住宅街に、ひとり佇む冴えない風貌の中年。
「殺し合い……か」
夜空を見上げ、ぽつりと呟く。
その声音に、悲壮感はない。
「一度死んだ身だ。……まあいい。久々にシャバの肉を掴める」
男の名はジョネス。
少年から老人まで、いとも容易く握り潰してきた大量殺人犯。
その怪力は、人の身体など容易く破壊する。
かつて彼は、キルアという少年に心臓を抜き取られ、死んだ――はずだった。
油断。慢心。ガキ相手だと侮った結果だ。
「次は、そうはいかん」
一歩ずつ、慎重に進む。
優勝の褒美など興味はない。
ただ肉を掴む。それだけだ。
まずは肩慣らしが必要だ。
腕は鈍っているはずだ。
住宅街を彷徨うと、道の中央に大きな黒い塊が落ちている。
「岩……か?」
妙に大きい。道の中央に岩がある理由もわからない
だが、練習にはちょうどいい。
ジョネスは指を押し当て、力を込めた。
――おかしい。
砕けない。
それどころか、柔らかい。
ぶより、と沈む感触。
岩ではない。
これはまるで――
顔を上げた瞬間、理解した。
夜と同化した黒い顔。
白目も黒目もなく、月のような球体がはめ込まれている。
大きな口には赤と鋭い歯。
人か怪物か判別不能の異形。
首輪がある以上、参加者なのだろう。
まずい。
全神経が警鐘を鳴らす。
逃げろ、と。
だが身体は動かない。
蛇に睨まれた蛙のように。
異形が腕を振り上げた。
夜空が落ちてくるかのような巨大な手。
潰される。
そう悟った瞬間、反射的に跳ぶ。
だが、遅い。
轟音。
ジョネスの身体は、路上に叩きつけられた。
【ジョネス@HUNTER×HUNTER 死亡】
静まり返る夜。
下手人は、最強さん。史上最強のおじさんだ。
彼は快楽殺人者ではない。
ただ、人より少し怒りっぽく、身体能力が桁違いなだけだ。
殺し合いに巻き込まれ、
あげく見知らぬ中年に身体をつねられた。
怒るのも無理はない。
最強さんはジョネスには一瞥もくれず彼のデイパックを漁る。
出てきたのは、顔のついたバナナ。
「……いらん」
自分の支給品――空気ピストルも、自分の指が太すぎて扱えない。
どうやら自分にだけゴミが回ってきているらしい。苛立ちが胸に溜まる。
そのはけ口を探すように、彼は足元の亡骸を見下ろした。
そして、再び拳を振るう。
夜の住宅街に、鈍い音が響く。
だが。
どれだけ殴っても、
胸の奥の苛立ちは消えなかった。
その怒りが消えぬ限り――
最強さんは、止まらない。
【最強さん@絶体絶命でんぢゃらすじーさん】
[状態]:強い怒り
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式×2(最強さん、ジョネス)、バナナ@マリオカートシリーズ、空気ピストル@ドラえもん
[思考]:この怒りを鎮めるため、暴れる
1:とりあえず参加者を見つけて八つ当たりする
[備考]
※会場のどこかにジョネスの死体があります(その周りだけ陥没しています)
【バナナ@マリオカートシリーズ】
ジョネスに支給、これを踏むとスリップする。
【空気ピストル@ドラえもん】
最強さんに支給、指にはめ「パン!」と叫ぶと圧縮空気の弾を発射する。当たっても少し痛い程度
最終更新:2026年02月13日 00:00