Top > 【シェア】みんなで世界を創るスレ【クロス】 > 異形世界・「鉄の女」
鉄の女
秋田。
東北地方に座す日本における魔境である。
来訪者には須らく雪と寒風の洗礼を浴びせる北の果てが一角。
生命という生命を拒むがごとき寒冷は圧倒的であり、
乗り越えるために秋田の賢者たちは英知の結晶として米と酒を生み出した。
東北地方に座す日本における魔境である。
来訪者には須らく雪と寒風の洗礼を浴びせる北の果てが一角。
生命という生命を拒むがごとき寒冷は圧倒的であり、
乗り越えるために秋田の賢者たちは英知の結晶として米と酒を生み出した。
そんな日本海に面せし米と酒の楽園には、
1980年代後半頃~2000年代前半頃、
ハタハタを絶滅寸前まで狩に狩った豪傑どもさえ存在していた。
1980年代後半頃~2000年代前半頃、
ハタハタを絶滅寸前まで狩に狩った豪傑どもさえ存在していた。
まさに文武のそろい踏み。
あきたこまちなる品種を創造せし聖人を育み。
ハタハタを蹂躙せしめる魔人たちを生み出す。
さらにはなまはげという鬼人さえ抱える鉄壁の布陣。
あきたこまちなる品種を創造せし聖人を育み。
ハタハタを蹂躙せしめる魔人たちを生み出す。
さらにはなまはげという鬼人さえ抱える鉄壁の布陣。
かような人材がひしめく秋田とて第二次掃討作戦を乗り越えて、
復興の只中、あるいはやっと落ち着いたというのが現状だ。
復興の只中、あるいはやっと落ち着いたというのが現状だ。
さて、そんな秋田の片隅に。
むしゃむしゃ村と言う村が存在した。
むしゃむしゃ村と言う村が存在した。
地震、異形の出現と荒れに荒れた日本において、
中世の文化レベルで村を新たに造る事も少なくない。
中世の文化レベルで村を新たに造る事も少なくない。
そんな村の一つ。
むしゃむしゃ村。
むしゃむしゃ村。
かつての勇猛な武者らを先祖に持つ者たちが起こした村。
その武者が重なってむしゃむしゃ、という呼称であるという説が一割。
その武者が重なってむしゃむしゃ、という呼称であるという説が一割。
そして九割の説は村のみんなが食欲旺盛。
むしゃむしゃ食べるぜ、むしゃむしゃ村。
という感じだ。
むしろこっちが定説だ。
むしゃむしゃ食べるぜ、むしゃむしゃ村。
という感じだ。
むしろこっちが定説だ。
そんなむしゃむしゃ村の住人に彼女はいた。
まるで泥酔してしまっているかのような赤い肌。
きりりと凛々しい双の眼。
男顔負けの逞しい体躯と豊満な肉付き。
長く艶やかな髪を一つにくくり。
きりりと凛々しい双の眼。
男顔負けの逞しい体躯と豊満な肉付き。
長く艶やかな髪を一つにくくり。
鉄がごとき、その女。
鬼若は、そこにいた。
◇
ざく。
鍬を大地に突き刺して。
掘り返す。
鍬を大地に突き刺して。
掘り返す。
なんとも基本的な農作業である。
延々と、もらった畑を耕して。
鬼若は、そこにいた。
延々と、もらった畑を耕して。
鬼若は、そこにいた。
各所に刀傷をこしらえて、ずたずたの満身創痍で死に掛けていたのが半年ほど前。
むしゃむしゃ村の村人に助けられ、養生したのは三ケ月。
すっかり完治した鬼若だが、行く当てもなく。
結局、村に置いてもらえる事になった。
むしゃむしゃ村の村人に助けられ、養生したのは三ケ月。
すっかり完治した鬼若だが、行く当てもなく。
結局、村に置いてもらえる事になった。
御伽 草子郎が死に。
鬼若は生きる指針を失った。
指針が欲しくて不安で不安で仕方なく。
生きる方向を教えて欲しい一心で。
武蔵を追いかけ追いついて。
自分で探せと突き放されて。
切り刻まれた半年前。
鬼若は生きる指針を失った。
指針が欲しくて不安で不安で仕方なく。
生きる方向を教えて欲しい一心で。
武蔵を追いかけ追いついて。
自分で探せと突き放されて。
切り刻まれた半年前。
今、鬼若の心は穏やかだった。
むしゃむしゃ村の片隅に畑をもらい。
土を耕し種をまき。
むしゃむしゃ村の片隅に畑をもらい。
土を耕し種をまき。
