無題
「先に行ってるぜ」
そうは言ったものの、まさかこのような場所に来ることになろうとは…。
一通り自身の境遇を皮肉った後、男は考えた。
仮面の男に集められた際見かけた友の事、
友との再会を待っているであろう人の事、
そして、二人の為に今の自分の成すべき事を…。
贖罪・・・
其れが答えだった。
其れが男の決意だった。
何を犠牲にしても果たさねばならない誓いだった。
このゲームが何であろうと、自分には関係ない。
二人に借りを返す。それがすべてだ。
男は目を開き動き出した。
与えられた機体に関しては大体把握している。
パーツのパージも出来るようだが、今の状態での武器は、
強力なフィールドを生かした体当たりのみ。
自分に対するあてつけかとさえ感じる武装である。
操作方は違えど、何とかなる範囲だ。
後は、状況に応じて最善を尽くすのみ…。
「待っていろ、ミュン。奴だけはお前の元に…」
強面の顔を更に引き締め最後に男は付け足した。
「この命に代えても…」
【ガルド ゴア ボーマン搭乗機体:高機動型ブラックサレナ(劇場版ナデシコ)
パイロット状況:良好
機体状況:良好
現在位置:F-1から南下中
第一行動方針:イサムの障害の排除(必要なら、主催者、自分自身も含まれる)
最終行動方針:イサムの生還】
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第74話「黒の交錯」 |
最終更新:2008年05月29日 02:52