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サイフォンフィルター - (2024/07/20 (土) 11:22:48) のソース
<p> 1994年12月、アメリカの製薬会社ファーコム社の研究室において、開発中の奇病のワクチンサンプルの組成をチェックしていた研究者は戦慄する。それは致死率100%の殺人ウイルスだった。</p> <p>翌朝、同僚が出勤すると研究室はすでにもぬけの殻であった。湯気を立てるコーヒーのサイフォンだけを残して…。</p> <p> </p> <p> "エージェンシー"と呼ばれるアメリカ政府の秘密機関の工作員、ガブリエル"ゲイブ"・ローガンとリアン・シンの2人は、エリック・ローマー率いる軍事テロ集団「ブラックバトン」を追っていた。</p> <p> コスタ・リカの農園にある麻薬工場と思しきブラックバトンの拠点に潜入調査していた仲間のエージェント、エリスと連絡が取れなくなった。侵入者を察知したローマーは、マーラ・アラモフにエリスを射殺するよう命じ、アントン・ギルドーにすべての証拠を焼却させた。ゲイブとリアンが送られた座標に近づくと、複数の銃声が鳴り響く。現場に到着すると、エリスや農園の労働者たちは死んでおり、テロリストはいなくなり、辺りは炎上していた。ゲイブは、ローマーが自分たちが来ることを知っていたことに気づく。そして、僅かに残った焼け跡から採取されたサンプルから、栽培されていた植物が麻薬の類ではないことも判明。</p> <p>それからゲイブとリアンはネパールで発生したアウトブレイクの調査に派遣される。 WHOの報告によれば未知の病原体は村から100マイル以内のすべての人を殺したという。</p> <p> </p> <p> SFV、サイフォン・フィルター・ウイルスは、本来は人間や動物に感染しないと思われていた植物性ウイルスの一種。南米やアフリカに自生する植物の細胞を未知のメカニズムで攻撃する。溶原性サイクルを介して人体のほとんどすべての細胞に侵入し、ウイルスが血液細胞に影響を及ぼすと、萎縮とアポトーシスが起こり、低血圧、頻脈、失神、顔面蒼白、および血液量減少を含むさまざまな症状を引き起こす。 赤血球からの酸素供給が失われると、まず低酸素血症が起こり、最終的には感染した組織が壊死する。 その結果、血管が壊死して出血が起こる。ほとんどすべての細胞を死滅させることができるこのウイルスは、医学的にはガンや特定の病気と闘う上である程度の有用性を示している。</p> <p> </p> <p>ステージ1 ジョージア・ストリート</p> <p> 時は過ぎ、ワシントンD.C.はサイフォン・フィルターを手にしたブラックバトンによるバイオテロの脅威下にあった。米陸軍化学生物防衛司令部(CBDC)はすでに現場に展開し、ジョージア通りの銀行内にヴァイラルボム(ウイルス飛散装置)があることを突き止めている。ゲイブは襲い来るブラックバトンのテロリストを退治してCBDC隊員による解除作業を援護する。ゲイブはパヴェル・クラヴィッチを仕留めて敵の通信機材を破壊後、続いて地下鉄駅に向かい、上層階で2つのヴァイラルボムを発見し、タグを付ける。下層階でもう1つを発見し、タグを付けようとしたとき、彼はそれがウイルスではなく、ローマーの逃亡を隠すために仕掛けられた爆発物であることに気づく。 タイマーがゼロに近づいたとき、ゲイブはすぐに爆弾から身を隠した。駅が引き裂かれ、そこを通過していた地下鉄車両がひしゃげて潰れる。</p> <p> </p> <p>ステージ2 地下鉄</p> <p> ゲイブは爆発を生き延びたが破壊された駅の下層階に閉じ込められていた。リアンから、ローマーが最後に目撃されたのは上層階で、地下鉄本線のトンネルに向かっているところだったと知らされる。ゲイブは炎と瓦礫を掻い潜ってなんとか上層階まで登り、トンネルへ進むと、そこで走って逃げる最中のマーラ・アラモフと遭遇する。ゲイブは列車をかわしながらマーラに追い付く。彼女を負傷させたが、意識を失う前に有益な情報を得ることはできなかった。</p> <p> リアンから、ワシントン・パークに派遣された先行チームが情報漏洩により待ち伏せされ殺戮されたとの一報を受け、ゲイブは気絶しているマーラをここに残し、ワシントン・パークに急行する。</p> <p> </p> <p>ステージ3 ワシントン・パーク</p> <p> ゲイブは公園内に仕掛けられた複数のヴァイラルボムをCBDC隊員が解除するのを支援、無線周波数を妨害していたホルヘ・マルコスを排除、雨が降りしきる公園の北端にあるフリーダム・メモリアルへと向かう。 そこで彼は、フルボディアーマー姿で火炎放射器で武装したアントン・ギルドーとともに、メインのヴァイラルボムを発見する。