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 瞳をぐるぐると回しながら頭を抱える一人の少女がいた。
 白地のマント、水色の長い髪を束ねた童顔の少女はさながら背伸びした子供にも見えるが、
 スタイルは出るところはしっかり出ており、顔とは少々ミスマッチの体格をしている。
 さながらファンタジーと言ったものに該当する戦士らしい格好だが、一応その通りだ。
 彼女の世界は、そういう世界の人間だから。

「うおおおおお……次から次へと脅威が何故舞い込むの帝国は……あ、帝国だからか!」

 今の状況に嘆き続けると思ったら急にポンと手をたたいて納得してしまう、
 このちゃらんぽらんさがどう見ても抜けない少女、メーアは『一応』は実力のある存在だ。
 実力主義で力さえあれば皇帝の座すら勝ち取れてしまうと言う程の白の帝国でただの槍騎士から、
 今となっては騎兵団の大隊長にまで上り詰めてしまうだけの経歴を持ち合わせているのが彼女になる。
 まあ、同僚からは阿鼻叫喚するほどに人格は隊長に向いていない性格なのは、見ての通りでもあるだろうか。

「後方支援、前線に出ない、昇進! 富に名声に部下とこれだけ得て、
 私はいまだ前線に立たされてしまうのか……王子と盤上遊戯でサボりたいなぁ。」

 白の帝国が共同戦線となる相手、王国。
 そこでの王子とのやりとりは王族と派遣された一兵卒とは程遠い、
 お菓子をつまんだり盤上遊戯で遊んだりさぼったりをすると言う、友人のような関係だ。
 時折不用意な発言で帝国の偉い相手にしばかれたりもしてたりするが、当然なので彼女も文句は言わない。
 だが後悔しないし懲りない。それがメーアと言う人物であり、同僚が阿鼻叫喚すると言うわけである。

「……ま、ひとまずこれぐらいにしておいて。」

 頭を抱えるような悩みはひとまず此処までにしておくことにする。
 こんな性格だがちゃんと騎士だ。人を守ることの重さを理解しているし、
 ベリアルの所業を許しておけるほど彼女は冷酷な人間と言うものではない。

「騎兵団長が馬なしで戦うとは、なんとも言えない気分だなぁ。」

 手にできたのは竜の尾が螺旋を描いたような持ち手の槍。
 ワルキューレの騎兵であるメーアにとって槍とは慣れた武器。
 少なくとも外れにあらず。武器の取り回しも別に苦労はせず、
 グルグルと槍を回しては、ドヤ顔と共に決めポーズで槍を構える。
 ……こんなノリではあるが、真面目に殺し合いに反抗する側である。

「さて、急ぎますか。」

 遠くから音が聞こえる。聞きなれた戦いの音だ。
 馬はなくとも、帝国により鍛え抜かれた肉体は並の兵士に非ず。
 馬がなければ、なんて間抜けな言い訳などしないぐらいには彼女もまた強くある。



 メーアが聞いた戦闘を行っていた一人は、柄のいい男とは呼べなかった。
 逆立つ赤髪、厳つい面構え、そして義手。堅気の人間とはいいがたい姿だ。
 もっとも、彼こそラガッツォはナビスと言う闇の組織に属していたので、あながち間違いではないのだが。

 ラガッツォと言う男は、少なくとも弱いと呼ぶには無理のある男だ。
 確かに彼は魔術師としての家系では落ちこぼれとして侮蔑された過去はある。
 だが代わりに占星武器(ホロスコープ)と呼ばれる武器の一つに選ばれる実力があり、
 その武器たるクリムゾンフィンガーを使いこなすべく格闘技には目を張るものがあり、
 センスのある格闘家を二人を相手にしても余裕なぐらいの実力は十分に備わっていた。
 今ではその武器は奪われ、両腕もなくして義手で戦うのが主になっているものの、
 それでも彼の格闘センスが失われることなく、騎空団で戦いに身を投じることになっていた。

「クソッ、バカみてえに強えじゃねえか……!」

 しかし上には上がいる、と言うのを突き付けてくるものは無論存在する。
 黒の意匠に身を包んでいるいかにも大物っぽそうな金髪の美丈夫は、
 ラガッツォの攻撃を悉く防いできては的確にダメージを与えてくる。
 厄介なのが初対面のラガッツォでも分かる。手加減されてると言うことだ。
 バカにしてるのではなく純粋な温存なのだろう。殺し合いを最初からする、
 普通ならば選ばない。いかれた父、フェルディナンドも無暗に争おうとはしない。
 今後を見据えた上での加減。舐められたものだと思うが、同時に慎重な裏返しだ。
 ただ殺し合いに乗ってるのではなく、万全を期したかのような冷静な立ち回り。
 手を抜かれてもなおダメージと言うものが満足に与えられずにいる圧倒的な強さ。
 かといってどうしようもないほどの無敵と言うわけではない、あくまで立ち回りでの強さだ。
 種族的な問題とか相性的な問題ではない。勝とうと思えば勝てる可能性のある相手。

