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2007年~2008年の時限トップ

ここでは、2007年~2008年にかけて掲載された時限トップを保管してあります。
(※時限トップとは、数分~数十分の間だけ表示されるページの事です)


2008/09/19 18:45頃


~愛媛県今治市~

「瑞貴、これが本家にあった『玉鋼の塗箱』だ」
 長身の男、帯刀・圭吾は、主である『土蜘蛛の女王』朝比奈・瑞貴に、その小箱を差し出した。

「見事なメガリスだね。鋼鉄でありながら柔らかい。そして、何らかの能力があるんだろうけど、そんなものはどうでもいい。圭吾、メガリスの本当の使い方を教えてあげる……」
 そう言うと、瑞貴はメガリスを持つ手に力を込めた。土蜘蛛の凄まじい怪力により、たちまちのうちにメガリスはひしゃげ、破壊される。

「瑞貴、いったい何を……!」
 圭吾が叫ぼうとした刹那、破壊されたメガリスから大量の光が溢れ出る。
 膨大な光に包まれながら、瑞貴が叫ぶ。

「これこそが≪無限繁栄≫! 僕の本当の力!」
 弾ける様に、狂った様に笑う瑞貴。
 遂に全ての準備が整った、その瞬間であった。

2008/09/17 17:30頃


~愛媛県今治市 笠松山~

 むせ返るような匂いを放つ、肉の群れ。
 一糸纏わぬ姿で折り重なるように絡み合う、百を越える数の男女。
 その中心に、彼女は座していた。
 しばしの惰眠から目覚めた彼女は、大きな背伸びをひとつした後、傍らの男性を淫らに愛撫する。
 そして、たちまちの内に人外の快楽に陥った彼の脳を切開し、肉片を可憐な口元に運ぶ。
 噴出した鮮血が周囲を赤く染めるが、男女は自らの営みに夢中で、気にかける様子すら無い。
 既に、この空間は死と快楽に支配されているのだ。

「えっちなのうみそおいしいです」
 少女のように無垢な、彼女の姿。しかし彼女の肌の上には不気味な蛇が這い回り、周囲の男女は欲望に濁った崇拝の眼差しを向ける。彼女はリリスであり、また、リリスを従える者でもあった。
 周囲に侍る女性の中には、多くのリリスも存在した。彼女の淫蕩さは同属すらも魅了するのだ。
 裸身のまま蠢く者達は、口々に彼女を『揺籠の君』と呼び、崇拝していた。

「みずきんはいいひとです。ゆりゆりはやりたいほうだいです」
 揺籠の君はすっと立ち上がり、爽やかな風を浴びる。
 能力者を察知する彼女の本能が、風と共に彼女を敏感に刺激する。
 能力者達が、この今治市に集結する気配……彼女はそれに昂ぶっているのだ。

「むげんはんえいぷらすてんりんしゅうばーさすぎんせいかんがくえんです。よそうどおり、のうりょくしゃほいほいでたべほうだいです」
 そして、周囲のリリス達に向き直り、言葉を続ける。
「もうまちのひとはあきました。ゆりゆりはそろそろのうりょくしゃがたべたいです。みんなはどうですか?」
 嬌声を上げて主に応じるリリス達。そして、自らの望みを叶えるべく、リリス達は行動を開始するのであった。

2008/08/27 12:00頃


帯刀・圭吾 & 朝比奈・瑞貴

~四国某所~

 暗室に断末魔の悲鳴が響く。褐色の肌の青年……帯刀・圭吾が、今、暗室に群がっていたリリスの最後の1匹に、止めの破魔矢を放ったのだ。
 全てのリリスを仕留めた圭吾は、この様子を微笑みながら眺めていた人物に向けて叫ぶ。

 「朝比奈……!!」
 「さすがは僕の巫女だね、圭吾。強いじゃないか」
 朝比奈・瑞貴の明るい物言いには、いささかの驚きも戸惑いも無い。

 「朝比奈、あのリリス達は何だ! お前は一体、この土地で何をしようとしている……!」
 「さぁ、何だと思う? 『巫女』である君に、『女王』である僕の意志が見抜けるとでも?」
 「……朝比奈、お前はまだ女王として覚醒したばかりだ。我々にはお前を教え導く義務が……」
 「圭吾、それ本気で言ってる? 本気で、僕を君達巫女の操り人形にしようと思ってるの?」

