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Tom Clancy's Rainbow Six 3: Raven Shield - (2024/07/16 (火) 01:34:03) のソース
<p>各国合同で編成された精鋭の対テロ特殊部隊レインボー。</p> <p>複数の凶悪事件を解決する中、それらの背後関係に潜む、とある一人の老人の醜怪な思惑が絡んでいることを突き止める。</p> <p> クロアチア人のデヤン・ブラゼビッチは、かつて親ドイツ・ナチス協力者として第二次世界大戦当時、セルビア人やユダヤ人に対する虐殺、資産略奪など数々の戦争犯罪行為に加担してきた悪名高いクロアチア民族主義組織「ウスタシャ」の、南米に逃げ延びた残党であった。ニコラ・ゴスピッチの偽名を名乗って生き、それから半世紀以上の時を経て死期を目の前にして尚、ファシズムの支持とその復権の理想に執着していた。</p> <p> 表の顔は裕福な実業家、また慈善家として、裏の顔はネオ・ファシズムによる政権樹立を目指すアルゼンチンの極右政治家と共謀し、化学兵器を用いた恐るべき大量殺人計画を進めるテロの首謀者であった。</p> <p> </p> <p>Operation Stolen Flame</p> <p> ベネズエラの製油所が約25人の思想的背景を持ったテロリストたちに占拠された。ベネズエラ政府が審理中の、カラカス在住で1940年代の戦争犯罪で告発されている高齢のウスタシャ関係者、ペジャ・シチッチの国際法廷移送にともなう強制送還手続きの取り消しを要求し、さもなければ製油所を爆破すると脅している。PSNPと名乗る連中は過激に過ぎるという理由で右派の政党連合から追放された極右のネオ・ファシストで、組織や武装こそ貧弱だがそれゆえ暴走する危険が高い。</p> <p> </p> <p>Operation Cold Dagger</p> <p> スイスのウィンターリゾート、ラムーラ村に正体不明のテロリストが現れて人質を取った。そこにはスキー休暇を楽しんでいた、ジュネーブで開催中のIMF(国際通貨基金)会合に参加する各国代表数名も含まれており、人質のプロフィールが高く、生存人数は不明で、国際問題に係る事案のためにスイス当局よりレインボー派遣を要請された。</p> <p> レインボーのインテリジェンス担当官ケヴィン・スウィーニーは、今回の事件は奇妙な点が多く、腑に落ちないという。当初銀行を襲ったテロリストたちは捕虜の正体に気づいていないように見えた。IMF関係者がそこにいたのは偶然の事故だったかのようだ。ラムーラには、このようなテロ作戦を実行する価値のあるものは特に何もないはずだと。</p> <p> </p> <p>Operation Mountain Watch</p> <p> 数人のテロリストが人質を連れてラムーラを脱出した。フランス国境に向かう道中、高速道路N90のトンネルの入り口で先頭の車が氷結した道路で滑ってトンネルの壁に激突し、複数の車が玉突き事故を起こした。警察に包囲されたテロリストは大破した車をバリケードにして、人質とともにトンネル内に籠城した。</p> <p> レインボーが突入し事態を収拾したが、横転した車に閉じ込められて逮捕された1名以外、テロリストたちの全員が降伏より死を選んだため動機が充分に解明できない。しかも銀行を襲撃した際には、なぜか金品より優先して古い記録資料を探し回っていた。奴らの本当の狙いは強盗目的では無かったものと思われる。アルゼンチンのパスポートを所持しており同国政府に照会中。</p> <p> </p> <p>Operation Sentinel Wolf</p> <p> テロリストがノルウェーのベルゲンにある造船所を占拠した。ベネズエラの製油所の時と異なり、今回の相手はプロだ。造船所の大部分に爆弾を仕掛けつつ中央の船舶最終組立エリアに後退してノルウェーの対テロ部隊を牽制している。</p> <p> ここはベネズエラの国営石油会社PDVSAと契約してタンカーを作っている会社で、テロリストの要求は非常に興味深い。PDVSAの事務所を爆破した罪で有罪判決を受けたメンバーの釈放と、ベネズエラにあるアメリカの石油施設を国有化しろなどと求めている。どうも誰かさんがベネズエラの石油産業に深刻な問題を抱えているようだ。</p> <p> </p> <p>Operation Falcon Hour</p> <p> 水着を着てクルーズ船に乗ってカリブ海を遊覧、とはいかないようだ。英領ケイマン諸島でのアメリカDEAとイギリス税関当局による合同の麻薬捜査が失敗し、数人の捜査官が倒れ、他の捜査官や空港職員も人質に取られている。現地警察が滑走路を封鎖したため、武装した麻薬ディーラーたちは空港に立て籠もって人質を処刑すると脅している。</p> <p> </p> <p>Operation Pearl Castle</p> <p>今度はケイマン諸島の警察官たちが私有地で人質に取られた。総督府はこの事態を解決するため、公式には英陸軍SASとしてレインボーの協力を要請。