バスランラード
ルア帝国の帝都。“竜巻の塔”を意味し、もともと皇帝の居城に対する呼び名だったが、現在では帝都全体を指す語としても使われる。ゼアネー、ウェザッダ、フレイスという三つの川が成す河口域に拡がる都市。
皇帝が住まう塔自体は、天にも届かんばかりの壮麗な構造物で、帝国の行政・軍事の中枢となっている。その躯体は
テロンのモルム小人の技術をもってつくられており、天変地異で地上があまねく壊滅したとしても残り得るという。また内部には、塔内各所との通話を可能にする伝声管や、蒸気を利用して垂直に人を運ぶ乗り物など、テロン以外ではここでしか見られない不思議な仕掛けが満ちている。
“竜巻の塔”は、空高くそびえるその量塊の全荷重を地盤へと円滑に分散するため、基部を四方八方の広大な範囲へ緩やかに拡げ、螺旋形状を形成している。すなわち地上に根を張るそれらの基部が旋回しながら集合し、名前通り竜巻のごとく空へと捻れ上がっているわけだ。そのため、実際のところ塔そのものの範囲と塔外街区とを厳密に区分することは難しい。街区に深く入り込んだ基部のそれぞれは塔外との頻繁な交流を必要とする部局や帝都守備本営を擁し、巨大な触手のごときそれらが互いに絡み合いながら上層へ立ち上がっていくにつれ帝国全土を広く統括する諸庁に占められるようになり、やがて高層部の枢要意志決定の領域へ至ることになる。
皇帝家の一族は帝都郊外に居を構えているが、皇帝自身とその最側近の従者たちだけは竜巻の塔の頂部層を独占していて、西方随一の広大な版図を一望に見渡す頂から、文字通り帝国全土へと君臨している。
最終更新:2009年10月24日 21:04