 「それは違う! 俺達は……俺は、瑞貴の為に生きる巫女だ! それを疑うならば、今すぐお前の赤手でこの胸を切り裂けばいい!」

 「圭吾。ようやく僕を瑞貴と呼んでくれた……」
 微笑の中に浮かんだ瑞貴の別の表情を、果たして圭吾は気付くことができたか。
 「ならば帯刀・圭吾よ。君に、僕の目的を教えよう。僕の目的は、ここに『僕らの国』を作ることだ。
 リリスも、天輪宗の老人共も、その為の手段に過ぎない」
 「瑞貴……それは本当か……?」

 とまどう圭吾の表情をゆっくりと眺めた後、瑞貴は言い放つ。
 「もし嘘だったら、何なの?」

 しばしの沈黙の後。
 「……確かにお前の言う通りだ、瑞貴。女王であるお前を教え導くなど、俺達の傲慢だった。
 俺達は、土蜘蛛の女王に忠誠を誓う巫女。お前の意志は、俺達の意志だ」

 そして瑞貴は、ゆったりと満足げな笑みを浮かべる。
 「良かった。それじゃ圭吾、さっそくひとつ、お願いを聞いてくれるかな……?」

2008/08/22 12:00頃


吸血姫エレイン


~都内某所~

 私を、解放する……? 処刑も、取引材料にすることも無く!?
 銀誓館学園の奴等にとって、私など何の価値も無い、取るに足りぬ存在だと言う事か……!
 ……これほどまでの屈辱を、与えられるとは!

 まずは急ぎヨーロッパへと戻り、手勢を携え速やかに貴様等に報復してやろう。
 我等吸血鬼の総勢が揃えば、貴様等などものの数ではない! 目にもの見せてくれる!


2008/06/25 10:30頃


(銀誓館学園の、ある一室)

『久しぶりだね、エレイン。前に会ったのは、何年前だったかな』
 渡された受話器を耳に当てた吸血姫エレインは、アルバート・ローゼスの声に息を呑んだ。
「アルバート。……何の用かしら?」
『久々に言葉を交わす従弟相手に、つれないね。……とはいえ、この電話を取り次いでもらっている銀誓館学園の人に迷惑をかけてはいけない。手短にいこう』

 神戸の吸血鬼アルバートはそう言うと、一呼吸で切り込んで来た。
『君達の組織は、僕達の組織にスパイを潜り込ませているね? 狂気に陥った者達の棺の輸送が失敗したのも、ヨーロッパに銀誓館の生徒達が行くのが君に伝わっていたのも、そのせいだ』
「今さら気付いたのね。それとも、軟弱者にしては早かった、と誉めて差し上げましょうか?」
『軽口に付き合う気は無いよ。君達のせいで、こちらは立場を悪くするところだったんだ』
 エレインがからかうと、アルバートの声にも微かな苛立ちが混じった。
 その苛立ちを深めてやろうと、エレインは言葉を続ける。
「あなた達は年長者が狂気に陥ったと言ったわね。けれど、私達の見解は違う。血を求め、自らの勢力を拡大すること……それはすなわち、ヴァンパイアの業。彼らは、自らの業に目覚めた方達よ。その行動を抑制する事こそが罪であると、何故気付かないの?」
 見解の相違を強調するかのように、言葉の後には嘲笑も添えてやる。

 電話の向こうで、アルバートが深い溜息をつくのが聞こえた。
『君たちは、変わらないんだね。僕達が、この銀の雨が降る楽園……日本に影の城を構えたのは、過去に囚われ無益な争いを続ける君達にも、平和な暮らしを与えられればと……』
「笑わせないで」
 冷たい言葉できっぱりと、エレインはアルバートの声を遮った。
「もし、あなた達が日本を征服して私達を呼び寄せたなら、まだ考慮の余地はあったわ。でも、あなた達は歴史も無い能力者組織におもねり、情け無く生き延びただけ……」
 アルバートの頭に理解が染み通るのを待つように、エレインはゆっくりと息を吸い、そして告げる。
「そんな惨めな境遇に加われ? お断りだわ。私達は、その軟弱な考えに付き合う気は無いの」