</p> <p> </p> <p>ステージ4 フリーダム・メモリアル</p> <p> 「ガブリエル・ローガン、能天気なやつだなあ!」ギルドーは記念碑に描かれているアメリカの戦争と侵略の歴史を批判し、我々が新たな歴史を刻むと主張するが、ゲイブはそれを否定する。</p> <p> ゲイブは誘爆の危険から爆発物を使用しないよう強制されたため、ギルドーの燃料タンクの弱点を見つけ、それを的確に撃って敵を装甲の内側から焼き尽くす。悶え苦しむギルドーを後目にローガンはその場を去った。</p> <p> </p> <p>ステージ5〜7 ニューヨーク</p> <p> 翌日、リアンはゲイブと直属の上司マーキンソン局長に、ブラックバトンのテロリストの血液から採取された植物性化合物がコスタ・リカでの任務中に発見された植物のそれと一致し、その物質はジョナサン・フェイガンが社長を務める製薬会社ファーコムが特許を取得していたことを報告する。ゲイブは、この会社がローマーに協力しているのではないかと推測するが、マーキンソンは、ファーコムについては副局長エドワード・ベントンがすでに調査済みだと答える。 しかしゲイブは、いずれもエージェンシーからの情報漏洩によるコスタ・リカとワシントン・パークでのミッション失敗を受け、ベントンに疑いの目を向ける。 マーキンソンはベントンを休職させるが、フェイガンとローマーの間につながりがあるかもしれないことには同意する。 ゲイブはエキスポ・センターで開催されているファーコム社のレセプションに派遣される。</p> <p> 前段はステルスミッション、中盤から銃撃戦。フェイガンがレセプションを出ると、ゲイブは黙って彼を尾行し、しばらくするとマーラとベントンが待っていた。ゲイブはリアンに、ベントンがエージェンシーのリーク元であることを確認する。ベントンはフェイガンに計画が変わったと告げる。</p> <p> ベントンがフェイガンが盗聴器を付けられていることに気付くと、フェイガンは逃げ出す。ゲイブは残ったベントンを射殺し、追って先へと進む。リアンは恐竜の展示室でマーラがフェイガンに銃口を突きつけて尋問しているのを発見する。サイフォン・フィルターの研究所は何処だと。ゲイブは恐竜の展示室に突入してマーラを無力化し、フェイガンはその隙に逃げ果せる。</p> <p> </p> <p>ステージ8〜11 カザフスタン</p> <p> エキスポ・センターでの作戦から1週間後、マーキンソンはベントンが二重スパイとして行動していたのは以前から知っていて、ゲイブとリアンには秘密にしていたと明かす。その間にフェイガンは姿を消し、暗号化されたデータからファーコム社のウイルス研究所の場所はまだ特定できていない。 マーキンソンはゲイブに、ブラックバトンの基地がカザフスタンで発見されたと伝える。</p> <p>ゲイブは基地の外周に降下し、補給トラックの下に潜り込む。 そしてミサイル・バンカーに向かい、燃料タンクにC4を仕掛け、動体検知セキュリティシステムを停止させ、警備主任ヴァディスラフ・ガブレックを排除する。 バンカーに入ると基地は警戒態勢に入るが、ゲイブは任務を続行し、SS-23弾道ミサイルの存在を確認する。そして、基地の対空レーダーを無効にするために屋上へと向かう。 リアンはゲイブに、自分が発見されてしまい、被弾したことを伝える。そのままローマーに捕らえられて殺されてしまったようだ。攻撃ヘリが送り込まれるが、ゲイブはこれと戦い撃墜した。ゲイブはC4爆薬のタイマーを作動させ、リアン死亡をマーキンソンに知らせる。</p> <p> </p> <p>ステージ12〜14 ウクライナ</p> <p> 6日後、ゲイブはマーキンソンからサイフォン・フィルターについての報告を受ける。それは遺伝的にプログラムされ、特定の人物や集団だけを選択的に殺すことができる画期的な生物兵器だった。マーキンソンはゲイブに、エージェンシーはウイルスを製造していたファーコムの研究所を発見し破壊したが、DNAの塩基配列を決定するコンピューターの場所を知っているのはフェイガンだけだと告げる。マーラ・アラモフはあれから勾留施設から逃亡し、ローマーの行方も不明だが、フェイガンの居場所は把握しており、今はブラックバトンに捕らえられ、奴らがウイルスの実験台として囚人を監禁しているウクライナの大聖堂に収容されているという。ゲイブはマーキンソンに、リアンの代わりは要らないと言う。</p> <p> マーキンソンはゲイブを大聖堂の屋上で降ろし、エージェンシーの研究部門が開発したワクチンを被験者に注射し、その場にいるローマーの医療関係者を皆殺しにするようゲイブに指示する。ゲイブは、ここに何故かWHOの輸送コンテナが大量にあるのは大きな計画の表れだと指摘するが、マーキンソンはゲイブに気を散らすなと言う。</p> <p>カタコンベ(地下墓地)にたどり着いたゲイブは、ローマーが囚人の処刑を命じたことを耳にする。 