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 かぐや姫は月から迎えが来たので、月に帰りました。
 ――その後は?




「何、これ……?」

 空の島のどこかで、手に食べ物を持った、狐の耳と尻尾を生やした和装の少女が驚愕している。
 彼女の名前は酒寄彩葉。
 どこにでもいるごく普通、とは言えないかもしれないが、それでも誰かはただの女の子と言うだろう。
 彼女が驚愕しているのには現状の異様さもあるが、それだけではない。別の理由もある。

「ちゃんと味がする……なんで?」

 彩葉は食べ物の味がすることに驚いていた。
 そもそも、彼女の獣耳と尻尾が生えているこの体は実体ではない。
 仮想空間『ツクヨミ』にて彼女が使用しているアバター体である。
 とはいえ、アバター体でも物を食べられることに驚きはない。
 それはツクヨミにもある機能だからだ。だが――

「ツクヨミでも味覚の再現はまだできないのに……」

 今舌で味わっているこれは、ツクヨミにはない物だ。
 おまけに今踏みしている地面も、吹いている風も仮想ではない。
 これは現実の自分が知っているものと同じだと、彩葉は直感した。

 となると、ベリアルは本当に異世界の存在なのだろうか。
 月には地球の現在の文明を超えるものがあることは知っているが、こんな殺し合いを開くような存在だと聞いている。
 そして地球人にこんな殺し合いを開く技術はない。
 なら異世界、と考えるのが一番自然かもしれない。

「かぐや……」

 ならば、もう一度会えるのだろうか。
 突如七色に光る電柱から現れ、自身の生活を滅茶苦茶にしたあの少女と。
 かぐや姫をバッドエンドだと嫌いながら、ライバー卒業とともに月に帰ることを、たくさん楽しんだ後のハッピーエンドと呼んだ彼女と。

 かぐやともう一度会うために殺し合いに乗る。
 幾多の屍を積み上げて、自分の手を血濡れにして
 そしてその手で彼女を抱きしめる。

 それが酒寄彩葉のハッピーエンド?

「そんなわけ、ないでしょ……っ!!」

 ふざけるな、と彩葉は蹴り飛ばす。
 そんなものはハッピーエンドじゃない。
 願いを叶える力が、約束が本物であっても、
 自分にツクヨミアバターで参加させて、戦う力を与えてベリアルが殺し合いに乗せようとしても、
 彼女は、酒寄彩葉は、その手を振り払う。

「絶対、ベリアルを倒してハッピーエンドで終わらせやるんだから……!」

 彩葉は誓う。必ず抗いぬくと。
 そしてその後で、かぐやにもう一度会うのだと。




 Ex-otogibanashiは横道に逸れる。
 されどまだ、かぐや姫は終わってない。


【酒寄彩葉@超かぐや姫!】
[状態]:健康、ツクヨミアバター
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:この殺し合いをハッピーエンドで終わらせる
1:まずは殺し合いに乗っていない人を探す
2:異世界って、もしかしたら本当に……?
3:かぐや……
[備考]
※参戦時期はかぐやが月に帰った直後です
※劇中のゲーム『KASSEN』と同じように動けます。
最終更新:2026年03月12日 22:01