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サイフォンフィルター:ローガンズ・シャドウ - (2024/08/25 (日) 04:42:21) の1つ前との変更点
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<p>シリーズ最終作。</p>
<p>Act I - Cargo Hold 5</p>
<p>ワルシンガラ・プロテクターズと称するソマリアの海賊団がアメリカ海軍のインテリジェンスシップ(情報収集艦)USS
セント・ヘレンズを襲撃した時、その5番船倉に積まれていた"とある最高機密"を、敵対勢力の手に落ちる前に可及的速やかに確保する必要に迫られていた。</p>
<p>
NIOC(国家情報監視委員会=米国政府の情報機関の説明責任・透明性を高めるために大統領の諮問として設置されたが実際にはIPCAの活動を妨げる重荷にしかなっていない)のロバート・コーデル長官が事態に介入し、有無を言わさず召喚されたゲイブとテレサに精彩を欠いたブリーフィングを行う。コーデルはゲイブを唯一の選択肢として任務に指名する。</p>
<p>
ゲイブが第5船倉の中身を尋ねると、コーデルは「機密事項を知る必要はない」と答える。それを運んでいる当の米海軍も、第5艦隊の提督クラスでさえ見当がつかない。テレサがコーデルの一方的な物言いに反発し管轄権を巡って口論しかけるが、コーデルは相手はソマリア人だけではないと答える。1年前にリビアでゲイブが捕らえかけ、コーデルが外国領内での航空支援要請を拒否したせいで逃す羽目になったシリア人のテロリスト指導者ガッサン・アル・ビタールがこの攻撃の黒幕だと告げる。ゲイブは雪辱を果たすチャンスを得るために作戦参加に同意し、インド洋へ飛ぶ。</p>
<p>ヘリコプターパイロットのアリマ・ハダッドは、コーデルが作戦の詳細すべてを話したわけではないとゲイブに忠告した。</p>
<p>
セント・ヘレンズに潜入しステルスしつつ艦内を移動するゲイブは海賊たちの死体を見やり、米軍艦に挑んで制圧するために小口径の武器を持った人員を送り込んで消耗させる、これは典型的な海賊の手口には到底当てはまらない。彼らは金のために攻撃するのであって、金を使うために生きていなければ意味がない、と海賊らしからぬ行動指針を疑問に思う。海賊たちの襲撃に紛れる格好で中東のイスラム過激派テロ集団アル・ジャミルの戦闘員が入り込んでいたのだ。</p>
<p>
コーデルは何も知らせなかったが先行して投入されていた特殊部隊SEAL'sが全滅の危機に瀕し、彼らからコード・ブルー(救難信号)が出されていた。負傷した隊員は真っ当な作戦ではなく正確な情報を知らされていなかったと洩らす。テレサは全海軍との通信がダウンしていると話す。</p>
<p>
セント・ヘレンズの通信アンテナに第5艦隊とのリンクを確立しようとしたとき、上空のアリマのヘリコプターはテロリストたちのSMAW(肩撃ち式携行ロケット弾)に撃墜されゲイブの努力もむなしく彼女は死亡する。怒りに駆られたゲイブは、テレサの制止を無視しセント・ヘレンズから盗んだ品物を積んで逃げようとする海賊船を追いかけて数隻破壊し溜飲を下げたあと艦に戻る。しかし、その時既に第5船倉は空っぽで、貨物は盗まれていた。コーデルは失望を隠さず「君にこんな作戦を任せるべきではなかった。アリマは所詮消耗品、君も同じだ」と責め立てる。ゲイブは「積み荷の事など知ったことか。俺はアリマの仇のためにビタールを追う、それだけだ」と口論する。</p>
<p>
ゲイブが艦橋に到着すると、テレサは第5艦隊のアーレイ・バーク級駆逐艦がすでに巡航ミサイルを発射し、セント・ヘレンズを沈めようとしていると伝える。ゲイブはアル・ジャミルの指揮官ファヒドを殺し、着弾の寸前に海に飛び込んで脱出する。</p>
<p> </p>
<p>Act II - Terminal Drift</p>
<p>
シリアのディマシュク(ダマスカス)にあるアル・ジャミルの基地。テロリストは「船が用意できた」と報告する。この装置をニューヨークやロサンゼルスに運ぶことができ、世界中どこでも攻撃することができるという。指導者ビタールは「しかし、我々の土地から彼らを追い出すには、彼らがここにいる理由を破壊しなければならない」と付け加えた。</p>
<p>
ゲイブがエージェンシーに戻ると、コーデルは「よく戻って来たな」と皮肉を込めて出迎え、ゲイブを「都合のいいときだけルールに従うワンマン・アーミー」だと非難し、お前の尻拭いがどうのと、ひとしきり攻撃した後、話は休暇中のゲイブの10年来の相棒リアンに及ぶ。ゲイブはもう聞いたと返す。リアンが消息を絶ったのだ。</p>
<p>
コーデルはリアンが休暇先のキプロスに「一度も」いなかったと言い、謎の中国人男性と一緒にいる外国での写真を提示したことで事態はさらに複雑になる。客観的な視点からすればリアンは中国の二重スパイであり、事実であればエージェンシーは脆弱性から危険にさらされるだろう。そしてNIOCはIPCAに対しセキュリティ・クリアランス(機密取り扱い資格)の停止を宣告する。</p>
<p>
テレサの懸念にも関わらず、選択肢も尽きたゲイブは、海洋サルベージの専門家である旧友デイン・ビショップに協力を依頼し、沈没したセント・ヘレンズを改めて調査しようと試みる。同時に、スペツナズ(ロシア軍特殊部隊)のダイバーも証拠を探して此処にいることを知る。</p>
<p>
ビショップが艦体に穴を開け、ゲイブは中へ吸い込まれていく。ロシア人たちは調査のため艦を浸水させないようポンプを動かしていたが、ビショップの提案で最上階に上がりたいゲイブはエンジンのタービンを破壊してポンプを停止させ水位を上昇させた。</p>