『……僕達も、そう考えた事はあった。でも、考えを変えない限り、君達が歩むのは滅びの道だよ』
 アルバートの声音に、道を違えた従姉への悲しみが混じる。
 だが、エレインの言葉は、ヨーロッパに残る幾つもの吸血鬼組織に共通する考えでもあった。
 そして、彼らの考えが容易に覆らないことを、アルバートは知っている。
 もはやアルバート達の吸血鬼組織と、ヨーロッパの吸血鬼組織は、別の道を辿っているのだ。

『僕達は、銀誓館学園に合流する。それが、この時代に合った新しい生き方だ。出来れば、君達もそれに加わって欲しかったけれど……』
「そう……話は終わりかしら?」
『ああ。君達の処遇は、銀誓館学園の能力者達が決めるだろう。……さようなら、エレイン』
 その言葉を最後に、電話は切れる。
 エレインは母国のものとは違う電子音を立てる受話器を耳から離した。
「誰もが、あなたの様に生きられるわけじゃないのよ、アルバート……」
 小さく呟いた彼女の言葉は、誰の耳にも届くことは無かった。

2007/12/06 18:00頃


アルバート・ローゼス

ごきげんよう。
先日は楽しいパーティーが開けて嬉しかったよ。皆も楽しんでくれたのなら嬉しく思う。
さて、今日はちょっとしたお願いがあって、来させてもらったんだ。

実は、人狼達がメガリスを破壊し、凶悪な破壊の化け物『フェンリル』を召喚してしまったんだ。
メガリス破壊による召喚は既に行われ、12月16日には実体化するという。
そうなれば、人狼達はすぐさま、僕等の城がある六甲アイランドを襲撃するだろう。
フェンリルが暴れだせば、世界結界に大きなダメージを与えてしまうのは間違いない。

僕達吸血鬼は、戦いを望んでいない。
世界結界の存在は様々な問題を内包しているが、総論的には、この世界から来訪者同士の争いを無くした素晴らしい魔術だと思っているからね。

だから、フェンリルを撃破し、世界結界を守るために、君達と共に戦う事ができると思うんだ。
詳しい作戦内容についても連絡しておくから、是非、検討をお願いするよ。

2007/11/24 10:15頃~11:50頃

1回目 10:15頃~10:30頃


~兵庫県・山岳地帯~

山中に潜伏する人狼騎士達に、戦慄が走る。
それは、騎士団長よりの新たな命であった。

「鉄鎖ドローミを、解き放て」

団長よりの勅使は、羊皮紙に書かれたその一言を読み上げると、それに火をつけた。
燃え上がる羊皮紙と共に高揚し、雄叫びを挙げる騎士達。
そう、騎士団長の勅令はまさしく、決戦の開始を告げる狼煙であったのだ。

2回目 11:30頃~11:50頃


~兵庫県・山岳地帯~

「エルザ、奴等は吸血鬼の協力者と目されている。情けなど不要と思うが」
出立の準備をする銀髪の女に、ひとりの騎士が声を掛ける。

エルザと呼ばれた銀髪の女は、静かに首を横に振り、決然と言い放つ。
「そうではない、パトリック。ひとたび戦場で出逢えば、私の銃口に躊躇は無い。だが、彼らはこの日本を本拠とする能力者組織であり、その本心はまだ分からぬ。ならば、警告を与え、彼らに選択させねば、騎士道に反する行いとなるだろう」

パトリックは、実際にその組織とも遭遇している彼女の言葉に賛意を覚えながらも、同時に、心の奥底に違和感を覚える。
彼女の提唱する正しき騎士道を、何故か疎ましく思う心。それは、鉄鎖ドローミによって邪魔者共を一掃せんと高揚する、己の闘争本能が為なのだろうか……。

思索を打ち切り、パトリックはエルザに言葉を掛ける。
「だが、彼らがもし本当に吸血鬼の協力者だったならば、お前の命は無いのだぞ」
エルザは薄い微笑を返し答える。
「むざむざ殺されるつもりは無い。それに私が死ねば、お前か、誰かが、仇を討ってくれるだろう?」