</p> <p> 地元の名士で知られるニコラ・ゴスピッチという80代の男が所有する高級不動産で、警察の対応は「何か不審な人は見ませんでしたか?」という日常的なものだったが、その不審者であるところの彼らは日常的ではない返事をした。最初の交戦で撃たれなかった警官は後退し、無線で応援を要請したが、すでに2人が倒れ、数人が銃撃犯に連れ込まれて人質に取られた。屋敷内に潜んでいた麻薬ディーラーの一味が警察の家宅訪問に過敏に反応したらしい。国外にいて不在のゴスピッチ氏は弁護士を通じて遺憾の意を表明した。</p> <p> </p> <p>Operation Crimson Hook</p> <p> アルゼンチンのピラール市にある食肉加工工場に自動小銃を持った武装グループが侵入し、会社の財務記録過去40年分を破棄しようとしていたところを発見された。警察が到着すると、夜勤の管理職数人を含む人質を取った。一見すれば国際的なテロ事件とは思えぬシチュエーションだが…。</p> <p> 指揮官のジョン・クラークいわく、ここからが本当に面白いところだ。この工場の株主はゴスピッチ氏だ。それがレインボーにリクエストが出された理由であると。</p> <p> ここにきて、いくつかのリンクが見つかり始めている。ケイマンの件は、彼の家政夫の一人が借金があって、その返済のためにゴスピッチ氏が留守なのをいいことに屋敷を麻薬ディーラーに拠点として提供したのだ、ということになっている。問題の従業員、マイケル・カリーという庭師は、その後都合よく死んでいるのが発見された。検証が難しいが、よくできた作り話だろう。</p> <p> 彼は他にも海運業からベネズエラの石油開発まで12もの産業を手掛け、その会社のひとつはアルバロ・グティエレスという極右の大統領候補の選挙資金に多額の寄付をしている。グティエレス自身も、過激派と政治的距離を置いているように装いながら、実際にはスイスのテロリストと結び付きがあったことも分かった。あのパスポートだ。</p> <p> パズルの最後のピースは、食肉加工工場の犯人からもたらされた。彼らの要求のいくつかは、ベルゲンの造船所事件のテロリストが行ったものと同じだった。何かしらの共通性があるはずだ。</p> <p> </p> <p>Operation Stone Cannon</p> <p> アメリカ沿岸警備隊のカッターが貨物船を臨検したところ、船には数百キロのコカイン、約20箱のアサルトウェポンに加えて数百万枚のネオ・ファシストのプロパガンダが積まれていた。船の積荷目録から、沿岸警備隊はブラジルのポルト・アレグレにある海運会社を突き止めた。"偶然"にも、ケイマンで捕まった麻薬ディーラーの被告人たちが司法取引で言及したのと同じ会社だ。ブラジル連邦警察がそこから監視活動を開始したところ、その輸出入会社の倉庫には、ラベルにロシア語が書かれた容器…当局が高致死性の化学神経剤VXの成分と特定したものが保管されていた。ケミカルテロの危機にレインボーが緊急投入される。</p> <p> </p> <p>Operation Shattered Glass</p> <p> ブエノス・アイレス。レインボーはアルゼンチンの極右政治家アルバロ・グティエレスのペントハウスに忍び込む偵察作戦を許可された。コンピューターと固定電話に監視装置と盗聴器を仕掛け、ゴスピッチとつながり悪事を企む確固たる証拠を押さえたい。スイスで捕まったテロリストがすでに雇い主の名を認めている。そしてグティエレスのボディガードたちは元PSNPのメンバーからなる。</p> <p> ニュース報道の項目では、現地警察が階下にあるグティエレスの政治事務所の家宅捜索を実施したものの不発に終わった結果で、「信頼筋からの提供情報でしたが、グティエレス候補にご迷惑をおかけしたことをお詫び致します」とスポークスマンが謝罪会見をしているが、これは同時に実行された巧妙な陽動作戦であった。</p> <p> </p> <p>Operation Lion Shadow</p> <p> ロンドン都心のプライベートバンクが高度に訓練されたテロリストによって占拠された。彼らは人質を取り、メトロポリタン警察に発砲した。人質の命のみならず貴重な金融書類への心配から英国とスイスの両政府はこのセンシティブな案件に関してレインボーに支援を要請している。銀行内部は堅牢な作りで要塞のようだ。</p> <p> ケヴィン・スウィーニーのプロファイリングによるとテロ実行部隊リーダーの名前はダグラス・プレストン。イギリス陸軍の退役軍人でクウェートの任務で勲章を受勲している。UPFと呼ばれる組織の分派で、コロンビアの準軍事組織への不正な武器売却にも関係している。心理的に人間を盾とすることも辞さないだろう危険な相手だという。</p> <p> 報道発表では強盗団の金庫破りが流転した結末だとされた。英国首相およびスイス大使はSAS隊員に祝辞を述べるとともに、犯人に殺害された人々の遺族に深い哀悼の意を表明した。</p> <p> </p> <p>Operation Broken Stone</p> <p> グティエレスの電話の盗聴記録から、2人が事業計画について話し合い、その中で例のVXを貯蔵していたブラジルの海運会社にグティエレスは出資しており、そしてその会社はゴスピッチが所有するアルゼンチンの食肉加工会社と多く取引をしていることが分かった。