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「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ……」

樹木が鬱蒼と生い茂る森の中。
早瀬ユウカは迫り来る死から逃れる為に、全力で走っていた。
事のおこりは少し前。
ベリアルに殺し合えと告げられ、此処に放り込まれ。
ミレニアムの技術力でも製作できるか分からない兵器と、大型自動拳銃を発見し。
取り敢えず身を守る事が出来そうな支給品を手にして。
他の誰かと接触するべく歩き出そうとした矢先。
地を震わせ、樹木を薙ぎ倒して、出現したのは、正しく“怪物”。
3mは優に有る鉛色の巨躯は、鋼の塊を思わせる圧力と重量を感じさせ。
樹木を軽々と薙ぎ倒し、踏み込むだけで地面が爆ぜる筋力は、ユウカに即座の逃亡を決断させるに充分なものだった。
足止めの為に、支給品である真紅の大型自動拳銃を発砲。
怪物の顔面に直撃した銃弾は、激しく爆発し、閃光と共に生じた炎が怪物の顔面を包み込んだ。
網膜を灼かれた怪物が動きを止め、その隙に乗じてユウカは全力で離脱したのだった。


後方から聞こえる咆哮と震動が、高速で近付いてくる。
怪物とユウカでは、圧倒的に身体能力と歩幅が違う。
少しばかり距離を開けたところで、何の意味も有りはしない。
怪物を振り切る方法を考え続けてはいるものの、何一つとして浮かば無い。
支給品の兵器を用いたいが、怪物の速さを考えれば、装着している間に殺されかね無い。
ユウカの背後で、樹木が宙を舞った。
自身の倍は有る大薙刀を振り回して、怪物がユウカへと追い縋る。
横薙ぎに振われる刃を、地面に転がる事で回避。
全身を打ち据える風圧が、怪物の圧倒的な膂力をユウカに知らしめる。
キヴォトスの住人は、総じて頑丈ではあるものの、怪物の一撃を受ければ───掠るだけで、五体が砕けると確信する。
ユウカは立ち上がって走り出す。先程まで居た場所に、怪物が大薙刀を振り下ろし、地響きと轟音と共に、直径5m程のなクレーターが形成される。
周囲に飛散した土くれがユウカの背中に直撃するが、常人ならば行動不能になる打撃も、キヴォトス人の頑丈さにより、ただ痛いだけで済んだ。
振り返る事無く、銃を背後の怪物へと発砲。
当たったかどうかを確認する余裕も無く走り出す。
巨躯の怪物が追い難い様に、樹木と樹木の間を擦り抜け、必死に走るユウカだが、時間と共に脚の動きは鈍り、歩幅は狭くなっていく。
疲労がユウカの筋肉のを硬らせ、酷使され続けた心肺機能は、既に限界を超えていた。
散漫になった注意が足元の木の根に気づく事無く。木の根に足を引っ掛け、転倒する。
もう、起き上がる体力も気力も無い。
疲労と酸欠で濁った思考の中で、ユウカは知っている者達が巻き込まれてい無いことを祈り、最後に先生の顔を思い浮かべて。

振り下ろされる大薙刀。
早瀬ユウカ五体を粉砕するのに充分どころか過剰なまでの力の篭った一撃。
絶死の運命は、無慈悲に早瀬ユウカへと迫り。

【早瀬ユウカ@ブルーアーカイブ -Blue Archive- 死

鋼と鋼の激突する凄絶な響きが、ユウカの意識を鮮明にする。

「見た目相応に…やるじゃ無い」

絶死の運命を受け止める白刃。
怪物の一撃を受け止めた剣を執る白い繊手。
陽光を反射して煌めく処女雪を思わせるプラチナ・ブロンド。
纏った鋼の禍々しさと対を為す、優雅で美麗な姿。
ゲヘナ学園の制服ににた衣服を身に纏い。
力と覇気を全身に漲らせた、優美な女が其処に居た。

「まだ生きている?そう…なら後は此奴をどうにかするだけね」

怪物が咆哮する。大薙刀に更なる力を加えて、女の持つ剣ごと、ユウカを叩き斬ろうとした。

「腕力で押すだけの男は、好みじゃ無いわ」

女が纏う鋼の異形から聞こえる駆動音。
機関(エンジン)の駆動する音だとユウカは気づいた。

「ハァアアアアア!!!」

ユウカは眼を疑った。怪物の大薙刀が、女の剣に撥ね上げられたのだ。
怪物が咆哮し、女を斬り殺すべく大薙刀を振るう。
駆動音が、さらに大きく、激しさを増していく。
音に合わせるかの様に、女が激しく剣を振るい。怪物の大薙刀と斬り結ぶ。
真っ向上段から振り下ろされる、瀑布の如き斬撃を捌き。
胸元へと伸びる、砲撃の如き刺突を弾き。
脚を薙ぎに来る一閃を、剣身を立てて受け止めた。
怪物の攻撃は、更に強く、速く、激しさを増していく。
その悉くを受け、捌き、躱しながら、女が徐々に追い詰められている事に、ユウカは気付いた。
キヴォトスに於いて突出した科学力を有する、ミレニアムサイエンススクールの生徒であるユウカにも未知の技術で身体の強化を成し遂げている事は推察出来る。
身体能力の強化度合いは凄まじく、怪物にも力負けをしてはい無い。
だが、幾ら身体能力の差を埋めた所で、両者の身体の大きさには絶対的な差が有った。
3mの巨躯を有し、6mの大薙刀を、子供が枯れ枝を振り回す様に繰り出してくる怪物のに対して、女派一歩も踏み込め無い。
嵐の様な攻撃を、只々防ぎ、躱しているだけだ。
必然として、一方的に消耗させられる。
未だに形勢は何方にも傾いてはいないものの、遠からずして女は怪物に殺される。
怪物が繰り出す六撃を、舞う様な動きで凌ぎ切った女が、続く七撃目で体幹が崩れ、八撃目を受け止めたものの、怪物の剛力により大きく後方へと飛ばされた。