看守は独房を開け、フェイガンに注射を打つ準備をする。看守を撃って前に立ったゲイブにフェイガンは命乞いをし、シークエンシング・コンピューターはカザフスタンの倉庫街の地下にある放棄されたサイロにあると告げる。マーキンソンはゲイブに、回収地点にフェイガンを連れて行くように指示する。</p> <p> フェイガンはゲイブにリアンが実は生きていることを告げ、逃がしてくれればゲイブを彼女の独房に連れて行くと申し出る。ゲイブはショックを受けるが、リアンが生きていることに安堵する。リアンはゲイブに、自分がサイフォン・フィルターに感染させられたことを告げる。 ゲイブはエージェンシーにはワクチンがあると安心させようとするが、リアンは、遺伝子プログラムされたウイルスごとに固有のDNAロックとキーがシーケンシング・コンピューターから必要なため、万能ワクチンは存在しないと告げ、「エージェンシーがすべてを破壊する前に」そこに行く必要があると言う。 ゲイブはマーキンソンの欺瞞に気づく。出口に着くと、フェイガンがマーラに撃ち殺されていた。マーラはゲイブとリアンに、ローマーを止めなければ全員が死ぬと言い、ヘリコプターに乗せてカザフスタンに連れて行く。</p> <p> </p> <p>ステージ15〜17 76番倉庫</p> <p> ファーコム社の倉庫に到着したゲイブ、リアン。どういう訳か協力的なマーラは、メインフレームコンピューターには76番倉庫の地下にある採掘トンネルを通らなければアクセスできないと告げる。ゲイブは倉庫を通り抜け、精鋭部隊が守備する複合施設を進んでいく。道中R-9デヴヤトカの出荷目録に出くわす。引退した弾道ロケットで、ゲイブはローマーのサイフォン・フィルター計画の一部ではないかと疑う。 リアンはゲイブにマーキンソンと連絡が取れないと話す。76番倉庫の入り口に着くと、数人の擲弾兵に襲われる。 彼らのグレネードは入り口の外にある一連の燃料タンクを破壊し、倉庫地区全体を巻き込む大火災を引き起こす。 リアンは、ゲイブがウクライナの被験者に注射するために与えられた血清には、致死注射に使われる濃塩化カリウムが含まれており、マーキンソンはゲイブに被験者を殺させるために注射させていたのだ。ゲイブは燃え盛る倉庫に駆け込み、エレベーターに乗る。</p> <p> </p> <p>ステージ18〜19 坑道</p> <p> ゲイブは洞窟に入り、すぐにローマーの部下と交戦状態になる。レーザー・セキュリティによって行く手が遮られ、マーラはレーザーを無効にする唯一の方法はトンネルシステム全体の電源を切ることだと言う。電源室にたどり着いた彼は、電源を切る方法を見つけられず、代わりに発電機に過負荷をかけようとして大爆発を引き起こした。</p> <p> </p> <p>ステージ20 ミサイルサイロ</p> <p> サイロに入ったゲイブは、発射準備が整ったデヴヤトカ・ミサイルを発見する。発射のカウントダウンが進行中だが、リアンはゲイブに発射を阻止することはできないが、起爆コードを手に入れることができれば、ミサイルを飛行中に破壊することができると言う。昇降リフトの目の前にマーキンソンが立っていた。ゲイブはいつからローマーと組んでいるのかと尋ねる。マーキンソンはコスタ・リカでの任務の後、エージェンシーのためにウイルスを調達したいと考えたと説明する。ゲイブが、それならこのミサイルはなんだと尋ねると、ローマーが現れ、マーキンソンを射殺し、ミサイルは自分のアイデアと告げる。</p> <p> 標的は何処だと尋ねるゲイブにローマーは事も無げに何処でも構わんだろうと言う。リアンはゲイブに、ミサイルを破壊しなければ世界規模の戦争になると告げる。ゲイブはメインフレームに辿り着き、ミサイルの爆発を引き起こし、サイフォン・フィルターのDNA配列データをダウンロードし始める。自身の計画を台無しにされて怒るローマーがフルアーマーに身を包みグレネードランチャーを持ってゲイブと対峙する。 ゲイブは神経ガス弾の入った木箱を見つけ、最終決戦に臨む。ローマーは毒の雲に包まれて倒れ、呆気なく絶命する。</p> <p> ゲイブはリアンと合流し、CDBCが現場を封じ込めるために到着する中、リアンはゲイブに、ローマーとフェイガンが死んでこれからどうなるのか、マーキンソンとサイフォン・フィルターとの関わりは本当は何を意味するのかと尋ねる。 ゲイブは、マーキンソンが死んだ以上、全貌はわからない、真相は闇の中だと肩を落とした。</p> <p>スタッフロールの後、マーラと影に包まれた謎の男が「よくやった。計画通りだ…」と談笑して終わる。</p> <p> 海外ではヒットし、それなりに評価され、続編が数作リリースされたが、日本ではこの一作しか発売されなかったため、真相は本当に闇の中になってしまっている。</p>