そしてエルザは一人、移動を開始した。
目的地は鎌倉……銀誓館学園。

2007/10/11 10:00頃~12:10頃

1回目 10:00頃~10:30頃


~兵庫県 神戸市~

「アル君、おはよ~」
暗く、カーテンを閉ざした部屋。
仲間を代表して様子を見に来た山崎・あゆみは、部屋の中央に佇む黒衣の少年に言葉を掛ける。

黒衣の少年の傍らには、淡く輝く黄金の欠片が3つ。
「なぁ、これ、いつ頃メガリスになるん?」
あゆみの言葉に、少年が口を開く。
「虚ろなる月が、中天に輝く時……。要は新月の事だから、今日の11時37分、という事になるね」
11時37分、欠片のどれかが、メガリス「黄金の林檎」に変わる。
欠片は全部で8つ。そのうち、吸血鬼が所有する欠片の数は3つ。

8分の3。
その確率は、期待するには低く、絶望するには高い。

今は、ただ待つのみ。少年は瞳を閉じ、瞑想に入る。
「(メガリス手に入ったら、ええね)」
あゆみは、黒衣の少年に向けてそう呟くと、静かに部屋を退出するのであった。

2回目 11:37~12:00


~兵庫県 神戸市~

運命の11時37分。この兵庫県神戸市にて、虚ろなる月が中天に差し掛かる時。
黒衣の少年の傍らに置かれた黄金の欠片が、不意に激しい輝きを放つ!
暗室を眩く照らした欠片は瞬時に粉砕され黄金の霧と化し、そして……。

彼の眼前にゆっくりと姿を現した『黄金の林檎』
それは紛れも無く、彼が求めたメガリスの姿であった。

「どうにか、取り戻せたか……」
冷静沈着な少年も、流石に安堵の溜息を着いたその時。

部屋の扉が乱暴に開かれ、同時に『パーン』という破裂音が部屋に響き渡った!

3回目 12:00~12:10頃


~兵庫県 神戸市~

「アル君、メガリスゲットおめでと~!!」
破裂音のした方向には、クラッカーを持った少女達。
そういえば、この位置が人狼に知れている筈が無い。苦笑して、少年はガンナイフを懐にしまう。

「いや~めでたいなぁ~! ほら、サっきゅんも手伝って!」
そう言いながら、『アル君おめでとう!』と書かれた横断幕をてきぱきと広げ、何やら祝賀会場のようなものを用意する少女達。「サっきゅん」と呼ばれた仮面の女性も、会場設営に加わる。

続いて、大量のシャンメリーを持ち込み、全員に配っていくあゆみ。
「ノンアルコールやから、気にせんと飲んでな。ぱ~っとやろ!」
乾杯コールに続いて沢山のお菓子も持ち込まれ、突然のお祭り騒ぎが始まった。
サっきゅんも、促されてシャンメリーをこくこくと飲んでいる。言葉を持たぬ彼女だが、彼女も大事な仲間なのだ。その感情を計り知る事は難しいが、蛇の尻尾は楽しげに揺れている。

「アル君アル君、この後は三ノ宮のカラオケ屋に予約入れてるから!」
「学校休めんかった子らもそっから合流するから、絶対参加やで!」
口々に話しかけ、笑いかけてくる少女達。

黒衣の少年は静かに微笑み、言葉を返す。
「カラオケも良いが、晩餐会は『城』で行うものだよ」
そして、言葉を続ける。
「六甲アイランドに赴き、今こそ君達に披露しよう。メガリスを破壊して生まれる、我等の『城』を」

2007/08/07 16:10頃


~福島県 阿武隈峡~

「これ終わったら、絶対温泉に行くんやからね!」
昼下がりのハイキングコースを楽しげに歩く、学生と思しき少女達の集団。
彼女達の中心には、黒衣を纏った外国人の少年が1人。
中高生の少女達の中で、彼だけが男性で、年齢体格も小学生程度に見える。
ただし、その落ち着き払った態度から、彼が一行のリーダーである事は間違いないようだ。

「≪黄金獣≫の気配を感じる……。この先か……」
ふと、その彼が、ハイキングコースの外れを見つめ、静かに呟く。
彼の言葉を受け、少女達はハイキングコースを外れ、山道に分け入っていく。

