復讐するは我にあり ◆Ujakh5O.Yc



無限パンチによってプルのガイアガンダムはE-1の北端の光の壁近くまで吹っ飛ばされた。
衝撃に目を回していたプルはガイアガンダムを動かせず海に落ち、宇宙育ちで海に入った事のないため軽いパニックになって必死に機体を動かしていた。
どの方向に向かっているかもわからないまま水中を進んで陸に上がった時にはもう光の壁を越えていた。
今ガイアガンダムは会場の南、E-7からE-6へと移動したところだった。

「ヤマダのおじちゃん、どこだろ。どっちに行けばいいのかなあ」

北と東に大きい端があり、西に行けば雪原に入る地点の林の中でプルはガイアガンダムを止めて迷っている。
基地に行くにはもう一度光の壁を抜ければいいのだがプルはいまいち自分がどうやってここに来たのか理解していなかった。
初めての暗くて動きにくい海中に混乱していたから、光の壁を抜けたら地図の逆側に出るということがわかっていないのだ。
地図を見て基地の位置を把握し、プルは北に向かおうと決めた。
変形したガイアガンダムが北に向かって走り出す。
数分走ると橋と大きな川が見えてきた。

「あうっ!」

橋を渡ろうとした時、ガイアガンダムはプルの考えていなかった衝撃を受けて転倒した。
その前に空から人影が降って来る。

「ほう、砕けなんだか。中々しぶといではないか」

眼帯をした下着姿の男、名を衝撃のアルベルト。BF団の幹部、十傑集の一人だ。
アルベルトは一つ大きなくしゃみをすると、ガイアガンダムに向かって歩きだした。

「雪原はどうにもやりづらかったが、ここなら話は別だ」

服はないが、雪原を抜けたためもうアルベルトの調子は良くなっていた。
その両腕から次々に衝撃を放ちガイアガンダムを翻弄するアルベルト。
フェイズシフト装甲が作動していたからすぐに破壊されたりはしないものの、ガイアガンダムのエネルギーはどんどんなくなっていく。
プルはなんとかガイアガンダムを立ち直らせ、悠々と歩いて来るアルベルトにビームライフルを向けた。

「もう、何なのさ!消えちゃえ変態!」
「甘いわぁぁぁぁ!」

だがビームはアルベルトを消し飛ばす事は出来なかった。
足の裏から衝撃波を出して飛びあがったアルベルトは、ガイアガンダムの頭上から特大の衝撃波を放った。

「きゃあああっ!」

アルベルトを見失ったプルはまったく警戒していない方向からの攻撃を受け、吹き飛ぶ。
巨大な橋が衝撃に揺れて、地盤が砕けて海中へと落ちていく。
吹き飛んだガイアガンダムが止まった時、その装甲は黒から灰色に変わっていた。
フェイズシフト装甲がダウンしたのだ。

「うう……」
「色が変わった?動力が落ちたという事か。ふん、興ざめだな」

最初に会ったバリアを持つロボットほどの歯ごたえはなかったと、アルベルトは憤った。
もう動かなくなったガイアガンダムにとどめを刺そうとアルベルトが右手を振り上げる。

「……ぬっ!?」

しかし、衝撃波を放つ寸前でアルベルトは再び高くジャンプした。
手からではなく足からの衝撃波によって。
くるりと回って着地するアルベルト。その視線の先にはガイアガンダムではなく、新たな機体が現れていた。

「そこまでにしてもらおうか。戦う力のない者にとどめを刺そうとするのなら俺が相手をしよう」

ピンク色のやや小型の機体、テンカワ・アキト専用のエステバリスカスタムだった。
水中を移動していたギリアムは、アルベルトが放った強烈な衝撃波を察知して陸に上がってきたのだ。
彼が予知したのは横たわる黒い機体を庇いながら戦う自分の姿。
予知の通りそこには機能停止した機体と、驚くことに生身の、しかも下着一枚の人間がいた。
「敵」はその生身の人間だったらしい。

