「※※※ーー!!?」
何度目かの魔物の悲鳴。
この空の舞台に配置された魔物の一体、テイワットに生息するヒルチャールの言葉にならない叫び。
無造作に人を襲う彼らは、逆にたった二人の剣士によって無慈悲に切り捨てられた。
だが、それは人を襲う習性ゆえの因果応報というものだろう。
襲えば抵抗される、この空の世界で開かれ、用意されたこのヒルチャールにそんな知能があるかどうかは別として。
「いぇーい、私の勝ちー!!!」
「くやしぃぃぃ!」
そんな、男子小学生のくだらない競い合いの如く勝者と敗者の叫びと悔しさが交差し合う二人。
この二人が2~30体以上いたヒルチャーチの集団を、正当防衛と言う形で殲滅した。
郡青色の衣装に身を包む茶髪ポニーテールの女性、ベアトリクス。
桃色の髪に白い制服の少女、燕結芽。
「というわけだから、倒した数多かった私の言う事を聞いてもらうぞー!」
何故こんなシッチャカメッチャカなことになったのか。
一体何の勝負をしていたのか、と問われれば少し時間は遡る。
『年の瀬の大災厄』と呼ばれる大事件以降、特務警備隊として仲間たちと新たな道を往くことになった燕結芽。
久方ぶりの両親との再会もあったりと、そんな事があったと思えばこの殺し合いに巻き込まれた。
警備隊の仕事は果たそうと心がけながらも、「全く知らない強い誰か」への期待を仄かに待ち望んでいれば。
出会ったのがこのベアトリクス。
並々ならぬ実力を感じ取って、思わず一刀交えてやろうかと身体が勝手に⋯⋯というわけで。
機転を利かせたベアトリクスが何を思ったのか、「今自分たちを取り囲んでいる魔物を多く倒した方の言う事を聞く」という謎の提案をし始めて。
雑魚掃除の数の対決という、ベアトリクスから何だかおもしれー女の雰囲気を感じて了承。
だが、手に持った木刀であっという間に魔物たちを殲滅、結芽も何体か倒したものの僅差でベアトリクスのほうが倒した人数が多かった。
「⋯⋯で、おねーさんは結芽に何させたいわけ?」
「いや、何させたいっていうか。特に⋯⋯いや、殺し合いの乗ってほしくないとか? そんな感じ」
「⋯⋯⋯⋯ほんとは何も考えてなかったんじゃないの?」
「う゛っ⋯⋯」
燕結芽の指摘は、図星である。
一戦交えられそうなのを回避するために適当なことを言ったのだ。
自分がもし負けてたら何命令されてただとか考えていなかったのだろうか彼女は?
などと、やはりこの彼女は弄りがいがあるというか面白さ満点な剣士だと愉しみと呆れの感情が混じりながら、燕結芽はジト目ながら見下ろしている。
少なくとも自分は殺し合いに乗る気はなかったし、強そうだから一旦手合わせしようぜなので誤解を与えてしまったのは流石に少し反省はしている。
「そりゃ結芽だって思わず言っちゃったのは悪いけれどさぁ。まあでもおねーさんがいい人そうっていうのは分かったから良いか」
「まあ団長の中に強いやつ見かけたら挑んできそうなの何人かいそうだし、私はそこまで気にはしてないから良いんだけどさ。⋯⋯理由とか聞いても良い?」
「理由って言われても。ただ結芽の事を記憶に留めてほしいからってとこかな。それで真希おねーさんたちに迷惑かけちゃうことも多いけど」
自分の存在を誰かに刻んでほしかった。
病弱で短い命で、遺せるのは己の強さだけだと思っていた。
だから戦い、より強い相手と戦うことを望んだ。
それで命を落として、仲間たちに現世に引き戻されて。
親衛隊時代から、仲間のことは好きだったけれど。
あの時をきっかけにもっと大切にしたいと思えるようにはなってしまった。
それでも病気は治らなかったし、性根の方も変わらない。
「そっかー。何だか昔の私も手柄目当てにみんなに迷惑かけることばっかりあったからなー」
「おねーさんはおねーさんで何で手柄ほしかったのかなー?」
「両親を殺したやつに復讐したかった」