<p>
ビショップはゲイブに、原子炉が飛び出て冷却水に浸らずオーバーヒートしかけた状態でまもなくメルトダウンすると警告、ビショップが話し終わる前に艦が振動し、ゲイブはテレサに無線で状況を聞く。米海軍が現場に到着しセント・ヘレンズに向けて爆雷を投下しているとの返答にゲイブは急いで原子炉制御室へ行き、ビショップと協力し燃料棒を抜き取って安定させる。</p>
<p>
倒したスペツナズからファイルを回収し、係留から外れて壊れた酸素タンクを修理した潜水艇で脱出を図る2人を、ロシア海軍の潜水艦が追尾してくる。ゲイブは爆雷を撃ちこれを大破着底させる。</p>
<p> </p>
<p>Act III - Crimson Flood</p>
<p>
解読されたファイルにはMI6がアゼルバイジャンで撮影したリアンたちの写真が写っていた。MI6は同国で監視作戦を展開しており、数分ごとにデジタル写真を撮るカメラを設置していた。その顔認識システムがリアンのIDを照合し突き止めたのだ。コーデルがどうやって彼女を見つけたかは分かったが誰と一緒に旅行しているのかについて、テレサはMI6とそのデータベースには彼女の同伴者の情報は何もなかったと答える。しかし、宿泊先のホテルを特定でき、2人は1つの部屋に3泊したという。テレサはリアンの素性に疑いを持った。</p>
<p>
ロシアもリアンと中国人男性を追っている。状況をさらに悪化させているのは、現在進行形でロシア軍がアゼルバイジャンに侵攻して都市破壊と民族浄化作戦を行っていることだ。リアンが殺されるかもしれないと危惧したゲイブは、テレサに現地にいるMI6のマギー・パワーズに連絡し協力を依頼するよう促す。</p>
<p>
ゲイブはロシアの侵略と戦うアゼリ人のレジスタンスとともに戦場を駆け抜け、リアンと同行者が一緒に泊まったホテルの部屋を捜索しているとき、ゲイブはコードネーム「トリニダード」と呼ばれる中国のシークレット・エージェントに遭遇する。しばし格闘の応酬の後、彼女はシェンという人物を探していると答える。その時、急襲してきたスペツナズを相手に2人は共同戦線を張り、身を隠しつつ戦う。トリニダードはゲイブに女を信じるのに慣れているかと言い、彼女は水中に飛び込み、ゲイブはしぶしぶ後を追う。</p>
<p>
スペツナズの司令部では、捕らわれていたマギーが"装置"のことを聞いているのか、MI6がアゼルバイジャンで何をしていたのか尋問されている。彼女は密輸業者を追跡していたと主張する。ロシア人は我々は偉大な国を再建していると言い、彼女は「小さいことを考えていると、あなたたちは帝国を失ってしまう」と反論する。ゲイブはマギーを拘束から解き放ち、飛来したガンシップを撃墜したまではよかったが、スペツナズ指揮官セルゲイ・クドレンコ大佐に背後から打ちのめされ失神する。</p>
<p> </p>
<p>Act IV - Tyorma Redemption</p>
<p>
イラク南部のハディーサで、ガッサン・アル・ビタールが石油コンビナートを遠くから眺めている。指導者は「時は迫っている」と言い、シェンの話が本当かどうか確かめるよう指示する。装置のボタンが押され油田が大爆発した。世界はまもなく変わると呟く。</p>
<p>
ジョージア共和国のティオルマにある収容所の中で、看守が目を離している間、トリニダードはゲイブと会話をする。トリニダッドが再びシェンという名前を知っているかと訊ね、ゲイブはリアン・シンという名前しか知らない。トリニダッドはリアンではなくシェン・シンだと言い、彼女はMSS(中国国家安全部)でリアンの上官だったことを明かす。しかし、ゲイブがリアンをエージェンシーに引き入れたときトリニダードの評価は地に落ちた。中華人民共和国から彼女を盗み、堕落させたとゲイブを逆恨みし愚弄する。トリニダードによると、リアンは旧姓で写真に写っている男性、シェン・レイと結婚していた。リアンはキプロス休暇の名目で前夫の国外脱出を助けに行き、中国政府はセント・ヘレンズから盗まれた装置の発明者であるシェン博士を連れ戻したがっていた。</p>
<p>
ゲイブは、アメリカ、ロシア、中国などの大国が競ってそれを欲しがっている事実と、その装置のよほどの重要性について考えを巡らせる。ならばマギーもイギリスのためにそれを手に入れようと暗躍しているのではないかとも疑い始め、もう誰を信用してよいのかわからなくなってきた。</p>
<p>
ゲイブはロシア流の歓待を受けるが隙を突いて手枷を外し看守を叩きのめす。ゲイブは監視システムのコンピューターにアクセスし、マギーの居場所を把握する。カメラはマギーがロッカーに蹴り込まれて密閉されるところを映していた。換気シャフトを通ってマギーを救い出す。女王陛下のスパイは恩返しすると約束した。下水管のパイプから外に出て、APCを撃破しながら飛行場へと向かう。輸送機をハイジャックして飛ぶが、機内にロシア人を乗せたままの状態では無線通信もできない。スペツナズのコックピットへの突入を防いで、セルゲイ・クドレンコ大佐と対峙する。降伏か死か、この時期のハーグは美しいぞと迫るゲイブに、クドレンコは地獄もそうだと返答し2人は決闘する。後顧の憂いを断ったところでマギーはNATOの戦闘機と連絡を取る。ところがパイロットはアプローチはすでに許可されていますと応じる。ゲイブはこの手際の良さはコーデルの差し金に違いないと思う。</p>
<p> </p>
<p>Act V - Shifting Sands</p>
<p>
サウジアラビアのタイフ空軍基地に着陸後、マギーが拘束されるのを見て、ゲイブはコーデルにいったい何が起こっているのかと尋ねる。コーデルはMI6よりリアン・シンのことを考えるべきだと言う。コーデルは昨夜、イラク最大の油田が破壊され20平方マイルが吹き飛んだと言い、ビタールがシェンのプロトタイプ装置を使ったと。</p>
