「高見神社、紫阿童子祭事」
高見神社に古くより伝わる祭事、及び神事。
紫阿童子の伝承を元に、毎年9月頃行われる。
高杜市の以前の名である「
紫阿杜市」の語源が、この紫阿童子の名から来ていることから、
この物語が市全体の伝承の中心にあることがわかる。
昔々、今でいう高見山にそびえ立つある城に、一人の姫様がいた。名を椿姫といい、たいそう我侭な性格で家臣を困らせたそうだ。
ある日、椿姫は城内の生活に不満を抱いて、外の世界を見に行かんと宮殿を飛び出した。
慌てて家臣たちは、姫を引き戻さねばならんとして、町の若者達を雇って捜索に出す。
椿姫は空腹によって行き倒れてしまうが、とても貧相な家の少年、紫阿童子に助けてもらう。
何一つ不自由なく暮らしていた椿姫にとって、価値観の違う紫阿童子との出会いは新鮮であり衝撃だった。
しかし、椿姫はその我儘な性格ゆえに紫阿童子に冷たく当たってしまう。
結局、助けてもらったお礼もせずに紫阿童子の家を抜けだした椿姫。そこに、家臣が送り出した若者衆が現れる。
これで冒険も終わりかと思った椿姫、しかし若者の中には人間に化けた魔物が混じっていた。椿姫は襲われてしまう。
窮地の椿姫を再び助け出したのは、姫が冷たく当たっていたはずの紫阿童子だった。
見事に魔物を蹴散らした紫阿童子の果敢な姿と、一度ならず二度までも救われたという恩義から、
椿姫は自らの我儘を反省し、心を入れ替える決心をした。
椿姫を守り通した紫阿童子を、殿様は誉め、家臣は称え、ついに紫阿童子は椿姫の婿として迎えられる。
勇敢な紫阿童子と心優しくなった椿姫に見守られ、以降高見山周辺は繁栄と平和が永く続いたそうだ。
この祭事は、高杜市内の小学校の6年生を中心に、地元の人々の協力の下行われている。
祭事の構成は、伝承に伝わる劇と演舞の二部。それぞれ参加者は毎年各校各クラスごとに男女数名を募って決められる。
劇は紫阿童子の伝承をなぞるもの。演舞は魔物と紫阿童子の戦いと紫阿童子と椿姫の婚姻の儀の2つの場面を模したもの。
なかなか厳かな儀式であるので、劇や演舞の練習期間も長く取られている。
特に主役の二役は劇と演舞の両方に参加するために、大変な苦労が付きまとう。
その割に、椿姫と紫阿童子の役は非常に人気が高い。どちらかを演じた人には、
その年1年のあいだ幸運が訪れて離れることがないとして、児童たちの間で噂になっているそうな。
地元住人としては、高杜市の未来を担う子供達と触れ合う機会であるとして、非常に好印象。
ちなみに、毎年
高杜学園の
学園長がなぜか子供達の中に混じって見学しているという話があるとかないとか。
(初代スレ>>307より引用。>>307は修正後のもので、修正前の原案は→>>
301)
最終更新:2008年09月09日 21:50