それは、命と向き合う事だと良く分かる。
土を耕すという一事だけでそうだ。
土も生きている。
呼吸をする。
だから耕してやらねばならない。
土を耕すという一事だけでそうだ。
土も生きている。
呼吸をする。
だから耕してやらねばならない。
いや、それどころか鍬に使う鉄さえ生きている。
鬼若が命を向き合おうと思ったきっかけはむしろこっちだ。
鬼若が命を向き合おうと思ったきっかけはむしろこっちだ。
そもそも鬼若は。
鉄を食うのだ。
鉄を食うのだ。
もともと異形と人の子を作ろうというコンセプトで作られた一人だった。
人の卵と異形の精。
異形の卵と人の精。
いろいろな実験があったらしい。
鬼若は、異形の卵に人の精から生まれたはずだ。
人の姿に準じて生まれたのは、幸いだったと思う。
もっとも、母も父も人の形をしていたらしいから当然と言えば当然か。
人の卵と異形の精。
異形の卵と人の精。
いろいろな実験があったらしい。
鬼若は、異形の卵に人の精から生まれたはずだ。
人の姿に準じて生まれたのは、幸いだったと思う。
もっとも、母も父も人の形をしていたらしいから当然と言えば当然か。
ただ、母の特性。
鉄を食う性も受け継いだ。
体は鉄がごとく。
肌の色はもはや鉄火。
鉄を食う性も受け継いだ。
体は鉄がごとく。
肌の色はもはや鉄火。
無論、鉄以外も食えるが鉄を食うほどに鬼若は力が増すのだ。
鋼鉄を食えば食うほど剛く。
武具を食えば食うほど強く。
鋼鉄を食えば食うほど剛く。
武具を食えば食うほど強く。
だから、最初に農具の声を聞いた気がした。
鉄を食う事無く。
向き合った。
それでどうしたかと言えば、手入れをしてやった。
農具もむしゃむしゃ村で余っていた物だったのだ、随分手入れがされていなかった。
鉄を食う事無く。
向き合った。
それでどうしたかと言えば、手入れをしてやった。
農具もむしゃむしゃ村で余っていた物だったのだ、随分手入れがされていなかった。
丁寧に、手入れをしてやった。
農具が喜んでいる気がした。
農具が喜んでいる気がした。
次に、土の声が聞こえた気がした。
耕している時。
もっと空気を吸いたいと。
幸い、異形を相手に大立ち回れる豪腕である。
もらった畑が小さかったのもあり、よく耕してやれた。
そして水をやり。
肥料をやり。
畑も美味いと言っているような気がする。
耕している時。
もっと空気を吸いたいと。
幸い、異形を相手に大立ち回れる豪腕である。
もらった畑が小さかったのもあり、よく耕してやれた。
そして水をやり。
肥料をやり。
畑も美味いと言っているような気がする。
次はまいた種の声が聞こえるのだろうかと鬼若は思う。
畑を任され三ケ月だが、きゅうりがそろそろ食べられそうになってきた。
ただ元気はないように見えた。
そもそも気候に適さないのだ。
魔法で温度を調整して育てている者がいて、種をもらってまいたのだが普通にやったのではいけないようである。
畑を任され三ケ月だが、きゅうりがそろそろ食べられそうになってきた。
ただ元気はないように見えた。
そもそも気候に適さないのだ。
魔法で温度を調整して育てている者がいて、種をもらってまいたのだが普通にやったのではいけないようである。
しかしいけないのも実際に育てて見ろ、と言われた。
次はどうしようか。
他の野菜はどうすればいいだろう。
鬼若は考える。
次はどうしようか。
他の野菜はどうすればいいだろう。
鬼若は考える。
そして気づかない。
田畑と対峙し。
野菜と対峙し。
農具と対峙し。
御伽 草子郎が死ぬまで。
殺す事ばかりに傾倒していた頃を、すっかり忘れてしまっている事に。
野菜と対峙し。
農具と対峙し。
御伽 草子郎が死ぬまで。
殺す事ばかりに傾倒していた頃を、すっかり忘れてしまっている事に。
そんなある日々の中で。
とある災厄がむしゃむしゃ村に舞い降りる。
とある災厄がむしゃむしゃ村に舞い降りる。
◇
「異形だー! 異形が出たぞー!」
大豆の畑に水をまいていた時であった。
村に響く大声に鬼若が顔を上げる。