<p>
そしてリアン、シェン、そしてテロリストがどこかで一緒に写っている写真を見せる。彼はさらに大統領が「プラグを抜いた」と告げる。つまりIPCAは閉鎖され、ローガンは解雇された。部下たちに彼をここから追い出すよう指示する。納得できないゲイブはコーデルが間違いを犯していると抗議する。ビタールがシェンを脅して無理矢理に装置を作らせているのだろうと。コーデルは聞き流し、ゲイブに家に帰って別れた女房を探せと言う。</p>
<p>
帰国したゲイブはヴァージニア州のロフトアパートメントに到着。留守番電話に向かうと、テレサが留守録を残していた。メッセージが流れる間、冷蔵庫を開けて中を見る。彼女は彼に別れを告げ、自分たちは配置換えになったこと、ゲイブに接触禁止の指示が出されていること。
彼女は申し訳なく思っていると告げ、彼がいない間に魚に餌をやったと言う。 ゲイブはすぐに暗号を理解し「ありがとうテレサ」と言って彼女に会いに行く。</p>
<p>
ゲイブは「もうわからない」と答える。リアンは必要なら自分に助けを求めたはずだと言う。テレサは彼を慰め、リアンはゲイブに恋をしていると言う。ゲイブはエージェンシーがなくなったのだからもう関係はないと言う。テレサはバックアッププランがあると明かし、秘密のスイッチを押して予備の指令センターを設営した。</p>
<p>
テレサはハッキングで入手した、コーデルがゲイブに投げつけた写真のほかにゲイブに見せなかった別の画像を見せた。リアンがテロリストに拘束されている写真だ。コーデルはアル・ジャミルの基地を特定し、大規模な軍事攻撃を準備している。ゲイブは、それがコーデルが自分を外した理由だと気づく。彼はコーデルが地図から基地を消し去る前にリアン救出を決意する。</p>
<p>
夜明けを迎えたシリアの砂漠に降り立ったゲイブはアル・ジャミルの基地に近づいた。上空に爆撃機が通過するのを見晴らし、テレサにバンカーバスター爆弾投下までの時間を尋ねる。
テレサは空爆までまだ3時間あると告げるが、ゲイブはコーデルが予定を早めたんじゃないかと罵る。</p>
<p>
付近には待ち伏せ攻撃をくらった戦車隊がいた。チームを殺され怒り心頭の戦車長はこのクソったれな作戦の責任者は誰だと問いかけ、ゲイブはコーデルというワシントンの背広組、本物のペンシルネック(アタマでっかち)の事を教える。彼はあの"クソ野郎
"を罵り、意気投合。戦車とともに敵集団を排除しながら進んでいく。</p>
<p>
橋の側面に仕掛けられたブービートラップに吹き飛ばされ、ゲイブは峡谷の底まで落とされた。航空支援を要請しているレンジャー部隊のところに駆けつけ、これを援護する。レンジャー隊員が命と引き換えながらC4を爆発させ、洞窟への入り口を開く。そのとき、ゲイブは爆撃機の到着を伝える無線を聞く。ゲイブは無線機に手を伸ばし、ここはすでに味方が占領していると連絡する。テレサがそれを遮り、聞こえていない、もう手遅れよと告げる。コーデルの承認で空爆が開始された。無情な爆弾が降り注ぐ…。</p>
<p>パイロット「コマンド。ウィア・イン・ポジション・オーバー・ザ・サウス・ケーブ・エントランス」</p>
<p>コーデル「アファーマティブ。プロシード・ウィズ・デリバリー・オブ・オーディナンス・オン・ターゲット」</p>
<p>ゲイブ「アテンション・フライト・クルー!ターゲッツ・オキュパイド・バイ・フレンドリーズ。アボート・ナウ・リピート…」</p>
<p>パイロット「ボムズ・アウェイ!ETAトゥ・インパクト・ファイブセカンド…ターゲット・デストロイド」</p>
<p>爆弾が落ちるとテロリストたちが「異教徒が攻めてきた」と叫ぶ。</p>
<p>
敵を排除しながら洞窟を進んで遂にリアンの独房を見つけ、二人は抱き合い、リアンはゲイブにどうやって自分を見つけたのか訊ね、多くの疑問を抱いているに違いないが今は説明できないと言う。</p>
<p>
隣の房で、ゲイブは壁に貼られたシェンの装置の写真を見て「爆弾」と呼んだが、リアンは「第三世界の貧困を解決し、原子力時代を終わらせる」ものだと訂正した。ゲイブはこれまでのところ爆弾としてしか使われていないと反論する。リアンのためにトーチライトで照らしつつ岩棚を進み、特殊スーツを着込んで現れたテロリストのマラクを倒して洞窟を脱出した。</p>
<p> </p>
<p>Act VI - Shattered Destiny</p>
<p>
前線司令部にゲイブが憲兵を引き連れて登場。何をしに来たかと文句をつけるコーデルにゲイブは、そもそもビタールがなぜセント・ヘレンズ5番船倉の情報を知り得たのかという根本的な疑問についての説明をはじめる。それはもちろん、なによりコーデル自身がよく知っている。</p>
<p>
電力を大量に貯蓄保存可能なその装置X-Z-2はシェンがエネルギー危機に対する解決策として考案したものだが、中国はそれを兵器化しようとしていた。エネルギー革命をもたらすはずの平和的な装置が戦争兵器になることを望まなかったシェンはパキスタンに逃げた。コーデルはシェンをアメリカに亡命させる作戦のため、あろうことかビタールに国境越えを依頼したのだ。</p>
<p>
コーデルは競合国より先にX-Z-2を手に入れようと必死だったが、ビタールは別の展望を描いた。シェンを拉致し、X-Z-2を盗み、石油を焼き尽くす爆弾を作らせ、中東から西洋の影響を永遠に排除する道を選んだ。</p>
<p>
