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「人がせっかく鮭を美味しく食ってたのによぉ!
 あのベリアルとかいう野郎は、空気を読む力ってもんがねぇのかよ!」

 住宅街を一人、不機嫌そうに歩いているのは鷹の爪団の天才研究員、レオナルド博士だ。
 見た目はどう見ても熊だが、本人は人間だと言い張っている。
 熊だと言った暁には、その鋭い爪で顔を搔きむしられるので要注意である。

「ま、いいか。そこら辺の家から適当な物をぶんどって、とっととこの下らねぇ催し物からおさらばしてやるか」

 レオナルド博士は天才研究員である。
 100円ショップの品から宇宙船を作り、晩飯の残り物からコンピュータウイルスを作る――

 だからこそ、この殺し合いからの脱出も、
 「理論上は」どうにでもなるはずだった。

「この家でいっか。おじゃましまーす」

 博士は何の躊躇もなく住宅に侵入し、脱出に使えそうな物を探し始める。

「えーと、冷蔵庫の中に……あった!玉ねぎ!
 あとは適当に歯ブラシでいっか」

 普通なら意味不明な組み合わせだが、彼は天才研究員である。
 この程度の材料からでも、奇跡を起こしてみせる――はずだった。

「ここをこうして、あーして……よし!でき――
 ……はぁぁ!?」

 完成した物を見た瞬間、博士は思わず声を上げた。

「島根名物・出雲そばじゃねぇか!
 俺はこんなもの作った覚えはないぞ!?」

 気を取り直し、別の材料を使う。

「なら、このジャガイモと鍋蓋で……」

 結果は、

「……うっわ……また失敗だ。
 島根県しかプリントされてねぇ日本地図だ……」

 それ以降も試行錯誤は続いた。
 島根県しか存在しない地球儀。
 島根の匂いがする香水。

 量産されるのは、発明品というよりガラクタばかりだった。

「どういうことだ!?
 俺は吉田みてぇな島根大好きボーイになった覚えは……」

 そこで、博士はハッとする。

「あっ……もしや、あのベリアルとかいう露出過多野郎、
 俺の脳みそをいじくりやがったな!!」

 確かに、レオナルド博士の技術力は規格外だ。
 このままでは、あっさり脱出される可能性もあっただろう。

「くそ……屈辱だ!!」

 博士は足元にあった、島根しか存在しない地球儀を思いきり蹴り飛ばした。

「いいぜぇ、ベリアル!!
 お前が脳みそをいじくったって言うならよ、
 俺はいじくられた分、元に戻すだけだ!!」

 首元の違和感に手をやり、博士は吠える。

「俺の発明でこの忌まわしい首輪を外して、
 この殺し合いから、絶対に脱出してやる!!」

 その咆哮は、
 ――さながら、熊のようであった。

【レオナルド博士@秘密結社鷹の爪】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3、
[思考]:殺し合いの脱出
1:とりあえずこの家で発明を繰り返して勘を取り戻したい

[備考]
技術力が著しく下がっています、これがもとに戻るかどうかは後の書き手さんにお任せします
最終更新:2026年02月10日 12:47