小泉ジュンイチローは激怒した。
必ず、あの頭の中身ポッポッポーハトポッポーなクルッポー総理を除かなければならぬと決意した。
必ず、あの頭の中身ポッポッポーハトポッポーなクルッポー総理を除かなければならぬと決意した。
ジュンイチローには、今の政治がわからぬ。
ナチス軍との戦争に決着をつけるべく月へと旅立ち、勝利し、そして――
自分は死んだはずだったのだから。
ナチス軍との戦争に決着をつけるべく月へと旅立ち、勝利し、そして――
自分は死んだはずだったのだから。
しかしながら、自分はこうして生きている。
何が起きたのかは分からぬが、自分は生き長らえたらしい。
そして今――こうして、殺し合いなどという巫山戯た催しの中にいる。
何が起きたのかは分からぬが、自分は生き長らえたらしい。
そして今――こうして、殺し合いなどという巫山戯た催しの中にいる。
(元・総理大臣、か)
鳩山という男は、年中血迷ったような宇宙人であった。
故に宇宙で一人死んでいくはずだったジュンイチローを回収することに成功したこと自体に違和感はない。
凶行に出ることも、割りと平常運転である。
故に宇宙で一人死んでいくはずだったジュンイチローを回収することに成功したこと自体に違和感はない。
凶行に出ることも、割りと平常運転である。
だからこそ、そんな男が内閣総理大臣を名乗ったということが、許せなかった。
自分がいたら、そんなことは絶対にさせないのに。
自分がいたら、そんなことは絶対にさせないのに。
一体自分が月に行った後――正確には、ヒトラーとの戦いに備え修行漬けになり時事に疎くなった後――何があったというのか。
盟友である麻生は何故、総理大臣でなくなったのか。
そこから更に鳩山が総理大臣を辞めたのは何故か。
それほどまでに長い間、自分は意識を失っていたのか。
盟友である麻生は何故、総理大臣でなくなったのか。
そこから更に鳩山が総理大臣を辞めたのは何故か。
それほどまでに長い間、自分は意識を失っていたのか。
分からないことが、あまりにも多かった。
だがしかし、鳩山の言に嘘はないと思っている。
もしもあの発言がいつもの妄言だとしたら、“元”総理などと言わないだろう。
総理経験がないのに虚言を口にするとしたら、何の躊躇いもなく「現役総理」という口ぶりになるはずだ。
それをしなかったということは、つまり――少なくとも、鳩山が総理を経験したのは事実なのであろう。
だがしかし、鳩山の言に嘘はないと思っている。
もしもあの発言がいつもの妄言だとしたら、“元”総理などと言わないだろう。
総理経験がないのに虚言を口にするとしたら、何の躊躇いもなく「現役総理」という口ぶりになるはずだ。
それをしなかったということは、つまり――少なくとも、鳩山が総理を経験したのは事実なのであろう。
即ち、ジュンイチローが意識を手放してから、相当の月日が経っていることになる。
総理が変わってまた変わるほどの年数が。
総理が変わってまた変わるほどの年数が。
(何にせよ、情報がいる)
情報とは、何より大事なものである。
まずは事態を把握し、問題を理解し、対策を練るべく、人を求め歩き始めた。
まずは事態を把握し、問題を理解し、対策を練るべく、人を求め歩き始めた。
☆ ★ ☆ ★ ☆
「ぐぬぬぁ~~~なめおって~~~」
巨漢・ネプチューンマンは荒れていた。
タッグトーナメントに参加し因縁のロビンマスクを打ち破った。
このままマスクを狩り続け、完璧超人が地球を統べる。
その目標まであと少しというところで、こんなふざけた催しものに参加させられた。
目立ちたがりのふざけたデブがでしゃばってこなかったことを考えると、これは正義超人が自分達が不利とみてとった対応ではないと結論付けられる。
そうなると、これは。
タッグトーナメントに参加し因縁のロビンマスクを打ち破った。
このままマスクを狩り続け、完璧超人が地球を統べる。
その目標まであと少しというところで、こんなふざけた催しものに参加させられた。
目立ちたがりのふざけたデブがでしゃばってこなかったことを考えると、これは正義超人が自分達が不利とみてとった対応ではないと結論付けられる。
そうなると、これは。
「あの糞馬鹿超人がぁぁぁ~~~ッ!」
人類を掌握せんと企む他の悪行超人の仕業に他ならないだろう。
名前が分からないので、自分達のやり方を台無しにした恨みをこめ、とりあえずネプチューンマンは鳩山を糞馬鹿超人と名付けた。
なお、『糞馬鹿超人』と書いて『ルーピスト超人』と読む。
英文法的に正しいのかはわからないが、なに、気にすることはない。
名前が分からないので、自分達のやり方を台無しにした恨みをこめ、とりあえずネプチューンマンは鳩山を糞馬鹿超人と名付けた。
なお、『糞馬鹿超人』と書いて『ルーピスト超人』と読む。
英文法的に正しいのかはわからないが、なに、気にすることはない。
「武器などいらぬわ~~~ッ!」
ネプチューンマンが腹を立てた理由のひとつに、道具の支給がある。
能力是正なる名目で配られた支給品。
超人としての誇りを捨て、こんなものに頼れというのか。
能力是正なる名目で配られた支給品。
超人としての誇りを捨て、こんなものに頼れというのか。
その怒りからデイパックを放り投げた。
そしてすかさず自分自身も飛び上がる。
そしてすかさず自分自身も飛び上がる。
「バッグ・ジ・エンドーッ!!」
その爪先でガリガリとデイパックは削られる――はずであった。
「なにぃ~~~~~~っ!?」
しかしデイパックに傷は一つもない。
実に不可思議!
不可解と言わざるを得なかった。
実に不可思議!