それ以来コーデルがしたことはすべて自身の失態を覆い隠すための隠蔽工作であった。アメリカより一歩先の位置にいるロシア人やイギリス人を出し抜くためにシリア人テロリストの力を借りたのは国家のエネルギー政策上必要な判断だったと自己弁護に努める。</p>
<p>
ゲイブはMI6の記録、違法な傭兵契約、セント・ヘレンズから回収されたデータ諸々のファイルをすべてワシントンに送ったと告げる。彼はコーデルにいい老人ホームを見つけ、犬を飼って、ゴルフを始めるように勧める。憲兵たちがコーデルを逮捕した。</p>
<p>
リアンはシェンとの関係についてゲイブとうまく話すことができない。結婚相手だからかと訊くゲイブにリアンはシェンの元を去ったのは自分なのにゲイブに助けを求めるのは違うと思ったと。ゲイブは逆上し、嘘をついたことを理解しているか?
エージェンシーを危険に晒したことは?
もう少しで戦争を始めるところだったんだぞと問い詰める。2人の溝が埋まらない中、ともあれゲイブはビタールを止める任務に集中する。</p>
<p>
ビタールはX-Z-2のエネルギーを最大限に充電するためにダムの水位差を使用する。リアンを解放する約束はどうなったのかと言うシェンを殴り飛ばし、約束した覚えなどない、二度と余計な質問をするなと一喝する。</p>
<p>
電圧の上昇を確認したゲイブは、リアンに陽動作戦を指示し、パトロールを排除して3基の変圧器を破壊する。ダム内部に侵入するには放水路からしかないとテレサに伝える。問題はゲイブが放水路を一時的に止めることはできるが、内部圧力が限界に達する45秒間隔で自動的に再開することだ。片やリアンはシェンを救うことに気を取られ、彼を探すために持ち場を離れ、シェンは自分を必要としている…と呟いて通信を切った。ゲイブは我を失っているリアンの行動に狼狽しながらも放水路のコントロールパネルを操作し、ダム内部に忍び込む。</p>
<p>
ダム全体が揺れている。敵の通信を傍受しているテレサは、ダムのエンジニアが構造の不安定を報告し、アル・ジャミルのテロリストが次々と脱出しはじめていると告げ、戦術的撤退を指示する。ゲイブは却下して奥へと進む。</p>
<p>
ゲイブがリアンより先に制御室のシェンのもとに到着した。不安定な充電でX-Z-2はメルトダウンの寸前にあった。シェンに助けが必要だと求められ、2人は協力して電源をカットオフしX-Z-2のほとんどを無効化する。ビタールは最後のX-Z-2を持って逃げようとしたが、シェンはそれを不発に仕組んでいた。シェンはビタールの装置はチャージされていない、撃て!と叫び、ゲイブは装置を撃ってビタールを殺害する。</p>
<p>
ダムの外でリアンとシェンは再開するが、そこにトリニダードも現れる。彼女はずっとゲイブを尾行していた。生かしてシェンの所へ案内人の役割を果たさせるため、しばしば援護射撃を行いゲイブの任務遂行を陰ながら助けていたらしい。だがシェンは中国に連れ戻され、またどこの国であれ、自分の装置が武器になることを望まず、リアンの眼前で自殺する。</p>
<p>
心痛のゲイブとリアンはラングレーに戻った。そこはエージェンシーの閉鎖中にテレサがバックアップの指令センターを設置した場所である。ゲイブは、自分の仕事には抱え込んだ秘密が余りに多すぎると考え、現役引退を決意した。代わりに、彼は別れた妻子アディソンとブレイクを探して復縁し第二の人生を始めようかと思いを巡らせている。</p>
<p>
彼らがジムに入ると、ムジャリが床に倒れて死んでおり、テレサも負傷していた。テレサは注意するよう警告するが、トリニダードが関係者を抹殺すべく彼らを待ち伏せていた。ゲイブはリアンを押しのけてトリニダードを殺したが、彼自身も致命傷となる4発の銃弾を受けてしまう。リアンが叫びながらゲイブを蘇生させようとする中、ゲイブは床に横たわり、動かない…。</p>
<p>※製作スタッフはガブリエル・ローガンの死亡を明言した。</p>
<p>シリーズ最終作。</p>
<p>Act I - Cargo Hold 5</p>
<p>ワルシンガラ・プロテクターズと称するソマリアの海賊団がアメリカ海軍のインテリジェンスシップ(情報収集艦)USS
セント・ヘレンズを襲撃した時、その5番船倉に積まれていた"とある最高機密"を、敵対勢力の手に落ちる前に可及的速やかに確保する必要に迫られていた。</p>
<p>
NIOC(国家情報監視委員会=米国政府の情報機関の説明責任・透明性を高めるために大統領の諮問として設置されたが実際にはIPCAの活動を妨げる重荷にしかなっていない)のロバート・コーデル長官が事態に介入し、有無を言わさず召喚されたゲイブとテレサに精彩を欠いたブリーフィングを行う。コーデルはゲイブを唯一の選択肢として任務に指名する。</p>
<p>
ゲイブが第5船倉の中身を尋ねると、コーデルは「機密事項を知る必要はない」と答える。それを運んでいる当の米海軍も、第5艦隊の提督クラスでさえ見当がつかない。テレサがコーデルの一方的な物言いに反発し管轄権を巡って口論しかけるが、コーデルは相手はソマリア人だけではないと答える。1年前にリビアでゲイブが捕らえかけ、コーデルが外国領内での航空支援要請を拒否したせいで逃す羽目になったシリア人のテロリスト指導者ガッサン・アル・ビタールがこの攻撃の黒幕だと告げる。ゲイブは雪辱を果たすチャンスを得るために作戦参加に同意し、インド洋へ飛ぶ。</p>
<p>ヘリコプターパイロットのアリマ・ハダッドは、コーデルが作戦の詳細すべてを話したわけではないとゲイブに忠告した。</p>