「ほう……いい度胸だな、若造。このわしとやり合おうというのか」
「お前が攻撃を止めないというのならそうするだけだ」

アルベルトは指の骨を鳴らし気を引き締めた。
ギリアムから伝わって来る気迫に、手を抜いて対処できる相手ではないと悟ったのだ。

「フフフ……貴様、中々やるようだな。わかるぞ、その隙のない構え。わしの前に立つだけの資格はあるようだ」

楽しそうに笑うアルベルトにギリアムは戦慄する。
本気で戦うつもりらしい、生身でこのエステバリスと。
ギリアムはアルベルトをアルフィミィと同じアインスト、もしくはそれに近い人外の存在であると本能的に悟った。

「わしはBF団十傑集が一人、衝撃のアルベルト!貴様の名は何と言う?」
「ギリアム・イェーガーだ」
「イェーガー……狩人か。ふふん、どちらが狩られる獲物か教えてやろう!」

不意を突いてアルベルトが衝撃波を放つ。
ギリアムはその攻撃を前もって予知しておいたため危なげなく、かわす。
反撃のハンドカノン。だがアルベルトもまた、抜群の機動性によってギリアムの攻撃を寄せ付けなかった。

「ぬっ……やるな!」
「やはり人間ではないか……!だが!」

アルベルトはギリアムを強敵と認め、ギリアムはアルベルトをアインスト以上の化け物だと認識した。
そして激突する二人のそばにいたガイアガンダムの中で、プルは気絶から立ち直っていた。
外の光景を見てプルは驚いた。

「ど……どうなってるの?」

その声はアルベルトにもギリアムにも届かなかった。



【エルピー・プル 搭乗機体:ガイアガンダム(機動戦士ガンダムSEED DESTINY)
 パイロット状態:良好
 機体状態:多少の損壊。フェイズシフト装甲がダウン
 現在地:E-6平原
 第一行動方針:どうなってるの?
 最終行動方針:なんでもいいのでおうちに帰る(正直帰れれば何でもいい)
 備考:名簿は見てなく、ジュドーがこちらにいることに気づいてません】


【ギリアム・イェーガー エステバリスカスタム・アキト機(機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-)
 パイロット状況:良好
 機体状況:損傷軽微、EN消費(小) スクリューモジュール、メガ・プラズマカッター装備
 現在位置:E-6平原
 第1行動方針:衝撃のアルベルトを倒す
 第2行動方針:G-7施設で合流する
 第3行動方針:仲間を探す
 第4行動方針:首輪、ボソンジャンプについて調べる
 最終行動方針:バトルロワイアルの破壊、シャドウミラーの壊滅】


【衝撃のアルベルト 搭乗機体:なし
 パイロット状態:下着一枚しか着ていません
 現在地:E-6平原
 第1行動方針:ギリアムとプルを倒す。
 第2行動方針:他の参加者及び静かなる中条の抹殺
 最終行動方針:シャドウミラーの壊滅
 備考:サニーとのテレパシーは途絶えています】


【1日目 13:30】



「カナード・パルス、待ってくれ。君達と話がしたい」
「貴様……イスペイルだったか?」

E-7海上を飛んでいくガンダムXディバイダーに追いついたヴァルシオーネR。
ガンダムXディバイダーは手の上に自力で飛行できないシリウスのパワーライザーを乗せていた。
パワーライザーを落とさないように低速で飛ぶガンダムXディバイダーにヴァルシオーネRはすぐに追いついた。
ビームライフルを構えるカナードだが、イスペイルはさっきと同じように敵意はないと言ってきた。

「何故貴様がここにいる?ジロンとミストはどうなった?」
「うむ、私もそれを話すために君達を追って来たのだ。あのジロンという若者……残念だ」
「……貴様がやったのか!?」
「ま、待て違う!証拠ならある!」

そう言ってイスペイルが送ってきたのは、ジロンとミストが闘う姿だった。
激しく口論し、ミストが一方的に話を終わらせて剣を構え突撃していく……そこで映像は途切れた。

「済まん、私にはどうする事も出来なかった。ジロン君が稼いでくれた時間に離脱するだけで精いっぱいだったのだ……」

カナードは唸った。
映像は加工されたものではないかと思ったが、この短時間にできるものでもないだろう。
何よりミストの様子は尋常ではなかった。おそらくはこの映像は事実だろう。

