無題


「これからどうするかな?ラトゥーニ君」
協力しあうと言っても二人ではまだかなり危険である。ここは仲間を捜す必要がある。
「一刻も早く味方を見つけるのが先決だと思われます」
ラトゥーニはそう提案したが、無論タシロもそのことは十分わかっていた。
「確かにその通りだ。ラトゥーニ君しかし、この場所はいささか目立ちすぎる。北の方にあるビル群に
 いったん身を隠て今後について話し合おう。」
その提案は至極当然のものであったが、そこにまっていたのは・・・

B-1地点
ビルに隠れて今後どうするかを話し合っているとレーダーに反応があった。
「タシロさんレーダーに反応有りです。どうしますか?」
ごく自然の流れで上下関係ができていた。年が離れすぎているので仕方はないが。
話が脱線したので話を戻そう。
「機体はゆっくりこちらに向かって来ているようだね。ひとまず近づいて接触してみようか。」
このゲーム、言ってみれば周りは全部敵、接触を図ろうなぞ、本来はおかしな行動であるが、
主催者に反感を持っている物がかなりいそうなので、協力に応じてくれるものがかなりいると踏んで、いったん話しかけて、
敵対の意志がなければ仲間に勧誘するのが、先ほどまで話し合って決めたことである。
反応のあった機体に近づいてみると、先に向こうから通信が入った。
「私はゼオラ、ゼオラ・シュバイツァー。あなたたちはアラドと言う少年に出会いましたか?」
(いきなり攻撃するより、話しかけて情報を集めた方が得策よね・・・)
この子は味方になるかもしれない。幸い今のところ攻撃の意思はないと見たので、ラトゥーニと相談
しようとしたら、ラトゥーニが既に通信に応じた。
「ゼオラ!ゼオラなの?私よラトゥーニよ。アラドを探してるの私も一緒に探す。」
(ラト!この子もいたの!さっきは気づかなかったわ・・・ラト、ごめんね。)
知っている人物にあったのがよほどうれしかったのかタシロの前では見せなかった。年相応の笑顔で
通信に応じていた。ゼオラにも笑顔があった。
「わかったはラト、あなたたちに協力する。でも、よかった、あなたに早くあえて、あえてなかったら
 私はアラドにあうまでにいったい何人の人を殺すかわからなかった。」
(アラドにあって、アラドを絶対守ってみせる。何を犠牲にしてもあなたを守る!!)
その台詞は自信過剰に思えるがスクール出身の自分の能力と機体性能から考えれば、ごく当然の台詞だった。
「ゼオラ君といったね、これからよろしく頼むよ。」
タシロも笑顔で銀髪の少女を歓迎した。
「ゼオラ、一緒にアラドを見つけよ。絶対あえるよ。」
ラトゥーニもいままででになかった元気が勇気がわいてくるようだった。
「ええ、ラト、アラドを見つけてあの仮面の野郎の顔面にパンチを見舞いしてやるんだから、絶対こんなゲームぶちこわしてやる。」
(利用できるも何でも利用する!!それがあいつのためだもの・・・)
三人は決意を新たに更なる仲間を捜すのだった。

(ラトごめんなさいね。あなたに恨みはないけどアラドのため
 そうアラドのためにこのゲーム勝ち抜いてみせる。裏切りの汚名だってあなたのために喜んで被るわ・・・)





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第29話「美少女と親父 ラトゥーニ・スゥボータ 第77話「不信と決意
第29話「美少女と親父 タシロ・タツミ 第77話「不信と決意
第36話「冥王と木星帰りの男? ゼオラ・シュバイツァー 第77話「不信と決意


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最終更新:2008年05月29日 03:31