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セント・ヘレンズに潜入しステルスしつつ艦内を移動するゲイブは海賊たちの死体を見やり、米軍艦に挑んで制圧するために小口径の武器を持った人員を送り込んで消耗させる、これは典型的な海賊の手口には到底当てはまらない。彼らは金のために攻撃するのであって、金を使うために生きていなければ意味がない、と海賊らしからぬ行動指針を疑問に思う。海賊たちの襲撃に紛れる格好で中東のイスラム過激派テロ集団アル・ジャミルの戦闘員が入り込んでいたのだ。</p>
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コーデルは何も知らせなかったが先行して投入されていた特殊部隊SEAL'sが全滅の危機に瀕し、彼らからコード・ブルー(救難信号)が出されていた。負傷した隊員は真っ当な作戦ではなく正確な情報を知らされていなかったと洩らす。テレサは全海軍との通信がダウンしていると話す。</p>
<p>
セント・ヘレンズの通信アンテナに第5艦隊とのリンクを確立しようとしたとき、上空のアリマのヘリコプターはテロリストたちのSMAW(肩撃ち式携行ロケット弾)に撃墜されゲイブの努力もむなしく彼女は死亡する。怒りに駆られたゲイブは、テレサの制止を無視しセント・ヘレンズから盗んだ品物を積んで逃げようとする海賊船を追いかけて数隻破壊し溜飲を下げたあと艦に戻る。しかし、その時既に第5船倉は空っぽで、貨物は盗まれていた。コーデルは失望を隠さず「君にこんな作戦を任せるべきではなかった。アリマは所詮消耗品、君も同じだ」と責め立てる。ゲイブは「積み荷の事など知ったことか。俺はアリマの仇のためにビタールを追う、それだけだ」と口論する。</p>
<p>
ゲイブが艦橋に到着すると、テレサは第5艦隊のアーレイ・バーク級駆逐艦がすでに巡航ミサイルを発射し、セント・ヘレンズを沈めようとしていると伝える。ゲイブはアル・ジャミルの指揮官ファヒドを殺し、着弾の寸前に海に飛び込んで脱出する。</p>
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<p>Act II - Terminal Drift</p>
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シリアのディマシュク(ダマスカス)にあるアル・ジャミルの基地。テロリストは「船が用意できた」と報告する。この装置をニューヨークやロサンゼルスに運ぶことができ、世界中どこでも攻撃することができるという。指導者ビタールは「しかし、我々の土地から彼らを追い出すには、彼らがここにいる理由を破壊しなければならない」と付け加えた。</p>
<p>
ゲイブがエージェンシーに戻ると、コーデルは「よく戻って来たな」と皮肉を込めて出迎え、ゲイブを「都合のいいときだけルールに従うワンマン・アーミー」だと非難し、お前の尻拭いがどうのと、ひとしきり攻撃した後、話は休暇中のゲイブの10年来の相棒リアンに及ぶ。ゲイブはもう聞いたと返す。リアンが消息を絶ったのだ。</p>
<p>
コーデルはリアンが休暇先のキプロスに「一度も」いなかったと言い、謎の中国人男性と一緒にいる外国での写真を提示したことで事態はさらに複雑になる。客観的な視点からすればリアンは中国の二重スパイであり、事実であればエージェンシーは脆弱性から危険にさらされるだろう。そしてNIOCはIPCAに対しセキュリティ・クリアランス(機密取り扱い資格)の停止を宣告する。</p>
<p>
テレサの懸念にも関わらず、選択肢も尽きたゲイブは、海洋サルベージの専門家である旧友デイン・ビショップに協力を依頼し、沈没したセント・ヘレンズを改めて調査しようと試みる。同時に、スペツナズ(ロシア軍特殊部隊)のダイバーも証拠を探して此処にいることを知る。</p>
<p>
ビショップが艦体に穴を開け、ゲイブは中へ吸い込まれていく。ロシア人たちは調査のため艦を浸水させないようポンプを動かしていたが、ビショップの提案で最上階に上がりたいゲイブはエンジンのタービンを破壊してポンプを停止させ水位を上昇させた。</p>
<p>
ビショップはゲイブに、原子炉が飛び出て冷却水に浸らずオーバーヒートしかけた状態でまもなくメルトダウンすると警告、ビショップが話し終わる前に艦が振動し、ゲイブはテレサに無線で状況を聞く。米海軍が現場に到着しセント・ヘレンズに向けて爆雷を投下しているとの返答にゲイブは急いで原子炉制御室へ行き、ビショップと協力し燃料棒を抜き取って安定させる。</p>
<p>
倒したスペツナズからファイルを回収し、係留から外れて壊れた酸素タンクを修理した潜水艇で脱出を図る2人を、ロシア海軍の潜水艦が追尾してくる。ゲイブは爆雷を撃ちこれを大破着底させる。</p>
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<p>Act III - Crimson Flood</p>
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解読されたファイルにはMI6がアゼルバイジャンで撮影したリアンたちの写真が写っていた。MI6は同国で監視作戦を展開しており、数分ごとにデジタル写真を撮るカメラを設置していた。その顔認識システムがリアンのIDを照合し突き止めたのだ。コーデルがどうやって彼女を見つけたかは分かったが誰と一緒に旅行しているのかについて、テレサはMI6とそのデータベースには彼女の同伴者の情報は何もなかったと答える。しかし、宿泊先のホテルを特定でき、2人は1つの部屋に3泊したという。テレサはリアンの素性に疑いを持った。</p>
<p>
ロシアもリアンと中国人男性を追っている。状況をさらに悪化させているのは、現在進行形でロシア軍がアゼルバイジャンに侵攻して都市破壊と民族浄化作戦を行っていることだ。リアンが殺されるかもしれないと危惧したゲイブは、テレサに現地にいるMI6のマギー・パワーズに連絡し協力を依頼するよう促す。</p>