不可解と言わざるを得なかった。
「どうなってやがる!」
デイパックを拾い上げ、眺める。
そして、デイパックへの興味から、ジッパーを開いた。
そして、デイパックへの興味から、ジッパーを開いた。
「こ、これは……」
ネプチューンマンの顔が思わず緩む。
そこに入っていたものは、ネプチューンマンが歓喜せずにはいられないものだった。
そこに入っていたものは、ネプチューンマンが歓喜せずにはいられないものだった。
「ひょーーっ! あの糞馬鹿超人もやるではないかーーーーっ!」
歓喜のあまり、背中を反り天を仰ぐ。
そしてデイパックを担ぐと、獲物を探し歩き始めた。
そしてデイパックを担ぐと、獲物を探し歩き始めた。
☆ ★ ☆ ★ ☆
姉帯豊音は震えていた。
自分は確か、姫松の末原選手にサインを求めたはずだ。
「サインをください!」と頭を下げながら色紙を差し出し、顔をあげると見知らぬ場所にいたのだ。
ついでに色紙もなくなっており、差し出した両手は知らぬ少女の体に触れてしまっていた。
自分は確か、姫松の末原選手にサインを求めたはずだ。
「サインをください!」と頭を下げながら色紙を差し出し、顔をあげると見知らぬ場所にいたのだ。
ついでに色紙もなくなっており、差し出した両手は知らぬ少女の体に触れてしまっていた。
慌てて謝ると、その娘はすんなり許してくれた。
事態が飲み込めなかったが、小声で挨拶を交わし、少しは気分が落ち着いた。
とはいえそれは、「これは夢かな」という甘い考えをする余裕が出来ただけであり、建設的な落ち着きは得られなかったのだけど。
事態が飲み込めなかったが、小声で挨拶を交わし、少しは気分が落ち着いた。
とはいえそれは、「これは夢かな」という甘い考えをする余裕が出来ただけであり、建設的な落ち着きは得られなかったのだけど。
プロレスラーみたいな人が自称総理に挑みかかって、やっぱりこれは夢かなと思い、現実感のない顔で体を触ってしまった少女と顔を見合わせた。
そんな余裕も、リアルな首なし死体を見て、消し飛んでしまったけど。
そんな余裕も、リアルな首なし死体を見て、消し飛んでしまったけど。
死体に動揺していたら、またも気づけば移動して今に至る。
心は不安でいっぱいだった。
心は不安でいっぱいだった。
(夢じゃ……ないんだ……)
バッグを漁ると出てきた洗濯ばさみ詰め合わせ。
またもやこれは夢ではないかと思わせられたが、洗濯ばさみを挟んで見ると痛かった。
顔中洗濯ばさみにしても目覚めることができなくて、これは現実と受け入れさせられた。
またもやこれは夢ではないかと思わせられたが、洗濯ばさみを挟んで見ると痛かった。
顔中洗濯ばさみにしても目覚めることができなくて、これは現実と受け入れさせられた。
(怖いよ……何で、こんなことに……)
自然と涙が溢れ出た。
つい先程顔中洗濯ばさみでまみれて流した涙とは違う、不安と心細さから来る涙。
それを垂れ流しにし、思考停止に陥ってしまいそうだった。
しかし。
つい先程顔中洗濯ばさみでまみれて流した涙とは違う、不安と心細さから来る涙。
それを垂れ流しにし、思考停止に陥ってしまいそうだった。
しかし。
(エイスリンさん……)
洗濯ばさみ詰め合わせと共に出てきたスケッチボード。
それが、豊音の友人エイスリン・ウィッシュアートのものであるのか、豊音には分からない。
それが、豊音の友人エイスリン・ウィッシュアートのものであるのか、豊音には分からない。
(エイスリンさんも……巻き込まれてるのかな……)
出来ることなら、巻き込まれていてほしくない。
このスケッチボードがエイスリンのものだなんて思いたくない。
しかし――そう楽観視し再び恐怖に怯える作業に戻れるほど、豊音は楽天家ではなかった。
このスケッチボードがエイスリンのものだなんて思いたくない。
しかし――そう楽観視し再び恐怖に怯える作業に戻れるほど、豊音は楽天家ではなかった。
(……ずっとこうしてるわけには、いかないよね……)
そして、もう一つ。
簡単に名乗り合い顔を見合わせただけの少女も、豊音に前を向かせる切っ掛けとなった。
まともな交流なんてないに等しかったが、それでも長い間同世代の女の子と話すことがない人生を生きてきた豊音にとっては『名前まで教えあった同世代の女の子』であり『友達になりたい子』なのだ。
エイスリンはともかくとして、その子は確実にこの島にいるのだ。
簡単に名乗り合い顔を見合わせただけの少女も、豊音に前を向かせる切っ掛けとなった。
まともな交流なんてないに等しかったが、それでも長い間同世代の女の子と話すことがない人生を生きてきた豊音にとっては『名前まで教えあった同世代の女の子』であり『友達になりたい子』なのだ。
エイスリンはともかくとして、その子は確実にこの島にいるのだ。
ここで座って死を待つことは、彼女を見捨てることを意味する。
そんなことはしたくない。
死にたくないけど――それ以上に、友達に死んでほしくない。
だから豊音は涙を拭いた。
遠くに聞こえた銃声の音に思わず身を竦めるも、意を決してしっかりと立ち上がった。
そんなことはしたくない。
死にたくないけど――それ以上に、友達に死んでほしくない。
だから豊音は涙を拭いた。
遠くに聞こえた銃声の音に思わず身を竦めるも、意を決してしっかりと立ち上がった。
その銃声が、友達になりたいと思った少女――赤座あかりの命を奪ったとは知らずに。
☆ ★ ☆ ★ ☆
「む」
「あっ」
「あっ」
歩き出して間もなく、豊音は人と遭遇した。
心の準備が不十分だったため、言葉が何も出てこない。
殺し合いをなんとかやめさせたいという思いはあるのに。
心の準備が不十分だったため、言葉が何も出てこない。
殺し合いをなんとかやめさせたいという思いはあるのに。
「あ、えと……」
男はズンズンと近付いてくる。
その体から、オーラすら感じるような気がした。
それに気圧され、何か言わねばと思った末、出てきた言葉は――
その体から、オーラすら感じるような気がした。
それに気圧され、何か言わねばと思った末、出てきた言葉は――
「さ、サインくださいっ!」
これだった。
相対した男はキョトンとしている。
それはそうだろう。
口にした豊音自身内心「やっちゃったよー」と焦ってるのだ。
とりあえずでも『顔を合わせるなり殺し合い』という事態を回避出来たのだが、それを素直に喜べないくらい豊音は混乱していた。
相対した男はキョトンとしている。
それはそうだろう。
口にした豊音自身内心「やっちゃったよー」と焦ってるのだ。
とりあえずでも『顔を合わせるなり殺し合い』という事態を回避出来たのだが、それを素直に喜べないくらい豊音は混乱していた。
「……それにすればいいのか?」
一方言われた男の方は若干の動揺を見せたものの、すぐさま落ち着きを取り戻し、冷静に返事を返した。
豊音が首から下げたスケッチボードを指差しながら。
豊音が首から下げたスケッチボードを指差しながら。
「え? あ、はい……」
予想外の返事に、豊音は思考が追い付かない。
単にこうしてぶらさげてるとエイスリンを感じられて恐怖に打ち勝てそうだからバッグに入れなかっただけであり、そういう意図はなかったのだが、つい「はい」と言ってしまった。
スケッチボードを首から外し、男へと渡す。
またしばしの沈黙を挟み、再び男が口を開いた。
単にこうしてぶらさげてるとエイスリンを感じられて恐怖に打ち勝てそうだからバッグに入れなかっただけであり、そういう意図はなかったのだが、つい「はい」と言ってしまった。
スケッチボードを首から外し、男へと渡す。
またしばしの沈黙を挟み、再び男が口を開いた。
「……ペンは?」
「あっ」
「あっ」
慌ててポケットを探る。
しかしどこにも見当たらない。
どうやら色紙と共に、ここに連れてこられた時点で没収されてしまったらしい。
しかしどこにも見当たらない。
どうやら色紙と共に、ここに連れてこられた時点で没収されてしまったらしい。
「……すみません……持ってませんでした……」
やや怯え気味に口にされた言葉を聞き、男は自らのデイパックに手を突っ込む。
武器を出される――そう思い体を硬直させた豊音に向けられたのは、一本のペンだった。
武器を出される――そう思い体を硬直させた豊音に向けられたのは、一本のペンだった。
「これでいいか?」
「え、あ、はい……これならボードにも使えるよー」
