かぐや姫は月から迎えが来たので、月に帰りました。
――その後は?
◆
「何、これ……?」
空の島のどこかで、手に食べ物を持った、狐の耳と尻尾を生やした和装の少女が驚愕している。
彼女の名前は酒寄彩葉。
どこにでもいるごく普通、とは言えないかもしれないが、それでも誰かはただの女の子と言うだろう。
彼女が驚愕しているのには現状の異様さもあるが、それだけではない。別の理由もある。
「ちゃんと味がする……なんで?」
彩葉は食べ物の味がすることに驚いていた。
そもそも、彼女の獣耳と尻尾が生えているこの体は実体ではない。
仮想空間『ツクヨミ』にて彼女が使用しているアバター体である。
とはいえ、アバター体でも物を食べられることに驚きはない。
それはツクヨミにもある機能だからだ。だが――
「ツクヨミでも味覚の再現はまだできないのに……」
今舌で味わっているこれは、ツクヨミにはない物だ。
おまけに今踏みしている地面も、吹いている風も仮想ではない。
これは現実の自分が知っているものと同じだと、彩葉は直感した。
となると、ベリアルは本当に異世界の存在なのだろうか。
月には地球の現在の文明を超えるものがあることは知っているが、こんな殺し合いを開くような存在だと聞いている。
そして地球人にこんな殺し合いを開く技術はない。
なら異世界、と考えるのが一番自然かもしれない。
「かぐや……」
ならば、もう一度会えるのだろうか。
突如七色に光る電柱から現れ、自身の生活を滅茶苦茶にしたあの少女と。
かぐや姫をバッドエンドだと嫌いながら、ライバー卒業とともに月に帰ることを、たくさん楽しんだ後のハッピーエンドと呼んだ彼女と。
かぐやともう一度会うために殺し合いに乗る。
幾多の屍を積み上げて、自分の手を血濡れにして
そしてその手で彼女を抱きしめる。
それが酒寄彩葉のハッピーエンド?
「そんなわけ、ないでしょ……っ!!」
ふざけるな、と彩葉は蹴り飛ばす。
そんなものはハッピーエンドじゃない。
願いを叶える力が、約束が本物であっても、
自分にツクヨミアバターで参加させて、戦う力を与えてベリアルが殺し合いに乗せようとしても、
彼女は、酒寄彩葉は、その手を振り払う。
「絶対、ベリアルを倒してハッピーエンドで終わらせやるんだから……!」
彩葉は誓う。必ず抗いぬくと。
そしてその後で、かぐやにもう一度会うのだと。
◆
Ex-otogibanashiは横道に逸れる。
されどまだ、かぐや姫は終わってない。
【酒寄彩葉@超かぐや姫!】
[状態]:健康、ツクヨミアバター
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:この殺し合いをハッピーエンドで終わらせる
1:まずは殺し合いに乗っていない人を探す
2:異世界って、もしかしたら本当に……?
3:かぐや……
[備考]
※参戦時期はかぐやが月に帰った直後です
※劇中のゲーム『KASSEN』と同じように動けます。
最終更新:2026年03月12日 22:01