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「ちょっとちょっと!ベリアルだかなんだか知らないけど女神の私を殺し合いに巻き込むなんて愚弄するにも程があるんですけど!!」

 水色髪の見た目麗しい美少女――女神アクアは激怒した。
 必ず、かの邪智暴虐の無礼極まる気持ち悪い男を除かなければならぬと決意した

 ――って、ちょっと。待って、ブラウザバックしないでよ!うわああああん、どうして私が普通に状況解説するだけでこうなるの!?どこからどう見ても見た目麗しい女神、アクア様なんですけど!!
 ……え?何か性格が神っぽくない?なにそれいきなり失礼過ぎない?私は本当に女神だし、私がいなくちゃ世界は大変なことになるっていうのに!

 ねぇカズマさんも黙ってないで何か言いなさいよ。
 ……って、今はこの場にカズマが居ないんだったわね。じゃあめぐみん……も居ないし、ダクネス……もいない。

 あれ?これひょっとしてぼっち!?

「ちょっと。女神をぼっちにさせるなんてどういうつもりよ、ベリアル!もしかして徒党を組まれると強過ぎるからビビってるの!?」

 私はベリアルに怒りをぶつけた。
 ……でも返事は何もなかったわ。つまりこれはアレ?ベリアル、本物の神である私にビビってるわね!?そりゃあそうよね、だって私は女神様だし。私の挑発に何も言い返してこないってことはたぶんベリアルはビビってるのよ!
 ほら、殺し合いを開けるほどの技術があるなら監視くらい出来るでしょ?それなら参加者の私に何か言い返すことだって出来るはずよ。なのに言い返してこないってビビってる証拠じゃない?

 イキる奴をわからせてやりたい性分とか言いながら自分が正にそれじゃない!

「プークスクス。イキる奴が嫌いとか特大ブーメラン投げてたの笑えるんですけど~!イキってるのはあんたじゃない、ベリアル」

 とりあえずわざとベリアルに聞こえるような声で堂々と馬鹿にしてやるけどやっぱり返事はない。はい、ベリアルは口だけの臆病者確定!私が本気を出せば余裕でぶっ殺せるわね!!

 ちなみにベリアルがあーだこーだ解説してた時は、女神としてあえて見守ってあげてただけよ。だってあそこで私が出張るのって空気読めてないじゃない。女神の私がさっさと終わらせちゃったらベリアルが可哀想でしょ?

 だから私はあえて見守ってあげてたのよ。女神の慈悲ってやつ?とりあえず別にビビってたわけじゃないから、そこら辺誤解しないでほしいわね!いや、本当にビビってないから!

それにしても――ちょっと不親切な点が多い解説だったわね。
 星晶獣とか、コスモスの代行者とか、ああいうよくわからない単語を色々と言われても……女神の私ですら知らない言葉なのに他のみんなも困惑しない??
 ていうか本当に一度も聞いたことない言葉なんだけど……もしかして意図的にそういう単語を並べて異世界転移してるって遠回しに伝えたかったのかしら。

 女神を異世界転移させるその技術はすごいって認めざるを得ないけど……ベリアルは私が煽っても反応しないような奴だし、アイツ本人の実力は私より下……そう、下のはずよ!

 ていうか下じゃないと困るんですけど!女神アクア様がゴッドブローでベリアルをぶっ倒して終わり、参加者達はその素晴らしい美貌と神格を兼ね備えたアクア様を崇めました――とかそんなシナリオでいいのよ。

 まあでもそういうエンディングを迎えるにしても、厄介なのは首輪よね。
 とりあえず力を加えて引っ張ってみたけど、ビクともしないし。これ以上、下手に刺激を与えたら最悪首輪爆破で死ぬ可能性もあるわ。

 別にベリアルにビビってるつもりはないけど、技術だけは認めてやってるからこの首輪はとにかく危ないものに違いないって感じね。異世界転移させることが出来る時点でかなりヤバい技術よ、それ。きっと私みたいな女神を野放しにするとすぐにベリアルをぶっ倒すからこの首輪で色々と弱体化させたり脅してるのね。

 でもそんなのに屈する女神アクアじゃないわ!とりあえず首輪を外せそうな参加者を探して首輪をどうにかしたらさっさとベリアルをぶっ倒すだけよ。

 ……そのためにもまずは仲間探しよね。
 カズマ、めぐみん、ダクネス。とりあえずこの三人に出会えたらいいけど、そもそもみんな巻き込まれてるのかしら。
 もしも巻き込まれてるなら、みんなとの合流を最優先にしたいわね。首輪?カズマなら何か首輪を外す方法を思い浮かぶんじゃない?