「そうか」
「え、あ、はい……これならボードにも使えるよー」
「そうか」
この人は、いい人だ。
豊音の心から、警戒心が薄れてくる。
豊音の心から、警戒心が薄れてくる。
「ここにデカデカと」
無くなっていく警戒心の代わりに頭に入り込むのは、あれこれと考えるだけの余裕。
少し考え、豊音は言った。
少し考え、豊音は言った。
「えっと、この辺にこのくらいのサイズで……」
指定したのは、スケッチボードのど真ん中。
しかし手で描いた輪はあまりに小さく、そのサイズに従い書くと空白がかなり目立つ。
しかし手で描いた輪はあまりに小さく、そのサイズに従い書くと空白がかなり目立つ。
「ここに……皆のサインを集めたいですから」
「……なるほど」
「……なるほど」
なんとなく、豊音は思った。
こうしてサインを求め続ければ、敵意がないことを示し続ければ、皆で仲良く出来るのではないかと。
そうしていけば、殺し合いも止まったりなんかしちゃったりして――
こうしてサインを求め続ければ、敵意がないことを示し続ければ、皆で仲良く出来るのではないかと。
そうしていけば、殺し合いも止まったりなんかしちゃったりして――
「こうして署名を集めていけば、殺し合いに反対しているということが伝わりやすい。
悪くないアイデアだ」
悪くないアイデアだ」
しかしそんな夢物語を、男は否定しなかった。
少女の拙い思い付き。
あまりに現実的ではない。
しかし男は、その方法を――そして何より少女の心を否定しなかった。
むしろ、肯定さえする。
少女の拙い思い付き。
あまりに現実的ではない。
しかし男は、その方法を――そして何より少女の心を否定しなかった。
むしろ、肯定さえする。
「これを皆の名前で埋め――この残酷な戦いを改革しよう」
ホワイトボードには、達者な字で、小泉ジュンイチローと書かれていた。
ジュンイチローは政治家である。
それも、超一流の。
純朴な田舎娘を怯えさせずに話し合うことくらいお手の物だ。
それも、超一流の。
純朴な田舎娘を怯えさせずに話し合うことくらいお手の物だ。
「あ、ありがとうございますっ」
「なに、気にすることはない。それより、君には聞きたいことがある」
「え?」
「なに、気にすることはない。それより、君には聞きたいことがある」
「え?」
自分が月に行ってから現在までの政治の移り変わりを聞こう。
そう思ったジュンイチローだが――
そう思ったジュンイチローだが――
「だが……その前にやらねばならぬことがあるようだ」
すっと豊音の前に立つジュンイチロー。
その視線の先には、殺気に満ちたネプチューンマンがいた。
その視線の先には、殺気に満ちたネプチューンマンがいた。
「ふん……人間か」
その殺気も、すぐに収まる。
まるで興味がないと言わんばかりに。
まるで興味がないと言わんばかりに。
「あ、あの! サインくださいっ!」
仕掛けてはこなかった。
それに安心して、豊音がネプチューンマンに近付く。
ジュンイチローは先程の殺気を知るため止めようとするが――
それに安心して、豊音がネプチューンマンに近付く。
ジュンイチローは先程の殺気を知るため止めようとするが――
「これでいいか?」
あっさりサインに応じるネプチューンマンに、動きを止める。
もしもこれで平和的に話し合えるなら、それに越したことはない。
もしもこれで平和的に話し合えるなら、それに越したことはない。
「ぐっふっふ……馬鹿な人間だ。
正義超人どもを殺し尽くした後は支配されるとも知らずにサインを求めるとはなァ~~~!!」
正義超人どもを殺し尽くした後は支配されるとも知らずにサインを求めるとはなァ~~~!!」
そして知る。
目の前の悪は、人類の敵であると。
ただ人類を侮ってるだけであり、味方なのではないと。
目の前の悪は、人類の敵であると。
ただ人類を侮ってるだけであり、味方なのではないと。
「悪いが……国民に害をなすつもりなら……」
サインをして正義超人を探すべく去ろうとするネプチューンマンに、ジュンイチローが声をかける。
かったるそうに、ネプチューンマンが足を止めた。
かったるそうに、ネプチューンマンが足を止めた。
「ここで倒させてもらおう」
国民のための自衛。
そのためなら、ジュンイチローは戦闘を厭わない。
「えっえっ」と動揺する豊音を尻目に、ネプチューンマンへと歩みよる。
そのためなら、ジュンイチローは戦闘を厭わない。
「えっえっ」と動揺する豊音を尻目に、ネプチューンマンへと歩みよる。
「殺気はたいしたものだが……所詮はただの人間よ。
かかってくるならくびり殺すことになっちまうぜぇ~~~~~っ!」
かかってくるならくびり殺すことになっちまうぜぇ~~~~~っ!」
ネプチューンマンがデイパックを放り捨てる。
呼応するようにジュンイチローが走り出す。
そして二人は激突し――自然と、ロックアップの体勢となっていた。
呼応するようにジュンイチローが走り出す。
そして二人は激突し――自然と、ロックアップの体勢となっていた。
(こやつ……!)
しかしすぐさまネプチューンマンがジュンイチローから離れる。
そして、不敵な笑みと共に、言った。
そして、不敵な笑みと共に、言った。
「この戦闘力……審判のロックアップでわかったわ! 貴様ただの人間ではないな!」
「そうだ。私は小泉ジュンイチロー。
元とはいえ――内閣総理大臣だ」
「そうだ。私は小泉ジュンイチロー。
元とはいえ――内閣総理大臣だ」
不敵な笑みを返すジュンイチロー。
豊音は完全においてけぼりである。
豊音は完全においてけぼりである。
「よかろう! 貴様を立派な敵とみなし! リング上でぶち殺してやるわ~~~っ!」
ネプチューンマンのデイパックから、どうやって詰め込まれたのか巨大なリングが姿を表す。
ズズンと地響きを立て、氷で出来たリングが地面に降り立ったッ!!
ズズンと地響きを立て、氷で出来たリングが地面に降り立ったッ!!
「ここで決着を付けようではないか~~~~~っ!」
ロープを跨ぎ、ネプチューンマンがリングインする。
そして、次いで挑戦者であるジュンイチローがリングに上がる。
そして、次いで挑戦者であるジュンイチローがリングに上がる。
「いいだろう。このようにルールがある戦いの方が慣れている。
私が勝ったら侵攻を諦めて、殺し合い打破の手足となってもらおうか」
「ぐっふっふ……もしも貴様が勝利したら言うことくらいいくらでも聞いてやるわ~~~っ!」
私が勝ったら侵攻を諦めて、殺し合い打破の手足となってもらおうか」
「ぐっふっふ……もしも貴様が勝利したら言うことくらいいくらでも聞いてやるわ~~~っ!」
どこからともなくゴングが鳴る。
それと同時にジュンイチローがまず動いた。
それと同時にジュンイチローがまず動いた。
「わっ、あれはぶちかまし!?」
ジュンイチローは、大相撲を愛でている。
それゆえの、ぶちかまし。
敬愛する必殺技での先制攻撃。
単なる思い入れからくるものではない。
戦闘素人なりに、己の信ずる最強技を繰り出したのだ。
それゆえの、ぶちかまし。
敬愛する必殺技での先制攻撃。
単なる思い入れからくるものではない。
戦闘素人なりに、己の信ずる最強技を繰り出したのだ。
「ぐぉっぐぉっぐぉっ……ウルフマンとかいう雑魚超人でももう少しマシな技を放つわーーーーーっ!」
だがしかし、付け焼き刃の必殺技が、鋼のような肉体持つ完璧超人に通用するわけがない。
いとも容易く堪えられ、反撃の隙を与えてしまう。
いとも容易く堪えられ、反撃の隙を与えてしまう。
「所詮貴様は総理超人とかいう無名の弱者超人よーーーーーっ!
喧嘩スペシャルーーーーーーーーーーっ!!!」
喧嘩スペシャルーーーーーーーーーーっ!!!」
ネプチューンマンによる華麗なる必殺技・喧嘩スペシャル。
その威力により、ジュンイチローの肉体が悲鳴をあげる。
その威力により、ジュンイチローの肉体が悲鳴をあげる。
「げぇーーーっ! あれは新卍固め!」
豊音は、テレビくらいしか楽しみのない田舎村の出身である。
もちろん一番よく見たものは麻雀であるし、好きなのも麻雀だったが、年寄りの間で根強い人気のあったプロレスも、一緒に見る機会が多かった。
もちろん一番よく見たものは麻雀であるし、好きなのも麻雀だったが、年寄りの間で根強い人気のあったプロレスも、一緒に見る機会が多かった。
故に分かるッ! この喧嘩スペシャルの強力さがッ!
