俺は機体に乗り込み、機体の起動の準備をする。
起動プログラム
認証パスワード…認証
網膜スキャン……本人と認定
搭乗者心拍数…安定
機関…第一機関――――正常、第二機関―――正常、第三機関――――破損の疑いあり、この状況で起動するのは危険です。
認証パスワード…認証
網膜スキャン……本人と認定
搭乗者心拍数…安定
機関…第一機関――――正常、第二機関―――正常、第三機関――――破損の疑いあり、この状況で起動するのは危険です。
知るか、そんな事気にしてたら、どっちにしろ俺達は全滅だ。
素早くパスコードを入力する。
素早くパスコードを入力する。
強制起動コードを確認―――0078787認証
無線からセイムの声が聞こえてくる。
「30秒で貨物コンテナごと切り離す、準備はいいか?」
俺は素早く起動の手続きを踏み、起動コードを入力していく…。
「30秒で貨物コンテナごと切り離す、準備はいいか?」
俺は素早く起動の手続きを踏み、起動コードを入力していく…。
各部のチェック―――
背部ブースター全壊、右腕部、左脚部の電気神経に異常の可能性あり、左手、小指破損
背部ブースター全壊、右腕部、左脚部の電気神経に異常の可能性あり、左手、小指破損
様々なダメージが報告される。
その時、トレーラーの運転席側から大きな音がした。
その時、トレーラーの運転席側から大きな音がした。
「くっ……。」
慣性の法則が自分に大きなGをかける。
それはこのトレーラーから、鋼機を積んでいた貨物車庫が丸ごと切り離された事を意味している。
離れたこの車庫は恐らく、先導していた先頭車両を失い、スリップして倒れようとしているのだろう。
それはこのトレーラーから、鋼機を積んでいた貨物車庫が丸ごと切り離された事を意味している。
離れたこの車庫は恐らく、先導していた先頭車両を失い、スリップして倒れようとしているのだろう。
―――機体の自壊を防ぐ為PAMを凍結します
――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――D―42 スラッシュゲイル起動
――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――D―42 スラッシュゲイル起動
「さあ、行こうか、スラッシュゲイル!」
そうして俺は機体を起こらせた。
そうして俺は機体を起こらせた。
妖魔達の頭の中には怒りしかなかった。
自分の住処を荒らされた怒り、自分の同胞を殺された怒り、自分の子息を失った怒り…妖魔達にとっての平安を潰された怒りが全てどす黒い焔となって身を支配した。
我々が一体何をした?
人を喰らった、人の住処を破壊し蹂躙した。
だが妖魔からすれば下位の存在であるそのものはそうされて当然の存在であるのだ。
弱いものは強者にひれ伏す、この弱肉強食の世界こそが妖魔達の社会になりたっている法則の根幹の一つだった。
だから彼らに罪の意識など無い、当然の事を当然にやってのけただけなのだ。
なのに何故我らはこのような被害を受けなければならないのだ、弱者が強者にはむかう事など許されてはならない…それも同族ならまだしも人間如きなどに…。
許せるか?
許せるわけなど無い。
だが人間が我らを倒すために着る鉄の衣は強靭でありながら強大な力を持ち、妖魔達はそれから逃げざる終えなかった。
いや、その時は逃げるのに必死だった、自分の保身を何よりも考えそれを行った。
プライドなどそこに存在しなかった。
それゆえに許せないのだ。
その恐怖から逃れた時、あらゆる感情が妖魔達に沸きあがった。
気づいたのだ、自分達がどれほど妖魔としてあってはならぬ行為をしたのかと…。
下位種族、捕食されるだけでしかないその存在から逃げてしまったのだ…。
それは数人でしかなかったことは間違いない。
軍隊と呼ばれる大多数のモノで我らが襲われたわけではない。
そう数えるしかいない少数から我ら多くの妖魔は殺され、逃げだした。
自身が生き残りたいという感情と死への恐怖ゆえに逃げ出した。
だからこそ、それに気づいた時、あらゆる感情から来る怒りが彼らを支配した。
見境などもはやそこにあるわけもなく見るものどれもが破壊対象となった。
怒り、そうそこには怒りしかない。
そんな憤怒する彼らの目の前に人の走る機械が入った瞬間、その心はまた爆発した。
彼らの全身に破壊衝動が押し寄せる。
許せるわけなどない!