 まあでもカズマがそういうの無理だった時のために首輪を外せそうな参加者も優先して仲間になりたいわね。あと純粋に戦力がほしいわ!べ、別にビビってるとかじゃなくて。きっと私は首輪で弱体化されてるから、首輪を外すまでは無双出来ないと思っただけよ。だからそのために仲間を作ることは必須ね。

 あと弱体化の内容だけど、きっとリザレクションは使えなくなってると考えたわ。だって蘇生魔法って殺し合いを根本から覆すような魔法じゃない?だからてんっさい女神のアクア様はリザレクションは絶対に禁止されてると確信したのよ。

 さて、とりあえずある程度は方針が決まったことだし――もう一度ベリアルを煽ってやろうかしら。

「きっとどこかで監視してるんでしょうけど、今からこの女神アクア様とその仲間がアンタをぶっ倒しに行くから覚悟しなさい、ベリアル!」


 ◯

 ボクは死んだはず……なのにいつの間にか殺し合いに巻き込まれていた。
 意味がわからないけど、実際そうだから、そうとしか言いようがないんだよね……。うーん、どうなってるんだろう?
 蘇生技術――なんて、そんなものは流石にないはず……だよね?あの茅場晶彦でもそういう技術を開発したなんて聞いたことないし。
 まあでもボクがこうしてまた生きてることは事実なわけで。……こればかりは否定しようがない事実だから、きっと何かの方法で生き返ったとしか言いようがないんだよね。

 そもそも今のボク、ALOのアバターなんだけど……これもまた謎というか。ここがALOや他のVRゲームならわかるけど、別にそういうわけじゃない気がする。
 まあデスゲームっていう意味だとSAOが近いのかもしれないけど、ボクはキリトやアスナと違ってSAOに参加してたわけじゃないからあまり詳しくわからないんだよね。

 とりあえず支給品を確認したらボクの愛剣――マクアフィテルが入ってた。
 うん、これなら戦うことに支障はないね。全力で戦えそうだよ!
 ……色々と謎は多いけど、とにかく戦う手段がないとデスゲームをどうにかするなんて無理だろうからさ。
 どうやらアバターのステータスも反映されてるみたいで、ALOで戦ってた時と何ら変わらない戦いが出来ることはわかった。

 それでも――あのベリアルっていう男をボク一人で倒せるかどうかなんて、わからないけど。
 ALOでは“絶剣”として名を馳せてたボクだけど、そのボクがベリアルが解説してるあの場では身動き一つ取れなかった。

そしてベリアルはかなりレベルが高い人を相手に余裕を保って、首輪を爆破させた。……人が死ぬ光景は今でも脳裏に焼き付いてるし、ベリアルのやったことは許せない。それは当然のことだ。

 でもそれ以上にマズいと思ったのは、あのレベルの強さの人に対してもベリアルは余裕を崩さなかったこと。もちろん首輪で確殺出来るっていうのもあるんだろうけど、強さに自信がなければあんな余裕ぶれないとも思う。

 下品な言葉ばかり並べる変な見た目の男だけど、きっとかなりの実力者に違いないよ。
 だからまあ――ボクがこのデスゲームを攻略するにはパーティーメンバーが必要になる。
 ……ALOの時とは違って、遊び(ゲーム)じゃない。正真正銘、デスゲームを攻略するためのパーティーメンバーがね。

 キリトやアスナやスリーピング・ナイツのみんなが居たら頼もしいけど――同時にみんなにはこんなことに巻き込まれてほしくない、っていう気持ちが強いかな。

 だってこれはデスゲームなんでしょ?そんな危険なことにみんなを巻き込みたくないよ。
 特にキリトやアスナはSAOのノウハウがあるから、きっと参加してたら心強いだろうけど――やっぱり平和に暮らしてほしいな。

 こんなデスゲームに巻き込まれるのは、ボクくらいでいい。そもそもボクは死人だからね。今更デスゲームに巻き込まれてもまだマシな部類だよ。
 本当にどうやって生き返ったのかわからないけど……。そこを気にしてもあまり意味がないというか。そういう考察は頭が良い人に任せるのが一番かなって。

 そしてボクがもしこのデスゲームを攻略したら――ボクはいったい、どうなるのかな?