そしてジュンイチローが格闘技においてはまるで素人だということがッ!
言葉ではなく心で理解できてしまうッ!!
そしてジュンイチローが格闘技においてはまるで素人だということがッ!
言葉ではなく心で理解できてしまうッ!!
「小泉さんっ! ギブアップしてっ……!」
これ以上やると、心優しきジュンイチローの体が壊されてしまう。
それが豊音には耐えきれなかった。
それが豊音には耐えきれなかった。
ボムギッ!
しかし――ジュンイチローは降参の言葉を口にしなかった。
非情にも、肉体のへし折れる音が響き渡る。
そして悲鳴があがった。
非情にも、肉体のへし折れる音が響き渡る。
そして悲鳴があがった。
「………私は、子を守るべき大人であり、女子を守るべき男であり、日本国民を守るべき総理大臣だった男だ」
悲鳴をあげたネプチューンマンが、思わず喧嘩スペシャルを解除する。
全身から汗を流しながらも、技から逃れたジュンイチローが、再び不敵に笑ってみせた。
全身から汗を流しながらも、技から逃れたジュンイチローが、再び不敵に笑ってみせた。
「守るべき者がそばにいる。ギブアップを選ぶ理由などどこにもない!!」
ジュンイチローには、格闘技の技術はない。
だがしかし――麻雀の技術はある。
その中の一つ・豪盲牌。
麻雀牌の表面を削り去るほどの指の力は、人知を越えた破壊力を持つ!
それが戦闘に使われ、間接技をかける小指に使われた時ッ!
それはまさしくフェイバリットとなり得るのだッ!
だがしかし――麻雀の技術はある。
その中の一つ・豪盲牌。
麻雀牌の表面を削り去るほどの指の力は、人知を越えた破壊力を持つ!
それが戦闘に使われ、間接技をかける小指に使われた時ッ!
それはまさしくフェイバリットとなり得るのだッ!
「やりおったな~~~っ!」
先程にも増し殺気を見せるネプチューンマン。
その気配から、油断の類いが消え去っていた。
もう単なる指の力での攻撃は通じまい。
フェイバリットは、KO勝ちを奪うことに失敗したその瞬間、存在意義を失うのだ。
そのことは、何よりもジュンイチローがわかっていた。
その気配から、油断の類いが消え去っていた。
もう単なる指の力での攻撃は通じまい。
フェイバリットは、KO勝ちを奪うことに失敗したその瞬間、存在意義を失うのだ。
そのことは、何よりもジュンイチローがわかっていた。
「貴様の弱点は分かりきっとるわーーーっ!」
ダダと勢いをつけ、ネプチューンマンがジュンイチローへと迫る。
狙いは見え見えのラリアット。
しかしながら、喧嘩スペシャルによるダメージで、回避は困難である。
狙いは見え見えのラリアット。
しかしながら、喧嘩スペシャルによるダメージで、回避は困難である。
「喧嘩ボンバーッ!」
そうなると、取るべき行動は防御ということになる。
それ自体は間違いではない。
ただ単に、ネプチューンマンの喧嘩ボンバーが、ジュンイチローの防御力を大きく上回っただけの話だ。
それ自体は間違いではない。
ただ単に、ネプチューンマンの喧嘩ボンバーが、ジュンイチローの防御力を大きく上回っただけの話だ。
「ぐはっ……!」
「貴様の弱点……それはこの足だーーーーーっ!」
「げぇーーーっ! あれは四の字固めだよー!?」
「貴様の弱点……それはこの足だーーーーーっ!」
「げぇーーーっ! あれは四の字固めだよー!?」
ジュンイチローは、政治家であり、雀士である。
その活動はほとんどが座って行われており、それゆえに足だけは常人レベルでしかない。
為す術もなく、足を極めつけられる。
ネプチューンマンの足の一部を削りとるが、ネプチューンマンは意に介さずに締め付け続けた。
その活動はほとんどが座って行われており、それゆえに足だけは常人レベルでしかない。
為す術もなく、足を極めつけられる。
ネプチューンマンの足の一部を削りとるが、ネプチューンマンは意に介さずに締め付け続けた。
「これで貴様は死んだも同然よ~~~~~!
今介錯をしてやるぜ! ジャパニーズらしくなぁ~~~~~~~!!」
今介錯をしてやるぜ! ジャパニーズらしくなぁ~~~~~~~!!」
十分に足にダメージを与えたネプチューンは、ホールドをとく。
そしてジュンイチローを立たせるとロープに向かって放り投げた。
氷上リングを滑って、ジュンイチローがロープへと激突する。
そして跳ね返ったジュンイチローの首を刈り取るべく、ネプチューンマンが喧嘩ボンバーの体勢のまま走り出した。
そしてジュンイチローを立たせるとロープに向かって放り投げた。
氷上リングを滑って、ジュンイチローがロープへと激突する。
そして跳ね返ったジュンイチローの首を刈り取るべく、ネプチューンマンが喧嘩ボンバーの体勢のまま走り出した。
ジュンイチローは、敗れ去る。
ネプチューンマンも豊音も――そしてジュンイチローの頭にすらも、そんな考えがよぎった。
その時。
ネプチューンマンも豊音も――そしてジュンイチローの頭にすらも、そんな考えがよぎった。
その時。
「ぬわーーーーーーーっ!?」
勢いよく駆けていたネプチューンマンの眉間に、洗濯ばさみが突き刺さる。
その衝撃で転倒したネプチューンマンに躓く形で強制スケートを終えたジュンイチローが振り返ると、豊音がカタカタ震えながら、リングの上に立っていた。
その衝撃で転倒したネプチューンマンに躓く形で強制スケートを終えたジュンイチローが振り返ると、豊音がカタカタ震えながら、リングの上に立っていた。
「女子は守るものとか……大人と子供とか……総理は国民を守るべきなのかとか……難しくて、私には、よくわからないよー」
豊音は、死にたくなんてなかった。
ネプチューンマンに勝てるとも思わなかった。
けれどもジュンイチローが敗れると感じた時、咄嗟にリングに上がっていたのだ。
ネプチューンマンに勝てるとも思わなかった。
けれどもジュンイチローが敗れると感じた時、咄嗟にリングに上がっていたのだ。
「友達は助けるものってことくらいはよくわかるよー……っ!」
ジュンイチローは、会ったばかりの人間だ。
それでも彼は優しくて。
共に皆と手を取り合おうとしてくれた。
自分のために戦ってくれた。
それでも彼は優しくて。
共に皆と手を取り合おうとしてくれた。
自分のために戦ってくれた。
まだ友達じゃないけれど。
仲間になりたいと思ったから。
ここにトシさんはいないから。
今度は自分から、仲間になりたい人のため、動こうと思ったのだ。
仲間になりたいと思ったから。
ここにトシさんはいないから。
今度は自分から、仲間になりたい人のため、動こうと思ったのだ。
「小泉さんはぼっちじゃないよー!」
姉帯豊音。
性別・女性。
出身・日本国岩手県。
身長――197cm。
性別・女性。
出身・日本国岩手県。
身長――197cm。
「貴様ァ~~~ただの人間ではないな~~~~~~っ」
身長は、運動において強力なアドバンテージとなる。
バレーやバスケのようなスポーツだけではない。
バレーやバスケのようなスポーツだけではない。
例えば、野球。
長身のピッチャーは、それだけで期待をされる。
それだけで豪速球を期待される。
長身のピッチャーは、それだけで期待をされる。
それだけで豪速球を期待される。
「私はただの高校生雀士だよー」
「雀士超人だな~~~覚えたぞ~~~っ!