妖魔達は怒りに任せて走る機械を追う、だが奇怪な事にその機械は二つに分かれた。
どちらかに専念して破壊するか、否、否、どちらかを見逃すという選択肢は妖魔達には存在しない。
見るものは全て破壊し、蹂躪し、支配し、殺す。
だが怒りに目がくらむが故に、不用意にも壊れた機械に近づいてしまった。
妖魔の内の一体がその104年にもなる一生の最後に聞いたのはシュッっという風の音だった…。
その機械に一目散に近づいた2体の妖魔の体から血が噴水のように噴出した。
一瞬・・・痛みすら感じる間もなくその二体の妖魔はまるで元からそうであったかのように二つ肉塊に切断された。
自分の住処を荒らされた怒り、自分の同胞を殺された怒り、自分の子息を失った怒り…妖魔達にとっての平安を潰された怒りが全てどす黒い焔となって身を支配した。
我々が一体何をした?
人を喰らった、人の住処を破壊し蹂躙した。
だが妖魔からすれば下位の存在であるそのものはそうされて当然の存在であるのだ。
弱いものは強者にひれ伏す、この弱肉強食の世界こそが妖魔達の社会になりたっている法則の根幹の一つだった。
だから彼らに罪の意識など無い、当然の事を当然にやってのけただけなのだ。
なのに何故我らはこのような被害を受けなければならないのだ、弱者が強者にはむかう事など許されてはならない…それも同族ならまだしも人間如きなどに…。
許せるか?
許せるわけなど無い。
だが人間が我らを倒すために着る鉄の衣は強靭でありながら強大な力を持ち、妖魔達はそれから逃げざる終えなかった。
いや、その時は逃げるのに必死だった、自分の保身を何よりも考えそれを行った。
プライドなどそこに存在しなかった。
それゆえに許せないのだ。
その恐怖から逃れた時、あらゆる感情が妖魔達に沸きあがった。
気づいたのだ、自分達がどれほど妖魔としてあってはならぬ行為をしたのかと…。
下位種族、捕食されるだけでしかないその存在から逃げてしまったのだ…。
それは数人でしかなかったことは間違いない。
軍隊と呼ばれる大多数のモノで我らが襲われたわけではない。
そう数えるしかいない少数から我ら多くの妖魔は殺され、逃げだした。
自身が生き残りたいという感情と死への恐怖ゆえに逃げ出した。
だからこそ、それに気づいた時、あらゆる感情から来る怒りが彼らを支配した。
見境などもはやそこにあるわけもなく見るものどれもが破壊対象となった。
怒り、そうそこには怒りしかない。
そんな憤怒する彼らの目の前に人の走る機械が入った瞬間、その心はまた爆発した。
彼らの全身に破壊衝動が押し寄せる。
許せるわけなどない!
妖魔達は怒りに任せて走る機械を追う、だが奇怪な事にその機械は二つに分かれた。
どちらかに専念して破壊するか、否、否、どちらかを見逃すという選択肢は妖魔達には存在しない。
見るものは全て破壊し、蹂躪し、支配し、殺す。
だが怒りに目がくらむが故に、不用意にも壊れた機械に近づいてしまった。
妖魔の内の一体がその104年にもなる一生の最後に聞いたのはシュッっという風の音だった…。
その機械に一目散に近づいた2体の妖魔の体から血が噴水のように噴出した。
一瞬・・・痛みすら感じる間もなくその二体の妖魔はまるで元からそうであったかのように二つ肉塊に切断された。
「まったく…運が無いな…俺は…」
策はとりえあえずは成功といえるのだろうか。
車内にて妖魔の姿を見たとき、奴らが怒り狂っているのはクーガには手に取るようにわかった。
それは殺気、怒気にみちており、それを見分けるのは非常に容易であった。
そこでクーガが取った策とは自身のトレーラーを集団で襲わせ、襲いかかった所で、それらを同時に一閃にて斬り捨てる事だった。
この策は成功したと言えるだろう。
襲い掛かる6体の妖魔の内、2体もの妖魔を斬殺に成功したのだ。
普段なら凱歌が上がり、士気が上がり、英雄的な戦果と褒められた事だろう。
だが、クーガの心中は決してその結果は喜ばしいものではなかった。
英雄的な戦果、それは普通の闘いにおいての話だ。
そう、これは援護する味方もなく、大きなダメージを受けた機体で、通常ならば多対一で挑む妖魔に、一対多で闘いを挑むという事なのだ。
この闘いの勝率などもはや戦う前から出ている、論じるまでも無い。
可能性は0だった。
たった一人で、たった一機でこの闘いを勝つ事など、どのような奇跡が起ころうとありえないのだ。
だがこの闘いは勝つことが目的なのではない。
耐えることが目的なのだ。
セイムが来る。