<p>
ゲイブはロシアの侵略と戦うアゼリ人のレジスタンスとともに戦場を駆け抜け、リアンと同行者が一緒に泊まったホテルの部屋を捜索しているとき、ゲイブはコードネーム「トリニダード」と呼ばれる中国のシークレット・エージェントに遭遇する。しばし格闘の応酬の後、彼女はシェンという人物を探していると答える。その時、急襲してきたスペツナズを相手に2人は共同戦線を張り、身を隠しつつ戦う。トリニダードはゲイブに女を信じるのに慣れているかと言い、彼女は水中に飛び込み、ゲイブはしぶしぶ後を追う。</p>
<p>
スペツナズの司令部では、捕らわれていたマギーが"装置"のことを聞いているのか、MI6がアゼルバイジャンで何をしていたのか尋問されている。彼女は密輸業者を追跡していたと主張する。ロシア人は我々は偉大な国を再建していると言い、彼女は「小さいことを考えていると、あなたたちは帝国を失ってしまう」と反論する。ゲイブはマギーを拘束から解き放ち、飛来したガンシップを撃墜したまではよかったが、スペツナズ指揮官セルゲイ・クドレンコ大佐に背後から打ちのめされ失神する。</p>
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<p>Act IV - Tyorma Redemption</p>
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イラク南部のハディーサで、ガッサン・アル・ビタールが石油コンビナートを遠くから眺めている。指導者は「時は迫っている」と言い、シェンの話が本当かどうか確かめるよう指示する。装置のボタンが押され油田が大爆発した。世界はまもなく変わると呟く。</p>
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ジョージア共和国のティオルマにある収容所の中で、看守が目を離している間、トリニダードはゲイブと会話をする。トリニダードが再びシェンという名前を知っているかと訊ね、ゲイブはリアン・シンという名前しか知らない。トリニダードはリアンではなくシェン・シンだと言い、彼女はMSS(中国国家安全部)でリアンの上官だったことを明かす。しかし、ゲイブがリアンをエージェンシーに引き入れたときトリニダードの評価は地に落ちた。中華人民共和国から彼女を盗み、堕落させたとゲイブを逆恨みし愚弄する。トリニダードによると、リアンは旧姓で写真に写っている男性、シェン・レイと結婚していた。リアンはキプロス休暇の名目で前夫の国外脱出を助けに行き、中国政府はセント・ヘレンズから盗まれた装置の発明者であるシェン博士を連れ戻したがっていた。</p>
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ゲイブは、アメリカ、ロシア、中国などの大国が競ってそれを欲しがっている事実と、その装置のよほどの重要性について考えを巡らせる。ならばマギーもイギリスのためにそれを手に入れようと暗躍しているのではないかとも疑い始め、もう誰を信用してよいのかわからなくなってきた。</p>
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ゲイブはロシア流の歓待を受けるが隙を突いて手枷を外し看守を叩きのめす。ゲイブは監視システムのコンピューターにアクセスし、マギーの居場所を把握する。カメラはマギーがロッカーに蹴り込まれて密閉されるところを映していた。換気シャフトを通ってマギーを救い出す。女王陛下のスパイは恩返しすると約束した。下水管のパイプから外に出て、APCを撃破しながら飛行場へと向かう。輸送機をハイジャックして飛ぶが、機内にロシア人を乗せたままの状態では無線通信もできない。スペツナズのコックピットへの突入を防いで、セルゲイ・クドレンコ大佐と対峙する。降伏か死か、この時期のハーグは美しいぞと迫るゲイブに、クドレンコは地獄もそうだと返答し2人は決闘する。後顧の憂いを断ったところでマギーはNATOの戦闘機と連絡を取る。ところがパイロットはアプローチはすでに許可されていますと応じる。ゲイブはこの手際の良さはコーデルの差し金に違いないと思う。</p>
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<p>Act V - Shifting Sands</p>
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サウジアラビアのタイフ空軍基地に着陸後、マギーが拘束されるのを見て、ゲイブはコーデルにいったい何が起こっているのかと尋ねる。コーデルはMI6よりリアン・シンのことを考えるべきだと言う。コーデルは昨夜、イラク最大の油田が破壊され20平方マイルが吹き飛んだと言い、ビタールがシェンのプロトタイプ装置を使ったと。</p>
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そしてリアン、シェン、そしてテロリストがどこかで一緒に写っている写真を見せる。彼はさらに大統領が「プラグを抜いた」と告げる。つまりIPCAは閉鎖され、ローガンは解雇された。部下たちに彼をここから追い出すよう指示する。納得できないゲイブはコーデルが間違いを犯していると抗議する。ビタールがシェンを脅して無理矢理に装置を作らせているのだろうと。コーデルは聞き流し、ゲイブに家に帰って別れた女房を探せと言う。</p>
