが、的中するなどと思わず一人絶叫する銀時であった。





「む!」

 島の端。一歩進めば奈落の底へと落ちるであろう場所。
 そこに立つ炎のような髪と刀を持つ青年は、銀時が検索してしまった煉獄杏寿郎の姿だ。
 此処が空の島なのか懐疑的で端のエリアまで来てみれば、見ての通り島は浮いている。
 小石を落とせば音はしない。落ちればまず命はないということが目に見えてわかる光景だ。

「今、呼ばれたような気が……いや、今は重要ではないな!」

 ベリアルは無惨よりも厄介な存在だ。
 鬼ではない。だが少なくとも人間ではない。
 鬼以上の何か危険な存在がいる可能性はどこかにあった。
 鬼という不思議な生物がいるのだ。堕天司なんて存在がいてもおかしくないと。
 問題は相手は鬼ではない可能性が高い。鬼殺隊として身内の問題ならまだしも、
 悪事を働く相手を成敗するのが生業ではないので少しだけ、ほんの少しだけ悩まされる。

「だが! だからと言って許すわけにはいかんな!」

 果敢に立ち向かった少女を喜劇のように殺し、
 多くの人間を巻き込んだ殺し合いを望んでいる姿。
 その所業は悪鬼と変わらない鬼畜の所業。許すことは当然できない。
 上弦の参との戦いで命を落としてしまった彼の志は、何一つ変わらなかった。
 悪鬼滅殺。たとえ鬼でなくともベリアルのたくらみは阻止せねばならない。

「しかし、空に浮かぶ島か……何故だろうな! 覚えがある!!」

 快活な声とともに、空に浮かぶ島を見渡す。
 空に浮かぶ島々など大正時代を生きる彼にとってはありえない場所だ。
 だがなぜだろうか。どこか彼からすれば覚えがあるようにも感じる。



 彼は忘れてしまっているが、煉獄の身体には空の経験があった。
 共に戦った隊員や柱とともに、星晶獣リョウメンスクナを対処した空の記憶が。
 もしかしたらそれを思い出すかもしれないし、思い出さないかもしれない。

 特に関係のない、映画関係者二名によるバトルの火蓋が切って落とされる。

「400億に勝つとか無理なんですけどおおおおおお!!
 後あの人、性格的に俺らと殺し合い絶対しないんだけどぉ!!!」


【坂田銀時@銀魂】
[状態]:カオスにつき困惑
[装備]:追尾機能付きアプリ@オリジナル
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0~2
[思考・状況]
基本方針:殺し合いするわけねえだろ。
1:煉獄さんいるんですけどぉ!!

[備考]
※参戦時期は原作の方は少なくとも吉原編以降。
※グラブルは少なくともコラボイベントと4アビフェイトエピソード経験済み。
 グラブルに限らずメタ知識などについてはやりすぎない程度ならある程度自由です。

【煉獄杏寿郎@鬼滅の刃】
[状態]:懐かしい気分、何かに呼ばれた気がする
[装備]:煉獄杏寿郎の日輪刀@鬼滅の刃
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0~2
[思考・状況]
基本方針:ベリアルの企みを阻止する。
1:何かに呼ばれた気がするが、気のせいか?
2:空の世界、なんだか懐かしい気分だな!

[備考]
※参戦時期は少なくとも死亡後。
※グラブルのコラボイベントやフェイトは経験済みですが記憶は保持していません。
 何かのきっかけで空の世界の記憶を思い出すかもしれません。

【追尾機能アプリ@オリジナル】
銀時に支給されたスマホのアプリ。
参加者一名のみを二時間の間方角を示す。
上下にも対応してるので同じ場所にいて気づかないことはない。

【煉獄杏寿郎の日輪刀@鬼滅の刃】
煉獄杏寿郎に支給。彼がいつも使っている日輪刀。
鬼を倒すのに不可欠。
最終更新:2026年02月23日 20:12