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NEMESIS 第2話 天使と悪魔
復讐を誓ったものの父を殺したマフィアの手掛かりは何ひとつとしてつかめてはいない。部屋の時計は間もなく午前9時を指そうとしている。
二人がいきなり途方に暮れているとき、クラウスが何かを思い出したように口を開いた。
二人がいきなり途方に暮れているとき、クラウスが何かを思い出したように口を開いた。
「こういう時に頼りになる人が一人いるんだ。その人を当たってみよう」
彼女のことは誰もが知っていても彼女自身はほとんど他人のことを知らないセフィリアは皆目見当がつかなかったが、
兄の自身に満ちた言葉にセフィリアも無言で頷いた。そして、父の亡骸が納められている棺に歩み寄り、頭側のほうを持ちあげるクラウス。
兄の自身に満ちた言葉にセフィリアも無言で頷いた。そして、父の亡骸が納められている棺に歩み寄り、頭側のほうを持ちあげるクラウス。
「そっちを持ちあげてくれないかなセフィリア。父さんを埋葬しに行かなきゃ」
この避難地区には共同墓地というものが存在する。いかにこの場所がこの世界の最底辺だと言っても死者を蔑ろにするのはタブーであり、
何らかの事件で死者が出た時はその遺族が、遺族がいないときは自警団が共同墓地に埋葬することが義務付けられている。
果たして、このスラムの中心部にその墓地はあった。この墓地の入口に立てかけられている錆びついたスコップを手に取り、
まだ棺が埋められてない更地を見つけ出してその傍らに棺をそっと置き、二人は墓穴を張り始める。
もともと体の小さい父を納めるための棺はやはり小さく、掘り終えるのには10分もかからなかった。
墓穴の底にやはりそっと棺を置き、二人は棺を埋める。その作業の最中クラウスは何度もセフィリアのほうを見やった。
彼女の碧い瞳は今は見る影もなく真っ赤に腫れている。涙も枯れ果て泣きたくても泣けないのだろう。
クラウスはそんな彼女が不憫で仕方なかった。やがて埋葬も終わり、簡単な墓石を用意する。そしてその墓石の前で二人は父の冥福を祈るのだった。
何らかの事件で死者が出た時はその遺族が、遺族がいないときは自警団が共同墓地に埋葬することが義務付けられている。
果たして、このスラムの中心部にその墓地はあった。この墓地の入口に立てかけられている錆びついたスコップを手に取り、
まだ棺が埋められてない更地を見つけ出してその傍らに棺をそっと置き、二人は墓穴を張り始める。
もともと体の小さい父を納めるための棺はやはり小さく、掘り終えるのには10分もかからなかった。
墓穴の底にやはりそっと棺を置き、二人は棺を埋める。その作業の最中クラウスは何度もセフィリアのほうを見やった。
彼女の碧い瞳は今は見る影もなく真っ赤に腫れている。涙も枯れ果て泣きたくても泣けないのだろう。
クラウスはそんな彼女が不憫で仕方なかった。やがて埋葬も終わり、簡単な墓石を用意する。そしてその墓石の前で二人は父の冥福を祈るのだった。
「あらゆる者の創造主、かつ贖い主に召します天主、主の僕、カルロス・ブライトの御霊に全ての罪の赦しを与え給え。願わくば――
彼が絶えず望み奉りし赦しをば我らの切なる祈りによってこうむらしめ給え。主よ、永遠の安息を彼に与え給え。
絶えざる光を彼の上に照らし給え。彼の御霊が安らかに憩わんことを。神の御名に(アーメン)」
彼が絶えず望み奉りし赦しをば我らの切なる祈りによってこうむらしめ給え。主よ、永遠の安息を彼に与え給え。
絶えざる光を彼の上に照らし給え。彼の御霊が安らかに憩わんことを。神の御名に(アーメン)」
祈りを捧げ、二人はその場を後にした。錆びたスコップを元の場所に戻し、二人は一度自宅に戻る。
クラウスはおもむろに部屋の隅に佇んでいた洋服箪笥の扉を開く。そして、一着の服をとりだした。
クラウスはおもむろに部屋の隅に佇んでいた洋服箪笥の扉を開く。そして、一着の服をとりだした。
「まさかもう一度この服に袖を通すことになるなんてね…」
どこか自嘲気味に呟き、クラウスは今まで来ていたぼろぼろのシャツを脱ぎ捨てその服に袖を通す。その服は彼の髪と同じように闇のように黒い、
そうたとえるならば悪魔を想起させるようなデザインの服だった。クラウスは完璧にその服を着こなしていたが
セフィリアは見慣れぬ服に身を包む兄の姿に内心少し怯えていた。そんな彼女のほうを振りかえるクラウス。その手にはもう一着の服が握られていた。
そうたとえるならば悪魔を想起させるようなデザインの服だった。クラウスは完璧にその服を着こなしていたが
セフィリアは見慣れぬ服に身を包む兄の姿に内心少し怯えていた。そんな彼女のほうを振りかえるクラウス。その手にはもう一着の服が握られていた。
「一日遅れてしまったけど君へのバースデープレゼントだよ。受け取ってくれるかな」
そう言ってクラウスはその服をセフィリアに手渡す。その服はクラウスが身に纏う服とは正反対で純白であり、着るものに天使のような神々しさをもたらす。
並大抵の人間ではこの服を着こなすことなどできないだろう。突然のプレゼントに驚きのあまりハトが豆鉄砲を食らったような
顔をしたセフィリアだったが、やがてニコっとほほ笑んで、その服を受け取り自室へと向かった。
相手が全幅の信頼を寄せる双子の兄であろうとやはり裸を見られるのは恥ずかしい。5分ほど経った頃、セフィリアが戻ってきた。
セフィリアのもともとの美貌に加えてこの天使のようなデザインの服を身に纏うことでより一層その美しさが強調されている。
正反対の趣の服に身を包む2人はまるで「天使と悪魔」だった。
並大抵の人間ではこの服を着こなすことなどできないだろう。突然のプレゼントに驚きのあまりハトが豆鉄砲を食らったような
顔をしたセフィリアだったが、やがてニコっとほほ笑んで、その服を受け取り自室へと向かった。
相手が全幅の信頼を寄せる双子の兄であろうとやはり裸を見られるのは恥ずかしい。5分ほど経った頃、セフィリアが戻ってきた。
セフィリアのもともとの美貌に加えてこの天使のようなデザインの服を身に纏うことでより一層その美しさが強調されている。
正反対の趣の服に身を包む2人はまるで「天使と悪魔」だった。
「とてもよく似合ってるよセフィリア。本当に天使に逢ったみたいだ」
「ありがとう、兄さん」
「それじゃ、さっき話した人の元へ行こう。きっと力になってくれるはずだから」
「ありがとう、兄さん」
「それじゃ、さっき話した人の元へ行こう。きっと力になってくれるはずだから」
そして、兄妹は果てしない復讐の旅路へとその歩みを進み始めるのだった。