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黒い白馬に跨った詐欺師が少女と共に前へ前へとバックした

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匿名ユーザー

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「なんでこんな事になったんやろうか……?」

 ピンクみがかかった赤髪のポニーテールの関西弁の少女が山中で悩む。
 元内閣総理大臣と名乗る男にいきなり最後の一人になるまで殺し合いをしろと言われた。

 彼女の名は『愛宕洋榎』。

 姫松高校麻雀部主将であり、全国区の実力者である。
 だが、この場では普通の女子高校生と言って差し支えは無いであろう。

「元総理が女子高生他大勢を拉致して殺し合いさせるとか、ホンマ頭イカレとるなー」

 今はまだ夏のインターハイの途中だった。  
 洋榎が所属する姫松高校は二回戦を勝ち上がり、準決勝に勝ち進んだ。
 そして、来るべき準決勝に向けて、特訓していた。

 ……はずであった。

「……最悪やな」

 デイバックを開き、支給されたペットボトルの水を一口、口に含む。
 ついでに洋榎は他に何かあるかを確認する。
 最初に出てきたのは……


「うわ……なんや、これ、ピンク色の糞やないか……」


 木の棒の先端に蜷局を巻いた糞のようなもの。
 まるで漫画に出てくるような、見事なまで『糞のようなもの』だった。

「これが武器とか……作った奴はどういう思考回路しとんねん……」

 とりあえず、デイバックから取り出し装備する。
 見た目からして、どうみても武器には見えないが……
 付属の説明書に武器と書かれているので武器であると信じたい洋榎。
 臭いは無いが、見た目が完全に《アレ》である。

 次に出てきたのは……サイン色紙だった。
 それは洋榎にとっては見覚えがある字体だった。

「これ……恭子の字や、しかも直筆……相変わらず字汚いなー」

 『末原恭子』と書かれたサイン色紙が出てきた。
 使い所が全く分からないものが入っていた。
 これはデイバックに戻す。洋榎は他に役に立つものがあればいいと思った。
 出来ればまともな武器がデイバックに入っていれば……
 まともな武器が入っていれば――――

(まともな武器が入ってたら……ウチはどうしたらええんやろ……?
 その武器を使って他の人を殺す? 自分一人が生き残るために?
 殺し合いに乗らずに自分の身を護るため? ウチにそんなことが出来んのか?
 …………もし、恭子や絹たちがこの場に居ても――――?)

「…………」

 洋榎の背筋に冷たい汗が流れ落ちる。 
 麻雀を打っている時でも感じたことのない感覚。
 いや、今までの人生でも感じたことのない感覚。

 不安で自身の胸の中の何か潰されそうになった。
 その不安を振り切ろうとしつつ、洋榎はデイバックの中身を確認する。 

「……なんや紙か……なんか書かれとるな……」

 最後に出てきたのは何か書かれた紙であった。 

「何々……『惑……わ、さ……れる……な…ーーーー……っ!!』
 ほう、『惑わされるなーーーーっ!!』か……
 …………誰が何に惑わされるなや!!! ふざけんな!!!
 アレか、あの元内閣総理大臣とかいう奴にか!! 
 ああ、腹立ってきた!! ……こんなもんこうしたる!!」

 洋榎は紙をぐしゃぐしゃに握り潰した。
 そして、その紙をそのままどっかに思いっきり投擲しようとしたが……

「……さっきから見とったが騒がしい奴じゃのう」
「!?」

 洋榎は後を振り向くと一人の男が立っていた。
 鋭い眼に銀髪を後ろ髪に束ね、口元のほくろが特徴の男。
 その手には一本のナイフが握られている。
 そのナイフの先端は確実に洋榎の方を向いていた。
 反射的に洋榎もその男にウンチ棒の先端を向ける。

「まあそう睨みなさんなって」
「アンタ……そのナイフでウチをどうするつもりなんや?」
「とりあえず、落ち着きんしゃい……そんなモノを突き付けられたら、話も出来んぜよ」
「こ、これはウチの武器やで!! 文句あるか!!」
「……特に文句は無いがのう」
「……いつから見てたんや?」
「…………ずっと見てたぜよ、おまんをな」
「………………」

 いつから見られていたのか?
 自分の恥ずかしい所まで見られていたのだろうか?
 洋榎の頭の中で色々な思考が交錯していく……若干、混乱しかけてきた。
 そんな思考を遮るように男はナイフを向けたまま洋榎に話し掛ける。