「……おい、貴様。あのミストとかいう奴のことを詳しく教えろ」

カナードはイスペイルに、さきほど暴れ回っていたミストのことを尋ねた。
ミストについてはカナードもシリウスも何も知らない。
ミストが一方的にイスペイルを攻撃したため、あの場の人間関係を正しく把握できていなかったのだ。
結果的にミストはカナードにも襲いかかってきた。
イスペイルは外見こそ明らかに人間ではなかったが、ミストよりは話が通じる相手だと思いカナードは聞くことにしたのだ。

「う、うむ。奴の名はミスト・レックスといってな……どういう人間かはお前達も見た通りだ。
 暴力と破壊の権化、歯向かう者は女子供であろうと一人残らず殺す悪魔のような男だ」

カナードの言葉にイスペイルは心の中で大きくガッツポーズを取った。

(これはチャンスだ……!ミスト・レックス、私のために汚名を被ってもらうぞ!)

「それだけではない、奴は人を欺くことにかけても天才的だ。人のいいフリをして近づいてきて、油断させて裏切る。
 ケガをしていた奴を助けたばかりに、私の故郷は滅ぼされたのだ……!」
「故郷を……?奴の言っていた事と同じだな」
「そうだ、奴は自らがしでかしたことをあたかも私がやったように見せかけている!
 あのジロンという青年もそれに騙されたのだろう……!」
「なんと卑劣な!品性のかけらもない…!」

疑っているカナードとは別に、シリウスが呟いた。

「し、信じてくれるのか?こう言ってはなんだが、私は人間ではないのだぞ?」
「……人間の中にも醜い者はいる。この場に呼ばれた以上、人間であろうとなかろうと立場は同じだ。
 ならば私はその者の素姓ではなく行いで見極めよう。イスペイル、あなたは理性的に対話を求めていた。
 だが奴は止めようとした仲間の声も聞かず、あまつさえその手にかけた。もはやどちらが正しいかなど明白……!」

ミストはジロンをその手で殺したのは紛れもない事実だ。
もしイスペイルの言うことが嘘でミストが正しいのなら、ジロンを殺す必要などどこにもなかった。
その上ミストはカナードにまで攻撃を仕掛けてきた。
カナードとしてもミストが危険な存在であることは間違いなかった。

「……お前らの事情などどうでもいいが、奴は危険だ。もし他の参加者が奴に遭遇すれば……」
「間違いなく殺されるな。いや、もしかするとそれだけではすまんかもしれん。
 私や君達のことを戦いに乗った危険人物として宣伝し、扇動することも考えられる」
「くっ……!私に力があれば、あんな卑怯者を今すぐにでも止めに行くものを!」

カナードもシリウスも、本心はどうあれミストを倒すという方向に傾いている。
イスペイルはにやりと笑う。
ジョーカーとはいえ戦い方までは指示されていない。どうやろうとイスペイルの自由だ。

「カナード、そしてシリウスといったな。頼む、私に力を貸してくれ!ミスト・レックスを倒し、シャドウミラーを打倒するために!」

まずはミストを巨大な悪として設定し仲間を集める。
集団でミストを倒してまずは一人、別の誰かに襲われればそいつで二人目。
うまくいかなかったとしても仲間を裏切ればすぐに二人だ。
だが今カナードとシリウスを切り捨てるわけにはいかない。

(レーベン・ゲネラールのように狂った異常者もいる。私自身の安全を確保する力も必要だ。
 強力な機体が見つかればいいが、それまでは仲間を活用するべきだ)

「殺し合いに乗る気はない、ということか?」
「もちろんだ!ミスト・レックスと同じ道を選ぶ気はない!それに私はこう見えても科学者だ、機体の改造などに役立てる!」

言いながらイスペイルは必死に首輪をアピールする。
今はまだ掴んだ情報を開示する気はないが首輪を解除できるというのは相当なアドバンテージだ。
カナードは首輪を解除できる可能性を考え、ひとまずはイスペイルと同行しようとシリウスに告げた。

「カナード、私に異論はない。彼は信用できるだろう」

ミストへの怒りに燃えるシリウスは言った。


【お前が――人間でないからか?】


シリウスが思い出すのはウンブラから放たれた一言だ。
右腕にある紅い翅の事を考えたシリウスは、自分は人間ではないと言ったイスペイルに僅かな共感をもった。
故郷を滅ぼされた人間でないイスペイルは、シリウスに取って他人とは思えないのだ。
カナードに対しては雪原から移動させてくれた恩もあるし、アポロという共通の敵がいる。
ウンブラの言葉はまだ忘れられないものの、アポロとミストという敵が現れた今その影響は僅かに抑えられていた。

