レニーとウーフ。少女とワーウルフ。二人は二人だけの小さな世界を生きていた。
人の世界に馴染むことができないでいた少女と、人から恐れられ避けてきたワーウルフ。
二人はそうあって森の奥で静かに暮らしていたが、ある人物との出会いをきっかけに騎空団に身を寄せた。
少女にとっては隠れ蓑だ。その団には動物も奇妙な存在も多い。ゆえにワーウルフのウーフを隠すにはうってつけだ。
そこも相まって団に居座っているが、基本的にレニーは心を開く者がウーフだけで、ウーフも仲間と打ち解けてはいるが、
やはりレニーを優先しており、レニーが嫌がるようであれば、すぐに一緒に離れるぐらいに一心同体のような存在だ。
ハロウィンでも、新年でも、バレンタインでも、団長の誕生日でも。いつも彼女と一緒にいるぐらいの相手になる。
「レニー……」
共にあり続けてきた少女の名を呟くウーフ。
片時も忘れることはない、種族は異なるし恋愛と言うよりは、
家族と言った親愛のような感情を抱いているとも言える存在だった。
しかし、レニーはその考えに答えることはできない。いや、答えられるはずがなかった。
もう、死んでいるのだから。
【レニー@グランブルーファンタジー 死亡】
胸を銃器か何かで貫かれての即死。
支給品を持ってかれた後、大地に転がっている。
死体の状況から相手は罪悪感はさほどなかったのだろう。
眼は見開いたままで、死体も粗雑に転がされている。
だが、そういった情報についてウーフには入ってこない。入ってくるはずがない。
これからも、死ぬ時まで共に歩むと信じてやまなかった相手が既に死体として転がっている。
夢か何かかと疑う方が当然だ。こんなもの、現実であってたまるかと。
当たり前と言えば当たり前だ。レニーにはまともに戦える力などないのだ。
だからウーフがずっと守り続けてきた。守るように戦い続けてきている。
おそらくはベリアルの考えなのだろう。殺し合いに乗った人物と遠くない場所において、
彼女を死なせて自分にレニーの復活を願え、と言うことなのだろうと目論見が見えている。
ベリアルについては殆どのことは知らないが、団長から聞いたことのある名前ではあった。
同一の存在ならば危険な人物。到底まともな願いを叶えられる人物かと言われると疑いはある。
「……すまん、団長。」
けれど、無理だった。
死者を復活できる可能性がわずかにでもある。
どうしようもなかった。出会った山での出来事を忘れられない。
自分をワーウルフだからと気にせず怪我を治してくれた彼女を諦めろ。
できるわけがない。そんな簡単に割り切れるだけの精神の強さはなかった。
言うなれば共依存だ。ウーフにはレニーが、レニーにはウーフが必要なのだと。
諦められない。団長や団員が仮にこの舞台にいたとしても、天秤は傾くことはできない。
(だが、できるのか?)
一方で、彼にとって団長や団員がその程度で切り捨てれる関係ではなかった。
年末に戌年の年越し会に参加したり(レニーは嫌がったが)、年始にも関わったり(レニーは嫌がったが)、
彼とて少なからず縁のある団員はいる。たとえ縁がなかったとしても同じ団員であることには変わらない。
そんな彼らを殺せるのか。心のどこかで迷いが生じてしまう。いや、生じさせることは普通のことだ。
加えて、団長や団員も強い。自分一人で勝ち抜けるほど、きっとこの戦いも甘くはないのだろう。
(俺は……)
どうしたらいいのか。
共にあり続けた存在を捨てるのか。
これからも共にあり続ける存在を捨てるのか。
すぐに選べない。選べるはずのない二択を迫られていた。
獣は迷う。傲慢であろうとも、愛に生きることができるかを。
「ホント、ダサいとは思っとるんやわ……無力なガキ相手に銃なんぞつこてるの。」
ウーフの場所から離れた場所で呟く、一人の女性がいた。
例えるならば、ワイルドと呼ぶにふさわしい女傑とも言うべき姿をしている。
赤いコートや片目を隠す眼帯。スケバンでもそうは見ない野性味のある女性になる。
手に握られた銃器は素人が握りましたとは思えないほどに様になっているもので、
普段から彼女が銃器に対して扱いが慣れていると言うのを物語ってるかのようでもある姿だ。
名を五十嵐紅美。ある日本の香辺と呼ばれる場所を取り仕切る、番長と呼ばれる存在でもある。
彼女も子供を殺すことに抵抗があるかどうかで言えば多少はある。
無力な堅気の人間を殺すほど落ちぶれるつもりもなかった。
「けどなぁ……こっちも、もう何もないんや。」
とは言え、限界と言うものもあった
スカルサーペントと狼牙軍団との抗争の最中、
不可侵条約を破棄し、混乱の中彼女は戦いに身を投じた。
香辺独立の為、雌伏の時を過ごし続け、ついに反旗を翻して。
結果は敗北。狼牙軍団はの戦力は凄まじく、二勢力を相手にも戦い抜いたのだ。
最終的に彼女は追い詰められたことで潔く負けを認め、自爆を選んで最期は華々しく散った。
……はずなのだが、ベリアルにより水を差すようにこうして生きている。
「大方、ベリアルとかっちゅーのに蘇生させられたんやろな。
ってーと、願いも本物か何かしらの能力なんやろなぁ……」
散り様を無碍にされたことに余計なことをしたと思うものの、
こうして生き返ったことについては僅かばかりの感謝をしている。
どん底にまで落ちても彼女の野心は燃え続ける。それは彼女を仲間にして、
日本を狼牙が制して日本を統一することができたとしても変わらないぐらいだ。
彼女の根は変わることなく自分たちが上に成り上がること。それだけが彼女の願いになる。
ある意味、その儀式なのだろうと思えた。その覚悟を示すための儀式、それが子供を殺すこと。
まともに戦う能力もない、一般人よりも弱いであろう彼女を殺すことで、覚悟を決めた。
もう後戻りはできない。ドブのような世界であがいて、また勝ち上がって香辺を復活させる。
そしてもう一度、今はどうしてるか分からないが狼牙軍団と戦い勝利する。それが彼女の目的だ。
「『ウーフ、助けて!』か……ま、ちょっとだけ警戒するかねぇ。」
あんな無力な少女を殺し合いにただの数合わせとは思えない。
ウーフという何かの存在とめぐり合わせるために用意した見せしめの類か。
少しばかり後ろ髪を引かれながらも、五十嵐は一人歩き始めた。
獣の如き精神の女と、獣そのものの存在が思案する。
この先、どちらの獣の行く先に安寧などないのだろう。
【ウーフ@グランブルーファンタジー】
[状態]:精神疲労(特大)
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~3
[思考・状況]
基本方針:優勝するべき、なのか?
1:レニー……
2:仮に殺し合いに乗るとして、できるのか?
[備考]
※参戦時期は少なくとも新年エピソード終了後
【五十嵐紅美@大番長―Big bang age―】
[状態]:少しセンチな気分
[装備]:何かの銃器@不明
[道具]:基本支給品×2(自身、レニー)、ランダム支給品×1~5(自身0~2、レニー1~3)
[思考・状況]
基本方針:優勝して香辺を復活させる
1:手段、選んでられへんよなぁ。
2:ウーフとやらに警戒しとこか。
[備考]
※参戦時期は扇奈ルートでの死亡後。
最終更新:2026年02月25日 19:18