なーっはっはっは!!
闇に包まれた島の一角に、場違いなほど間の抜けた笑い声が響いた。
しもぶくれた顔。
だらしなく膨れた体。
そして無駄に大きい声。
その男の名は――
“自称”大剣豪、花房牧之介。
「殺し合いをして! 優勝すれば! なんでも願いが叶う!!
これに乗らない手はないっ!!」
先ほど舞台で繰り広げられた惨状も、彼の脳裏ではすでに過去の出来事だった。
戦国の世を生きてきた彼にとって、血や死は珍しいものではない。
……少なくとも、本人はそう思っている。
「もし優勝すれば、あのにっくき永遠のライバル、戸部新左ヱ門すらも凌駕する大剣豪に――
そうなれば金銀財宝! そして可愛い女の子達が、
『キャー!! 花房牧之介さまー!!』って寄ってきたりして――ぐへへ……」
妄想は加速する。
止まらない。
「よし! 絶対優勝する!! 絶対!!
まずはデイパックから――」
ドシィィン!!
不意に、地を揺らすような重い音が響いた。
「ん? なんの音だ?」
耳を澄ませる。
次いで、にやりと口角を上げる。
「もしやこの花房牧之介さまに殺される人間第一号か?
ふむふむ、自ら来てくれるとは感心なことよ。
ど~れ、ちょちょいのちょーいっと捻って――」
一瞬、言葉が途切れる。
「……いや、相手がどんな武器を持っているかわからんからな。
敢えて、遠目から観察するのが大剣豪というものだ!!
決して! ビビってるわけではない!!」
そう言い聞かせるように呟きながら、牧之介は身をかがめた。
物陰に隠れ、なぜか頭を抱えて丸くなる――
ダンゴムシのような姿勢である。
その視線の先に現れたものを見て、
牧之介の呼吸が、知らず止まった。
――人間では、ない。
灰色の肌。
人の形をしていながら、顔からはイカの触手のようなものが蠢いている。
その異様な存在は、重々しい足取りで歩みながら、高らかに笑った。
「イーッカッカッカ!!
先ほどの者、中々に面白そうなことを考えるではなイカ!!」
その声に、牧之介はごくりと喉を鳴らす。
「天野ケータという小僧との対決に水を差したこと。
このイカカモネ議長様を捕らえ、拘束したこと――
水に流してやろうではなイカ!!」
触手がうねる。
その存在感だけで、場の空気が重く沈んだ。
「この殺し合い、
このイカカモネ議長さまが優勝し、
妖怪よりも愚かな人間共と、誇りを失った妖怪どもを一掃し――
人間界、妖魔界、すべての王となってやろうではなイカ!!
イーッカッカッカ!!」
ズシン……
ズシン……
巨体はそのまま、別の方向へと去っていった。
らくの沈黙の後。
「……」
牧之介は、ゆっくりと息を吐いた。
「……よし!!」
拳を握りしめる。
「積極的に殺し合うのはよそう!!
大剣豪たるもの、むやみやたらに戦うべきではないのである!!」
ほんの数分前と言っていることが、綺麗に真逆であった。
「その代わりだ。
殺し合いを良しとしない集団に潜り込み、
隙を見て一人ずつ倒す!!」
うんうん、と一人で頷く。
「実に大剣豪らしい、正々堂々な作戦だな!!
我ながら惚れ惚れする!!」
――正の字も見当たらない作戦である。
「よし! そうと決まれば、デイパックの確認だ!
どんなものが入っているかな~!!」
花房牧之介は、
自分に与えられたその袋へと手を伸ばした。
この先、彼が何を手にし、
どんな選択をするのか。
それはまだ、
誰にもわからない。
――“自称”大剣豪、花房牧之介の殺し合いが、
今、静かに幕を開けた。
【花房牧之介@忍たま乱太郎】
[状態]:健康、かなりビビり
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:対主催のグループに潜り込み、出方を伺い、最終的に優勝を狙う
1:デイパックの確認
2:対主催グループの捜索
3:あのバケモノにはもう出会いたくない
【イカカモネ議長@妖怪ウォッチ】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:優勝狙い
1:人間共の一掃
[備考]
参戦時期はケータとの対戦直前
第一形態での参戦です
最終更新:2026年02月09日 17:35