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「このまま2人で、行けるところまで行っちゃいましょうか」

そう私は提案しました。
魔女になるまで牢屋敷に囚われるしかない。
それ以外の選択肢があると思いたかった。
魔女にならずに済む未来だってあると信じたかった。

「ハンナさんと私なら、行けるかもしれない」

三つ編みをした水色の髪に、オレンジの瞳。
探偵をモチーフとした衣装を着た少女、橘シェリーは大切な友達である遠野ハンナと共に
牢屋敷からの逃避行を選択した。

最初は戸惑いを見せていたハンナだったが
逃げた先にある希望を信じてシェリーと共に歩む道を選んだ。

それは何の確証も無い願望でしかない。
逃げた先ですぐに捕まって殺されるかも知れない。
それでもこのまま、何もせずに魔女化していく未来を選びたくはなかった。

「それじゃあ、行きますわよ。一緒に……」

不安があった。
恐怖があった。
迷いを振り払うようにハンナがシェリーの手を握る。
シェリーもハンナの手を握り返し、二人は手を取り合った。

「はい!出発しましょう!」

希望を信じて満面の笑みで返すシェリー。
しばらくして……二人は牢屋敷から姿を消した。
その後、いくら捜索しても橘シェリーと遠野ハンナの行方は一切分からないままであった。




「うーん、不思議ですねー」

気付いたらベリアルという男によって殺し合いを強要されていた。
これも牢屋敷から逃げ出したせいなのだろうか。

「ハンナさんや他の皆さんの状況も気になりますね」

現在、橘シェリーは屋内を捜索していた。
周囲を見た所、ここは警察署のようだ。
牢屋敷から抜け出すことに成功したとはいえこれにはシェリーにとっても想定外の自体であった。

(ともあれ、ハンナさんとの再会を優先しなければなりません)

共に抜け出したハンナも殺し合いに参加させられているのか。
それとも牢屋敷に連れ戻されたのか。
そこがシェリーにとって一番の気がかりだった。
もしかして既に……と最悪の自体を思い浮かぶ物の首を振って思考を切り替える。

「とにかく大事件です!これは名探偵シェリーちゃんの出番ですね!」

警察署なら何か情報や道具があるかもしれない。
シェリーはテンションを上げながら捜索を続けた。

「おや?そこに誰かいますね」

地下の留置所へと降りたシェリーはそこで一人の参加者と出会った。
黒い帽子に黒い学生服を着た男子学生だった。
特筆すべきは学生の身長である。
190を超える大柄の体格であり遠目で見ても圧迫感を与えるサイズである。
男はまるで我が家かのようにベッドで横になりくつろいでいた。

「わぁ~、大きいですね~」
「誰だ、てめえは」

ベッドから起き上がった男はシェリーを睨みつけた。
男の顔の険しさに並みの人間ならビビり上がるだろう。
だがシェリーは大男に睨まれても全く意に介さず

「はいはーい!私は橘シェリーっていいます!よろしくです」
「…………」
「あのー、貴方のお名前も教えてくれますか?それと何で留置所に捕まっているんですか?
 誰かに閉じ込められたんですか?私がここから出してあげましょうか?」

男の反応は薄い。
だが放っておいてもいつまでも話しかけてくるシェリーが鬱陶しくなったのか。
観念した男はようやく口を開いた。

「俺の名は承太郎……空条承太郎だ」
「承太郎さんですね!よろしくです!それで」
「ここは俺の意志で入った。鍵も俺が持っている」

ようやく返事が来た承太郎にシェリーは興味津々に話しかけるも
承太郎は遮るように聞かれたことを答えた。
如何にも会話を長く続けたくないと言いたげな態度で。

「どうして閉じこもっているんですか?それだといざって時に逃げ道が無くて危険かと」
「勘違いするな。俺は殺されるのが怖くてここにいるんじゃあない。その逆だ」
「逆って言うと?」
「俺には悪霊が取り憑いている。そいつが俺に何をさせるか分からん。誰かを殺してしまうかもしれん。だから俺は檻から出ない」