そして声の方へと駆けるのだ。
村に響く大声に鬼若が顔を上げる。
そして声の方へと駆けるのだ。
他の村人も声の方へ走る中。
鬼若が風のように駆け抜ける。
鬼若が風のように駆け抜ける。
すぐにどんな異形が出たかは視界に入る。
大きい。
いや、高い。
足が異常に長い男が野菜を貪っているのである。
その足元には異常に手が長い男。
これまた畑を荒らして野菜を食っている。
大きい。
いや、高い。
足が異常に長い男が野菜を貪っているのである。
その足元には異常に手が長い男。
これまた畑を荒らして野菜を食っている。
「やあきょうだい、これはうまいやさいだな」
「そうだなきょうだい、こっちのやさいもうまいぞ」
「おう、あれもうまそうだ」
「おう、それもうまそうだ」
「そうだなきょうだい、こっちのやさいもうまいぞ」
「おう、あれもうまそうだ」
「おう、それもうまそうだ」
テナガとアシナガである。
風を巻いてたどり着いた鬼若はアシナガを見上げて声を荒げる。
風を巻いてたどり着いた鬼若はアシナガを見上げて声を荒げる。
「お前ら! 何者だ! 何してる!」
「オレたちテナガアシナガ。お前こそなんだ?」
「鉄のにおいがぷんぷんするぞ」
「半分異形の半分人間だ」
「はんぶん人間か」
「はんぶんようかいか」
「ならば納得だ」
「それは納得だ」
「おい、それより勝手に野菜を食うな。腹が減っているなら頼め。この村の人たちなら快くご馳走してくれる」
「オレたちテナガアシナガ。お前こそなんだ?」
「鉄のにおいがぷんぷんするぞ」
「半分異形の半分人間だ」
「はんぶん人間か」
「はんぶんようかいか」
「ならば納得だ」
「それは納得だ」
「おい、それより勝手に野菜を食うな。腹が減っているなら頼め。この村の人たちなら快くご馳走してくれる」
半年前。
死に掛けていた鬼若に、村人総出で我先にと体に優しい料理を提供してくれたのを思い出す。
収集がつかなくなってしまったので本当に村人総出で、
「最強の病人食決定戦」なる村人全員参加の料理大会まで開かれた。
そして優勝料理が鬼若に提供される事になったのはまだ記憶に鮮明である。
死に掛けていた鬼若に、村人総出で我先にと体に優しい料理を提供してくれたのを思い出す。
収集がつかなくなってしまったので本当に村人総出で、
「最強の病人食決定戦」なる村人全員参加の料理大会まで開かれた。
そして優勝料理が鬼若に提供される事になったのはまだ記憶に鮮明である。
加えて、鬼若が鉄を食うと知っても、
「むしゃむしゃ村と謳っておきながら鉄をむしゃむしゃ食う発想はなかった」
「まいった! お前はこの村に相応しい!」
「へへ……いい食いっぷりじゃねぇか。ほら、うちの鍋も食いな!」
「まいった! お前はこの村に相応しい!」
「へへ……いい食いっぷりじゃねぇか。ほら、うちの鍋も食いな!」
とむしろ鉄をご馳走してくれた豪傑たちの村である。
「あー! 俺の野菜が!」
「俺の畑が……!」
「俺の畑が……!」
そして。
テナガアシナガが食い散らかした畑の持ち主たちがようやっと現れる。
すでにいくつもの畑が長い手足に荒らされて。
持ち主たちは愕然としている。
テナガアシナガが食い散らかした畑の持ち主たちがようやっと現れる。
すでにいくつもの畑が長い手足に荒らされて。
持ち主たちは愕然としている。
「おい! てめぇら!」
そして、そんな中で畑を荒らされた一人が怒鳴り声を上げる。
「どの野菜が一番美味かった!」
テナガアシナガがきょとんと顔を見合わせる。
「これもうまかったし、あれもうまかった」
「それもうまかったし、どれもうまかった」
「そんな返答、納得いくか!」
「きちんと判定して言え、異形! 俺の野菜のが美味いに決まってんだろ!」
「ざけんな! 俺の野菜だ!」
「君たち、下位争いは止めたまえ、俺の野菜が最強だろう」
「アホンダラ、ボケカスー! 最強は俺の野菜じゃコラダボー!」
「それもうまかったし、どれもうまかった」
「そんな返答、納得いくか!」