貴様らも正義超人共々絶命させてやるわーーーーーっ!」
「雀士超人だな~~~覚えたぞ~~~っ!
貴様らも正義超人共々絶命させてやるわーーーーーっ!」
豊音に野球経験などない。
ネプチューンマンの眉間に洗濯ばさみが当たったのは単なる偶然にすぎない。
だがしかし――この速球は偶然ではない。
とある野球選手が素人ながらに豪速球を投げた逸話があるように、力を込めれば、速い球は投げられる。
そして豊音には、筋力を補うだけの身長がある!
全力疾走していた眉間にカウンター気味に当てることで、破壊力は更に増すッ!
ネプチューンマンの眉間に洗濯ばさみが当たったのは単なる偶然にすぎない。
だがしかし――この速球は偶然ではない。
とある野球選手が素人ながらに豪速球を投げた逸話があるように、力を込めれば、速い球は投げられる。
そして豊音には、筋力を補うだけの身長がある!
全力疾走していた眉間にカウンター気味に当てることで、破壊力は更に増すッ!
その身長からくる豪速球が!
否ッ!
ジュンイチローを救おうとした豊音の勇気が!
ネプチューンマンに鼻血を流させるに至ったのだッ!
否ッ!
ジュンイチローを救おうとした豊音の勇気が!
ネプチューンマンに鼻血を流させるに至ったのだッ!
「そうだな……」
よろよろと立ち上がり、ジュンイチローが豊音に歩み寄る。
その顔にはネプチューンマンに向けていた不敵なものとは異なる笑みが浮かんでいた。
その顔にはネプチューンマンに向けていた不敵なものとは異なる笑みが浮かんでいた。
「協調の力は――我々日本の強みだったな。その力、借りさせてもらおう」
「うん! コンビ打ちだよー!」
「うん! コンビ打ちだよー!」
怒りを顕にしながらも、ネプチューンマンは挑みかからない。
それは完璧超人としての最後のプライド。
作戦を練らせ、組ませたうえで完膚なきまでに叩きのめすことで、ダメージという屈辱を晴らす。
それは完璧超人としての最後のプライド。
作戦を練らせ、組ませたうえで完膚なきまでに叩きのめすことで、ダメージという屈辱を晴らす。
「……名前を、まだ聞いていなかったな」
「豊音……姉帯豊音だよー」
「豊音……姉帯豊音だよー」
ジュンイチローは、豊音を認めた。
守るべき弱者でなく、背を預けられる戦友と。
一人の立派な戦士だとッ!
守るべき弱者でなく、背を預けられる戦友と。
一人の立派な戦士だとッ!
「それじゃ……今度は私が」
耳打ちによる作戦伝達を受け、豊音が今度は前に出る。
体が震える。
けれども首から下げたボードが、豊音に勇気を与えてくれた。
危険を承知で前を託されたということが、そこから伝わるジュンイチローの信頼が、豊音に覚悟をくれた。
体が震える。
けれども首から下げたボードが、豊音に勇気を与えてくれた。
危険を承知で前を託されたということが、そこから伝わるジュンイチローの信頼が、豊音に覚悟をくれた。
「全体効果系でいくよー!」
デイパックに腕を突っ込む。
ジュンイチローのデイパックだ。
そして助走をつけて中を取り出し――
ジュンイチローのデイパックだ。
そして助走をつけて中を取り出し――
「先んずれば勝利を得るんだよーっ! 先勝ーーーーーっ!」
派手な必殺技名と共に、空中へとソレを放った。
銀華という中学校の大量のテニスボール。
それが宙を舞う。
奥の手を受けきった末返り討ちにしてやろうと身構えていたネプチューンマンが釣られて上空を見たその時。
銀華という中学校の大量のテニスボール。
それが宙を舞う。
奥の手を受けきった末返り討ちにしてやろうと身構えていたネプチューンマンが釣られて上空を見たその時。
「ぐぉっ……!」
再び鼻に、洗濯ばさみが直撃する。
今度はコントロールを重視したスローボール。
普段なら避けるか腕で払うか出来たが、上空のボールを意識していたためそれは叶わない。
ネプチューンマンが走っていないこともあり、ダメージはなかったけれど。
だが、しかし。
今度はコントロールを重視したスローボール。
普段なら避けるか腕で払うか出来たが、上空のボールを意識していたためそれは叶わない。
ネプチューンマンが走っていないこともあり、ダメージはなかったけれど。
だが、しかし。
「げぇーーーっ! こいつは臭ぇーーーーーっ!」
その洗濯ばさみは、先程豊音が夢じゃないことを確かめるために使ったもの。
さらに言うと、鼻に突き刺したものである。
それは涙と鼻水にまみれ、投げるのを躊躇うくらいべちょぐちょだった。
さらに言うと、鼻に突き刺したものである。
それは涙と鼻水にまみれ、投げるのを躊躇うくらいべちょぐちょだった。
如何に美少女のものと言えど、鼻水やらの体液が付着していて臭いものは臭い。
ネプチューンマンに、耐え難い怒りの感情が芽生えた。
ネプチューンマンに、耐え難い怒りの感情が芽生えた。
「ふざけやがってー! 文字通り臭いだけの最後っ屁のつもりかーーーーーっ!」
殺す。
それだけを考え、喧嘩ボンバーの体勢で走り出したネプチューンマン。
その視界に、投球後のポーズのまま静止した豊音の背中越しに、ジュンイチローの姿が映る。
長身の豊音に隠れ、ジュンイチローもまた助走をしていたのだ。
それも、ロープの反動を得てから。
それだけを考え、喧嘩ボンバーの体勢で走り出したネプチューンマン。
その視界に、投球後のポーズのまま静止した豊音の背中越しに、ジュンイチローの姿が映る。
長身の豊音に隠れ、ジュンイチローもまた助走をしていたのだ。
それも、ロープの反動を得てから。
「雀士超人を踏み台にしたァ!?」
その行動に、一切の躊躇いはなかった。
投球フォームで固まる豊音の背中を、残された脚力を振り絞って踏みつける。
非情ではない。
豊音を軽視したのではない。
むしろ踏み台として堪えてくれると信じたからこそ、こうして飛び上がったのだ!
投球フォームで固まる豊音の背中を、残された脚力を振り絞って踏みつける。
非情ではない。
豊音を軽視したのではない。
むしろ踏み台として堪えてくれると信じたからこそ、こうして飛び上がったのだ!