「信用できるかは分からんが、技術者は必要だ。とりあえずはG-7の基地で体勢を整えるぞ」
「そうだな。君と私の機体は補給しなければまともに戦えん。
 このヴァルシオーネのデータベースからミスト・レックスの乗っていた機体の解析もできるだろう」

ヴァルシオーネRのデータには兄弟機であるヴァルシオン改のことも記録されていた。
カナードとイスペイルの声を聞きながらシリウスは、強大な力におぼれ破壊の限りを尽くすアポロとミスト・レックスを必ず打倒すると誓った。

「イスペイル、カナード。ミスト・レックスを倒した後でいい、私の用件につきあってはもらえないか?」
「アポロのことか?」
「そうだ。奴が勝手に暴れ回っているならば私がこの手で止めねばならん」

アポロを倒すことで自分こそが本当の太陽の翼であると証明するのだ。
幸いこの場にはそれを止める者はいない。アポロを殺しても妹に知られることはない……
どす黒い感情を隠し、シリウスは言った。

「俺もアポロって奴には用がある。ついてくるなら勝手にしろ」
「済まない。私にも機体があれば力になるのだが……」
「基地に行けば何かしらあるかもしれん。私もそのアポロを倒すのに協力しよう」

ミストとアポロ、ちょうどノルマの二人だ。イスペイルは都合のいい展開に笑いだしそうだった。

「基地に着くまで多少時間がかかるな。おそらく移動中に放送時間になるだろう」
「やっと8時間か、まだ8時間か……面倒なことになりそうだ」

カナードが苛立った声で呟いた。



【カナード・パルス 搭乗機体:ガンダムXディバイダー(機動新世紀ガンダムX)
 パイロット状況:良好
 機体状況:EN消費(大)、ハイパービームサーベル所持、ビームソード一本破損
 現在位置:E-7海
 第1行動方針:G-7の基地に行って補給する
 第2行動方針:ガトーを倒す。アポロを叩きのめしダンクーガを奪い返す。
 第3行動方針:シャドウミラー打倒の方法を探す
 最終行動方針:ヴィンデル及びシャドウミラーを徹底的に叩き潰す】


【シリウス 搭乗機体:パワーライザー(マシンロボ クロノスの大逆襲)
 パイロット状態:良好のつもり。自分以外を基本的に信じていない。人間ではないイスペイルには少し共感している。
 機体状態:良好 シシオウブレードを所持していたようです
 現在位置:E-7海
 参戦時期:原作開始直後くらい。
 第一行動方針:アポロとミストを倒す
 最終行動方針:もとの世界に帰り、堕天翔を倒す。
 備考1:高速振動とパワーライザーを組み合わせて小規模の衝撃波を出すことに成功。 
 備考2:首輪解除の可能性には気づいていません。】


【イスペイル 搭乗機体:ヴァルシオーネR(魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL)】
パイロット状況:疲労
機体状況:両腕に損傷 EN10% ディバイン・アームなし
現在位置:E-7海
第一行動方針:まずは生存する為にノルマ(ノーマル、アナザー、どちらでも可)を果たす
第二行動方針:出来れば乗り換える機体が欲しい
第三行動方針:ミストを危険人物として情報を広める
最終行動目標:自身の生還
備考:首輪の爆破解除条件(アナザー)に気付きました


【1日目 13:30】



「う、うう……?」

誰もいなくなった市街地で、雪原に横たわっていたミストは目覚めた。
破壊しつくされた町並みの中、ぽつんと立つヴァルシオン改の他に動く者はいない。

「俺は……また、暴走したのか……?……そうだ、イスペイルは……!?」

意識を失う直前まで戦っていた、故郷を滅ぼした仇のことを思い出してミストの意識は覚醒した。
だがもうイスペイルはどこにもいなかった。

「逃がしたのか、くそっ!アトリームのみんなの仇をうつチャンスだったのに……!」

イスペイル以外にも途中で乱入してきたものがいた。
あの背中にX字のバーニア・スラスターを背負った機体だ。
おぼろげながらあの機体はミストに攻撃を仕掛けてきた気がする。イスペイルの仲間だったのかもしれない。
それにジロンがいて……

