……もっとバカになれ。真面目すぎるんだよ…お前は……。
「……これは当てつけか?今更ライダーシステムを…それも俺が死んだ後に造られたそれを寄越すとは」
右手が義手となったベルトを巻いた男、桐生豪は何処か遠い目をしながら言う。
ライダーシステムであるギャレンに適合できなかったせいで右手を失い、行き場を無くし無念と正義感が暴走し後輩達に迷惑をかけた果てに命を落とした筈の自分。
それが蘇っただけでなく…支給品に新世代のライダーシステムなるものを寄越されている事には怒り…よりも困惑の方が勝っていた。
ご丁寧にも融合係数は関係なしで変身できるとまで注意書きが書かれている。
「……今更、乗る気にはなれないのは確かだ」
生前散々暴走し、後輩でありギャレンを継ぐ者であった橘朔也とは敗北という形で決着がついたのもあって…お膳立てをされたからといえどそう乗る気にはなれず。かといって正義感のままに殺し合いに乗った者を屠り続ける気にもなれない。
いわば桐生は燃え尽き状態に陥っていた。
「……お前達なら…迷うこと無く助ける為に、戦うんだろう」
脳裏に浮かぶは、後輩である橘や(BOARD時代は面識が無かったが)剣崎の姿。結局色んな意味で不適合だった自分より余程仮面ライダーに相応しかった男達。
「…さて、これからどうするかだ」
他の支給品も確認した上で、どうするべきか決めかねてはいるものの動こうとしたところで…振りかざされた棒の一撃をどうにか桐生は避ける。
「…随分な挨拶だな」
「……避けなければ、一撃で終わらせてあげたのに」
視線の先には小柄な金髪の少女が、身の丈以上の棍を持つ姿が映り込む。
少女の顔は絶望と悲壮に染まっていた。
(…ギャレンになれなくなった頃の俺……いや、それ以上の……)
「何があったかは知らないが、2度も死んでやる気にも…なれなくてな!」
『OPEN UP』
行き場を失った何かを抱えていることを察しながらも、一先ず桐生は変身を遂げ…迎撃する事を選んだ。
「槍使いのライダー…比較的やりやすくは…あるな」
ライダーシステムの名はランス。新世代ライダーの中ではかつて桐生が変身した事もあるレンゲルに一番近い系統のシステムであった。
「…姿が変わろうと!私は…っ…わたしはこんなところで負けられないんだ!」
「お前みたいな子供に負けて死ぬなんて、情けねえにも程がある…!」
そのまま棍と槍が打ち合う。二撃、三撃とぶつかり合った。体格差をものともせず攻める少女と、微妙に不慣れながらも対応していく桐生。
戦況は暫し膠着状態へと陥った。
(…戦い慣れている。…どれほどの経験をすれば、ここまで……!)
「…強いね、でも…かたないと、勝たなくちゃ……いけないんだぁっ!!」
何を背負っているのかと思いながらも問う余裕など無い桐生と、一心不乱に…鬼気迫る勢いで棍や時には高い身体能力から繰り出す体術も交えてくる少女。
(…ここは使うべきか)
膠着状態を抜け出す度にマイティのカードを使用しようとしたその時──
「そこのお二方!警告します!あのベリアルとか言う卑猥でいやらしい男の口車に乗せられて戦うのは待ってください!!」
突如として第三者が乱入して来た。
少女は怒っていた。自分を含めた多数の人達を拉致し殺し合いなどという物を強制させようとするベリアルに。そしてなにより……女性が殺されたというのに、何もできずにいた不甲斐ない自分自身に。
「……ごめんなさい。助けられなくて。本来ならっ……本官が、私が動くべきだったというのに……!」
首を吹き飛ばされ息絶えた女性の様が、死に顔がフラッシュバックし吐き気がせり上がってくるも耐える。
(…怖くないかどうかなら…怖い、死にたくなんてない。でもそれ以上に……本官はもう、後悔したくなんてないんです!!何もできないのが…嫌なんです!!)