 無事に生きて帰ることが出来る?……ううん、きっとそんなご都合主義はないと思う。そういうハッピーエンドが嫌いなわけじゃないけど、さ。

現実の厳しさをボクはよく理解している。……同時にアスナ達のおかげで現実が意外と優しいってこともわかったけど、これはデスゲームだからね。ベリアルが死人のボクまで無事に帰れるハッピーエンドを許容するかと言われたら、微妙な気がする。

 きっとボクはデスゲームを盛り上げるためだけに生き返って、巻き込まれただろうからさ。
 それにまあ、アスナ達との別れだって済ませてる。あんなに恵まれた死に方をしたから、後悔はないよ。

 だからボクは自分が生きて帰れないとわかっても、デスゲームを攻略するんだ。
 願いを叶える権利?そんなもの、いらないさ。

 そりゃボクも生き返ってまたアスナに会いたいけど――そのために他の人達を犠牲にするようなことはしたくない。
 そんなことをしたら姉ちゃんやアスナが悲しむよ。

 だからボクはこのデスゲームを攻略するって決めたんだ。
 その後にボクはまた死ぬことになるだろうけど、もう後悔はないから今更悲観的にはならない。
 むしろ――このデスゲームでもボクが生きた証を刻み込んでやるさ!

 そうやって、ボクが決意をした時。

『きっとどこかで監視してるんでしょうけど、今からこの女神アクア様とその仲間がアンタをぶっ倒しに行くから覚悟しなさい、ベリアル!』

 ――何かよくわからない叫び声が聞こえた。
 女神……?それはアレかな、ALOみたいに他のゲームにある種族なのかな?

 それにしても随分とすごい種族な気もするけど……。それともボクの“絶剣”みたいにそういう二つ名が広まってるとか、そんな感じの人?

 まあよくわからないけど、ベリアルに対してあんなことが言えるなんて相当強いに違いないよね。それにああいうベリアルの打倒を誓ってる人ならデスゲーム攻略のためにパーティーを組んでくれる気がする。

 だからボクは叫び声がする方向に走り出した。
 ――うん、身体が軽やかだ。やっぱり今のボクのステータスはALOの時と変わらないらしい。

 ◯

「さっきの叫び声は、キミかな?」

 私がベリアルを煽った後、剣士っぽい女の子に話しかけられた。
 ダクネスと違って軽装だし、あんまり強そうに見えないんだけど……あまり頼りにしない方がいいかしら。
 まあでも仲間は多いに越したことないわ。ここは優しく自己紹介してあげるのが一番ね!

「そうね。私はアクア。この殺し合いに突如として舞い降りた女神よ」

 ふふふ、私の女神の威光できっとこの子も――。

「……えーと。よくわからないけど……女神っていうのは種族名?それとも二つ名かな?ボク、そういうゲーム知らなくてさ」

……は?
 なによこの子、ちょっと失礼過ぎない!?

「私は正真正銘の女神よ!ゲームとかじゃなくて、女神だから女神なの!」

「うーん……この世界に女神なんて存在するのかな?」

 あっ、わかった!
 この子きっとカズマさんと同じ出身ね!だから女神って言われてもピンとこないのよ。まあ女神と聞いて普通に受け入れる転生者が多かったけど……こういう子がいるのも仕方ないわよね。優しい女神アクア様は許してあげるわ!

「私はあなたとは違う世界――いわゆる異世界の女神よ。だからあなた達の世界とは違って私みたいに女神が存在するっていうこと」

「異世界!?いつもならちょっと疑いそうな言葉だけど、いきなり死人のボクが復活した時点でまあそういう常識には縛られない方がいいのかな」

 ……ん?ボク?
 あれっ、まさかこの子……女の子じゃないの?

「あの、今、ボクって聞こえたんだけど……もしかしてアレなの?生えてるの!?」

「生えてるって、何が?」

「いや、だからっ……って、言わせないでよ!女神に対するセクハラよ、それ!メガハラ反対!メガハラ反対!」

 私は女神に対するセクハラ――略してメガハラに徹底的に抵抗するわ。
 こんな可愛い見た目なのに実は男――なんてそんな展開こっちは望んでないのよ!そういう目に遭うのはカズマさんだけでいいから!!

「あー……。もしかしてボク、何か誤解されてる?」

「何が誤解よ。きっとその可愛い見た目で何人もの女を騙して落としてきたんじゃないの?でも私は引っ掛からないわよ!あなた、男でしょ!?」

 ビシッ!
 目の前の可愛い女の子の皮を被ったケダモノに勢い良く指を刺してやるわ!