あと13分後に…。
それだけを信じて、ここは耐えなければならない。
だからこそこの最初で最期かもしれない唯一にして、最大のチャンスで自身に襲いかかる妖魔を4体は斬殺しておきたかった。
それが無理、いや確率的に恐ろしく低いレベルでしか出来ない事だとわかってはいた。
そもそもこの攻撃で倒せるのは1体がいいところだと……。
トレーラーの中で視認できない敵をセンサーと勘だけで攻撃したのだ。
そう考えるならば2体も倒せたのは運が良かったとは言えるかもしれない。
だが、この闘いにおいてはそれでもまだ足りないのだ。
「ああ、でもな…」
クーガは呟く。
「俺は15分持たせると言った。約束した。だから――――」
機体をゆっくりと立ち上がらせる。
策はとりえあえずは成功といえるのだろうか。
車内にて妖魔の姿を見たとき、奴らが怒り狂っているのはクーガには手に取るようにわかった。
それは殺気、怒気にみちており、それを見分けるのは非常に容易であった。
そこでクーガが取った策とは自身のトレーラーを集団で襲わせ、襲いかかった所で、それらを同時に一閃にて斬り捨てる事だった。
この策は成功したと言えるだろう。
襲い掛かる6体の妖魔の内、2体もの妖魔を斬殺に成功したのだ。
普段なら凱歌が上がり、士気が上がり、英雄的な戦果と褒められた事だろう。
だが、クーガの心中は決してその結果は喜ばしいものではなかった。
英雄的な戦果、それは普通の闘いにおいての話だ。
そう、これは援護する味方もなく、大きなダメージを受けた機体で、通常ならば多対一で挑む妖魔に、一対多で闘いを挑むという事なのだ。
この闘いの勝率などもはや戦う前から出ている、論じるまでも無い。
可能性は0だった。
たった一人で、たった一機でこの闘いを勝つ事など、どのような奇跡が起ころうとありえないのだ。
だがこの闘いは勝つことが目的なのではない。
耐えることが目的なのだ。
セイムが来る。
あと13分後に…。
それだけを信じて、ここは耐えなければならない。
だからこそこの最初で最期かもしれない唯一にして、最大のチャンスで自身に襲いかかる妖魔を4体は斬殺しておきたかった。
それが無理、いや確率的に恐ろしく低いレベルでしか出来ない事だとわかってはいた。
そもそもこの攻撃で倒せるのは1体がいいところだと……。
トレーラーの中で視認できない敵をセンサーと勘だけで攻撃したのだ。
そう考えるならば2体も倒せたのは運が良かったとは言えるかもしれない。
だが、この闘いにおいてはそれでもまだ足りないのだ。
「ああ、でもな…」
クーガは呟く。
「俺は15分持たせると言った。約束した。だから――――」
機体をゆっくりと立ち上がらせる。
「最低限、それぐらいは守ってやるさ。」
残り時間 13分
残存する妖魔 5体
残存する妖魔 5体
クーガは機体を立ち上がらせると同時に即座に、西方に確認していた崖めがけて右腕部のアンカークローを放った。
崖にしっかりアンカーが固定されたことを確認して、ワイヤーを巻き取る。
機体はアンカーに引っ張られ崖の方向に引きずられていった。
現在、ブースターが使い物にならないスラッシュゲイルが素早く動く為の苦肉の策である。
1対多の戦いにおいて最も重要なこと、それは卓越した技能ではない。
いかに有利な地形に自分を置くことが出来るかだ。
どれほどの熟練した技能を持とうともオールレンジからの攻撃には対応することは出来ない。
ならば攻撃しうる方向を出来るだけ封じ、ある程度敵の攻撃を制限することで相手の攻撃に対応しやすくする。
これが1対多の戦いにおいてクーガが祖父から教わった戦い方だった。
だが、その闘い方は自身の逃げ道を塞ぐというリスクももたらす。
しかし、クーガは囮なのだ、逃げることは許されない。
一か八かの賭けともいえるこれは、今のこの状況を打破する唯一の手段であった。
クーガは理想の地形に辿り着くと同時にワイヤーをスラッシュゲイルの主武装である振動刀「ムラマサ」で断ち切った。
妖魔は自分を追ってくる。
同胞を殺された怒りに妖魔達の心は支配されているようだ。
だが、それならば勝算はある。
限りなく0に近いその生き残る確立を上げる術がある。
だがそのためには全ての感覚を刃の如く研ぎ澄まさなければならい。
そう、この闘いにおいて最も重要なのは集中力
自分がしていることはそれを最も求めることなのだ。
妖魔が自分を追ってくる。
大きな咆哮を上げながら追ってくる。
その咆哮に含まれるのは仲間を目の前で殺されたという怨恨だろうか?