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 だからこそ撤退を選びにくい厄介さを持つ。
 殺し合いに乗ってる奴で、まだ勝てる可能性のあるやつ。
 止めなければならないこの状況を捨て置くのは危険な相手。
 故に撤退を選ぶことができず、応戦を続けているが結果は芳しくない。
 正義感が特別強いわけでもないが、だからと言って放っておくほどの薄情でもなかった。

「草薙の炎でもない、Kシリーズの炎でもない。所詮紛い物の焔では、届くことはないだろう。」

 美丈夫にしては妙に渋みのある声。しかし大物であることを示すような声だ。
 まがい物、と言うのはラガッツォは炎に関しては義手で出力を補ってる部分もある。
 腕がちぎられてる以上、空の世界で生きるにはそれぐらいの補助はまず必須でもあった。
 だからと言って、義手の扱いがなってないわけもなければ、義手を言い訳にするつもりもない。

「クサナギだかなんだか知らねえが、
 だからと言ってテメエを野放しはいかねえんだよ。」

 立ち上がりながら構えるラガッツォ。
 相手はそれを特に何か反応するでもなく、蛇腹剣のような細長いものを振るう。
 斬撃は義手で防げる程度にはマシな切れ味だが、当たり過ぎれば義手が壊れる。
 避けに専念するが、生命体のような動きで迫るソレに逃げ続けるのは至難の業だ。

(この剣、まじでなんなんだよ! ふざけやがって───)

 眼球に刃の先端が迫り、目をつぶされないように片目を閉じて攻撃をかわしつつ防ぐ。
 辛うじて瞼を掠る程度で無事だが、この無茶苦茶な蛇腹剣のようなものを対応しないことには、
 格闘を基本とするラガッツォにはまともに戦えないことが理解できてしまう。
 攻撃が終わっても追撃は終わらず、次なる攻撃が迫った瞬間、

「マスカーニャ! マジカルリーフ!」

 少女の宣言と共に二人の視界を邪魔するように草が大量に舞う
 男も刃を引き戻し、攻撃を中断して距離を取って様子を伺うことにする。
 葉が消えれば、水色の服の少女とマスクを被った二足歩行の猫のような生物が、
 ラガッツォを庇うように立っていた。





 少女、リコはあることで悩まされていた。
 ルシアスのポケモンである六英雄をエクスプローラーズから解放できたのはいい。
 しかし、それをスピネルは利用してライジングボルテッカーズを世界中に犯罪者として報道した。
 今までは正体を出さなければ何も問題なかったが、今度は映像により船も晒されてしまった。
 エクシード社の報道により完全にお尋ね者となってしまった彼女たちは一番事情を知っているであろう、
 オレンジアカデミーに向かう……その途中で、こんな事態に巻き込まれてしまったわけだ。

 殺し合いなんてしてる場合ではない。
 ロイやドットがいるとしても自分がいないわけにはいかない。
 だから早急に戻りたいと願ったものの、そううまくいくわけもなく。
 最初の頃だったら怯えていただろう。逃げ回り続けるだけの戦いだったかもしれない。
 でも今は違う。多くのトレーナーと戦い、多くのポケモンと出会って成長した彼女は、
 今では自分一人でも十分に立ち上がれるだけの、強い精神力をもっているのだから。

 そして支給されていたモンスターボールには、
 彼女の相棒であるマスカーニャが入っていたのは行幸だ。
 相棒と共に動き出していたところ、偶然ラガッツォが襲われてるのを見つけ助けに入る。
 これが今の彼女の経緯だ。

「あの、大丈夫ですか!?」

「まあまだ大したこたぁねえさ。悪いな嬢ちゃん。」

「……えっ。」

「? なんかおかしなこと言ったか?」

「あ、いえ。知り合いに声が似てたのでつい。」

 ラガッツォの声が以前世話になった、
 ブルーベリー学園の人物に似てるのもあり少し驚いてしまう。
 勿論別人だ。声色だけで同一人物に見える要素は何処にもない。
 それに、今その程度のことで気を取られている場合ではなかった。

「ふむ……ゼロとは違い、グルガンが基本の戦力と見ていいな。ならば───舞い降りよ。」


 三者を見やると、エネルギーを纏った手を地面へと叩きつける。
 同時に地面から噴出するエネルギー波が噴水のごとく地面から噴き出していく。
 直線状に地面を抉りながら出てくるそれは噴火のように、三者へと襲い掛かる。
 ラガッツォとマスカーニャは見てからの反応はできるし、トレーナーのリコも反応はできた。
 だが速度は別だ。ポケモントレーナーと言えどもこの中では最も一般人に近しい存在だ。
 反応こそできても、それに間に合うだけのスピードを出すことは彼女には厳しいものがある。

「おい嬢ちゃん!」

「ミャー!!」

 マスカーニャが蕾を使って彼女に巻き付け、引き寄せようとするも間に合わない。
 全身を穿つことはないにしても、これを受ければ無事では済まないのはリコでも分かる。
 たいあたりやひっかくなんてものではない攻撃なのは、火を見るよりも明らかな事だった。