「……手」
「………え?」
「手震えとるぜよ、お嬢ちゃん」
「こ、これは武者震いや!」

 無意識のうちの洋榎の手は震えていた。
 男に言われるまで、全く気付かなかった。

「武者震いか……ほう、お嬢ちゃんはこの殺し合いに乗っ取るんかのう?」
「アホか!! ウチに人殺しなんて出来るか、ボケ!!
 アンタの方こそどうなんや!! うら若き女子にそんなもん向けて!! 危ないやろが!!」
「心配するな、俺は……いや、俺も殺し合いには乗っとらんからのう」
「……信用できへんよ……」
「殺す気があったら、こんな風には指摘も会話もしとらんぜよ、お嬢ちゃん……
 ……そうじゃのう、これならどうじゃ?」
「!?」

 男は自身のデイバックの中にナイフを仕舞い。
 男は両手を挙げて他に武器にないことをアピールした。

「…………立海大附属中学テニス部3年、仁王雅治じゃ」
「…………は?」

 このタイミングでの自己紹介。洋榎は完全に呆気に取られた。
 この『仁王』と名乗った銀髪の男は洋榎にとって非常につかみどころが無かった。

「……いきなりなんやねん!」
「仁王雅治、俺の名前ぜよ、お嬢ちゃんの名前は?」
「まさかウチの事しらんのか? 少しショックやわ……まあええわ。
 ……ウチは姫松高校麻雀部主将の愛宕洋榎や! 覚えときや!!



 ……って、アンタ中学生ってことはウチより年下なんかい!」
「……気付くのが遅すぎるぜよ」
「それとアンタのその喋り方なんやねん! どこの出身やちゅーねん!!」
「それは秘密ぜよ…………プリッ」

 気付いた時には洋榎は完全に仁王のペースに嵌っていた。


 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


「ほう、つまりリハビリ施設に向かってると思ったらこんなところにいたっちゅうわけやな?」
「一つ分かるのはここがリハビリ施設じゃないことダニ。
 ……それと夏はもうとっくに過ぎてるぜよ?」
「なーんか噛み合わへんなー」
「そうぜよ」

 警戒を解き、情報を交換しあう二人。
 だが、どうにも二人の話は噛み合わない。
 しかし、洋榎の表情は先程の思いつめた表情よりかは遥かに柔らかくなっていた。

「あんなプロレスラー見たことあるか?」
「ないのう、というか元総理っていうのも何か怪しいがのう」
「せやなー……アンタ程じゃないが胡散臭いわー」

 ハトヤマという男も最初に死んだテリーマンと呼ばれた男も二人はよく知らなかった。
 しかし、きっと参加者の中にはその二人のことを知っているものはいる筈と洋榎たちは考えた。

「まぁ、こんな山中にいても、人に会えそうにないな、動こか?」
「確かにそうじゃきに……行先はどこにする?」
「あー、そうか……どないしようか……?」

 美少女雀士と詐欺師。
 二人が行く先に待つのは――――果たして?


【D-4とD-5の境目/山中/一日目-朝】


【愛宕洋榎@咲-saki-】
[参戦時期]:全国大会二回戦終了後~準決勝開始前のどこか
[状態]:健康
[装備]:ウンチ棒@コロッケ!
[道具]:基本支給品*1、『惑わされるなーーーーっ!!』と書かれた紙@現実、末原恭子直筆のサイン入り色紙@咲-saki-
[スタンス]:対主催
[思考]
基本:絶対に殺し合いには乗らへん!!
1:あのハトヤマ元総理とかいう奴は気に食わんな!!
2:仁王と行動する
【備考】
※『惑わされるなーーーーっ!!』と書かれた紙@現実はぐしゃぐしゃの状態でデイバックの中に入ってます。

【仁王雅治@新テニスの王子様】
[参戦時期]:1軍入れ替え戦勝利直後、リハビリ施設移送中
[状態]:健康
[装備]:シーナイフ@現実
[道具]:基本支給品*1、不明支給品(0~2)
[スタンス]:対主催?
[思考]
基本:???
1:愛宕と行動する
2:ハトヤマやテリーマンの情報持つものや、知り合いはいるのか……?
3:左腕の怪我が完治していることに疑問
【備考】
※1軍入れ替え戦での左腕の怪我は治っています。


※二人がどこに向かうかは後続にお任せします。




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