いやぁ、これは無理だ。僕は最初そう思ったね。
ベリアルのことは知ってるといえば知ってるけど、
僕の関わってた大きな戦いと言えばもっぱら月だったからね。
それに僕が仲間になってなかった頃だし、そんなに知らなくてさ。
だから『とんでもないことに巻き込まれた』というのが実際の感想なんだ。
僕の名前はアイザック。端的に言えば月の民の子孫でダクトなエンジニア……ってところかな。
一応装備次第で戦闘はできる身ではあるんだけど、いつもの装備がなくて困ってる状況だった。
戦闘できるといっても装備ありきなんだ。僕自身は非力で、ちょっと喧嘩に強い相手にも負ける貧弱さ。
この辺は組織に入ってる妹の方が圧倒的に上だ。封印武器にも選ばれてる身だから、この辺は当然かな。
何が言いたいかというと、目の前の侍さんを前に、
僕はどうしようもないっていうことが証明されているわけだ。
いや、怖いなんてもんじゃないよ。これ人間だよね? ドラフみたいに角とか生えてないよね?
なのにでかい。六竜にもでかい人もいたけど、あれは竜が人の姿をしてるからできているだけであって例外さ。
男性のドラフって基本二メートルを超えるんだよね。それじゃないのに頭二つは超えてるって何を食べたんだろう。
これがベリアルの言う別世界の住人と言うべき洗礼かな? 彼の苦労を関心関心……って言えるわけがない。
手には侍の風貌通りの刀。鬼のごとき形相。素人の僕でもわかる殺気。これは殺し合いする気満々だ。
おかげで腰が抜けちゃって、二メートル以上の相手を僕は引きつったで見ることしかできなかったよ。
「あの、一応聞きたいんだけど、殺し合いをする気は兄弟にはあるのかな?」
今すぐ殺しに来る様子ではなかった。
だったらとっくに僕の首は泣き別れさ。
でも殺しをする人と言っても行動の内容は千差万別さ。
ただ殺す、情報を抜いて殺す、より苦しませて殺す。怖くて殺す。
軽くあげてもこれだけある。まあ最後はこの人にはなさそうだけども。
「颱言はすまい。貴様に問おう。強きものを。」
お、これは好感触というかラッキー、なのかな?
この人、多分強い人だけを狙うタイプな可能性はあるぞ。
いやでも、まだわからない。強い人を狙うといっても、
強い人に本気になってもらうための人質とか見せしめとか、
そういう危険な可能性だってあるわけだから表情に出すのは危険だ。
「えっと……とりあえず十天衆、かな? 僕のいた世界では最強の集団なんだ。
他だと騎士のジークフリートとか、天司長のサンダルフォンとかになるかな?」
身振り手振りの動作と共に十天衆や強そうな人をいくらか軽く説明する。
仲間を売るような行為で申し訳ないとは思うもののの、挙げた名前の人達なら大丈夫だろう。
特に十天衆は全空最強だ。刀を使うオクトーって人ならこの人も満足できるんじゃないだろうか。
後は、この人が人質とか見せしめとかに使わないことを祈るしかない。今の僕にできるのは、それだけだ。
「む……」
後方からケッタギア(空の世界のバイクみたいなもの)のような音。
これはもしかしてと思った。どさくさに紛れて逃げたりとか助けとか、
そういう可能性を感じると、後方から飛んでくるのはやっぱりケッタギアだった。
でもデザインは洗練されてる。黒と黄色で、まるで鳥のように羽ばたいてしまいそうなほどに。
……にしては速いような気がする。というよりケッタギアにしては速すぎやしないか!?
あれも別世界由来のものなのだろうか、なんて思っていると、
「捕まれぇ!」
そうヘルメットを被った運転手の男に言われて、何とか手を掴む。
速度、片手、そういったものもあって脱臼しそうになるけど、
何とかどうしようもない状況から運よく乗れて危機を脱した。
幸い大柄な男は追おうともせず見ていただけで、何もしてこなかった。
……あれ、ひょっとして、本当に襲う気なんてどこにもなかったのかな。
だとしたらちょっと悪いことをしたかな。求道者なんて空の世界じゃ別に珍しくない。
フェザーやランドル、ほかにもリュウっていう格闘家やハオウマルって侍もいたわけだ。
殺し合いの中でするんじゃないって言われたらそうかもしれないけど、これも人による。
ハオウマルも斬り合って死ぬことを仕方ないとしてる。そういう価値観だってあるものさ。
僕だって月の民の兄弟が脳を摘出された扱いには異を唱えたわけだ。価値観は人どころか種族それぞれさ。
とはいえ、彼になんて声をかければいいのかなんてわからない。気を付けてね? 生き残ってね? 無事を祈る?
