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 少女は張りつめた顔をしていた。
 十代中頃の、金髪とピンク色のハイウエストスカートが目立つ少女。
 一見するとか弱き少女にも見えるが、実際のところは寧ろ真逆の存在である。
 彼女を獲物だと生半可な実力で挑もうものなら、返り討ちに合うのがオチだろう。
 数多の苦難を、数々の強敵を、幾多の危機を乗り越えてきた特異点と呼ばれし少女。
 名をジータ。父の手紙に記されたイスタルシアを目指して旅をしていた騎空士だ。

 張りつめた顔をしているのは当然のことながら、主催者であるベリアルのことだ。
 ベリアルの行方は『本来は』未だ不明だ。異次元の狭間へと吸い込まれていったと見ていい。
 最近はサリエルが偶然にも会話をしたそうなので、生きていることについては事実なようではある。
 しかし、こうして殺し合いの主催者を始めており、彼女の仲間は悪辣な催しの見せしめとなった。
 間違いなく事実だ。いくら世界を救う戦いを経験してきた彼女だとしても、全てを受け止めきれない。
 ベリアルの完全な復活。仲間であるゾーイの死。星晶獣は死んだ場合はコアとなって眠りにつくはず。
 しかし今回はそれがない。生物と同じ死を、彼女は迎えていると言うことになる。
 つまり、それはもう二度とゾーイとは会うことは叶わないのだと察したからだ。
 ベリアルの復活も十分に衝撃的な展開であるのはそうだが、やはり仲間の喪失の方が大きい。
 コスモスの代行者ではなく、個人として共に旅を続けてきた彼女は、もういないのだと思うと静かに涙を流す。
 共に海を、時にはクリスマスを過ごしたりと様々なことを一緒に経験した、大切な仲間の一人である。
 彼女が数あるジ・オーダー・グランデの個体の一体でも、ゾーイと言う存在は彼女以外にいないのだから。
 だが、軽く涙を流して悼みこそすれども、それをグローブで拭うと、キッとした顔で夜空を見上げる。
 星空が広がっているが、恐らくこれも偽りの空。綺麗とは思うものの見とれることはしない。
 ベリアルの目的は分かり切っていることだ。世界の終末……或いは星の民であるルシファーの復活。
 彼が考えるのはそれだけだ。終末が実行されてないならルシファーだけは戻っていないか、
 或いはルシファーもベリアルも世界を滅ぼすだけの力を発揮することができないのだけは伺える。
 いずれにせよ危険だ。ルシファーが復活すれば、空の世界の終末が起きるということだ。

(それだけじゃないかもしれない。)

 いや、どうだろうかとジータは顎に手を当て考え込む。
 彼の物言いから此処にはジータが何度も経験したことのある、
 別の世界の住人も来ているとみていい。ルシファーはそれらの世界すら終末を与えかねない。
 今までのどんなことよりも未曾有の危機であるのは間違いないし、危険度はぶっちぎりのものである。
 絶対に阻止しなくてはならない。至って単純であり難解であり、しかし今までそうしてきたことだ。
 様々な島々を渡り、異世界の住人とも交流してきた彼女にとってそれは今までともさほど変わらない。
 誰かと協力して目的を成し遂げる。そう、今まで通りだ。頼れる騎空団の仲間がいるかもしれないし、
 場合によっては異世界の住人との交流で培ったコミュニケーション能力が役に立つこともあるだろう。

「でもベリアルはどうして私を生かしたままにしているんだろう……?」

『だがこれだ。特異点を起点とする波紋は必ず、大きな潮流になる。』

『イレギュラーだったのは特異点。キミの存在だ。』

 一番の謎はそこでもあった。
 自分の存在が大きな波紋を、想定外な展開を生み出すと嘗て彼は言った。
 だとするなら、自分の存在を真っ先に抹消するのが優先順位として高いはず。
 確かにゾーイは星晶獣の中でもかなりの上澄みと言ってもいい存在になるだろう。
 彼女を知る団員ならば、ベリアルを又聞きだとしても彼を脅威とみなせるはず。
 しかし、それならばもっと有効的な存在がいる。それこそが自分を殺せばいい。
 見せしめには十分だし、そうでなくても参加者に入れる理由は謎に包まれている。
 中には自分の死が原因で暴走する団員だって何人も心当たりが存在している。
 ロベリア、ニーア、アンスリア……長いこと旅をしてきた彼女は老若男女問わず、
 思慕だったり独占欲だったりと、寛容な性格の結果様々な感情を向けられているのだから。
 ベリアルの物言いから、星晶獣でも殺せるのか試したというのもありえなくはないが。

(逆に、私が特異点だから生かされてる?)

 大きな波紋を呼ぶということは、
 何かとてつもないことが起こってしまう。
 それを危惧してか期待してか、あえて生かしたままにしているのか。
 或いは、天司の問題に首を突っ込んだことに対する自分への嫌がらせなのか。
 はたまたただの自分が足掻くことに対する興味か。或いは彼にとってのお遊びなのか。
 何も分からない。彼の言葉を借りるとするなら『だって狡知だもん』の言葉で済む性格だ。
 彼の真意を読み取ることはサンダルフォンやミカエルなど、より詳しい人物でも無理だろう。
 彼に会いたがっていたサリエルや、復讐を望むピズマやアザゼルであっても難しい。

(一度は乗せられちゃったこともあるし、私で何か企んでるのは絶対にある。
 そこは気を付けておかないと、今度は取り返しのつかないことになるかもしれない。)

 いつか強くなるためにベリアルから賜った武器を鍛えた際の出来事だ。
 その時は危うくルリアを自分の手で殺めてしまうところだったこともある。
 彼は自分をも利用して復活を企んでいるのは間違いない。たとえイレギュラーでも。
 とは言え幸い目的は分かりやすい。世界の終末と、その為にルシファーの復活なのだ。
 これほど分かりやすい敵の目的もないだろう。願いの成就などはなからありはしないのだと。
 仮にあるとしても、それを終末のために使わないという可能性は最初から存在しないはず。
 どういう形で、異次元の穴へと消えたはずのルシファーを呼び戻すのかについては疑問も多いが。
 いくら数多のジョブにより得た経験は戦闘だけでなく医療、忍術、知識など経験は多岐に渡っている。
 しかし流石に団員のエキスパートには見劣りすることもある。医療ならばティコ、忍術ならばさと、
 知識ならばアルタイル……とまあ、分野を任せてみればちゃんと上には上がいるのは事実であり、
 何より彼女の本業は騎空士。なので考えることについては二の次として最初にやることは、

「よし、まずは人を探そう!」

 誰かとの出会い(フェイト)。これに尽きる。
 敵であれば持ち前の経験によって倒していき、
 味方になりうる人物であれば仲間となって立ち向かう。
 そう、いつも通りである。空が蒼いのと同じように、不変の道を辿る。
 少女は立ち向かう。何度も相対し続けた、空の脅威となる狡知を打倒するべく。

【ジータ@グランブルーファンタジー】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考・状況]
基本方針:ベリアルの企みを、ルシファー復活を阻止する。
1:よし、やるぞ!
2:ゾーイちゃん……

[備考]
※参戦時期は少なくともApocrypha:After the Fall終了後以降。
※容姿は原作におけるファイター・オリジンのものとしてます。
※制限で素では涯てにはなれません。
最終更新:2026年02月21日 15:02