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 私に与えられたのは聖なる槍だった。
 魔王の障壁を打ち破る、至宝の武器。
 私は魔法を得手とするが、間違いなく最高峰の業物だ。

 私に与えられたのは聖なる杖だった。
 魔法の集中を短縮できる、至高の武器。
 前述のとおり、私は魔法を得手としている身だ。
 火炎を使う私ならば、瞬間的に連続で火炎を放てるだろう。

 私に与えられたのは大地の鎧だった。
 これもまた、防具としては最高峰のものになる。
 火の力を時に打ち消す、この世界でこれを超える鎧はないと。

 ここまで、いずれも私の知るものだ。と言うよりも、
 全てが私を殺すためのものとして用意された伝説の武具になる。
 だから知っている。使い方も、魔法の使い方も理解は深い方だと。
 これを使って、ベリアルと言う存在は殺しあえと言うらしい。
 魔王が勇者に与えられる武器で戦えなどとは、おかしな話ではあるが。

 ベリアルは殺し合いの果てに願いを叶えるといった。
 魔王になった私だが、あの闇が迫る世界を救えるならば。
 数十か数百で世界を元に戻せるならば、縋るしかないだろう。

 そして私はすべてを出し切った。
 文字通り、武器をすべて消耗する勢いで。
 だが、それでも。

「此処までだ。獣かそれ以上の強さではあったが、所詮余の敵に非ず。」

 私では、この男の命を奪うまでには至らなかった。
 長い金色の髪と、黒い意匠に独特な翼の姿の偉丈夫は、
 この男の方がよほど魔王だと思い知らせてくるかのようだ。
 胴体を大地の鎧ごと突き抜けた拳を、最後の力を振り絞った火炎は奴の腕を焼く。
 火傷の咄嗟の対応で抜かれて、私は血を流しながらその反動でエリアの端へと、空の底へと落ちていく。
 本来なら山すらも軽々飛べただろうに、飛ぶという力すら今となってはなくなっていた。
 ベリアルの言う制限とかではない。もう私は力尽きる。ただ、それだけの話だ。
 その姿を、相手は一瞥も見ることなく終わりを迎えた。

 ああ、やはり私では世界は救えぬ、と言うことか。
 どこかの世界線で。何かの手違いで世界が救えれば。
 私は、それで消えてもいいのだが。



【魔王@片道勇者 死亡】



「狡知め……余興を始めよって。」

 火傷に僅かに痛む腕を見ながら、ベルゼバブと呼ばれる男は夜空を見上げる。
 魔王との戦いは彼女からすれば全力を尽くした戦いではあるものの、彼にとって口にした通り余興。
 障壁こそ厄介であり得物も彼からしても優れた業物であったので確かにそこそこ苦戦こそしたものの、
 彼にとって敵であるかどうかと問われれば、微妙な立ち位置だ。星晶獣と同じかそれ以上を、
 一個人の存在が持っていること自体は多少関心はあったものの所詮はその程度でしかない。

 だがそれが、ベルゼバブにとってはベリアルの意図的なものだということは感じた。
 明らかに意図的な行為。魔王と相対するのを必然とさせるかのような戦闘。
 彼曰く『分からせる』ためのもので、そういう意味の余興も込められたものであり、一人ごちる。

 何故そうしたのか? ベリアルは偏ってるぐらいがちょうどいいとは言うが、
 自分だけが無双できる状況をつまらないとしたのか、どれだけ自身が弱体化してるのか、
 それを伝えるかのように彼にとってある程度力を出すに相応しい存在をあてがったのだろう。
 殺さず参加させてる理由については少々謎めいているが狡知のことを考えても仕方がない。

「ふん、まあいい。この程度ならばどうとでもなるレベルよ。」

 手こずったと言えば手こずったが、これぐらいならば有象無象とそう変わらない。
 やはりまともに相手になるのは天司長や特異点、そう言ったレベルぐらいのものだろう。
 と、いつもならここで考えを終えるのだが、異なる世界の示唆する言及もいくらかあった。
 先の相手も魔法体系が違うことはすぐに分かった。となれば自身に匹敵するかのような連中もいるのだろう。
 負けるつもりはないが、油断をすれば足元をすくわれるということについては身に染みる経験でもある。

「狡知のことだ。ルシファー復活が目当てなのは想像がつく。」

 ベリアルがやることなどほぼ一択。ルシファー復活以外に何があるというのか。
 どうやってかまでは流石に知らないが、少なくともそれを願っての殺し合いなのは明白。
 負けるつもりはないにしても、首輪で力を押さえつけられた状態でルシファーとの戦いは不可能だ。
 なので首輪をサンプルとして欲したのだが、先の相手は最後まで足掻かれるとは思いもしなかった。

「しかし、此処は何処の空域だ……?」

 疑問に思うのはこの空域のことだ。
 地理を完璧に理解しているわけではないにしても、
 遠くに島も、瘴流域も見当たらないような島は果たしてあったか。
 いくらベリアルと言えども、島を創造するというのはそうたやすいことではないし、
 それだけのことができるのであれば、ルシファーがいなくとも世界を滅ぼせるだろう。
 とはいえ塔に籠っていた彼にとって世界情勢がどうなってるかを知ることはできないので、
 此処がどこかは分からなかったとしても、別に無理もないのだが。

「特異点やサンダルフォンもいるかはわからぬが、まあいい。」

 参加者が開示されるまでそう時間はかからないだろう。
 魔王にやられた手傷もある。休憩は必須ではないにしても、
 何も考えずに行動するようならばこの男は最高評議会の一人にはならない。
 最強を望む者は、一人その腕についた血を払い、その場を去っていった。

【ベルゼバブ@グランブルーファンタジー】
[状態]:ダメージ(中)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~3
[思考・状況]
基本方針:狡知も参加者もすべてを屠り、余こそが唯一無二の存在となる。
1:何はともあれ首輪のサンプルが必要だ。
2:特異点についている場合はどう対処するか。
3:狡知は必ず殺してくれる。復活するならルシファーもだ。

[備考]
※参戦時期は少なくともバブ・イールの塔ができて身体が復活してから。
※ロワを破綻させるだけの力はありません。

※魔王の支給品はすべて空の底に落ちました。

【聖槍ヴァルキウス@片道勇者】
魔王に支給。聖なる武具の一つで魔王の障壁を無視して攻撃できる。

【母なる海の杖@片道勇者】
魔王に支給。聖なる武具の一つで集中(作中の魔法に使うターン)を3ターン短縮できる。

【大地の鎧@片道勇者】
魔王に支給。聖なる武具の一つで火属性ダメージを一定確率で無効にできる作中最高峰の鎧。
最終更新:2026年03月03日 00:36