「……この殺し合いを止めて、あのベリアルという変態を逮捕してみせます…それが、手向けになるかはわかりませんが…」
そう決意してからは早かった。支給品を確認し、装着装備した上で…金属同士がぶつかり合う音が聞こえ戦闘が起こってると判断。
即座に向かった上で……小柄な少女と鎧のような物を纏った相手、どちらが乗ってるか或いは両方乗ってるのかパッと判断出来なかった為に両者警告という形にしたのであった。
「…誰だお前は…ぐっ…!」
気を取られた桐生を殴打し、少女は警告を発してきた相手目掛けて跳躍。そのまま棍を振りかざす。
「あ、本官はヴァルキューレ警察学校のキリノで……うわあっ!?」
「…あなたが誰かなんてどうでもいい。私は優勝しなきゃいけないんだ!!だからっ……死んでよぉっ!!」
キリノと名乗った光輪を浮かべた少女目掛けて、少女は何度も棍を振るう。
(…この子には、何か事情が…)
「わっ…!?…本当にあの変態が、あなたの願いを叶えてくれると思っているんですか…?」
「…わかってる、そんなことわかってるよ!!それでも…あいつにすがるしかないんだ……わたしのまちがったかんがえのせいで!!ともだちがしんだんだ!!だから──だからっ!!」
棍を避けるキリノだったが、少女の慟哭と言っていい叫びと瞳に涙が浮かんでいるのに気を取られそうになり……金属音が鳴り響く。
(真面目すぎる上にバカなのか!?こいつは!)
「気を取られてどうする!」
「えっ…ぁ、ありがとう、ございます…そうだ、本官も…!!」
(…銃…は当たらないでしょうから……うぅ…ええいっ!!)
叱責しながら桐生はランスラウザーで一撃を受け止める。
どうにか立ち直ったキリノも、改めて少女を止める為に、装備したそれで拳を以て棍を殴った。
二撃を加えられる形となり体勢が崩れた隙を…桐生は見逃さない。
『マイティ』
カードを通し必殺技を行使。高熱化させた刃先を以て吹き飛ばしにかかった。
「っ……ぁあっ…!!…次こそは……!!」
咄嗟に受けるもふっ飛ばされた少女だったが、受け身を取るついでに距離を離した上で一目散に駆けていく。
「あっ…待ってください!!」
「…落ち着け。あいつはきっと……死ぬまで止まらない」
追おうとするキリノを桐生は抑えながら言う。
(……殺し合いに巻き込まれる前の、死ぬ前の俺と一緒でな)
『…本当にあの変態が、あなたの願いを叶えてくれると思っているんですか…?』
……うるさい。なにもしらないからそんなことがいえるんだ。正しいとおもって、だからせかいを敵に回してでも…神託をなそうとした。けど……まちがってた。そのせいで友達(テムオリン)は死んだ。私の考えが……私が──ころしたんだ。
……テムオリンを殺すような世界も、私もいらない……そんな所で、巻き込まれた以上はもう……それ以外にどうやったら……つぐなえるの?
『誰も憎まないで、今まで通りのあなたでいて』
『幸せになって』
……できないよ。むりだよ……できるわけ、ないよぉっ…!!
「逃げるしかなかったけど…次は……負けない。あなたたちを殺すよ。……キリノ、それにあの男の人も」
こうして属していた世界全てを消滅させるはずだった、友の名を騙る法皇となるのが本来の歴史だった少女の運命は歪んだ。
【ファムリナ・ファム・リムール@流星のおとぎばなし【テムオリン誕生編】】
[状態]:肉体的ダメージ(小)、疲労(小)
[装備]:永遠神剣・第五位『流星』 @流星のおとぎばなし【テムオリン誕生編】
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×2
[思考]:皆殺しにして優勝を果たして…テムオリンを生き返らせる。そしてその後──
0:ベリアルを信用なんてしてない、でもわたしがころしたんだ。なら……!