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帰国したゲイブはヴァージニア州のロフトアパートメントに到着。留守番電話に向かうと、テレサが留守録を残していた。メッセージが流れる間、冷蔵庫を開けて中を見る。彼女は彼に別れを告げ、自分たちは配置換えになったこと、ゲイブに接触禁止の指示が出されていること。
彼女は申し訳なく思っていると告げ、彼がいない間に魚に餌をやったと言う。 ゲイブはすぐに暗号を理解し「ありがとうテレサ」と言って彼女に会いに行く。</p>
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ゲイブは「もうわからない」と答える。リアンは必要なら自分に助けを求めたはずだと言う。テレサは彼を慰め、リアンはゲイブに恋をしていると言う。ゲイブはエージェンシーがなくなったのだからもう関係はないと言う。テレサはバックアッププランがあると明かし、秘密のスイッチを押して予備の指令センターを設営した。</p>
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テレサはハッキングで入手した、コーデルがゲイブに投げつけた写真のほかにゲイブに見せなかった別の画像を見せた。リアンがテロリストに拘束されている写真だ。コーデルはアル・ジャミルの基地を特定し、大規模な軍事攻撃を準備している。ゲイブは、それがコーデルが自分を外した理由だと気づく。彼はコーデルが地図から基地を消し去る前にリアン救出を決意する。</p>
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夜明けを迎えたシリアの砂漠に降り立ったゲイブはアル・ジャミルの基地に近づいた。上空に爆撃機が通過するのを見晴らし、テレサにバンカーバスター爆弾投下までの時間を尋ねる。
テレサは空爆までまだ3時間あると告げるが、ゲイブはコーデルが予定を早めたんじゃないかと罵る。</p>
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付近には待ち伏せ攻撃をくらった戦車隊がいた。チームを殺され怒り心頭の戦車長はこのクソったれな作戦の責任者は誰だと問いかけ、ゲイブはコーデルというワシントンの背広組、本物のペンシルネック(アタマでっかち)の事を教える。彼はあの"クソ野郎
"を罵り、意気投合。戦車とともに敵集団を排除しながら進んでいく。</p>
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橋の側面に仕掛けられたブービートラップに吹き飛ばされ、ゲイブは峡谷の底まで落とされた。航空支援を要請しているレンジャー部隊のところに駆けつけ、これを援護する。レンジャー隊員が命と引き換えながらC4を爆発させ、洞窟への入り口を開く。そのとき、ゲイブは爆撃機の到着を伝える無線を聞く。ゲイブは無線機に手を伸ばし、ここはすでに味方が占領していると連絡する。テレサがそれを遮り、聞こえていない、もう手遅れよと告げる。コーデルの承認で空爆が開始された。無情な爆弾が降り注ぐ…。</p>
<p>パイロット「コマンド。ウィア・イン・ポジション・オーバー・ザ・サウス・ケーブ・エントランス」</p>
<p>コーデル「アファーマティブ。プロシード・ウィズ・デリバリー・オブ・オーディナンス・オン・ターゲット」</p>
<p>ゲイブ「アテンション・フライト・クルー!ターゲッツ・オキュパイド・バイ・フレンドリーズ。アボート・ナウ・リピート…」</p>
<p>パイロット「ボムズ・アウェイ!ETAトゥ・インパクト・ファイブセカンド…ターゲット・デストロイド」</p>
<p>爆弾が落ちるとテロリストたちが「異教徒が攻めてきた」と叫ぶ。</p>
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敵を排除しながら洞窟を進んで遂にリアンの独房を見つけ、二人は抱き合い、リアンはゲイブにどうやって自分を見つけたのか訊ね、多くの疑問を抱いているに違いないが今は説明できないと言う。</p>
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隣の房で、ゲイブは壁に貼られたシェンの装置の写真を見て「爆弾」と呼んだが、リアンは「第三世界の貧困を解決し、原子力時代を終わらせる」ものだと訂正した。ゲイブはこれまでのところ爆弾としてしか使われていないと反論する。リアンのためにトーチライトで照らしつつ岩棚を進み、特殊スーツを着込んで現れたテロリストのマラクを倒して洞窟を脱出した。</p>
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<p>Act VI - Shattered Destiny</p>
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前線司令部にゲイブが憲兵を引き連れて登場。何をしに来たかと文句をつけるコーデルにゲイブは、そもそもビタールがなぜセント・ヘレンズ5番船倉の情報を知り得たのかという根本的な疑問についての説明をはじめる。それはもちろん、なによりコーデル自身がよく知っている。</p>
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電力を大量に貯蓄保存可能なその装置X-Z-2はシェンがエネルギー危機に対する解決策として考案したものだが、中国はそれを兵器化しようとしていた。エネルギー革命をもたらすはずの平和的な装置が戦争兵器になることを望まなかったシェンはパキスタンに逃げた。コーデルはシェンをアメリカに亡命させる作戦のため、あろうことかビタールに国境越えを依頼したのだ。</p>