「前のは可愛い金色ウサギやったけど、今度は何やろか?」
「あと7体もおるんやろ? 早よ終わらそうよ~」
「今日は終わったら温泉~♪ でも混浴やないから残念やね、アル君?」
軽口を叩きながらついてくる少女達に、
「確かに残念だね。次の機会に期待しよう」
と、少年はこともなげに答える。何事を想像したのか、真っ赤になってうつむく少女達。

次の瞬間。
「あっ、アル君! あの鹿、金色や!」
少女達の一人、あゆみが指差した先には、確かに、黄金に輝く巨大な鹿が存在した。
「≪黄金獣≫にはメガリスの欠片が宿っている。逃がすな!」
少年の号令と共に少女達は速やかに戦闘態勢を整え、黄金の鹿へと攻撃を開始するのであった。

2007/07/23 13:50頃~16:00頃

1回目 13:50頃


~とある街角にて~

街角を行く、一人の青年。
黒いアタッシュケースを懐に抱えた彼は、空を見上げて呟く。

「まさか、この高度に文明化された日本が、我等が安住の地になるとはな」
詠唱銀の豊かな力を感じて、彼はうっすらと笑みを浮かべた。
「この地に、我らが『城』を。さすれば確かに、我等は昔日の栄華を取り戻す事だろう……」

だが、彼の笑みは一瞬でかき消される事となる。

「あの……女は……!」
それは、彼の視線の先にいる、一人の女に気付いたからである。
長身で精悍な女の姿。銀色にたなびく長髪は……まるで狼の如く……。

次の瞬間、男は弾かれたように走り出す。
「(今は戦うべき時ではない。これを、奴等の手に渡すわけには……!)」

2回目 14:50頃


~とある街角にて~

「あの……女は……!」
彼は、視線の先にいる、一人の女に気が付いた。
長身で精悍な姿の女。銀色にたなびく長髪は……まるで狼の如く……。
次の瞬間、男は弾かれたように走り出す。
「(今は戦うべき時ではない。これを、奴等の手に渡すわけには……!)」

しかし。
「騎士の力を侮ったな、吸血鬼!」
銀髪の女がそう叫ぶと同時に放った詠唱銃の弾丸は、走り出した男を的確に捕らえる。
平和な市街の中央で、乾いた銃声が響き、男の全身が血に染まる。
「……ぐっ!」
男はアタッシュケースを後ろ手にかばいながら、それでも女に反撃を加えるべく、懐からガンナイフを取り出し、応戦する。
だが、それも一時の仇花。
更なる女の射撃を浴び、男は血まみれで路上に倒れ伏すのであった。

3回目 15:50頃


~とある街角にて~

銀髪の女の襲撃を受け、男は路上に倒れ伏した。
女は素早く彼に近付き、後ろ手にかばっていたアタッシュケースに近付く。
しかし、アタッシュケースは既に開いており、中身は空であった。

「出し抜かれたか……元より空だったか、或いは交戦中に、中身だけを行き交うトラックの荷台にでも投げ入れたか……」
そう呟くと女は立ち上がり、雑踏に紛れるように姿を消した。

「……アレは取り逃したが、どこに逃げても無駄だ。古よりの運命の糸があるかぎりな……」

2007/07/12(学園祭2日目) 10時頃


山崎・あゆみ

なんや、凄い賑やかやなぁ!
これが銀誓館学園の学園祭なんやな。話には聞いてたけど、これやと雨音ちゃんらに会うのは難しそうやな。
やっぱ、ケータイ忘れたんは失敗やったなぁ……。

2007/04/06 15時頃


~とある街角にて~

なるほど、ここが日本という国か。
近代文明の氾濫するこの国が、まさか世界最大のシルバーレイン降雨量を誇るとはね。
『城』に閉じこもっていた僕達の日々が、まるで何もかも無駄だったかのようにすら感じるよ。
何より、日本には美しい女性達が多い。
この国と僕達の『運命の糸』が結ばれた事に、深く感謝しよう。

さて、僕はこれから何をしようかな。
そうだ、この国にも当然何らかの組織はあるのだろうから、人狼共がこの国に気付く前に、あらかじめひとつふたつでも潰しておくことにしよう。
戦争時の拠点ぐらいには、なるだろうからね。
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