天才科学者再び
確かにあの戦いの後自分は秋津マサトの人格に統合されたはず・・・・
しかし、気付けば彼はあの部屋にいた。別に「秋津マサト」のこの体がここで朽ちても問題はない。
なぜならばもうひとつの自分である「幽羅帝」により自分の計画を完了されるだろう。
ふと彼は自分の横に置かれた機体を見上げる。目を通したマニュアルによれば「レイズナー/強化型」というらしい。
これによって殺し合いをしろ、ということなのだろう。確かに命は惜しくないし、クズどもを掃除するのに躊躇はない。が、
「あの男の言うままに動くのも癪だな・・・・・」
彼とてすべてに策謀をめぐらせ、すべてを手の上で躍らせてきた人物・・・・木原マサキである。
その自分が他人の思い通りに動く、この一点がもっとも気分が悪い。
しばらく横になって空を見上げていた彼はまるで買い物をちょっとしてくるかの口調で言い放った。
「奴をとりあえず殺すとするか」
首輪さえ解析できればあとはこっちのもの。あとはゼオライマーほどでないにしろ強力なロボに乗り
利用できるクズどもを率いてあの戦艦を潰せばいい。
「やるべきことは・・・使えるクズの回収と使えないクズの処分、首輪のサンプルの入手か・・・
そのためにこいつを使えるようにしなければな」
レイズナーと呼ばれる機体に乗り込んだ彼はマニュアルを一読し、OSなどをどんどん書き換えていく。
「む、レイとかいうAIだけではないのか・・・?」
最適化を行う最中、通常では使用不可の直結型の駆動AIを見つけたマサキは強引にそのAIを起動した。
「私の名はフォロ・・・」
簡単な説明がなされる前にAIを削除、システムのみを変更していく。
「これで5%ほど反応速度があがったな・・・マニュアルには書いていないが・・・VーMAXか・・・・
これは一時的とはいえ大幅な速度上昇と攻撃上昇が望めるな・・・あとはカーフミサイル3発のの弾頭を閃光弾入りの
チャフグレネードに変えて・・牽制用のライフルの出力を下げて・・よし」
彼がすべての設定を終了し、戦闘シュミレータになじみだしたころ、遠くで爆発音がした。
「首輪のサンプルは生身の奴を殺せばいい・・・使えるクズ、使えないクズ、どっちのクズかは知らんが行くとするか」
「いくぞレイ!」
「READY」
【木原マサキ 搭乗機体:レイズナー/強化型(蒼き流星レイズナー)
現在位置:C-5 (シュウの方向ヘ移動中)
第一行動方針:クズの選別、首輪のサンプルの回収
第二行動方針:つかえないクズは殺す
最終行動方針:ユーゼスを殺す】
最終更新:2008年05月29日 04:00