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コーデルは競合国より先にX-Z-2を手に入れようと必死だったが、ビタールは別の展望を描いた。シェンを拉致し、X-Z-2を盗み、石油を焼き尽くす爆弾を作らせ、中東から西洋の影響を永遠に排除する道を選んだ。</p>
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それ以来コーデルがしたことはすべて自身の失態を覆い隠すための隠蔽工作であった。アメリカより一歩先の位置にいるロシア人やイギリス人を出し抜くためにシリア人テロリストの力を借りたのは国家のエネルギー政策上必要な判断だったと自己弁護に努める。</p>
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ゲイブはMI6の記録、違法な傭兵契約、セント・ヘレンズから回収されたデータ諸々のファイルをすべてワシントンに送ったと告げる。彼はコーデルにいい老人ホームを見つけ、犬を飼って、ゴルフを始めるように勧める。憲兵たちがコーデルを逮捕した。</p>
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リアンはシェンとの関係についてゲイブとうまく話すことができない。結婚相手だからかと訊くゲイブにリアンはシェンの元を去ったのは自分なのにゲイブに助けを求めるのは違うと思ったと。ゲイブは逆上し、嘘をついたことを理解しているか?
エージェンシーを危険に晒したことは?
もう少しで戦争を始めるところだったんだぞと問い詰める。2人の溝が埋まらない中、ともあれゲイブはビタールを止める任務に集中する。</p>
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ビタールはX-Z-2のエネルギーを最大限に充電するためにダムの水位差を使用する。リアンを解放する約束はどうなったのかと言うシェンを殴り飛ばし、約束した覚えなどない、二度と余計な質問をするなと一喝する。</p>
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電圧の上昇を確認したゲイブは、リアンに陽動作戦を指示し、パトロールを排除して3基の変圧器を破壊する。ダム内部に侵入するには放水路からしかないとテレサに伝える。問題はゲイブが放水路を一時的に止めることはできるが、内部圧力が限界に達する45秒間隔で自動的に再開することだ。片やリアンはシェンを救うことに気を取られ、彼を探すために持ち場を離れ、シェンは自分を必要としている…と呟いて通信を切った。ゲイブは我を失っているリアンの行動に狼狽しながらも放水路のコントロールパネルを操作し、ダム内部に忍び込む。</p>
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ダム全体が揺れている。敵の通信を傍受しているテレサは、ダムのエンジニアが構造の不安定を報告し、アル・ジャミルのテロリストが次々と脱出しはじめていると告げ、戦術的撤退を指示する。ゲイブは却下して奥へと進む。</p>
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ゲイブがリアンより先に制御室のシェンのもとに到着した。不安定な充電でX-Z-2はメルトダウンの寸前にあった。シェンに助けが必要だと求められ、2人は協力して電源をカットオフしX-Z-2のほとんどを無効化する。ビタールは最後のX-Z-2を持って逃げようとしたが、シェンはそれを不発に仕組んでいた。シェンはビタールの装置はチャージされていない、撃て!と叫び、ゲイブは装置を撃ってビタールを殺害する。</p>
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ダムの外でリアンとシェンは再会するが、そこにトリニダードも現れる。彼女はずっとゲイブを尾行していた。生かしてシェンの所へ案内人の役割を果たさせるため、しばしば援護射撃を行いゲイブの任務遂行を陰ながら助けていたらしい。だがシェンは中国に連れ戻され、またどこの国であれ、自分の装置が武器になることを望まず、リアンの眼前で自殺する。</p>
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心痛のゲイブとリアンはラングレーに戻った。そこはエージェンシーの閉鎖中にテレサがバックアップの指令センターを設置した場所である。ゲイブは、自分の仕事には抱え込んだ秘密が余りに多すぎると考え、現役引退を決意した。代わりに、彼は別れた妻子アディソンとブレイクを探して復縁し第二の人生を始めようかと思いを巡らせている。</p>
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彼らがジムに入ると、ムジャリが床に倒れて死んでおり、テレサも負傷していた。テレサは注意するよう警告するが、トリニダードが関係者を抹殺すべく彼らを待ち伏せていた。ゲイブはリアンを押しのけてトリニダードを殺したが、彼自身も致命傷となる4発の銃弾を受けてしまう。リアンが叫びながらゲイブを蘇生させようとする中、ゲイブは床に横たわり、動かない…。</p>
<p>※製作スタッフはガブリエル・ローガンの死亡を明言した。</p>
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