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&sizex(3){[[Top>トップページ]] > [[【シェア】みんなで世界を創るスレ【クロス】]] >[[ 閉鎖都市・「NEMESIS」>NEMESIS]] > 第7話 2/2} *NEMESIS 第7話 アニキラシオン・ファミリア 場所はジェネティックビルの最上階。CWジェネシスの会長室である。20畳ほどの空間はデスクから電飾、カーテンなどのインテリア なにからなにまで贅の極みを尽くしたまさにこの閉鎖都市の頂点に君臨する場所にふさわしい。しかし、そんな部屋にはおよそ似つかわしくない、13人掛けの円卓が部屋の中心に設置されていて、そこに腰掛けているのは… CWジェネシス会長、フリードリッヒ・クルーガーと12人の少女たちであった。クルーガー会長は2年前の告死天使による貴族の大粛清の手を グループ関連企業の視察のために逃れており、その後父親に代わり32歳という若さでCWジェネシスの全てを握るにいたった、この大粛清にて スラムの人間以外で得をしたと言える数少ない人間の一人だった。また、彼は政界にも絶大な影響力を持ち、クルーガーと対等に渡り合えるのは ヤコブの梯子でもその最高幹部である数人のみだ。グレーに染めた髪、一見するとスパイと見紛う真っ黒なスーツ姿、2mを超える長身。 それが彼の特徴であった。そして、彼の元に集まった12人の少女たち。通称、アニキラシオン・ファミリア。異国の言葉で「殲滅家族」という意味である。 彼女たちはいわばクルーガーの私兵のような存在であり、2年前CWジェネシスの会長に就任した際、大粛清によって両親を失った娘たちから 特に美しいと彼が思った12人を集め、自警団のOBなど戦闘のエキスパートをコーチにつけて徹底的に暗殺技術を教え込んだ。 その訓練は1年半に及び、ついに自警団の精鋭に勝るとも劣らない実力を身につけるに至るのである。 なにを隠そう、ジョセフを殺した犯人こそこのアニキラシオン・ファミリアである。その存在は機密中の機密であるから、神谷が知らないのも無理はなかった。 さて、今回クルーガーが彼女たちに召集をかけたのにはもちろん理由がある。彼の野望、それを成就するための計画を披露するためである。 「さて諸君、忙しい中集まってくれてありがとう。今回君たちを呼んだのは他でもない。2年前貴族たち、つまりは君たちのご両親たちだ。  彼らが計画し、忌まわしい告死天使によって頓挫した避難地区の洗浄。…それをついに実行するときがきたのだよ」 彼の野望、それは2年前に貴族たちが成しえなかったスラムの全住民の抹殺である。2年前はCIケールズに尻尾を掴まれ、 その尖兵たる告死天使たちに貴族の大半を殺され、さらにはその計画の全貌が白日の下にさらされるという大失態を演じることとなった。 その二の轍を踏むまいと、クルーガーはこの2年間じっくりと計画を練ってきた。そしてこの一カ月の間、着々とその計画の内容を実行に移してきたのである。 ジョセフの抹殺、莫大な資金にものを言わせて手なずけたマフィア、「赤い月」をスパイとしてスラムに送り込み現状を把握するというものだった。 ただ、その初日に幹部の一人がスラムのマフィア、通称「子供たち」によって拉致され行方不明になるという不測の事態が起きたのだが。 CWジェネシス諜報部に調査させたところ、「子供たち」は「王朝」という強力な後ろ盾をもとにスラム全域に勢力を広げるマフィア的組織であることが判明した。 CWジェネシスの力をもってすればマフィアの一つや二つ、壊滅させることなど造作もない。しかし表だってそんなことをすれば 2年前のように株価は大暴落である。あの大暴落から再び今の状況まで持ち直すのにクルーガーが費やした労力、資金は常識では考えられない量であった。 かといって赤い月では到底「子供たち」に打ち勝つことなどできはしないだろう。そこで白羽の矢を立てたのが、アニキラシオン・ファミリアである。 彼女たちに、「王朝」、「子供たち」の指導者たちを始末させ、弱体化したところを「赤い月」によって壊滅に追い込む、という算段であった。 この計画を完璧に実行、そして成功させるためにあらゆる不確定要素を排除する必要があるのだ。 邪魔者は徹底排除、それがクルーガーの持論でありそうしてCWジェネシスは成長してきた。 ただ、諜報部の調査でも分からなかったことがある。告死天使である。 2年前に貴族を粛清してからというもの彼らが表舞台に登場したことはなく どこで何をしているかさえ不明である。ただ、告死天使はスラムを排そうとした貴族たちを抹殺した。ということは彼らはスラムの味方、あるいは 住人そのものという推測は容易に成り立つ。