「いっ………けぇーーーーーっ! 小泉さんッ!」
その信頼に、豊音は堪えた。
最終的に顎からリングに落下はしたけど、ジュンイチローが飛び上がるまで、鍛えてもいないその脚力で踏ん張り続けた。
彼女は、立派に発射台となったのだ。
最終的に顎からリングに落下はしたけど、ジュンイチローが飛び上がるまで、鍛えてもいないその脚力で踏ん張り続けた。
彼女は、立派に発射台となったのだ。
「確かに私一人のパワーでは、貴様を討つことは難しい」
ネプチューンマンは、止まれない。勢いをつけすぎた。
それに――例え策にはまったのだとしても、敵に背中は見せられない。
このまま真っ向からぶち当たる。それ以外、取れる選択肢などない。
それに――例え策にはまったのだとしても、敵に背中は見せられない。
このまま真っ向からぶち当たる。それ以外、取れる選択肢などない。
「二人の力を合わせることで、通常の二倍の破壊力だッ!」
空中で、ジュンイチローがテニスボールを掴む。
その指に持てる力を叩き込んで。
その指に持てる力を叩き込んで。
「それによりいつもの二倍のジャンプを得るッ!」
そのボールはよく滑る。
力を込めると今にもすっぽ抜けそうな程だ。
何せ――それらの全てに、酒がかけられていたのだから。
力を込めると今にもすっぽ抜けそうな程だ。
何せ――それらの全てに、酒がかけられていたのだから。
「そしていつもの三倍の力での摩擦を生じさせる――ッ!!」
ジュンイチローの手にしているテニスボールは、強度だけならおそらく他の物質の追随を許さない。
例え人を遥か遠くに飛ばす威力のラケットで殴られても、鉄柱を叩き折る破壊力で殴られても、決して自身は破壊されない。
例え人を遥か遠くに飛ばす威力のラケットで殴られても、鉄柱を叩き折る破壊力で殴られても、決して自身は破壊されない。
有史でもテニスボールが破壊された例というのは極めて少ないことはあまりにも有名だ。
かつて越前リョーマがテニスボールの両断を行ったことがあるが、それはテニスボール並に頑丈なネットのワイヤーを用いてのものである。
己の身だけで、テニスボールを破壊するなど、常人になせるものではない。
かつて越前リョーマがテニスボールの両断を行ったことがあるが、それはテニスボール並に頑丈なネットのワイヤーを用いてのものである。
己の身だけで、テニスボールを破壊するなど、常人になせるものではない。
「そしてッ! 一億を越える国民の想いをこの身に宿せばッ!」
ジュンイチローの腕から鮮血が飛び散る。
しかし、彼は意に介さない。
この戦いには自分だけでなく国民の、そして人類の命運がかかっているのだ。
総理だった者として、今なお総理の心を持つ者として、退くことなどできない。
しかし、彼は意に介さない。
この戦いには自分だけでなく国民の、そして人類の命運がかかっているのだ。
総理だった者として、今なお総理の心を持つ者として、退くことなどできない。
「貴様の防御を上回る究極の役満レベルのパワーだッ!」
それは、奇跡と呼べるだろう。
ほんの僅かだが、ジュンイチローはテニスボールを削り取った。
その人知を越えた所業により発生した摩擦熱は、瞬く間にテニスボールを炎で包むッ!
それはやがて全てのテニスボールに伝播し、まるで流星群―――否、無数の隕石のようだ!
ほんの僅かだが、ジュンイチローはテニスボールを削り取った。
その人知を越えた所業により発生した摩擦熱は、瞬く間にテニスボールを炎で包むッ!
それはやがて全てのテニスボールに伝播し、まるで流星群―――否、無数の隕石のようだ!
「これが、貴様の侮った我々人類の力だッ!」
飛び上がったのは―――決して虚をつくためだけではない。
先程の攻防で、ジュンイチローは痛感したのだ。
付け焼き刃な動作では勝てないと。
先程の攻防で、ジュンイチローは痛感したのだ。
付け焼き刃な動作では勝てないと。
では、指の力以外に、生かせる慣れた動作は何か――
それはズバリ、腕を降り下ろすことだった。
何千何万と行ってきたツモあがり動作。
その体に染み付いた動きに全てを託し、その動作で立ち向かうためにガクガクの足で空を舞ったのだッ!
それはズバリ、腕を降り下ろすことだった。
何千何万と行ってきたツモあがり動作。
その体に染み付いた動きに全てを託し、その動作で立ち向かうためにガクガクの足で空を舞ったのだッ!
「ツモッッッ!!!!!!」
ツモ上がりの動作で、喧嘩ボンバーにカウンターのテニスボールが叩き込まれる。
それに引き込まれるように、無造作に放られていた炎上するテニスボールもネプチューンマンへと飛来した。
テニスボールはその強度故に燃え尽きず、比類なき破壊力でネプチューンマンに突き刺さる。
それに引き込まれるように、無造作に放られていた炎上するテニスボールもネプチューンマンへと飛来した。
テニスボールはその強度故に燃え尽きず、比類なき破壊力でネプチューンマンに突き刺さる。
それはまるで、無数の太陽が襲いかかっているようで。
落下していても、その陽は決して沈み行くわけではなくて。
故にこのフェイバリットの名称は。
落下していても、その陽は決して沈み行くわけではなくて。
故にこのフェイバリットの名称は。
「ターンオーバー・ライジングサンッッッッッッ!!!!!!!!!!」
ネプチューンマンの体が、凍り付いたマットに沈む。
それを見届けたジュンイチローも、口から血を吐き倒れ込んだ。
ジュンイチローが倒れた時には、降り注いだ無数のメテオテニスボールの熱で、リングは液化しつつあった。
それを見届けたジュンイチローも、口から血を吐き倒れ込んだ。
ジュンイチローが倒れた時には、降り注いだ無数のメテオテニスボールの熱で、リングは液化しつつあった。
「小泉さん!」
カンカンカンカ~~~ン!!
そんなゴングの音を背に、豊音がジュンイチローへと駆け寄る。
ばしゃばしゃと音がなるくらい、辺りは炎に包まれ出していた。
そんなゴングの音を背に、豊音がジュンイチローへと駆け寄る。
ばしゃばしゃと音がなるくらい、辺りは炎に包まれ出していた。
「目を覚まして、小泉さ――」
ジュンイチローを起こそうとした豊音の目に、信じがたいものが飛び込んできた。
ネプチューンマンが、その2つの太い足で立ち上がっている。
そして絶句する豊音へと歩み寄り――
ネプチューンマンが、その2つの太い足で立ち上がっている。
そして絶句する豊音へと歩み寄り――
「ぐむぅ!?」
その足を、ジュンイチローに握られた。
「やらせは……せん……」
死んでいてもおかしくなかった。
気絶していたはずだった。
しかし男は仲間の危機に、再びなけなしの力を絞り出したのだッ!
気絶していたはずだった。
しかし男は仲間の危機に、再びなけなしの力を絞り出したのだッ!
「……安心しろ、殺しはせん」
乱暴にジュンイチローの手を払いのけるネプチューンマン。
意図を図りかねたジュンイチローに、小さな瓶のようなものを投げ渡した。
意図を図りかねたジュンイチローに、小さな瓶のようなものを投げ渡した。
「俺の最後の支給品・オ○ナイン……
こいつはどんな怪我にも使える万能薬と聞くッ!」
こいつはどんな怪我にも使える万能薬と聞くッ!」
オロナ○ン。
それは、お年寄りの八割がエリクサーと勘違いする、赤チンと双璧を成す万能薬である。
諸説には、あのイエス・キリストも、オロ○インによる治癒効果で蘇生したとも言われているほどだ(民明書房『蘇生法の歴史』より)
それは、お年寄りの八割がエリクサーと勘違いする、赤チンと双璧を成す万能薬である。
諸説には、あのイエス・キリストも、オロ○インによる治癒効果で蘇生したとも言われているほどだ(民明書房『蘇生法の歴史』より)
「屈辱的だが認めてやろう……俺は今ッ! 確かにダブルKOされたッ!」
少しの間をおき立ち上がったネプチューンマンに対し、ジュンイチローは今にも死にそうである。
ルール無用の殺し合いなら、ジュンイチローがとどめを刺されて終わりだろう。
ルール無用の殺し合いなら、ジュンイチローがとどめを刺されて終わりだろう。
「貴様とはまだ決着がついていないが……今の貴様を倒しても、総理超人などという無名超人――それも現役引退した者と引き分けたという屈辱は張らされんっ!」
だがしかし、ネプチューンマンは超人だった。
誇りを持った超人プロ誇り持った超人レスラーだった。
リングの上で勝利せずして、何が完璧超人か。
誇りを持った超人プロ誇り持った超人レスラーだった。
リングの上で勝利せずして、何が完璧超人か。
「この薬と速報とやらまでの猶予をくれてやるっ!
