接触


キラ・ヤマトは焦っていた。現在地の廃墟地区は隠れ場所は多いが、同時にどこから敵が現われるかわからない。


そこで彼は北上し、とりあえず廃墟地区から抜け出そうとした。地図が正しければ見晴らしのいい草原地帯の筈だ。

見晴らしがいいと言う事はリスクも少なくはないが今は一刻も早く廃墟地区から抜け出したかったのだ。


しばらく進んだところで進行方向より地響きを感じ、近くのビルに身を隠しその地響きの方向を見る。
その方向にキラは自機の数倍の巨大さを持つ重戦車型の機体、そしてその上に仁王立ちする巨大人型兵器を見た。

「大きい、何だあれは・・・」


その巨大戦車型兵器は進行方向の廃墟をキャタピラで曳き潰しながら移動していた。
そのパイロットが上に乗っている人型兵器のパイロットに通信を入れる。


「おい、鉄也」 

「何だボス」

「なんで飛ばないでダイタンクで移動しなきゃならねぇんだ?」

「もしこの付近に狙撃を得意とする機体がいれば飛んでいる巨大機なんて格好の的だ。
 それにその戦車形体はその機体の最も射程距離の長いキャノン砲を最も有効に使える形体だ、それに戦略的に見れば」

「あーもういい、わかったわかった!じゃあさ、なんで北なんて目指してんだ?」

「特に理由は無いな、ただ地図によると現在地から島の端に最も近かったから目指しているだけだ」

「ふーん、鉄也も以外と適当なんだわね」

「・・・!!」

「じょ、冗談だわよ。そんなに怒らなくても」

「そこのビルの影に隠れている奴、何者だ!」


鉄也は後方より気配を察知した鉄也はスピーカーで叫んだ。

(気付かれた、どうする?)

姿を現わし敵意が無い事を伝えるか。しかし相手が好戦的だとしたらその方が危険か、と思考した刹那


「うっ!」

「やったか?」

鉄也は赤と青の交じりあった光線、ザウルガイザー(恐竜噴射線)を発射し、
キラが身を隠していたビルと周りの廃墟をまとめてなぎ払った。

キラは咄嗟に身を動かし避けたが、パイロットの動きを直接フィードパックする、
モビルトレースシステム搭載のゴッドガンダムで無ければ今頃一緒に蒸発していただろう。

(警告も無しに撃つなんて!)

キラはバーニアで2機の前に姿を見せ、大きく手を広げた。

「やめて下さい、こちらに敵対の意志はありません、こちらの名前はキラ・ヤマト!無意味な殺しあいは望んでいません!」


「お、おい鉄也、どうするんだよぉ?」

(ザウルガイザーを撃ちこんだ場所から一瞬で目の前に現われたか。機動力はかなりのもののようだ、どうするか・・・?)

【剣鉄也 搭乗機体:ガイキング(後期型)(大空魔竜ガイキング)
 パイロット状況:問題無し
 機体状況:損傷無し
 現在位置:D-2に近いD-3
 第一行動方針:眼前の機体の安全性を確認
 第二行動方針:眼前の機体の排除
 最終行動方針:主催者打倒】
【ボス 搭乗機体:ダイターン3(無敵鉱人ダイターン3)
 パイロット状況:問題無し
 機体状況:損傷無し(ダイタンク形体)
 現在位置:同上
 第一行動方針:眼前の機体の安全性を確認
 第二行動方針:眼前の機体を出来れば仲間にしたい
 最終行動方針:主催者の打倒】

【キラ・ヤマト 搭乗機体:ゴッドガンダム(機動武道伝Gガンダム)
 パイロット状況:やや混乱気味
 機体状況:損傷軽微、問題無し
 現在位置:同上
 第一行動方針:自分の安全の確保
 第二行動方針:考えていない
 最終行動方針:生存】





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最終更新:2008年05月29日 03:41