「きちんと判定して言え、異形! 俺の野菜のが美味いに決まってんだろ!」
「ざけんな! 俺の野菜だ!」
「君たち、下位争いは止めたまえ、俺の野菜が最強だろう」
「アホンダラ、ボケカスー! 最強は俺の野菜じゃコラダボー!」
鬼若と、テナガアシナガがきょとんとなる。
さて、そんな我が野菜こそが最高であると主張する中。
人の海が割れる。
そして杖をついて現れるのは長老である。
村長且つ、むしゃむしゃ村の生き字引。
人の海が割れる。
そして杖をついて現れるのは長老である。
村長且つ、むしゃむしゃ村の生き字引。
「長老!」
「村長!」
「……そやつらが畑を荒らした異形か」
「村長!」
「……そやつらが畑を荒らした異形か」
老いてなお鋭さを失わぬ双眸の光。
射抜くようにテナガアシナガを交互に認めて。
長老が杖で一つ、地面を叩く。
曲がった腰を伸ばし。
射抜くようにテナガアシナガを交互に認めて。
長老が杖で一つ、地面を叩く。
曲がった腰を伸ばし。
「聞け! 村の者たちよ!」
高らかに。
澄んだ声音を響かせる。
澄んだ声音を響かせる。
「これより誰の野菜が最強か、この異形らの判定を交えて競いあわん! 全員参加じゃ! 覇を唱えよ! 己が野菜の優秀を証明してみせい!」
ここに、野菜料理大会を宣言せん。
怒号が村に響き渡る。
それは歓喜の歌。
戦う者たちの雄叫びである。
怒号が村に響き渡る。
それは歓喜の歌。
戦う者たちの雄叫びである。
新参の鬼若はノリについていけていなかった。
◇
「さー始まりました、むしゃむしゃ村全員参加、最強野菜料理決定戦。
司会は私、長老の息子、武者小路 清十郎(むしゃのこうじ せいじゅうろう)がお送りします。
さて、ルールは簡単。自分の畑で取れた野菜で料理を作る。これだけです。
ただし、野菜は自分の畑ですが料理人については別に用意していただくのも結構。
ですのでお隣さんどうしで組む、野菜担当と料理担当で家を分けるなんてチームもあるようです。
また、料理人だけ別の村から召喚するという荒業をやってのける家の人もいる様子。
いやぁ、どうですか、本審査員のテナガさん、アシナガさん。
異形という事ですが、お嫌いな野菜なんかありますか?」
「なんでも食うぞ」
「なんでも食うぞ」
「しかしきょうだい、どうしてこうなった?」
「さあなきょうだい、どうしてこうなった?」
「そういう村です。あきらめて審査員やってください。
さて、ここでテナガアシナガ兄弟以外の審査員の紹介です。
この料理大会のためにお越しいただいた高級料理店を主宰されています山原 雄海さん。
新聞社に勤務されている岡山 士郎さん。
お二人はどうも険悪な仲なご様子ですが見て見ぬ振りを貫き通したいと思います。
そして最後はこの方、日本料理界に30年以上君臨してるとかしてないとかなんかそんな感じで、
味王の異名を持つような感じがしないでもない田村 源二郎さんにお越しいただきました。
以上、一切の紅一点の存在を許さぬ審査員陣でお送りします。
さー、そろそろ第一次審査が終わった様子。中継の方に視点を移して見ましょう。
中継の多々良さーん」
司会は私、長老の息子、武者小路 清十郎(むしゃのこうじ せいじゅうろう)がお送りします。
さて、ルールは簡単。自分の畑で取れた野菜で料理を作る。これだけです。
ただし、野菜は自分の畑ですが料理人については別に用意していただくのも結構。
ですのでお隣さんどうしで組む、野菜担当と料理担当で家を分けるなんてチームもあるようです。
また、料理人だけ別の村から召喚するという荒業をやってのける家の人もいる様子。
いやぁ、どうですか、本審査員のテナガさん、アシナガさん。
異形という事ですが、お嫌いな野菜なんかありますか?」
「なんでも食うぞ」
「なんでも食うぞ」
「しかしきょうだい、どうしてこうなった?」
「さあなきょうだい、どうしてこうなった?」
「そういう村です。あきらめて審査員やってください。
さて、ここでテナガアシナガ兄弟以外の審査員の紹介です。