「だがな…俺たちだってそんなの日常茶飯事のように受けてるんだ…。」
スラッシュゲイルに自身の最大の武器である刀「ムラマサ」を構えさせる。
マイクの集音率を最大して、音を聞き取り位置を掴む…。
この距離になるとレーダーに頼るよりも自身の感覚をあてにするのが一番だと感じた。
背後は断崖絶壁、前方には5体の妖魔…。
そして死闘は始まった。
崖にしっかりアンカーが固定されたことを確認して、ワイヤーを巻き取る。
機体はアンカーに引っ張られ崖の方向に引きずられていった。
現在、ブースターが使い物にならないスラッシュゲイルが素早く動く為の苦肉の策である。
1対多の戦いにおいて最も重要なこと、それは卓越した技能ではない。
いかに有利な地形に自分を置くことが出来るかだ。
どれほどの熟練した技能を持とうともオールレンジからの攻撃には対応することは出来ない。
ならば攻撃しうる方向を出来るだけ封じ、ある程度敵の攻撃を制限することで相手の攻撃に対応しやすくする。
これが1対多の戦いにおいてクーガが祖父から教わった戦い方だった。
だが、その闘い方は自身の逃げ道を塞ぐというリスクももたらす。
しかし、クーガは囮なのだ、逃げることは許されない。
一か八かの賭けともいえるこれは、今のこの状況を打破する唯一の手段であった。
クーガは理想の地形に辿り着くと同時にワイヤーをスラッシュゲイルの主武装である振動刀「ムラマサ」で断ち切った。
妖魔は自分を追ってくる。
同胞を殺された怒りに妖魔達の心は支配されているようだ。
だが、それならば勝算はある。
限りなく0に近いその生き残る確立を上げる術がある。
だがそのためには全ての感覚を刃の如く研ぎ澄まさなければならい。
そう、この闘いにおいて最も重要なのは集中力
自分がしていることはそれを最も求めることなのだ。
妖魔が自分を追ってくる。
大きな咆哮を上げながら追ってくる。
その咆哮に含まれるのは仲間を目の前で殺されたという怨恨だろうか?
「だがな…俺たちだってそんなの日常茶飯事のように受けてるんだ…。」
スラッシュゲイルに自身の最大の武器である刀「ムラマサ」を構えさせる。
マイクの集音率を最大して、音を聞き取り位置を掴む…。
この距離になるとレーダーに頼るよりも自身の感覚をあてにするのが一番だと感じた。
背後は断崖絶壁、前方には5体の妖魔…。
そして死闘は始まった。
残り時間12分
残存する妖魔5体
残存する妖魔5体
最初にモニター越しに目視できたのは二体の獣種と呼ばれる妖魔だった。
獣種とは四足歩行の妖魔の通称だ。
強靭な顎から放たれる噛み付きと、強靭で銃弾すら通さない体毛、尋常とは言えないほどの鋭い嗅覚が特徴とされるそれは素早く、強く、しなやかにクーガの乗るスラッシュゲイルに襲いかかる。
獣種とは四足歩行の妖魔の通称だ。
強靭な顎から放たれる噛み付きと、強靭で銃弾すら通さない体毛、尋常とは言えないほどの鋭い嗅覚が特徴とされるそれは素早く、強く、しなやかにクーガの乗るスラッシュゲイルに襲いかかる。
だが、甘い。
クーガは右足を軸にして最低限の動きで二体の攻撃を回避する。
怒りに任せたその攻撃はあまりに直線的だった為、攻撃を読み回避するのはそれほど困難では無い。
そしてその攻撃の後にある外した隙を見逃さずに斬撃を放とうとした時、クーガは風の切れるような音を聞いた。
「ちぃ…。」
クーガは素早くスラッシュゲイルは横に跳ぶ。
スラッシュゲイルの元いた位置に上空から鋭い何かが落ちてきた。
いや、落ちてきたのでは無い…スラッシュゲイル目掛けて空から突撃してきたのだ。
突撃の中、砂埃の中から新たな妖魔がその姿を現す。
翼を持つ妖魔、翼種だ。
「1体か…。」
闘いの前に確認した妖魔は獣種が5に翼種が2だった。
その内2体は既に倒している。
ゆえに残る妖魔は獣種が3に翼種が2という事になる。
つまり残りの2体はどこにいるのか?
