今までに、複雑怪奇なことは沢山あった。
死んだ後のあの世だとか、地獄だとか。
自分を殺した男と奇妙な関係になったりだとか。
今思えば本当に何でもありだった。
だが、そんな振る舞わされたり時には振り回したりの自分が。
一度の蛮勇から生じた誤ちを拭うために。
お世話になった人を助けるために。
「⋯⋯ってこれは流石に脳のキャパシティ超えますって!?」
「お主もなんだか苦労しておったのじゃな⋯⋯」
というわけで。というわけではないのだが。
塚原音子がこの理不尽を超えた理不尽に思わず叫んでししまった。
本当なら大外聖生が阿鳥先輩を殺す前の駅のホームにたどり着くはずが。
妙な変態に殺し合いしてくださいと言われれ、変な場所に飛ばされて。
何とか信用できそうな人とか知り合いとか探そうとしたら。
現れたのは瑪瑙を思わせるような山羊の角が生えた金髪のナイスバディ女子。
「⋯⋯ま、まあ乗ってなさそうな人? に出会えたのはそれはそれとしてよしなんですけど」
「失礼な。この十二神将アニラがこのような下賤な殺し合いに乗るようなことなどありえんのじゃ!」
「あ、ごめんなさい」
良くも悪くも真っ当な性格と言うべきか。
多分そういうことをズケズケ行っちゃうタイプと言うか。
まあいい人そうなことには変わりはなく、そこは安心できると言うべきか。
「⋯⋯何を焦っておる?」
「⋯⋯焦っている、ですか。そうかも知れませんね。これでも冷静でいようとはしてるんですよ」
このアニラという羊少女。カンが鋭いのか音子の焦りの感情を見抜いた。
焦る理由というよりは、早く戻らないと行けない理由があるというべきか。
「一時の衝動でバカやったせいで恩人が地獄行きになったんですよ。⋯⋯助けるチャンスを掴みかけた所で、これですから」
野放しにさせてはならない殺人鬼を自分でなんとかしようとした。
とっておきを手に入れてそれでなんとかしようとして、引き金を引けなかった。
そのせいでお世話になった恩人が地獄行きになってしまった。
そう、自分のせいだ。自分のせいで。
それが遠因で仕事を首になって、退職金として支払われた時間で「ターニングポイント」まで戻ろうとして。
「ふむふむ」
「自分がやらかした事のケツは自分で拭きたいんですよ。なのにこんなので邪魔が入ったんですから、正直苛ついています」
それで。これだ。
せめてここの時間と、元の世界の時間が違っていることに期待するしかなく。
ならばせめてこの状況からなんとかして脱出したかったという気持ちが心無しか先走っていたか。
「⋯⋯お主がどう言う思いで、戻った先で何をしようとするのか、我は知らぬ。じゃが、その煩悩(よく)に振り回されては、二の足を踏むことになるぞ?」
そう真摯で、真剣な眼差しを向けるアニラの言葉には、気遣いがあった。
アニラは塚原音子の事情をまだ知らない。
だが、煩悩と言う欲に囚われ、暴走する者を何人も見て、元に戻してきた。
見ず知らずの初対面ではあるが、「その願望(よく)」で暴走しそうとなるならば。
羊神宮の歳神、十二神将アニラとしては見過ごせない。
「⋯⋯⋯痛いほど、分かってますって」
そんなアニラに仄かに眩しさを感じながらも。
どこまでも縫い付くその後悔を、改めて身に沁みる心持ちで。
今度は、絶対にという、そんな想いを胸に。
ただ、こんな所で死んでたまるかという、決意を抱いて。
【アニラ@グランブルーファンタジー】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]
基本方針:十二神将としてこの殺し合いを止める
1:この娘(音子)が危なっかしいので当分は同行する
2:団長たちは無事なのか?
[備考]
※参戦時期は最低でも「年年歳歳煩相似たり」後
【塚原音子@誰ソ彼ホテル(アニメ版)】
[状態]:健康、罪悪感、覚悟
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]
基本方針:早くあの場所に戻りたい。こんな所で時間を無駄にしたくない
1:⋯⋯アニラさんの忠告、痛いほど分かってますから
[備考]
※参戦時期は12話、ホテルから現世に戻る最中
最終更新:2026年03月23日 00:45