「そうだ、ジロンさん!ジロンさんは!?」

やっとジロンのことを思い出したミストは周囲を必死に探す。
すぐにジンバは見つかった―――イスペイルが乗っていた機体の剣に串刺しになったジンバが。

「あ、ああ……!?ジロンさん!」

ヴァルシオン改に戻って、ジンバに刺さった剣を抜いてコックピットをこじ開ける。
カメラが写したのは丸々としたジロンの体ではなく、ケチャップをぶちまけたような真っ赤な光景だった。

「う……!そんな、ジロンさん……!?」

ミストはヴァルシオン改から転がり出て、地面に思い切り吐いた。
死人を見るのは初めてではないが、原形をとどめないほどにばらばらになった死体を見るのは初めてだったのだ。
胃の中身を全部吐いたミストは顔を上げた。
その目は涙に濡れ、充血し赤く染まっていた。

「イスペイル……!お前が、お前がやったのか!また俺から仲間を奪ったのか、イスペイル!」

血を吐くようにミストは叫んだ。
ミストの考えはこうだ。
イスペイルを攻撃したミストはヴァルシオン改のシステムによりまた暴走したのだろう。
ミストを守るためにジロンはイスペイルの仲間と戦った。
その内ミストは意識を失い、ジロン一人にイスペイルと仲間が襲いかかった。
そしてジロンは殺されて、イスペイルはミストを見下すためにわざわざとどめを刺さず剣も置いていったのだ。
ミストが覚えているのは殺したいほどに憎んでいるイスペイルの姿だけだ。だからこの想像はミストとしては極めて合理的なものだった。

もちろん事実は違った。
あくまでミストを止めようとしたジロンは、ヴァルシオン改から降ろせばミストはまともになると思って『窃盗』でミストを無理やり外に出したのだ。
ゲイム・システムから強引に切り離されたミストは反作用で気を失い、また戦闘の記憶も大分失ってしまった。
だがヴァルシオン改は止まらなかった。50メートルを越える巨体の勢いはジンバのフォトンマットを突き破ったのだ。
そして、ディバイン・アームはジンバのコックピットを直撃した。
中にいたジロンもろとも。

それを見ていたイスペイルはこの隙に逃げだしたのだ。
ミストが追ってこなかったのはジロンを殺してしまって呆然としていたからだろうとイスペイルは思っていた。
単にミストが気絶していただけだったが。

「許さない……許さないぞイスペイル!」

怒りに支配されたミストの頭にはもうクルーゼを待つという考えは浮かばなかった。
どこへ向かったかもわからないイスペイルを追うためにヴァルシオン改が立ち上がる。
その手にはジロンを殺害したヴァルシオーネのディバイン・アームと、ジロンが持っていた∀ガンダムのガンダムハンマーがあった。
他の装備は完全に破壊されていて使えそうなのはこれだけだったのだ。

「俺がこの剣とハンマーでジロンさんの仇を取る……!覚悟しろイスペイル!うおおおおおおっ!」

こうしてミスト・レックスの、地球を守るためではない憎しみの復讐が始まった。
それが勘違いだということを教える者はだれもいなかった。





【ジロン・アモス 搭乗機体:ジンバ(大破) 死亡】


【ミスト・レックス 搭乗機体:ヴァルシオン改@スーパーロボット大戦OGシリーズ
 パイロット状況:イスペイルへの怒り
 機体状況:前面部装甲破損 エネルギー消耗(中) 核弾頭秘蔵 ガンダムハンマーとヴァルシオーネRのディバイン・アームを装備 エナジードレイン消費
 現在位置:
 第1行動方針:イスペイルを追いかけてジロンの仇を取る(どこへ向かうかは未定です)
 第2行動方針:戦いに乗った危険人物、イスペイルは倒す
 最終行動方針:シャドウミラーを倒す】
 ※ゲイムシステムは、戦闘が終了すると停止します。一定時間戦闘していると再び発動。
 ※ヴァルシオン改の内部に核弾頭がセットされました。クルーゼの遠隔操作でいつでも起爆できます。


【1日目 13:15】


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最終更新:2010年04月13日 16:09