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 声が、聞こえた。
 遠く、遠く。時間も、時空さえも超えた遥か彼方から。
 わたしを呼んだ、貴方は、誰? 貴方に呼ばれた、私は、誰?
 この私は───自分は、果たして、何者なのでありましょうか。

 とある海にて、声を出した。自分は喋ることができた。
 この身体は私のものだ。そこは見覚えはない海である。
 しかしどこか懐かしい景色。私にはそう思えてならなかった。
 されどあてどもなく自分は歩き、浜辺である少女と出会った。
 性格、容姿ともに似ても似つかない。しかし似ていると思ったのだ。
 似てるのは経緯。共にある声に呼ばれ、力を貸してほしいと呼ばれた存在。
 けれど。彼女と私を呼んだ者は違った。私を呼んだのは人と、ある誰かの願いである。
 人に仇名し、支配する存在。それではない。世界を救ってと。人の世を救うために呼ばれたと言う記憶。
 私は、その呼び声に応えた私の正体は───願いに呼応せし、洋上の鉄城───そう!

 そして、私はある戦艦と刃を……否、
 砲撃を交えた末に私はベリアルを名乗る者により、殺し合いへと招かれた。
 呼び声の主は分からぬまま。ただ世界を救えと言う、まるで御伽噺めいた呼び声に応えたのみ。
 幸い、記憶や人並みの行動がとれることは幸いでしょうか。私は殺し合いのための兵器だ。
 だからと言って、意味のない殺し合いをするほど愚かな思考を持ち合わせてるわけでもない。

「しかし、どうしたものでありましょうか。」

 呼んだ声が分からない。即ち私には仲間がいない。
 経緯が同じ戦艦はいた。しかし彼女は日の本を脅かす存在なれば。
 私は誰に頼ることもできず、ただとぼとぼと静かな街並みを歩き続けていた。

 可能であれば日本人に会いたい。
 此処には日本に限らず無辜の民もいるのだろう。
 けれど、それでも。やはりどこか同胞が恋しくなる部分がある。
 ただ一人、誰に呼ばれたかもわからず顕現したが故のものだろうか。
 だからあの戦艦とも最初は孤独を紛らわせる存在と認識できたのだから。





 そうこうして暫く彷徨っていると、
 彼女は一人の女性の参加者と出会うことに成功する。
 幸い右も左についても余り分かってない彼女にとって、
 同じ志を持った相手であり悪いことではなかった。
 彼女にとっても日本人(に類する存在なので)よりよい。
 ……なのだが。

「しろ、むすめ……? 艦娘じゃないのか?」

 彼女の周りを眺めながら、長い髪の女性が呟く。
 露出した腹部は引き締まった腹筋を鍛えられており、
 逞しくもありながらも美麗も兼ね備えた、優れた容姿をしている。
 名前を長門。艦娘と呼ばれる、戦船の魂を持つ存在になる。
 深海棲艦から制海権を奪還するのが艦娘としての本懐であり、
 人を殺すために戦うつもりはない彼女は、最初から志は決まっていた。
 ただ、問題なことが一つ。向かいの相手も別にその気はないのはいいのだが。

「はい、自分は『城娘』三笠であります。」

 淡々と、まるで上司と部下のような雰囲気を醸し出す。
 少女は白い軍服を整然と着こなす姿は凛としており、
 軍人らしさを象徴するかのような姿をしている人物だった。
 艦娘に三笠と呼ばれる者は少なくとも、今の鎮守府にはいない。
 海域を攻略するたびに鎮守府には新しい艦娘が見つかることは多い。
 なので、未発見の艦娘とかそういうものだと思ったのもあり声をかけたが、
 声をかけてみれば城娘と言うのだ。城娘は要するに艦娘の城バージョンと納得したものの、

「軍艦、なんだな。」

「はい。」

「ならば艦娘……」

「かんむす、と言うのではありません。私は『城娘』です。」

 そういうと、彼女の後方には軍艦が突如陸上に鎮座する。
 城娘は自分の城に類する部分を艦娘の艤装のように装備が反映されるが、
 軍船に相当する存在の場合は、軍船を丸ごと召喚するようになっている。

「艦娘、ではないのか……」

 一先ず理解し、手を伸ばして頭に顔を当てながらやめるよう促す。
 艦娘ならばその軍船を模した装備を艤装として装備するはずだ。
 そうではないと言うことは、つまり艦娘ではないと言うことになる。
 真面目な長門ではこの状況に理解がうまく呑み込めず、頭を軽く抱えてしまう。
 特に長門は現在艤装は没収されてしまって、ある程度頑丈なだけの人間に近いものだ。
 彼女は一応外見上大人だし物事の常識についてはある程度の受け答えもできているものの、
 誕生して間もない存在。ゆえに、全にも悪にも染まる可能性は少しばかり否定はできなかった。

「分かった、ひとまず君については城娘として対応しよう。」

 あまり深く考えるのはやめることにした。
 平行線と言うか、元々艦娘もよくわからない存在だ。
 彼女から『艦娘とは何でありましょう?』と問われて、
 思わず言葉に詰まらせてしまったのは事実なのだから。

「長門さん。私は城娘として浅いものになります。
 傘下に入ることが、生存の道でもあり目的にも繋がると判断しました。
 長門さんを仮の司令官として、指揮下に入れてはいただけないでしょうか。」

「傘下や指揮下とか、君とは初対面で上下関係はどうかとも思うのだが……いや、
 今の君にはそうしたほうがいいかもしれないな。三笠、今後もよろしく頼めるか?」

「はい、よろしくお願いします、長門司令官。」

「……まあ、いい、のか?」

 顕現したばかりなのだろう。
 まだフランクさと言ったものは見受けられず、
 真っすぐで純粋さがどこかに見受けられるのが分かる。
 長門としては悪いとは思わないが、少し硬すぎるようにも思えてしまう。





 これが、彼女は東郷平八郎司令長官が搭乗していた船であり、
 未来から顕現した九龍城砦の力によって目覚めた城娘、三笠の始まりである。


【長門@艦隊これくしょん―艦これ―】
[状態]:困惑
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1〜3
[思考・状況]
基本方針:殺し合いをするつもりはない
1:城娘? 艦娘ではないのか?
2:分からん……

[備考]
※参戦時期の概念は改二であること、少なくとも三笠は鎮守府にいません(と言うか投下時点では未実装)
※容姿は改二の姿に艤装がない、といったものになります。
 艤装はありませんので、頑丈な人間程度の状態です。

【三笠@御城プロジェクト:Re】
[状態]:御嬢状態
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1〜2
[思考・状況]
基本方針:殺し合いはしない
1:城娘であります。かんむすではありません。
2:今は長門司令官の指揮下に入ります。

[備考]
※参戦時期は4章、ドレッドノート戦後。
※城娘の姿の装備の代わりに支給品が減ってます。
※巨大化はできませんが、御嬢の姿には戻れます。
 軍船城娘なので、装備は後方に召喚される形で出ます。
最終更新:2026年02月05日 00:50