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チェンジ・ザ・ワールド☆
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チェンジ・ザ・ワールド☆

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 城内のユウキの部屋。目の前にいる約一月ぶりに会うユウキは、少しやつれていた。


「フレン、元気そうね……」

「隊長は少しお痩せになったようですね。でも、またお会い出来て良かった」

「ふふ。スクワントの皆は元気?」

「はい。カイ隊長がいるので」

「やっとカイも隊長ね。私より年上だし、実力もあるのにずっと副隊長だったから」


 困ったように笑うその顔に、フレンはほっとした。


「隊長のエアル抑制装置は外されました」


 スクワントを発つ前、帝都から派遣された魔導士達とエアルの泉に関しての会議があった。

 そこでの議題は今後のエアルの放出量についてだったが、まだ調査の途中で断言出来る材料が乏しいらしく、魔導士が造ったものではないブラスティアに頼り続けるのも危険と判断し、帝都が魔導士を常駐させる事でブラスティアの解除が決定されたのだ。

 ユウキのブラスティアが設置されてからはエアルが大量発生する事はなかった。今後は状況を見ながら対応するらしいが、果たしてそれで大丈夫だと言えるのだろうか。不安が付きまとう。


「まあ、仕方ないわね。研究報告書があっても私はただの騎士だもの。魔導士がヤバイって言ったらそっちが正解なのよ。餅は餅屋」

「そうでしょうか……。隊長のブラスティアは問題なく作動していました、まだ取り外す必要はなかったのではないでしょうか」

「あのね、何かあってからじゃ遅いのよ。作った私がいいって言ってるからいいの。それと、私は今隊長じゃなくてアレクセイ閣下直属の護衛騎士よ。だから隊長はやめて頂戴」

「え? で、ですが……」

「それから、私は2年後、少なくとも3年以内に必ずあなたを騎士団長の座に就かせます」


 ユウキの口から出た言葉に驚く。

 今、フレンの聞き間違いでなければユウキはフレンを数年後に騎士団長にすると言っている。


「急に何をおっしゃるんですか? それは、どういう事ですか?」

「帝都を……国を変えたいのでしょう?」

「はい」

「あなたはこの国を変える事の出来る力を持っている。私が今まで培ってきたものをすべてあなたに叩き込みます。上の連中に信用され、納得させられるだけの結果を出しなさい。その間に私は私に出来る事をやる。いい? あなたがこの国を変えるの。そして、あなたがこの世界を守るの」

「世界を守る……」

「そう。突拍子も無い話しだと思う? シドンタリアやスクワントでの事は、これから起こる何かの始まりにすぎないわ」

「何があると言うのです?」

「それはまだ分からないーーー。いい、フレン。あなたはこの帝都で走り続けなくてはいけない。上を目ざして、ただひたすらに。世界の法と秩序を正すの」

「正す?」

「人間が作った法や秩序は必ずほころびがある。生活をする上で確かに必要なものだけど、絶対に正しいと決めつけないようにしなさい。正しい心で、公平な目で見て判断をしなさい」