この料理大会のためにお越しいただいた高級料理店を主宰されています山原 雄海さん。
新聞社に勤務されている岡山 士郎さん。
お二人はどうも険悪な仲なご様子ですが見て見ぬ振りを貫き通したいと思います。
そして最後はこの方、日本料理界に30年以上君臨してるとかしてないとかなんかそんな感じで、
味王の異名を持つような感じがしないでもない田村 源二郎さんにお越しいただきました。
以上、一切の紅一点の存在を許さぬ審査員陣でお送りします。
さー、そろそろ第一次審査が終わった様子。中継の方に視点を移して見ましょう。
中継の多々良さーん」
◇
「はーい、中継の多々良です。全5ブロックで行われた第一次審査も大詰めです。
みなさん精魂込めて作った野菜はそれだけでも美味しそうですが、
とっても素敵なお料理ばかりですよー。
不自然な説明口調になりますがそれぞれ5つあるブロックで十数人が第一次審査を競い、
勝ち抜いた一人が本審査に出場、テナガさん、アシナガさんの兄弟を筆頭に、
どこかで見たことあるような審査員に採点していただく事になりまーす」
「あ、多々良さん、第1ブロックの第一審査が終わったようですが?」
「本当ですね、第1ブロックを勝ち抜いたのは……大畑さんです、大畑夫妻が勝ち抜きました!」
「むしゃむしゃ村でも最も大きな畑を持ち、その畑を耕すためだけに生まれたかのような名前の、
大畑 耕介さんとその奥さんである大畑 妻子さんですね?」
「無理なくとても自然な大畑夫妻の紹介、ありがとう御座います。
あ、第2ブロックも終わったようです」
「おや……彼は、何者でしょうか? 仮面で顔が隠れていますが?」
「あー、飛び入り参加の方です。今回の大会を聞きつけてむしゃむしゃ挑戦状を叩きつけてきた謎の仮面料理人、マスクド・ベジタブルです」
「えー、自分の畑で取れた野菜で料理するルールのはずですが?」
「面白いから村長が参加させました。野菜は村長提供です。文句は父親にお願いします」
「はい、大会終わった後にクソ親父にはきつく言っておきまーす」
「さて、そんなクソ親父さんの姿が第3ブロックから出てきました。長老です。第3ブロックを見事勝ち抜いたのは長老です!」
「親父ーーーー!!!」
「まだまだ若い者には負けん」
「と言うわけでお決まりの台詞をいただいたところで第4ブロックに移ってみたいと思いまーす」
「第4ブロックは強豪がひしめくいているらしいですがどうですか、多々良さん」
「ええ、第4ブロックでは中華の料理人である『鉄鍋のジュン』や、
『特級厨師の資格を持つ中華の番 一(つがい はじめ)』、
フレンチの『味沢 拓海(あじざわ たくみ)』、
何でも作れる『ミスター味っ娘』、
顎が凄い荒石さん、
『OH MY』でおなじみの昆布くん、
寿司職人『ぎらら』、『正太』、『音やむ』、
というどこかで見たことのあるような顔が山盛りのモンスターブロックです」
「ミスターなのに味っ娘ってどういう事ですか、多々良さーん」
「あ、第4ブロック、どうも様子がおかしいです。ちょっと覗いてみましょう……! こ、これは!」
「多々良さん、どうしたんですか、多々良さん!」
「だ、第一次審査員の方々が全員トリップしています! まるで麻薬中毒! あ、今連絡が入りました。『鉄鍋のジュン』事、春海 純(はるみ じゅん)さんのマジックマッシュルームに中てられ、
審査員全滅だそうです。第4ブロック、勝者なしという事でお願いします」
「面倒くさいのでそんな感じでお願いします」
「さぁ、最後の第5ブロックですが……これは!」
「あ、第5ブロック勝ち抜きは……」
「鬼若さん! むしゃむしゃ村に最近引っ越してきました鬼若さんです!」
「いやぁ、これは意外な人が出てきましたね」
「はい、こんなアホみたいな大会しょっちゅう開いてる村の人間よりも経験が浅いのに大したものです」
「これはダークホースですね。では、本審査に出場するのは……」
「大畑夫妻、マスクド・ベジタブル、長老、鬼若、以上の五名になります。
