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F-1-583

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Top > ファンタジーっぽい作品を創作するスレ> スレ1> 1-583 *小ネタ 弐個爾子導臥(にこにこどうが)

弐個爾子導臥(にこにこどうが)


583 :創る名無しに見る名無し:2009/03/08(日) 09:53:46 ID:7U3gS8Lu

その怪異なる情報の渦を人々はこう呼んだ。
弐個爾子導臥(にこにこどうが)、と。
たった二つの数字からなる天文学的桁数の羅列が織成す絢爛は個を一揃えの均一に臥しつけるべく導きを示した。
それは交易を営む護送船団のように知的下位に位する人々を標準とした煽動にも似た潮流であった。
爾子導の道を拡げる者は職人と呼ばれた。
『導画情報、受像完了。反映ニハ時間ガ掛ル場合有』
職人が指先ひとつを動かすと情報の奔流は光走線に飲み込まれるように走りだし、
大深度を縦横に濁走する線に乗って翔び去った。
光の速度は凄まじく、職人の指が決定鍵を落込んだその時にはもう世界に情報が伝播し始めるのだった。
「ははは……皆、楽しんでくれよ。俺の朱が掛ってんだから、な……」
職人の虚ろな眼が捉える情報写像面には、本来は脱法として閲覧削除される情報が累々と流れていた。
導臥の道にのめることは即ち、職人自らも渦に飛び込むことを意味していた。
個が全を求め、全は個を拒まない。
渦と個の共依存、とでもいうべきか。

弐個────彼らの視界を紡ぐもの。
爾子────彼ら自身、つまりは神の贄。


波久礼物が帰属する集合体。
最大の勢力に多少なりとも反故剥こうとする窮鼠の一矢。
結局はその程度ものなのだ。

〈了〉

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