</p> <p> ゴスピッチとグティエレスが複数の化学兵器を手に入れ、イギリスで銀行を襲ったプレストンがその供給者だったと考えるのは理に適っている。プレストンは武器商人とコネクションがあり、その中には旧ソ連の化学兵器研究所に出入りできる者もいた。</p> <p> VXは非常に耐久性があり…そしてピラールの工場はヨーロッパやイスラエルを含む世界中に牛肉を出荷している。十数カ国にまたがる大量殺人が懸念される。つまり、ゴスピッチの食肉加工事業が化学兵器の流通経路として存在していると結論づけられた。悪魔的なテロ実行を阻止すべく、レインボーはピラールの工場施設を制圧する。</p> <p> ニュース報道では、匿名を条件に話した政府筋は現場に「化学的危険性」があることを確認したが、一般市民への危険性はなく、除染チームによる「純粋な予防措置」であると繰り返した。</p> <p> </p> <p> ようやく全貌が明らかになり、すべての点と点が線で結ばれた。ロンドンにあった第二次世界大戦からの銀行取引記録のコレクションには、第三帝国、ユーゴスラビアの同盟者ウスタシャ、そしてジュネーブの共謀した銀行家たちによる、ホロコースト犠牲者からの資産の組織的略奪の詳細が記されている。ペジャ・シチッチの名前もあった。</p> <p> クロアチア独立国の財務官僚、デヤン・ブラゼビッチという男についても繰り返し言及されている。情報部がブレイゼビッチの写真を画像編集ソフトを使って彼が今どのような顔をしているかシミュレートした所、ニコラ・ゴスピッチ氏によく似ていることが分かった。</p> <p> ブラゼヴィッチは1945年に出国し、数年後にケイマン諸島に移住してゴスピッチの偽名を名乗った。すでにその頃から彼は富豪だったが、それはホロコーストで死んだユダヤ人たちから掠め取った金なのだ。シチッチの国外追放と裁判によって自分の正体、後ろ暗い過去が発覚することを恐れ、痕跡を隠すための非常手段を実行し始めたのだ。一連の襲撃事件とはそういうことだったのだ。</p> <p> ゴスピッチ自身について、彼の医療記録によれば末期の肝臓がんに蝕まれ、余命幾ばくもない。ケヴィン・スウィーニーが彼の心理プロファイルを見立て、誇大妄想気味で壮大な自殺のジェスチャーをするのに適した候補者だと言えると評した。</p> <p> </p> <p>Operation Briar Gate</p> <p> レインボーはケイマンに舞い戻り、証拠物を隠滅される前に迅速に、必要な武力を行使し、抵抗を排除してニコラ・ゴスピッチの屋敷を確保する許可を得た。連中はVX以外にもジフェニルクロロアルシンを保有しているようだ。</p> <p> </p> <p>Operation Talon Steel</p> <p> インターポール(ICPO)の捜査官がケイマン諸島からリオ・デ・ジャネイロへの化学薬品密輸の情報を入手したが、潜入が発覚しゴスピッチの配下に殺された。現在、地元警察がテロリストが国外逃亡を図るのを阻んで空港施設内に閉じ込めている。奴らは主に格納庫に陣取っている。押収された自家用機からは化学剤を散布するのに最適なエアゾール噴霧器も発見された。</p> <p> </p> <p>Operation Whisper Blade</p> <p> リオ・デ・ジャネイロの聖人を奉るフェスタ・ジュニータのパレードルート近くにあるカーディーラーのガレージ。ここで設計・施工されたパレードの山車から、沿道に集まる数十万人もの人々に向かってジフェニルクロロアルシンを撒く手筈であることが、インターポール捜査官がその命と引き換えにした情報で特定されている。ガレージ2階の会議室にはアルバロ・グティエレス自身が化学テロ作戦の最後の詳細を監督している。ブラジル政府は介入を快く思っていないようだが殺戮の実行までもう一刻の猶予も無い。レインボーはガレージを急襲し、グティエレスを生かして捕らえる。</p> <p> </p> <p>Operation Steel Rose</p> <p> エアゾール噴霧器を失ったゴスピッチは、より粗悪な散布方法に頼らざるを得なくなった。グティエレスのおおまかな自白によれば、山車の真ん中に爆薬を仕掛け、その周囲にジフェニルクロロアルシンを束ねた。起爆によって化学剤が都市の半分に広がる可能性があり、そうでなくとも爆風で2、3ブロック以内は全員死ぬだろう。</p> <p>もはやリオ一都市に留まるレベルの話ではなく、このようなイベントでの大規模テロが南米全体に与える影響の予測は少しも楽観的なものにならない。</p> <p> ネオ・ファシストのイカれた兵士たちは身の危険を感じればすぐに起爆スイッチを押すだろうし、また屋根の上や窓際にはスナイパーも配置されている。ケミカルボムの爆発を防ぎつつ、ホテルから事を見守るゴスピッチを排除しなければならない。</p> <p>難しい局面だったが、レインボーは見事やり遂げた。ゴスピッチの企みは悉く打ち砕かれた。</p>