チェンジ・ザ・ワールド☆
歯車.1
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歯車
高校の入学式の前日、偶然訪れた教会。
幼い頃、兄である琥一と、幼なじみの少女の3人でよくかくれんぼをした。
あれから随分と経ったが、こうしてたまにこの教会に来てはあの頃の事を思い出す。
引っ越してしまったあの初恋の少女は元気だろうか? 無性に会いたくなる気持ちで足を掛けた煉瓦の壁の向こう、琉夏は我が目を疑った。
人の気配に羽ばたいて逃げて行く鳩の隙間に見えた、教会の前に立っていた少女。
まさか、また、会えるなんてーーーー
偶然の再会から、琥一と琉夏、そして少女の3人は同じ高校に通うことになった。辛い事が多すぎて、いつも自分を追いつめていた琉夏にとって、少女の存在はとても大きかった。
だが、そう感じていたのは自分だけではなかった。
どこからか狂いはじめた歯車は、琉夏と少女の関係をピタリと止めてしまった。
たまに琥一と少女が2人で学校から帰る姿を見かけた。同じ家なのだから一緒に帰ってもいいだろうに、兄の琥一は少女といる時、自分にも見せた事の無いような嬉しそうな顔を少女へ向ける。
あの頃と変わらない少女への気持ち。琉夏だけでない、それは琥一も同じ。ーーーいや、琥一はずっと兄だからという理由で我慢をしていた分、少女への想いは琉夏よりも強かったのかも知れない。
かくれんぼをする時も必ず鬼になってくれていたし、転校してクラスメイトにいじめられた時も助けてくれた。大きくなってもそれは変わらず、どんなわがままを言っても「うるせぇ」だなどと悪態をつきながら琉夏に付き合ってくれた。
そんな優しい琥一が、また自分の所為で気持ちを押し殺してしまうのではないか。そう思うと、急に不安になった。
そして琉夏は気づいた。ならば最初から自分が身を引けばいいのだ。他の男なら御免だが、琥一なら安心して少女の事を任せられる。
「いつまでも助けられっぱなしじゃ、格好悪いよな。お兄ちゃん……」
少女との約束で出かける琥一の後ろ姿をWEST BEACHの窓から見送って、琉夏は止まった歯車を自分でがんじがらめに結んだ。
もう、二度と解けないように。
続く…
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お帰りの際は、窓を閉じてくださいv
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