殺し合いをする気である彼にかける言葉なんてなく、ただ無言で申し訳なさそうに見つめることだけだった。
廃工場のような場所へとたどり着くと、ケッタギアもどきは止まってくれる。
止まってすぐ後方を確認するけど特に追われてる様子はないので問題はなかった。
ただ、兄弟の使ってたケッタギアもごきの、両翼の片割れが折れてしまっている。
それとヘルメットを取ってみれば、箒のように広がる茶髪が特徴的な髪型と、顔の痣なのかタトゥーが目立つ青年だ。
団長よりもちょっと上ぐらいかな。若いのに勇気あるねと思ったが、似た年頃の団員も大抵そうだったかもしれない。
というか、十天衆にも七歳の子がいたからね……いや、どちらであっても敬意を表することには変わらないか。
見ず知らずの僕を助けてくれたのは事実だからね。
「ちょっと無理な運転しちまったから、ブラックバードが破損しちまったな……」
「あ、ちょっと待ってくれないか兄弟。此処なら修理ぐらいならできるかもしれないよ。」
中々に見栄えが悪いのと、兄弟は(結果がどうあれ)恩人だ。
何もしないってわけにもいかないし、ちょうどここは廃工場だ。
もしも工具とかがあればだけど、直すのには都合がいいだろう。
首輪の解除にもつながる可能性はある。探して損はないはずさ。
「ん? あんたメカニックなのか?」
「ダクトなエンジニアさ。僕はアイザック。兄弟の名は?」
「俺はクロウ・ホーガン。にしてもエンジニアとは助かるぜ。
遊星……知り合いとかがいないと首輪の外しようがねえからな。」
そういいながらしかめっ面で兄弟は首元を軽くつついた。
どれだけ戦力とか殺し合いを否定しない人を集めても、結局必須なのはそこだ。
まず殺し合わない理由を、この三日以内に何とかしないといけないわけになる。
「確かに、どういう構造かかサンプルが欲しいけど。……おっと、
念のため先に聞いておくけど、そういうの、しちゃだめかい?」
そういうの、というのは殺して奪い取るの暗喩だ。
勿論、善良な人間からはしない。殺し合いをする気のある奴限定、
という風に制限とかしないと、いろいろ危ないからね。
「ダメだ、って言いたいが……だからといって、それで解決できるとも思えねえからな……」
うん、聞いてよかった。やっぱりだめそうだ。
まあ殺し合いなんて慣れてない方が普通はいいよね。
もっとこう、フランクにいきたい。兄弟の世界も気になることだ。
このケッタギアもどき、明らかに普通の機械じゃあない。空の世界にも、
エビフライとかゴーレムとかジョヤとか変形するものはあれどもこれについては、
走艇(空を飛ばず地上で走るレース用のもの)とは別の技術を使われてるのではないか。
中々興味深くもあり、マニアってわけじゃないけどエンジニアとしてはやっぱり興味がある。
ただ、別世界の技術だったら別の意味で触っちゃいけないだろうけども。元に戻せなかったらまずい。
そこらへんは多分機械慣れしてる部分がある兄弟と相談かな。
「あんまりこういうのもあれだけど、死体漁りで妥協してもらえるかな?」
「そうするしか、ねえよな……」
一先ずの妥協。
とっくに死んでしまった人からいただく。
と言っても、今の僕たちはまだ支給品を全部確認してない。
刃物があっても首ってなかなか斬り落とせないらしいし、そういう意味でも難儀しそうだ。
いろいろ不安はあるけども、今は一先ず楽しく兄弟と話すことを優先することにしておいた。
【クロウ・ホーガン@遊戯王5D's】
[状態]:健康
[装備]:ブラックバード(少し破損)@遊戯王5D's
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×0〜2
[思考]:殺し合いをするやつを止める。
1:アイザックを見てると、あいつらを思い出すな
2:仲間やガキどもは来てねえよな……
3:あの侍、やばそうな雰囲気だったがほっといてよかったのか?
[備考]
※参戦時期は少なくとも遊星VSアポリア戦終了以降。
【アイザック@グランブルーファンタジー】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1〜3
[思考]:どうにか脱出したい
1:団長や兄弟(クロウ)と協力して状況の打開。その前に修理だ。
2:どれぐらい知り合いがいるかだけど……
3:それにしてもあの侍、何者だったのかな。ちょっと悪いことをした気がする。
[備考]
※参戦時期は少なくとも自身の3アビフェイトエピソード後
「……」
アイザックに逃げられてしまったが、彼にとっては別にどうでもよかった。
相手は武器を持っていない。彼にとっては得物を持った参加者、とりわけ刀を持った者だけが目当てだ。
彼は人斬りではあるが、快楽殺人鬼とかそういう類というわけではない。弱さに負け、鬼へとなり果てた求道者。
ただ強きものを斬る。言ってしまえばそれだけなのだ。その姿はまさに鬼というほかないだろう。
「我は災い、今こそ鬼とならん。」
それが、壬無月斬紅郎という男の目的と、鬼と呼ばれた所以である。
【壬無月斬紅郎@サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣】
[状態]:健康
[装備]:刀@不明
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×0〜2
[思考]:強きものを求む
1:相手を探す。得物を持たぬ者には興味を持たぬ。
[備考]
※参戦時期は少なくとも生前です
【ブラックバード@遊戯王5D's】
クロウに支給。クロウのDホイール。
ライディングデュエルもできるが、デッキはない。
作中の描写から通常のDホイールよりも結構滑空など飛べるのかもしれない。
最終更新:2026年02月16日 21:32