1:あのキリノって子と男の人(桐生)は殺す。
[備考]
※参戦時期はテムオリンを喪い全て消えてしまえと願った直後からです。
※流星のおとぎばなしは永遠神剣シリーズの過去編に当たります。シナリオライター兼現版権所持者である高瀬氏直々の物です。
h ttps://naofumitakase.fanbox.cc/posts/435312
【支給品説明】
- 永遠神剣・第五位『流星』 @流星のおとぎばなし【テムオリン誕生編】
…ファムリナに当人支給。彼女が行使する永遠神剣。下位の為これの使い手に認められてもエターナルにはなり得ない。
今ロワでは誰でも使用可能となっている。また永遠神剣は使い手に合わせて形が変わる為今ロワでもその使い手に併せた物へと変化する。
「……ありがとうございます、そしてごめんなさい!助けに入った形と言うのに…足を引っ張ってしまって……」
「…いいさ。…どうするのかも決めかねてた身だからな、お前みたいなバカを放っておいて死なれるのも……目覚めが悪そうだ」
「…うぅ…確かにゴウさんの話からして、あの子を鎮圧出来そうだった所を邪魔してしまったのはそうですが……」
「……ゴウさん。……どうすれば、よかったんでしょうか。あの子の目は……顔は…絶望してしまったそれに染まっていて。……本官では、私では…届かないん、でしょうか…?」
「……あの手合いは、死に際まで暴れて…それでようやく、止まれる類だろう。…俺がそうだったようにな」
「……そんなの……私は……」
「…足掻きたいと言うのなら、やってみればいい。納得できるまでな」
(…あの子供や俺のようにはなるなよ、キリノ)
こうしてかつて正義感を暴走させた男は、どこか後輩達を彷彿とさせる、真っ直ぐで真面目な正義感の持ち主のバカな少女と共に行くこととなった。
【中務キリノ@ブルーアーカイブ】
[状態]:肉体的ダメージ(小)、疲労(小)
[装備]:永遠神剣・第五位『神託』 @流星のおとぎばなし【テムオリン誕生編】
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×2(内1つは銃の類)
[思考]:殺し合いを止めてベリアルを逮捕します!
0:…あの子(ファムリナ)を諦めたくない。止めてあげたい。
1:先生やフブキ達が巻き込まれてないか心配。
2:ゴウさんと一緒に今は動く。
[備考]
※参戦時期はカルバノグの兎2章終了後からです。
【桐生豪@仮面ライダー剣】
[状態]:肉体的ダメージ(小)、疲労(小)
[装備]:義手、ランスバックル&ケルベロスのカード&マイティカード@仮面ライダー剣
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1
[思考]:とりあえずこのバカ(キリノ)に付いていく。
0:あの子供(ファムリナ)は何を背負ったらああなるのやら…。
1:ひとまずキリノから目を離さないでおく。
2:橘…剣崎…お前らなら乗らないんだろう?
[備考]
※参戦時期は死亡後からです。
※右手の義手はそのままですが支給品を1つ使う扱いになってます。
【支給品説明】
- 永遠神剣・第五位『神託』 @流星のおとぎばなし【テムオリン誕生編】
…中務キリノに支給。ファムリナの従者セオルスが行使する永遠神剣。下位の為これの使い手に認められてもエターナルにはなり得ない。
今ロワでは誰でも使用可能となっている。また永遠神剣は使い手に合わせて形が変わる為今ロワでもその使い手に併せた物へと変化する。
その為CQCの才能があるキリノに合わせてかメリケンサック型へと変化している。元は長刀型。
- ランスバックル&ケルベロスのカード&マイティカード@仮面ライダー剣
…桐生豪に支給。新世代のライダーシステム。
融合係数等関係なしに使用すると仮面ライダーランスに変身可能となっている。
最終更新:2026年03月23日 04:43