「華麗にメーアが参上してーの、ちょっとゴメン!」

 そこに茂みからメーアが高速で肉薄。
 マスカーニャが蕾比で引っ張ってるところに蹴りを入れてリコを蹴り飛ばす。
 その反動で彼女もまた攻撃の範囲内から逃れるように着地して、難を逃れる。

「ミャー!!」

「わ、だから謝ったじゃないですかゴメンって!」

「待ってマスカーニャ! この人は助けてくれたから!」

 助かったはいいもののリコを蹴り飛ばしたのは事実。
 だからマスカーニャからすれば敵かと思い爪を立てて警戒する。
 勿論助けられてるので爪を立てるだけで、そのまま襲い掛かる気配はない。

「サモナーとか傀儡使いかな? 相棒と一緒は大事だけど、前に出過ぎはよくないよ。」

「あ、はい。ありがとうございます!」

 次から次へと集まる勢力。
 人数だけ見れば男の方が不利だろう。

「あれが敵ってわけですか。こりゃやばそうな奴で。」

「蛇腹剣とマントに気をつけろよ。あいつの服は生き物みてーだ。」

「服も武器……ミミッキュみたいなものなのかな。分かりました、二人とも、お願いします!」

 だと言うのに男は一切揺らぐことはなかった。
 寧ろ慣れたものだ。複数を相手してきた存在だから。

 これが世界を支配し、新世界の神にならんとする男の冷静さだ。

「三対一か……それでもいいだろう。」





「ネスツ闇の支配者。我こそ最強。見事越えて見せよ。」

 名をイグニス。闇の組織、ネスツの支配者なり。

【メーア@千年戦争アイギス】
[状態]:悲しみ(ギャグ寄りなので影響ほぼなし)
[装備]:ドラグホーン@グランブルーファンタジー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0〜2
[思考・状況]
基本方針:騎士らしくベリアルしばいて下剋上ー! 後ろに誰もいないよね!?
1:この人(イグニス)を止めるとしますか!
2:帝国の人とか王子とかいたら助かるなー! だめかー!

[備考]
※参戦時期は皇帝が病に侵されてから。

【リコ@ポケットモンスター(2023)】
[状態]:健康
[装備]:マスカーニャ&マスカーニャのモンスターボール@ポケットモンスター(2023)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0〜2
[思考・状況]
基本方針:殺し合いはしない
1:あの人(イグニス)を止める!
2:ライジングボルテッカーズのメンバーを探したい。
3:エクスプローラーズもいるのかな……

[備考]
※参戦時期は125話以降、オレンジアカデミーに向かう途中。

【ラガッツォ@グランブルーファンタジー】
[状態]:ダメージ(中)
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0〜2(義手が武器扱いの為1減少)
[思考・状況]
基本方針:殺し合いをする気はねえ。
1:ベリアル、噂しか聞いたことねえがやべえな。
2:こいつ(イグニス)を此処で倒さねえと後がやべえ。
3:知り合いはいるのかねぇ……親父がいるとかねえよな。

[備考]
※参戦時期はNight Pareidoliaエピローグ。フェルディナンドが願う前。

【イグニス@THE KING OF FIGHTERS】
[状態]:ダメージ(小)
[装備]:ガーリアンソード@THE KING OF FIGHTERS、ガーリアンソード@THE KING OF FIGHTERS
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0〜1
[思考・状況]
基本方針:優勝し神になる。
1:三人を屠る。

[備考]
※参戦時期は2001の死亡後。


【ドラグホーン@グランブルーファンタジー】
メーアに支給。ゲーム上では水着グレアの解放武器
竜の孤独は飛翔して孤高となる。故に全貌を見ることは能わず、辛うじて爪先をとどめるのみ。
それでもなお、人の仔らはただ畏れ、僅かな片鱗にすら原始の恐怖を抱く。
水属性の攻撃力を上げることができるスキルを持つ。

【ガーリアンソード@THE KING OF FIGHTERS】
イグニスに支給。イグニスが普段攻撃につかっているワイヤーのような剣。
多分永久パターンでよく見る奴、と言えば伝わると思われる。
イグニスが両手首部分と両肩に装備している、刃が付いた鞭状の擬似生命体で、射程は10m。

【イーリスランス@THE KING OF FIGHTERS】
イグニスに支給。イグニスが普段攻撃に使っているマント(戦闘時はスカートに近い)
裾の四隅に付いている擬似生命体でイグニスの意志で自在に動き、ガードや反射など様々なことも行う。
小説版では超高圧のスパークも出せるようだが、本ロワではそういう扱いではないものとする

【マスカーニャ&マスカーニャのモンスターボール@ポケットモンスター(2023)
リコに支給。リコのマスカーニャと、それが入ったモンスターボール。
マスカーニャの技はマジカルリーフ、でんこうせっか、ふいうち、トリックフラワーなど
最終更新:2026年03月15日 19:29