「⋯⋯あ」
思わず踏んではいけない部分を踏み抜いた、と放心して口があんぐり。
それをベアトリクスは「まあある程度踏ん切り付いたことだからな!」と気にしない素振りをしてくれた。
両親を奪った「敵」への復讐のため。それにたどり着くために属した「組織」の中で功績を上げ、手柄を立てて一秒でも早く仇への手がかりを探したかった。
「それで一人で突っ走ってゼタや団長に助けられてばっかりでさ。それでも、手柄を立てる以外にも大切なことを自覚できたり出来て。大切だと思える誰かが増えたり、いい後輩が出来たりさ」
「おねーさんも前途多難っていうか、色々あったんだね~」
「ーー大事な相棒を、失ったり、とか。あ、でも今は手元にないけどちゃんと元に戻ってるからな!」
復讐の為の手柄しか見ていなかったベアトリクスは、ある騎空団の団長との出会いで徐々に変わっていった。
組織に入って間もない頃、顔合わせだけなら組織に入る前と出会ったゼタといい。
月からやって来たカシウスという後輩が出来たことと言い。
少なくとも猪突猛進の言葉が似合うほどに独断行動に定評のあったベアトリクスが徐々に変わっていったのは。
そんな出会いを得て大切なものが増えていったからだろう。
「やっぱり、面白いおねーさんだねー。ちょっと気に入っちゃったかも」
そう乱高下が激しい軽い過去語りをしながら、手に持った木刀を高らかに掲げるベアトリクスの姿に。
面白いおねーさんだなというのは、燕結芽は感じ取った。
もちろん、その強さも含めて。
こんな場所でなければ、やっぱり一戦交えたいと。
「⋯⋯そいえば、その相棒って誰のこと? 手元にないってことはなんか大切な剣とか?」
「そうそう! エムブラクス! 詳しいことは言えないから省くけれど、大事な時に助けてもらったりしてる、私の大切な相棒なんだ!」
剣(あいぼう)にそんな愛着が持てるだなんて、それはそれで才能の類だと思いながら。
自分は手元にない相棒(にっかり青江)の事はどう思ってるか、と考えながら。
やっぱり面白く、飽きないおねーさんだと、燕結芽は軽く微笑んだ。
「待ってろよーエムブラクス! 絶対取り返してやるからなー!」
「いや誰が奪ったとかじゃないよね? 誰かさんの支給品に入っているとかじゃない?」
【燕結芽@刀使ノ巫女 刻みし一閃の燈火】
[状態]:健康
[装備]:刀剣類の支給品(後続の書き手にお任せします)
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~2
[思考]:特務警備隊としての勤めは果たす。勿論殺し合いに乗るとかはしないよ
1:でも強い人がいたらちょっとわくわくしちゃうかも
2:このおねーさん(ベアトリクス)面白い
[備考]
※参戦時期は最低でもイベントストーリー「結芽の帰郷」経験済み
【ベアトリクス@グランブルーファンタジー】
[状態]:健康
[装備]:洞爺湖@銀魂
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~2
[思考]:殺し合いになんて乗るか! ベリアルは⋯⋯団長と協力してぶっ倒す!
1:相棒(エムブラクス)は必ず取り返してやる!
2:団長やゼタはいないかなぁ⋯⋯
3:なんだか私面白お姉さん扱いされてないか!?
[備考]
※参戦時期は土SSRフェイトエピソード2以降
『支給品紹介』
【洞爺湖@銀魂】
ベアトリクスに支給。万事屋銀ちゃんこと坂田銀時が所有する木刀。
その実態は樹齢1万年と言われる辺境の惑星の樹木から作り上げられており、鉄以上の硬度を誇る。通称名刀『星砕』
『NPC紹介』
【ヒルチャール@原神】
テイワット大陸の各地に生息する魔物の種族。基本的に様々な種類のヒルチャールと徒党を組んで襲いかかってくる。
最終更新:2026年03月21日 19:35