「いや……ボクは普通に女だよ。こういう一人称だから誤解させたなら、ごめんね」

「本当に?本当に女の子なの?他の女は騙せても女神の私は騙せないわよ!?」

「あはは……。困ったなぁ、どうしたら信用してもらえるんだろう」

「とりあえず私は自己紹介したんだから、あなたも自己紹介しなさいよ」

「それもそうだね。ボクはユウキ。ALOっていうVRゲームで“絶剣”として名を馳せてたプレイヤーだよ。……まあ今はただの死人なんだけど、何故かこうしてアバター姿でこのデスゲームに巻き込まれた――っていう感じかな」

 絶剣……!?
 何かやたらと強そうな二つ名ね、カズマ並にヒョロいのに。
 まあでもそんなカズマもやる時はやる男だし……見た目が全てじゃないっていうのはわかってるわ。

それにこの子はクズマさんと違って性格はまともかもしれないし。……まあ性別詐称してる疑惑もあるけど、それ以外はそんなにヤバい雰囲気を感じないわ。

「自己紹介ありがとう、ユウキ。ところでユウキって死人らしいけど、この殺し合いで優勝を目指さないの?正義感が強いタイプなのかしら?」

 優勝者はどんな願いも叶う。
 だからもしユウキが本当に死人なら、生き返るために必死に優勝を目指してもおかしくないはずだわ。

「優勝は目指さないし、ボクはこのデスゲームの攻略――つまりベリアルを倒すことを目標にしてるよ。もう何も後悔はないし……別に正義感が強いってわけじゃないけど、誰かを殺してまで生き返るつもりもないかな。
 ――それくらいならベリアルを倒して、このデスゲームでボクが生きた証を刻み込むよ!」

 ――そんなふうに話すユウキの瞳には、一点の曇りもなかった。
 きっとこの子は本気で自分の生存を度外視してでも、ベリアルを倒そうとしているのね。“生きた証”を刻み込む――それって要するにユウキが死ぬ前提の考え方なのに、死に対して臆する様子もない。

 ……性別問題はともかく、この子が悪い子じゃないっていうのは、なんとなく伝わってきた。
 そして困ってる――わけじゃないけど、危うい立場の子が居たら導いてあげるのも女神の役割よね。

「それなら私とパーティーを組まない?もしも二人でベリアルを倒したら――私が魔法でユウキを生き返らせてあげるわ」

「魔法かぁ。アクアの世界はすごいんだね。死人が今更生き返るなんてどうかとは思うけど――」

 ユウキは、少しだけ何かに思いを馳せたような表情をした後――

「――ボクにはまた会いたい大切な人がいるから本当に生き返れるなら、生き返りたいかな」

 きっとこれもまたユウキの本音ね。
 そういう本音を持ちながらも優勝じゃなくてベリアルの討伐を狙うのは、素直に感心するわ。
 それに――そういう願いなら私は聞き届けられる。だって私は女神なんだから!

「じゃあ二人でベリアルをぶっ倒して、ユウキを生き返らせてあげるわ!その時ユウキは――私が本物の女神だと思い知るはずよ!」

「ありがとう。意外と優しいんだね、アクアって」

「意外は余計よ、意外は!私ほど慈しみに溢れてる女神はなかなかいないんだからね!!」

「あはは、そっか。それじゃあ――これからよろしくね、アクア」

「ええ。これからよろしく頼むわね、ユウキ!」

 ユウキが手を出してきたから、私はユウキの手を握り返して――こうしてベリアルを討伐するためのパーティーは結成されたわ。
 見てなさいよ、ベリアル。私とユウキが絶対にぶっ倒してやるわ!!

【アクア@この素晴らしい世界に祝福を!】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:ベリアルをぶっ倒した後にユウキを蘇生してあげるわ!
1:とりあえずベリアルを倒すためにパーティーメンバーを集めたいわね。特に首輪を外せそうな仲間がほしいわ
2:カズマ、めぐみん、ダクネスもいるのかしら?
3:私は女神だから色々と制限が掛けられてる可能性が高いはずよね
4:きっとここは異世界に違いないわ!

[備考]
※制限は採用された場合、後続の書き手にお任せします

【ユウキ@ソードアート・オンライン(アニメ版)】
[状態]:健康
[装備]:マクアフィテル@ソードアート・オンライン(アニメ版)
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×0~2
[思考]:アクアと一緒にデスゲームを攻略してボクが生きた証を刻み込む!
1:ベリアルを倒すためにパーティーメンバーを集めようかな
2:アスナ達は……巻き込まれてないことを願うよ
3:まだ女神っていうことはそこまで信じられないけど、アクアって意外と優しいんだね。

[備考]
※参戦時期は死亡後です
※アバター参戦。身体能力などはALOの時と同様です
最終更新:2026年02月11日 18:54