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 大地が砕け、大気が震える。
 二つの拳が激突する度に、生じたエネルギーが、互いの身体を通して大地へ伝わり、深い亀裂を無数に生じさせ、破砕された大地を舞上げる。
 相撃つ両者は共に人に非ず。
 デフォルメされた人体の様な、寸詰まりの胴体に短い手足、胴の上に浮遊する首無しの頭部という、凡そ子供の落書きの様な身体を持つマダラー星人、ウーキィ。
 首から下を無骨な金属装甲で覆った無表情な少女。ぺダン星人が建造した合体ロボットが、ヒトのカタチを得て蘇った擬人化怪獣キングジョー。
 太陽系の星々に版図を広げた人類文明を、全力を出す事無く一蹴したマダラー星人と、ウルトラセブンですら撃破してのけたロボットとの一戦は、周囲に存在する凡ゆる全てを破壊しながら続いていた。
 拳が激突する度に、両者の身体を伝わったエネルギーで足元の地殻が砕け、戦う二人の姿を地の底へと埋没させていく。
 引き裂かれた大気は衝撃波となって、周辺に存在する樹木や岩を粉砕しながら何処までも拡がっていった。
 キングジョーが拳を繰り出す。只それだけで、押し出された大気が人体程度なら塵も残さず消しとばす衝撃波となる程の威力の籠った拳打。
 それをウーキィは、キングジョーの腕に絡みつく様な奇怪な動きで回避と接近を行い、キングジョーの顔面から胴にかけて無数のパンチを叩き込む。
 一打ごとに鳴り響く、落雷の如き轟きが、ウーキィの拳に篭った尋常では無い力を物語っていた。
 瞬時の間に五十発の拳を見舞い。更なる追撃を目論んだウーキィは、強烈な一打を見舞われて、空の彼方へ飛んで行った。
 即座に情報圧縮体を起動。巨大な慣性を殺し切って静止するものの、キングジョーからは500mも離れていた。
 キングジョーの位置を探すウーキィの視界が翳る。
 ウーキィを追って飛行してきたキングジョーが、頭上で拳を振り翳していた。
 咄嗟に上げた両腕に、キングジョーの拳が接触。
 核でも使われたかと錯覚する程の轟音を残し、ウーキィの身体は地面へと音を遥かに超える速度で落下。
 浮遊島を揺るがす震動と、大爆轟。ウーキィの落下地点には底の見えない深い穴が穿たれ、砕け吹き飛んだ地殻の欠片が、雨の如く周囲へと降り注ぐ。
 グワッシグワッシと、ウーキィを叩き込んだ穴へと歩くキングジョーの足元が、爆ぜた。
 地中を掘り抜き、岩盤を穿ち砕いて、キングジョーの足元から出現したウーキィが至近距離から高熱を放つ。

 ジュジュジュ。

 岩盤が溶け崩れ、溶岩となる程の高熱を至近で浴びて、ゼットンの火球すら効果が無かったキングジョーは止まらない。
 無造作に拳を繰り出す。受け止めたウーキィの全身が激震した。

 「クソが」

 ウーキィはキングジョーに絡み付くような動きで、キングジョーの周囲を飛び回りながら拳を間断無く撃ち込み続けるが、僅かに効いた様子も無い。
 キングジョーの反撃の拳を躱し、さらに連打l。
 キングジョーが更に反撃。躱し切れずに拳を合わせ、食い止めるものの、腕が軋んだ。
 呻いたウーキィへ、キングジョーは回し蹴りを見舞う。
 初めて見せた蹴撃に、不意を突かれたウーキィは受けも躱しも出来ずに直撃。再度地中へと埋没する。

 「どうなってやがる。只のロボット風情が」

 今までに破壊して来たロボットと、根本的に違うものを感じて尚、ウーキィの傲慢さは変わらない。
 打ち倒し、破壊し、殺し、勝利するのは自分であると、過去の戦歴と記憶とが当然の様に思わせている。

 ピュンピュン。

 胸の情報圧縮隊が発光すると、それまでの高速機動が鈍く見える瞬間移動じみた速度で動き、ウーキィはキングジョーから100m以上離れた上空へと移動した。

 「俺はガルァと違って手加減が下手でな」

 ピピピ。

 ウーキィの眼から放たれた光線が、キングジョーに直撃する。
 だが、ウルトラセブンをすら倒し、擬人化した後に、ゼットンやメフィラス星人といった強豪擬人化怪獣達を、全て撃ち倒したキングジョーに、この程度の光線など通じ無い。
 魔族の軍勢を細切れにする程の威力を持つ光線だが、キングジョーを打倒するどころか、僅かな傷すらつけられなかった。

 デスト・レイ。

 地表から放って、月に大穴を開けた破壊光線が、お返しとばかりにウーキィへと放たれる。
 放たれた光線に秘められた膨大なエネルギーを認識し、即座にピュンピュンを使用。
 キングジョーの背後に回ると、ビリビリで強力な電撃を叩き込んだ。
 ウーキィの全身が霞んだ。キングジョーの拳打をまともに受けたウーキィの肉体が、叩き込まれた巨大な運動エネルギーにより数倍に膨張し、凄まじい勢いで地面に激突。
 活火山の様に、煙と土砂を周囲に撒き散らしながら、地中へと消えてしまった。
 ウーキィの埋まった場所へと、デスト・レイが放たれる。
 空に浮かぶ島を貫き、遥か下方にある地面へと真っ直ぐ伸びるデスト・レイ。
 直撃を受ければウーキィの情報圧縮体は壊滅的な損傷を受けただろうが、ウーキィは地中で何とかデスト・レイを回避。
 キングジョーを撃破する方法を考えてみても、何一つとして思い浮かば無い。
 宇宙兵装が使えれば、まだ勝ち目は有るものの、ベリアルとやらの差金だろう。宇宙兵装が使用でき無い。
 ガルァや本船との連絡も取れない。
 今のままでは勝ち目が無い事は理解出来た。ならば、気に食わないが、此処は逃走あるのみ。
 気に食わ無いが、此処で死ぬのはもっと気に食わ無い。
 ピュンピュンを使用して、超高速で穴から飛び出し、超高速で飛翔し────キングジョーに掴まれ、地面へと叩き付けられる。
 メフィラス星人の瞬間移動をすら見切り、的確な一撃を加えたキングジョーにとって、見慣れた超高速移動に対処する事など容易いもの。
 爆ぜ砕けた地面の上で、大きく跳ねたウーキィへと、キングジョーは仮借無い蹴りを見舞い、ウーキィの身体を蹴り上げた。
 振り下ろされる手刀。ウーキィの胴に無数の亀裂が生じ、ウーキィは三度地中へと埋没する。
 トドメのデスト・レイが、ウーキィの身体を粉砕し、島を貫通した光線を追うかの様に、ウーキィの残骸は、赤い大地へと落ちていった。

【ウーキィ@バーサス 死亡】

 「…………」

 マダラー星人を葬り去って、キングジョーは思考する。
 此処は何処だ?滅ぼすべき地球では無いのか?
 だが、即座に思考を打ち切った。
 此処が何処でも良いと。此処に集められた者を皆殺しにして、地球へと帰還すれば良いと。
 新たな獲物を探すべく、キングジョーはグワッシグワッシと歩き出した。


【キングジョー@ウルトラ怪獣擬人化計画 feat.POP Comic code】
[状態]:健康
[装備]: 無し
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×0〜3
[思考]:皆殺し
最終更新:2026年02月16日 21:31