さらに「子供たち」も掴めたのは存在だけであり拠点の所在地などはその一切が不明であった。 そこで、アニキラシオン・ファミリアの12人の少女たちをスラムに送り込み告死天使、そして「子供たち」の実態を調査させようとクルーガーは考えた。 「…以上が私のプランだ。協力してくれるかな?」 「ええ、もちろんですわ」 クルーガーの問いに即答したのは、アニキラシオン・ファミリアの長女、シャロン・クラウスである。他の11人の少女たちもシャロンに同調し、頷く。 そのレスポンスに大いに満足した様子のクルーガーはにこやかにほほ笑む。そして自分の目前に映る少女たち一人一人一人をじっくりと見つめてゆく。 彼の目線から見て一番右に座る少女が先ほど返事を返したシャロン・クラウス。金色のサラサラの髪を腰まで流す少女である。歳は19歳。 性格はというと、お嬢様だけありおとしやかではあるが任務となると豹変し残虐性が露わとなる。 その左に座るのが、エルセス・クレイ。黒髪のボブがかったショートカットが凛々しい19歳の少女である。 彼女は2年前親を殺されたショックでしゃべることができずその性格を完全にうかがい知ることはできないが、それほどのショックを受けたのならば 告死天使を相当憎んでいるだろうということは容易に想像ができた。 その左に座るのが、ルカ・グラシアス。赤毛の髪をコンプレックスにしているが周りは別に気にしていない。性格は12人の中で最も謙虚であり、歳は18。 ルカが人を嫌うとするならばそれは相手が彼女に対して明確な敵意を向けてきたときのみである。 その左が、ローザ・ダンケ。金色の髪をツインテールにまとめて19歳という年齢におよそ似つかわしくない可愛らしいカチューシャをつける少女である。 ただ性格はかなり子供っぽく、その言動で周りの姉妹を呆れさせることがしばしばある。 その左に腰掛けるのがレイ・オルヴォワール。彼女は緑髪症患者であり、長い前髪で左目を隠している。歳は18歳。感情というものは備えていないらしく 常に無表情。会話も最低限の物しか交わさないために12人のなかでは少し浮いた存在になっているが、実力は1,2を争うものである。 その左に、ルイン・ヴァルトート。雪のように真っ白に染めた髪を腰のあたりまで流し、きつめではあるが凛々しい表情が印象的な17歳である。 自分に厳しく他人に甘いという珍しい性格でその自己管理の徹底ぶりと優しさで姉妹から最も信頼される存在である。 その左に頬杖をつきながら座るのが、スティード・ヴォルフェル。ボーイッシュな名前だけあり性格も非常に男勝りな18歳。 実は彼女はプロボクサーでもあり、一月前閉鎖都市のチャンピオンに輝いたほどの実力の持ち主である。 その左に腰掛ける、コロナ・ロシオッティ。ピンク色の髪を肩ほどまでの短いポニーテールにまとめた活発な17歳である。 露出度の高い服を好んで着る傾向にあり、今日身に纏う服もその例に漏れず右足部分を脚の付け根まで切り落としたジーンズ、 腹部を大きく露出したタンクトップを身に着けていた。 その左に座るのが、ベアトリーチェ・チェンチ。ふさふさの長い黒髪、青色に輝く瞳を持つ12人の中でクルーガーが最も美しいと感じた18歳である。 性格は冷静沈着で無口。学校のクラスで例えるならば窓際の席で一人読書を嗜んでいる美少女と言ったところである。 その左に、クゥ・ラ・ホロコースト。男装を好み一見すると美少年と見紛う17歳である。性格もその容姿に比例して常に落ち着いていて、 時に暴走しがちなコロナ、スティードらをベアトリーチェとともに抑える役割を担っていたりもする。 その左に座る、シエラ・ルルヴィア・アクエリアス。軍服のような非常に硬い服を身に纏いそれに合わせるように自分にも他人にも非常に厳しい態度で臨む 19歳である。群青色に染めた髪を膝の裏あたりまで伸ばし、シャンプーは大変そうだろうとふと思ってしまう。 そして最後の12人目、イリア・オルトロス。彼女の姓であるオルトロスとはギリシャ神話に登場する双頭の魔犬だ。 地獄の番犬・ケルベロスを兄に持ち、その最期は英雄・ヘラクレスに撲殺されるというものである。 卑怯な手を好んで使い、その結果周りの姉妹から少々疎まれているが本人はどこ吹く風なのだが。藍色に輝く髪を肩まで短く流す18歳である。 そしてクルーガーは再び口を開く。その顔は狂気に満ちていた。 「さあ諸君、ゲームの始まりだ。思う存分楽しんでくるといい!」 その言葉とともに少女たちは立ちあがり部屋を後にする。果たして彼女たちは避難地区にどのような波乱をもたらすのであろうか… #right(){&link_up()}

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