それまでに体調を整え、決着をつけにこいっ!」
それまでに体調を整え、決着をつけにこいっ!」
それは、宣戦布告。
見下す相手へでなく、強大と認めた相手へと向けた、誇りを賭けた宣戦布告。
見下す相手へでなく、強大と認めた相手へと向けた、誇りを賭けた宣戦布告。
「それまで、返り討ちにする以外の戦闘は控えてやる。
その代わり、俺が貴様に打ち勝ったら、正義超人根絶やしと同時に島にいる人類も殺し尽くしてやるわっ!」
その代わり、俺が貴様に打ち勝ったら、正義超人根絶やしと同時に島にいる人類も殺し尽くしてやるわっ!」
最初は、正義超人だけを殺せばいいと思った。
だがしかし、ジュンイチローという敵を得て、考えが変わる。
何としても全力のジュンイチローを叩き潰したい――その想いが、ジュンイチローを焚き付けようという想いが、一時的な静観と勝利後の人類虐殺を決意させた。
だがしかし、ジュンイチローという敵を得て、考えが変わる。
何としても全力のジュンイチローを叩き潰したい――その想いが、ジュンイチローを焚き付けようという想いが、一時的な静観と勝利後の人類虐殺を決意させた。
「雀士超人は人質だっ! 八時間は守り抜いてやるが、貴様が来なければ――分かっているな?」
肉体的な問題で動けないジュンイチローと、能力的な問題で下手に動けない豊音の首根っこを掴み、ネプチューンマンは燃えるリングを脱出する。
傷が痛み、脱出後に膝をつくが、それでもなお、闘争心は燃え上がっていた。
傷が痛み、脱出後に膝をつくが、それでもなお、闘争心は燃え上がっていた。
「俺は武道館で待つ! あそこなら新たなリングがあるはずだ~~~っ!」
「この体で八時間後に武道館まで行くなんて無理だよー!」
「ならば十四時間待つ!」
「この体で八時間後に武道館まで行くなんて無理だよー!」
「ならば十四時間待つ!」
あっさり前言を撤回したが、まあ、超人にはよくあることだ。
「次の次の速報がリミットだーーーーーっ!」
「……次の次だと十六時間後だよー?」
「……ならば十六時間後だーーーーーっ!」
「……いい……だろう……」
「……次の次だと十六時間後だよー?」
「……ならば十六時間後だーーーーーっ!」
「……いい……だろう……」
ネプチューンマンの張りのある声と対照的に、か細い声でジュンイチローが決着の申し出を受ける。
「日本人は……時間は必ず守る……」
「ふん! 完璧超人も約束は違えぬ!
小娘はお隣サンから預かったチワワのように丁重に守ってやるわーーーーーっ!」
「ふん! 完璧超人も約束は違えぬ!
小娘はお隣サンから預かったチワワのように丁重に守ってやるわーーーーーっ!」
丁重と言っておいて、首根っこを掴んで豊音を運ぼうとする。
……本当にチワワ感覚だからなのかもしれないが、例え犬でもこんな雑な扱い方をしてはいけない。
……本当にチワワ感覚だからなのかもしれないが、例え犬でもこんな雑な扱い方をしてはいけない。
「そんなことされなくても逃げないよー」
雑な扱いに苦言を呈させて頂いた豊音は――もう震えてはいなかった。
ネプチューンマンへの恐怖もほとんど無に帰していた。
ネプチューンマンへの恐怖もほとんど無に帰していた。
豊音には、分かったから。
ネプチューンマンは悪ではあるが、己の中に設けたルールには従える男なのだと。
即ち彼が、話し合いをし和解の余地がある男だと。
ネプチューンマンは悪ではあるが、己の中に設けたルールには従える男なのだと。
即ち彼が、話し合いをし和解の余地がある男だと。
「だって私は信じてるから」
そして――信じているから。
十六時間後、ネプチューンマンに殺される心配もないと。
何故なら、
十六時間後、ネプチューンマンに殺される心配もないと。
何故なら、
「小泉さんが約束通りやってきて、私を助けてくれるって!」
それは、その信頼は、ネプチューンマンの理解の及ばぬものだった。
だがしかし――少しだけ、ネプチューンマンの目に、それが輝いて見える。
だがしかし――少しだけ、ネプチューンマンの目に、それが輝いて見える。
「……その、信頼……確かに……受け……取った……!」
「うん! 私は心配しなくていいよー!
未来の仲間のこの人がいるし、ぼっちじゃないから!」
「うん! 私は心配しなくていいよー!
未来の仲間のこの人がいるし、ぼっちじゃないから!」
倒れ付したジュンイチローが拳を握る。
その拳にしゃがみこんだ豊音が自身の拳を合わせた。
その拳にしゃがみこんだ豊音が自身の拳を合わせた。
「ふん! いくぞ小娘!」
「小娘じゃなくて豊音だよー」
「勘違いするなよ雀士超人が! 俺は貴様は認めてないし、悪臭の恨みは忘れてないからなぁ~~~っ!!」
「そ、そこまで臭いって言われると傷付くよー……」
「小娘じゃなくて豊音だよー」
「勘違いするなよ雀士超人が! 俺は貴様は認めてないし、悪臭の恨みは忘れてないからなぁ~~~っ!!」
「そ、そこまで臭いって言われると傷付くよー……」
遠ざかる二人の背中。
その能天気な会話がやがて聞こえなくなった。
人間の男性と比較してもあまりに大きい二人の背中が見えなくなった。
その時には、オロナイ○はほとんど空になっていた。
その能天気な会話がやがて聞こえなくなった。
人間の男性と比較してもあまりに大きい二人の背中が見えなくなった。
その時には、オロナイ○はほとんど空になっていた。
「……傷は……癒えた……」
そんなオカルトありえません。
○ロナインはそんな道具じゃありません。
○ロナインはそんな道具じゃありません。
だがしかし、病は気から。
ジュンイチローの強靭なメンタルによる“これで傷は癒えた”という思い込みは、傷を治癒まではしなくとも、痛みくらいならかきけす。
ようやくふらふらと立ち上がり、ジュンイチローは呟いた。
ジュンイチローの強靭なメンタルによる“これで傷は癒えた”という思い込みは、傷を治癒まではしなくとも、痛みくらいならかきけす。
ようやくふらふらと立ち上がり、ジュンイチローは呟いた。
「次は風呂だ……燃え尽きるほど熱い風呂だ」
男は温泉へと向かう。
安らぎを求めてではない。
戦いへの準備のためだ。
安らぎを求めてではない。
戦いへの準備のためだ。
炎を纏った総理大臣。
炎の完璧ファイター。
そして麻雀で他者を炎上させる炎の転校生。
三人の戦いの火蓋はすでに切って落とされたのだ。
燃え出した火は、決して自然鎮火はしない。
炎の完璧ファイター。
そして麻雀で他者を炎上させる炎の転校生。
三人の戦いの火蓋はすでに切って落とされたのだ。
燃え出した火は、決して自然鎮火はしない。
【F-3/山の中/一日目-朝】
【小泉ジュンイチロー@ムダヅモ無き改革】
[参戦時期]:ヒトラーを撃破し意識を手放した直後
[状態]:腰・脚部・腕に大ダメージ
[装備]:スピリタス(残り1/3ほど)@現実
