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無限桃花の愉快な冒険13」を以下のとおり復元します。
ここは海沿いの創発の館(仮)。の廊下。
節電だかなんだか知らないが灯りは最低限しか灯っておらず、昼だというのにほの暗い。
そんな廊下をサムライポニーテール少女、無限桃花はじりじりと移動していた。
彼女の表情に余裕はない。吹き出る汗も拭かず、細心の注意を払いながら、前に進んでいる。
話はあの大人桃花には聞いていた。しかし、これほどだとは思わなかった。目暗ましをして逃げなければ今頃。
汗が玉となり、床に落ちる。
不意に灯りがゆれる。電気じゃなかったのか、ここの灯りは。
少しゆれて、何事もなかったかのようにいつも通りの明るさを放つ。しかし先ほどとは違うものがあった。
「見~つけた」
桃花の前方。数メートル先に人影。人影はゆっくりと近づいてくる。
「だめだよぉ。あたしから逃げようなんて。あたしの鼻は犬よりすごいのよぉ」
そしてその人影が桃花の数歩先に立つ。
お馴染みのポニーテールは金色。もうパンツと変わらないんじゃないかと思われるようなピチピチのズボン。
とりあえず布をつけました程度のシャツは無駄にでかい胸を強調している。
脇に刺した刀は通常のそれと比べ短く、太い。切ると言うよりも殴る刀なのかもしれないと桃花は推測する。
「いい子ね。そのままじっとしてるのよぉ」
いや、そんなことを推測している場合ではない。眼の前のそれを対処しなければならない。
逃げ切ることはどうせ出来ない。ならば。
桃花が構えるのを見て、その桃花は残念がる。
「そう。そんなに嫌なの。残念ね。なら仕方ないわよね」
間合いが瞬時に縮まる。低い姿勢から顎を目掛けての右手のアッパー。後ろに下がり、回避する。
アッパーが大きく空振り……のはずが動作が途中で終わり既に左手にストレートに移行している。
当たるすんでで左手で払い、左後方に逸れる。今なら、首が空いてる。右手で首に。
しかし振り下ろす手刀とりも早く、相手の右手が桃花のわき腹を襲う。が、体勢が悪く掠める程度。
だが効果はあった。
桃花は小さく声を出して、動作が一瞬止まったのだ。その隙に相手は間合いから抜ける。
悔しがる桃花と対照的に嬉しそうな表情を浮かべる相手の桃花。
そう、桃花はわき腹が弱点なのだ。思わず身を縮めちゃうほど弱い。そしてそれを悟られてしまった。
不気味な笑みを浮かべながらそう離れていない間合いを歩いて詰めて来る相手。
思わず少しずつ後退してしまう桃花。今や、両者の間は三歩ほどしかない。
相手が一歩で間合いを詰めると振りかぶった右手を降ろしてきた。動作は大きい。
この右手を掴むと、相手に背を向ける。相手の手を左肩に乗せて、投げれば。
ふにゃり。

真っ白になった桃花を最初に見つけたのは食事を配達し終えたロリ桃花だった。
大丈夫かと揺り動かすものの「ああ、ごめん……私はもうだめなんだ……もうだめなんだ……」
としか呟かない桃花に焦りを感じ、カートに載せると急いで医務室に運ぶ。
医者(白衣桃花)は桃花の様子と格好を見ると
「外傷は多分ないが心に深く傷を負ったかもしれない」と診断した。
服を入院服に着替えさせようとすると
「ああ! やめてくれ!」と叫んで拒んだが「うるせぇ寝てろ」と白衣桃花が頭を叩き、黙らせた。
「何時治るかもわからんがとりあえず安静にしとけば治るだろう」という判断の元、桃花は入院することになった。
一方、桃花を襲った桃花はとても満足そうにしていた。心なしかお肌つやつや。生き生きとしている。
どっとはらい。

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