「全く…ウェールズや瑞鶴にでも無いのに、何で斬り合いなんか」

20m以上の距離を飛ばされたにも関わらず、優雅に着地を決めた女は、爆音と称すべき咆哮と共に突っ込んでくる怪物へと、不満気な眼差しを向けた。
女の纏う、異形の鋼が動き出す。
双頭の黒龍を思わせる鋼が、迫る怪物へと鎌首をもたげ、顎を開いた。

「まぁ…この感じ、悪く無いわね。火力全開!Feuer!」

二つの口から吐き出された光弾が怪物に直撃。爆炎が怪物を包むも、僅かに堪えた風も無く、炎を尾と引いて、怪物が女目掛けて走り寄る。
咆哮と共に大薙刀が振われ、女の脳天に直撃する寸前。光の壁に遮られた。

「この程度じゃ足りないわ。もっと、もっとだ……!」

立て続けに響く砲声。腹に響く重低音にユウカが顔を顰める。
至近距離から砲弾を受け、更に追撃の光弾。
それでも尚、動きを止めない怪物へと、女は手にした剣を振るう。
剣から伸びた光の刃が、怪物の胸を深々と斬り裂いた。
流石に動きを止めた怪物から、女は大きくユウカの法へと跳躍し。

「撤退よ。あの怪物を仕留めるには、私達だけじゃ無理みたい」

ユウカをお姫様抱っこして駆け出した。

「直に動き出すわ。仕留めたいけれど、私達の火力じゃ無理」


~~~~


「プリンツ・オイゲンさん…ですか?」

「オイゲンで良いわ」

怪物との戦いで疲労し、スカート履いてい無い脚を投げ出して、地面に座り込むオイゲンと、簡単に自己紹介を交わしたユウカは、生命の恩人で有る女────オイゲン名前を知って、困惑を隠せないでいた。
オイゲンとは男の名である。どう見ても女性でしか無い人物が名乗ると、違和感しか感じ無い。
なんだか不意に、眼帯付けた髭の男が脳裏に浮かんで、必死になって振り払う。

「気になる?」

「ええ…ハイ」

「じゃあ説明するけど…驚かないでね」

「妙に落ち着いていますね」

「慣れてるの。“貴女の様な子”には」

~~~~

「軍艦がヒトの形を得たKAN–SEN?」

俄には信じられない。だが、さっきの戦いぶりに説明はつく。

「…それに、異世界からの来訪者が良く来るって……」

「マニュアルが出来るくらいには、ね。
こんな事になるのは、初めてだけれど」

こうして最初から居るタンク役と、8日間のログボで貰えるタンク役とは邂逅したのだった。


【早瀬ユウカ@ブルーアーカイブ -Blue Archive-
[状態]:疲労(中)
[装備]: クトゥグア@デモンベインシリーズ
[道具]:個人要塞@魔界都市シリーズ 基本支給品一式、不明支給品×0~1
[思考]:殺し合いからの脱出


【プリンツ・オイゲン@アズールレーン】
[状態]:疲労(中)
[装備]: 艤装
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×0~2
[思考]:殺し合いからの脱出

※母校時空からの参戦です。今までのコラボイベントは全て経験しています

支給品解説

クトゥグア@デモンベインシリーズ
早瀬ユウカに支給
フォーマルハウトの旧支配者クトゥグアの力を宿した真紅の大型自動拳銃。
放たれる弾丸はクトゥグアの神威を宿し、当たると爆発炎上する。

個人要塞@魔界都市シリーズ
早瀬ユウカに支給
120mm戦車砲弾に耐えられる装甲を有し、超硬度鋼を焼き尽くすビームを放てる空飛ぶドラム缶、
飛行に使うエネルギーを攻撃に転用する事も出来る



艤装@アズールレーン
プリンツ・オイゲンの艤装。
KANーSENは誕生した時から艤装を有し、使う事が出来る。
必要のない時は引っ込めておいて、必要がある時だけ、出現させる事が出来る。
(ジョジョのスタンドみたいなものです)
艤装内部に荷物を仕舞い込んだり出来る。便利。
元になった艦にする事もできるが(オイゲン場合は、アドミラル・ヒッパー級三番艦プリンツ・オイゲン)この機能はオミットされている。 





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傷ついた体の修復を終え、怪物が立ち上がった。
周囲に生物の気配は無い。
先程まで交戦していた女は逃げ去ってしまった。
だが、怪物は悔やむことも憤る事も無い。
只々殺すだけ。
理性無き怪物は、新たな獲物を求めて移動を開始した。



【ヘラクレス・メガロス@Fate/Grand Order
[状態]:健康
[装備]: むら雲切り@ONE PIECE
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×0~2
[思考]:皆殺し
最終更新:2026年03月23日 09:35