[道具]:基本支給品1、不明支給品1
[スタンス]:対主催
[思考]
基本:鳩山を倒し、政権交代してこの殺し合いを終わらせる
1:風呂に入り気力を回復し国家の敵との再選に備える
2:国益を脅かす者を倒す
3:政治関係の情報を得る
[参戦時期]:ヒトラーを撃破し意識を手放した直後
[状態]:腰・脚部・腕に大ダメージ
[装備]:スピリタス(残り1/3ほど)@現実
[道具]:基本支給品1、不明支給品1
[スタンス]:対主催
[思考]
基本:鳩山を倒し、政権交代してこの殺し合いを終わらせる
1:風呂に入り気力を回復し国家の敵との再選に備える
2:国益を脅かす者を倒す
3:政治関係の情報を得る
【ビッグボディチーム】
【姉帯豊音@咲-Saki-】
[参戦時期]:試合でボッコボコにした末原先輩にサインを求めた瞬間
[状態]:197cm、背中がちょっと痛い、一部衣服が燃えてセクシー
[装備]:エイスリンのスケッチボード(ジュンイチローとネプチューンマンのサイン入り)@咲-Saki-、あかりの個性を描いていたマジックペン@ゆるゆり
[道具]:洗濯ばさみ詰め合わせ@現実、基本支給品1
[スタンス]:対主催
[思考]
基本:皆で帰るためにも、皆と仲良くなってサインもらうよー
1:おっきいレスラーの人についていき、小泉さんを待つよー
2:道中誰かにあったら友達になりたいあー
3:あかりちゃん大丈夫だといいなあ……
[参戦時期]:試合でボッコボコにした末原先輩にサインを求めた瞬間
[状態]:197cm、背中がちょっと痛い、一部衣服が燃えてセクシー
[装備]:エイスリンのスケッチボード(ジュンイチローとネプチューンマンのサイン入り)@咲-Saki-、あかりの個性を描いていたマジックペン@ゆるゆり
[道具]:洗濯ばさみ詰め合わせ@現実、基本支給品1
[スタンス]:対主催
[思考]
基本:皆で帰るためにも、皆と仲良くなってサインもらうよー
1:おっきいレスラーの人についていき、小泉さんを待つよー
2:道中誰かにあったら友達になりたいあー
3:あかりちゃん大丈夫だといいなあ……
【ネプチューンマン@キン肉マン】
[参戦時期]:超人師弟コンビ撃破後
[状態]:全身打撲、全身火傷
[装備]:全自動ゴング叩き機
[道具]:基本支給品1
[スタンス]:マーダー(予定)
[思考]
基本:対抗超人を全て倒してナンバーワーーーーーーン!
1:人質である雀士超人と共に総理超人を待つ
2:総理超人と決着をつけるまでは積極的に殺しはしない
[参戦時期]:超人師弟コンビ撃破後
[状態]:全身打撲、全身火傷
[装備]:全自動ゴング叩き機
[道具]:基本支給品1
[スタンス]:マーダー(予定)
[思考]
基本:対抗超人を全て倒してナンバーワーーーーーーン!
1:人質である雀士超人と共に総理超人を待つ
2:総理超人と決着をつけるまでは積極的に殺しはしない
※燃え盛るテニスボールが放置されてますが、氷上リングの溶けた水があるので延焼はしません
【あかりの個性を描いていたマジックペン@ゆるゆり】
小泉ジュンイチローに支給。
極々普通のマジックペン。
喉を刺すこともできない安全使用。
一応、あかりの個性を考えて発表する際に使用されたペンである。
当たり前だがスケッチボード用ではなく、これで書かれたサインは簡単には消えない。
小泉ジュンイチローに支給。
極々普通のマジックペン。
喉を刺すこともできない安全使用。
一応、あかりの個性を考えて発表する際に使用されたペンである。
当たり前だがスケッチボード用ではなく、これで書かれたサインは簡単には消えない。
【スピリタス@現実】
小泉ジュンイチローに支給。
「クレイジー」「ただの武器」「アルコールランプと大差ない」等言われるくらいアルコール度数の高いお酒。
瓶も中身も凶器になるお得な一品。ほとんど飲み物ではない。
小泉ジュンイチローに支給。
「クレイジー」「ただの武器」「アルコールランプと大差ない」等言われるくらいアルコール度数の高いお酒。
瓶も中身も凶器になるお得な一品。ほとんど飲み物ではない。
【氷上リング@キン肉マン】
ネプチューンマンに支給。
かつてラーメンマンとキン肉マン死闘を繰り広げたリング。
すっごい滑るよ!!
ネプチューンマンに支給。
かつてラーメンマンとキン肉マン死闘を繰り広げたリング。
すっごい滑るよ!!
【全自動ゴング叩き機@現実】
ネプチューンマンに支給。
無駄な技術が詰め込まれた一品で、カンカンカーンと勝者の気分を盛り上げるゴング捌きを見せてくれる。
しかし所詮は機械故、メイドインジャパンといえど誤判定があるかもしれない。
なお、ただゴングが鳴るだけのものであり、何か特殊な拘束力があるわけではない。
ネプチューンマンに支給。
無駄な技術が詰め込まれた一品で、カンカンカーンと勝者の気分を盛り上げるゴング捌きを見せてくれる。
しかし所詮は機械故、メイドインジャパンといえど誤判定があるかもしれない。
なお、ただゴングが鳴るだけのものであり、何か特殊な拘束力があるわけではない。
【オ○ナイン@現実】
ネプチューンマンに支給。
何にでも効くすごいお薬。田舎のお家には大抵置いてある。
決してオカルトアイテムではないが、オカルト的崇拝をしているご老人は少なからずいる。
ネプチューンマンに支給。
何にでも効くすごいお薬。田舎のお家には大抵置いてある。
決してオカルトアイテムではないが、オカルト的崇拝をしているご老人は少なからずいる。
【洗濯ハサミ詰め合わせ@現実】
姉帯豊音に支給。
極々普通の洗濯ハサミ。
挟まれると痛い。乳首に挟むともげることがある程度の破壊力。
姉帯豊音に支給。
極々普通の洗濯ハサミ。
挟まれると痛い。乳首に挟むともげることがある程度の破壊力。
【銀華散華のテニスボール@テニスの王子様】
姉帯豊音に支給。
福士ミチルがゲームで使う必殺技で出てくる、原作ではヒロイン()いじめに使われていたテニスボール。
要するに、ただの大量のテニスボール。キチガイじみた耐久力を除けば、だが。
姉帯豊音に支給。
福士ミチルがゲームで使う必殺技で出てくる、原作ではヒロイン()いじめに使われていたテニスボール。
要するに、ただの大量のテニスボール。キチガイじみた耐久力を除けば、だが。
【エイスリンのスケッチボード@咲-Saki-】
姉帯豊音に支給。
エイスリンが持ち歩いていたスケッチボード。
多分角で殴られるとかなり痛い。
姉帯豊音に支給。
エイスリンが持ち歩いていたスケッチボード。
多分角で殴られるとかなり痛い。
最後に笑うのは――、 | 投下順 | 孤独の勝利 |
GAME START | 小泉ジュンイチロー | |
GAME START | 姉帯豊音 | |
GAME START | ネプチューンマン |