息を潜めて近くに潜んでいるのだろうか…。
だがそんな事を考える時間もなく妖魔たちの猛追は始まる。
二体の獣種は左右にわかれ、両サイドからクーガを襲ってくる。
それと同時に翼種は再び空高く舞い上がった。
「意外と、落ち着いてるな。」
恐らくは2体の獣種達の攻撃を回避した所を翼種が空中から突撃する算段なのだろう。
自分の背後は断崖絶壁な為、回避するには前に飛ぶしかない。
ならばそこに狙いをつけるのは容易。
つまりスラッシュゲイルは逃げ道の無い攻撃をしかけられた。
相手の攻撃を制限する為の策が裏目に出たのだ。
二体の獣種は助走をつけてスラッシュゲイルに飛び掛ってくる。
この二体の攻撃を受ければスラッシュゲイルは確実に大破するだろう。
クーガはすかさずスラッシュゲイルを前に飛躍させ二体の獣種の攻撃を回避した。
そして着地―――
「っ―――。」
姿勢制御のバランサーが誤作動を起す、大地に着地しようとしたスラッシュゲイルを着地時のバランスを崩し、倒れこんだ…。
それは妖魔にとっては絶好の好機、空中にいた翼種はその鋭い爪を使い、機体を切り裂く為、スラッシュゲイルに向かって突撃してくる。
もはや立ち上がってその行動を回避するなどという悠長な時間はそこには存在しない。
だから片腕をあげる。
怒りに任せたその攻撃はあまりに直線的だった為、攻撃を読み回避するのはそれほど困難では無い。
そしてその攻撃の後にある外した隙を見逃さずに斬撃を放とうとした時、クーガは風の切れるような音を聞いた。
「ちぃ…。」
クーガは素早くスラッシュゲイルは横に跳ぶ。
スラッシュゲイルの元いた位置に上空から鋭い何かが落ちてきた。
いや、落ちてきたのでは無い…スラッシュゲイル目掛けて空から突撃してきたのだ。
突撃の中、砂埃の中から新たな妖魔がその姿を現す。
翼を持つ妖魔、翼種だ。
「1体か…。」
闘いの前に確認した妖魔は獣種が5に翼種が2だった。
その内2体は既に倒している。
ゆえに残る妖魔は獣種が3に翼種が2という事になる。
つまり残りの2体はどこにいるのか?
息を潜めて近くに潜んでいるのだろうか…。
だがそんな事を考える時間もなく妖魔たちの猛追は始まる。
二体の獣種は左右にわかれ、両サイドからクーガを襲ってくる。
それと同時に翼種は再び空高く舞い上がった。
「意外と、落ち着いてるな。」
恐らくは2体の獣種達の攻撃を回避した所を翼種が空中から突撃する算段なのだろう。
自分の背後は断崖絶壁な為、回避するには前に飛ぶしかない。
ならばそこに狙いをつけるのは容易。
つまりスラッシュゲイルは逃げ道の無い攻撃をしかけられた。
相手の攻撃を制限する為の策が裏目に出たのだ。
二体の獣種は助走をつけてスラッシュゲイルに飛び掛ってくる。
この二体の攻撃を受ければスラッシュゲイルは確実に大破するだろう。
クーガはすかさずスラッシュゲイルを前に飛躍させ二体の獣種の攻撃を回避した。
そして着地―――
「っ―――。」
姿勢制御のバランサーが誤作動を起す、大地に着地しようとしたスラッシュゲイルを着地時のバランスを崩し、倒れこんだ…。
それは妖魔にとっては絶好の好機、空中にいた翼種はその鋭い爪を使い、機体を切り裂く為、スラッシュゲイルに向かって突撃してくる。
もはや立ち上がってその行動を回避するなどという悠長な時間はそこには存在しない。
だから片腕をあげる。
間に合え!
そうして翼種はスラッシュゲイル目掛けて突撃し、それと同時に大きな音が鳴り響いた・・・。
【2-3へ続く】
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