承太郎の言うことは一般的には信じ難い話である。
だがシェリーは違った。
彼女は牢屋敷で魔法を使う少女達を何人も見てきた。
悪霊が存在しても何も不思議なことじゃない。

「それなら私、名探偵シェリーにお任せください!」
「名探偵だと?何か事件を解決したことは?」
「それはまだありませんね!」
「……やれやれだぜ」

そもそも悪霊を祓うなら探偵では無く陰陽師やエクソシストが適任ではないかと思い浮かぶ承太郎だったが
これ以上、彼女の話し相手になる気はなく。

「とにかく失せな。ここにいたらお前も悪霊の被害に遭うぞ」
「むー!私のこと信用してませんね。いいから見ていてください!」

シェリーはプンプンと怒りながら留置所の檻へと近づいた。
するとシェリーは鉄格子を握り締めて――

「えいっ♪」

ぐにゃりと鉄格子が左右へと折れ曲がった。
シェリーが軽く引っ張っただけで鋼鉄の檻は完全に使い物にならなくなった。

「何ッ!?その力は……」
「はい、それが私の魔法なんです」

承太郎の瞳を真っ直ぐ見つめて答えるシェリー。
さっきまでの飄々とした態度とは違ってその評定は真剣そのものだった。
これなら承太郎も自分を信じて頼ってくれると思ったその時だった。

「これ以上近づくな!」
「え?うぐっ……」

檻から引っ張り出そうと承太郎へ歩み寄った瞬間。
承太郎の体から出現した筋骨隆々な半透明の腕がシェリーの喉元を掴んだ。

「あぐぅ……これ、はっ?」
「それが俺の悪霊だ、急いで離れろ!俺でも制御が出来ん!」

メキメキとシェリーの細い喉元を締め上げる剛腕。
それが承太郎の悪霊だった。
自身では抑える事が出来ず、喧嘩相手のゴロツキ数名を必要以上に大怪我を負わせた。
下手すれば死人も出かねないこの存在を承太郎は封じて起きたかった。

「この腕……ですね」
「……ッ!お前は見えているのか?」
「ま、かせ、て……くださいっ!えいっ!!」

シェリーは桁外れの怪力を発揮し半透明の腕を掴むと強引に引き剥がした。
そしてそのまま悪霊の腕を放り投げると、承太郎の元へ吸い込まれるように消えていった。

「どうです私の推理は?これで解決です、えっへん!」
「やれやれだぜ、ただの力押しじゃねえか」

悪霊を対処した事で誇らしげに胸を張るシェリー。
その姿に見て承太郎は溜息を吐く。

「悪霊が何かしようとしても私が止めます。それで承太郎さんの心配は無いでしょう」
「……そうだな」

何はともあれ、彼女の力が悪霊を抑えつけたのは確かだ。
これならば承太郎の抱える悩みは解決しただろう。
あとは悪霊の完璧な制御、それと……

「あれ?檻から出るんですか?」
「俺が出るまでお前は諦めないだろうが」
「それはそうですねー」

こんな胸糞悪ぃ真似を仕組んだベリアルにはキッチリと礼を済ませなきゃ気が収まらない。
空条承太郎は己を怒らせた奴には容赦しない。
ベリアルとこの悪趣味な殺し合いに乗る悪共には悪霊の力を遠慮なく叩き込む。

「そう言えば、悪霊の件を解決したので褒めてください!」
「……ああ、よくやった」
「心が込もってません!シェリーちゃん可愛い大好きえらいねすごいね天才とか言ってくださいよぉ~、ねぇ~!承太郎さーんっ!!!」
「やかましいッ!うっおとしいぜッ!!」

【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険スターダストクルセイダース】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考・状況]
基本方針:ベリアルをブチのめす
1:脱出の手段を探す
2:殺し合いに乗る悪党どもには容赦しない
3:悪霊を完全に制御できるようにコントロールする
[備考]
※本編開始前からの参戦です

【橘シェリー@魔法少女ノ魔女裁判】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考・状況]
基本方針:脱出する
1:承太郎と一緒に行動する
2:その後のハンナ達の状況が気掛かり
[備考]
※3話バッドエンドの逃避行エンドからの参戦です
最終更新:2026年03月01日 12:00