「法や秩序が絶対ではないとおっしゃるのですか?」

「あなたも見たはずよ。ナイレンの死は無駄だったなんて思っていないでしょう? 何が正しいのか、あなたは分からなくなった。違う?」

「ーーー」


 何も言えなくなり、フレンは俯いた。


「顔を上げなさい。私には世界を守るような力はない。でも、あなたと共に戦う事は出来る」

「隊長……」


 ユウキの言葉はとてつもなく重かった。

 自分がやるべき事が何かきちんと理解して決意したはずなのに、こうして言葉にされるとその重さに圧倒されそうになる。

 国を変え、世界を守る。

 そんな事を本当に自分はやろうとしているのか。そして、そんな事が本当に自分に出来るのだろうか。


「強くなりなさいと言ったはずよ」

「!? はい!」


 揺らぐ事無く真っ直ぐにフレンの目を見つめるユウキに、フレンは力づけられた。

 出来る。

 ユウキが背中を押してくれるなら自分にも出来ると、そう思えた。


「まずは私の事を隊長じゃなくて名前で呼ぶ練習からね」

「え?」


 急にいつもの調子に戻ると、ユウキは楽しそうに言った。


「はい、どうぞ」

「え? あの……オレスカ……隊長」

「ブブー。駄目です。オレスカも隊長も却下」

「では何とお呼びすればいいんですか?」

「はい、もうひとつブブー。敬語も駄目。騎士団長になろうという男が、堂々として無くてどうするの」


 もう、ユウキの言う培ってきたものを叩き込まれはじめているようだ。

 フレンは意を決した。


「では……ユウキ」

「はい。よく出来ました。これからもよろしくね、フレン」

「はい」


 笑顔で手を差し出したユウキの手を握り返し、フレンは微笑んだ。









〜〜〜〜








 その2年後、フレンはユウキの言葉通り、騎士団長となる。

 各地で起こり出したエアルの異常、そして何者かによるブラスティアの破壊。その調査のため、フレンは部下を連れて帝都を出発した。

 ユウキが働きかけたおかげで20歳という若さでの異例の出世となったが、そのユウキはフレンの事を快く思わない元老院や貴族たちに無実の罪を着せられ、帝都から追放された。

 探し出そうにも誰もユウキの行方を知らないと言う。

 さらにはスクワントを帝都は放棄し、騎士達を引き上げさせた。

 エアルの異常発生は無くなったものの時折濃度の濃いエアルが発生し、その影響で海の魔物が増え、航路を使った交易が難しくなったのだ。

 自然と町の人間もスクワントを離れ、まさにシドンタリアと同様の状況となった。

 帝都へ引き上げてきたカイ達とフレンは会い、話す事が出来た。その時もユウキの事を頼むと言われたのに、そのユウキの行方が皆目見当もつかない。裁判記録を閲覧しようにも極秘情報扱いとなっており、限られた人間にしか見る事は敵わなかった。


「ソディア、例の件はどうなっている?」


 茶色い髪の若い女性騎士に尋ねる。


「申し訳ありません、まだ……」

「分かった。悪いがそちらも平行して調べを進めるように」

「はいっ」


 馬の手綱を引き、フレンは遠く空を仰いだ。


「ユウキ、どこにいるのですか? どうしてあなたが幽閉されなくてはいけなかったのですーーー」


 世界を揺るがす何かが起こりはじめている。急がねば。




 END  2012.04.26


ちょっと長い =あとがき=

終わりましたーーーーーーー!!!!!
本当に、こんな『個人で楽しめばいいんじゃね?』なお話に最後までお付き合い下さってありがとうございましたっっっっ!!!!
なんて優しい人だ!! いい人すぎます! これを読んでくださっている方!!!
CSで映画「テイルズオブヴェスペリア ~ザ・ファーストストライク~」を見てから何ヶ月? やっと書けました。
ゲームもまだ最初の最初までしかやっていないので、全然内容知らないんですよw
なので、全部こうだったら面白いかな? 程度で書いているので、詳しくご存知の方はごめんなさい…
でも、フレンがどうやって騎士団長になったのか、その経緯を書いてみたかったんです。。
フレンはシドンタリアの事件があって、すごく心が揺れたと思います。その揺れた心をどうやって真っ直ぐにしたのか。とか、騎士団に残ったのは何故か。とかね。本当はお父さんの事とかで騎士という仕事への誇りと憎しみがあると思うんですけど、これもまだゲームやってないから分かんない(笑)
その辺も書けたら良かったと思うんですけど、取りあえずこんな感じで?
ゲームをそのうち進めたらまた何か違う形でお話を書くかもしれません。フレンとユーリの表と裏、光と影という、それぞれの心の葛藤とかね。
2人とも損な性格だと思いますよ。もっと楽な道を探す事も出来るのに、正義感が異常なほど強いですよね。
だから、世界を守る。というキザなセリフも出せる訳で……そういう大義名分をもらわないと、ぐらついちゃうんです。だって子どもですもの。世界を救う救世主なんですもの。
フェドロック隊長の死だけでは、ちょっと押しが足りないかな? と思って、ユウキ隊長を作ったんですけど、うまく本編と混ざるかな~?
ユーリと似た女の人を出したかったんで、名前も似た感じでユウキにしちゃったけど、安直すぎたかな?ww ゲームを進めて行くのが楽しみです。
ということで、ちょっと長いあとがきまでお付き合いありがとうございました!!
ユウキとユーリの出会い編も書いたので、そのうちアップしたいと思います!






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