それでは中継の多々良でした」
「はい、多々良さんお疲れ様でーす」
みなさん精魂込めて作った野菜はそれだけでも美味しそうですが、
とっても素敵なお料理ばかりですよー。
不自然な説明口調になりますがそれぞれ5つあるブロックで十数人が第一次審査を競い、
勝ち抜いた一人が本審査に出場、テナガさん、アシナガさんの兄弟を筆頭に、
どこかで見たことあるような審査員に採点していただく事になりまーす」
「あ、多々良さん、第1ブロックの第一審査が終わったようですが?」
「本当ですね、第1ブロックを勝ち抜いたのは……大畑さんです、大畑夫妻が勝ち抜きました!」
「むしゃむしゃ村でも最も大きな畑を持ち、その畑を耕すためだけに生まれたかのような名前の、
大畑 耕介さんとその奥さんである大畑 妻子さんですね?」
「無理なくとても自然な大畑夫妻の紹介、ありがとう御座います。
あ、第2ブロックも終わったようです」
「おや……彼は、何者でしょうか? 仮面で顔が隠れていますが?」
「あー、飛び入り参加の方です。今回の大会を聞きつけてむしゃむしゃ挑戦状を叩きつけてきた謎の仮面料理人、マスクド・ベジタブルです」
「えー、自分の畑で取れた野菜で料理するルールのはずですが?」
「面白いから村長が参加させました。野菜は村長提供です。文句は父親にお願いします」
「はい、大会終わった後にクソ親父にはきつく言っておきまーす」
「さて、そんなクソ親父さんの姿が第3ブロックから出てきました。長老です。第3ブロックを見事勝ち抜いたのは長老です!」
「親父ーーーー!!!」
「まだまだ若い者には負けん」
「と言うわけでお決まりの台詞をいただいたところで第4ブロックに移ってみたいと思いまーす」
「第4ブロックは強豪がひしめくいているらしいですがどうですか、多々良さん」
「ええ、第4ブロックでは中華の料理人である『鉄鍋のジュン』や、
『特級厨師の資格を持つ中華の番 一(つがい はじめ)』、
フレンチの『味沢 拓海(あじざわ たくみ)』、
何でも作れる『ミスター味っ娘』、
顎が凄い荒石さん、
『OH MY』でおなじみの昆布くん、
寿司職人『ぎらら』、『正太』、『音やむ』、
というどこかで見たことのあるような顔が山盛りのモンスターブロックです」
「ミスターなのに味っ娘ってどういう事ですか、多々良さーん」
「あ、第4ブロック、どうも様子がおかしいです。ちょっと覗いてみましょう……! こ、これは!」
「多々良さん、どうしたんですか、多々良さん!」
「だ、第一次審査員の方々が全員トリップしています! まるで麻薬中毒! あ、今連絡が入りました。『鉄鍋のジュン』事、春海 純(はるみ じゅん)さんのマジックマッシュルームに中てられ、
審査員全滅だそうです。第4ブロック、勝者なしという事でお願いします」
「面倒くさいのでそんな感じでお願いします」
「さぁ、最後の第5ブロックですが……これは!」
「あ、第5ブロック勝ち抜きは……」
「鬼若さん! むしゃむしゃ村に最近引っ越してきました鬼若さんです!」
「いやぁ、これは意外な人が出てきましたね」
「はい、こんなアホみたいな大会しょっちゅう開いてる村の人間よりも経験が浅いのに大したものです」
「これはダークホースですね。では、本審査に出場するのは……」
「大畑夫妻、マスクド・ベジタブル、長老、鬼若、以上の五名になります。
それでは中継の多々良でした」
「はい、多々良さんお疲れ様でーす」
かくして最強の称号を求める戦いの渦中へと鬼若は身を投じる。
むしゃむしゃ村において、もっとも経験の浅い鉄の女は。
しかし前を向くしかない。
難敵だらけの本審査。
むしゃむしゃ村において、もっとも経験の浅い鉄の女は。
しかし前を向くしかない。
難敵だらけの本審査。
<最大面積>
大畑夫妻
大畑夫妻
<謎の仮面料理人>
マスクド・ベジタブル
マスクド・ベジタブル
<長老>
長老
長老
<鉄の女>
鬼若
鬼若
今、戦いの火蓋が切って落とされる。
続きません